へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

特別な特急で会津まで、その2:「青春18きっぷ」で帰る名古屋。

さて、会津若松まで来た以上はここから名古屋に帰るわけですが…。

朝6時前にホテル出発。今日は「青春18きっぷ」1日分を使って帰ります。

 

普通に考えると会津若松から戻るなら磐越西線で郡山に出て東北線東海道線と乗り継いで行くんでしょうけど、それだとなんだか面白くない。調べてみたら始発で出れば只見線経由でも帰れちゃうじゃありませんか。

 

発車15分前くらいには小出行きが入線済みでしたが、早朝だというのにこの時間で既に車内はほぼ満席。なんとか空き席を見つけることはできましたが…。全線運行再開からもう1年半以上経過し、何度か乗りましたけど、なんか「いつも混んでる」印象です。こんなに人気なら1両単行じゃなくて増結すればいいのに。

 

今日は快晴。会津磐梯山が綺麗に見えてます。

 

会津柳津を過ぎると、只見線は山あいに入っていきます。

 

このあたりたから只見までの間は景勝スポットは減速して通過してくれました。只見線で最も有名な風景の一つともいえる第一只見川橋梁をゆっくり通過。ただ、ここは外から見る方がよく知られており、今ではその風景が見られる展望台とかもあるらしいですね。

 

第二只見川橋梁。川面に橋の上を走る列車の影が映ってました。

 

会津宮下で対向列車行き違いのため10分ほど停車します。

 

駅前には「テレサ・テン歌姫音路」なんて看板がありました。あの台湾出身で「アジアの歌姫」とまで称されたテレサ・テンが1977年に新曲のキャンペーンの一環としてここ三島町を訪れたことがある、という案内。ちゃんと中国繁体字も併記されてるのね。

 

駅舎内には「どこから来ましたか?」と訪問者にシールを貼ってもらう看板があったのですが、テレサ・テン繋がりなのか台湾からの訪日客がかなり来ていてちょっと吃驚です。タイとか香港とかからも来てるんだ…。ホント、今のインバウンドっていろんなとこに来てるのな。

 

宮下ダムの脇を通過。

 

会津川口に到着。ここでも10分ほどの停車時間がありました。

 

第六只見川橋梁を通過する際に見えるのは本名ダム。

 

標高があがってきたせいか、窓からはかなり雪が残っている様子が見えてきます。

 

会津若松から3時間、只見まで辿り着きました。ここでは25分ほど停車。

 

駅前の観光案内所は既に営業を始めており、併設のショップも開いてました。

 

只見線はここから県境を越えて新潟県に入っていきます。只見の次の新潟県に入って最初の駅となる大白川までは30分ほど走りっぱなし。

 

会津若松から4時間半、やっと終点の小出に到着です。

 

今回初めて気がついたのですが、小出駅の看板って渡辺謙の書のよるものなのね。この辺のご出身だそうな。

 

小出からは上越線の上り列車に乗って六日町まで移動。

 

ここは北越急行ほくほく線の分岐駅。

 

駅前には図書館を併設した商業施設があり、かなり大きめのスーパーも入ってました。意外と大きな街みたいですね、ここ。

 

ほくほく線の各駅停車で十日町を目指します。1両の電車ってなんか斬新。

 

ほくほく線は首都圏と北陸とのショートカット路線として建設された側面もあるため、トンネルで真っ直ぐ貫くようなルートになっています。トンネルの中に駅があったりするのも特徴。

 

北陸新幹線が金沢まで到達する2015年までは、ここを最高時速160kmで特急がかっ飛ばしてたワケです。線路もローカル線とは思えない立派さです。

 

十日町に到着。小出からは越後川口に出るルートでも同じくらいの時間でここまで来れたのですが、そちらのルートだと越後川口から十日町までは「越乃Shu*Kura」に乗ることになります。いまJR東日本の「のってたのしい列車」の指定券は840円に値上がりしているため、30分ほどしか乗らないのにそんなに払うのもなぁ…とほくほく線ルートを選んだわけです。こちらも「青春18きっぷ」利用ならほ別途支払いですが400円で済みますし、「鉄印」も買えるからね。

 

お昼ご飯は駅前の「志天」へ。

 

基本的には天ぷら屋さんのようで、ご主人が黙々とカウンターで天麩羅を揚げていました。蕎麦とかき揚げ丼のセットを頂きましたが、揚げ立ての天麩羅は旨いね。

 

十日町からは飯山線を通って長野まで行く「おいこっと」乗車。

 

これも「のってたのしい列車」の一味ですが、こちらはベースとなったキハ110と座席配置はあまり変わらず、ボックスシートロングシートで構成。ロングシートがソファ風になってたり大型テーブルが設置されたりはしていますが…。ただコンセプトは「田舎のおばあちゃんち」だそうなので、これはこれでアリなのかも。

 

飯山線信濃川千曲川に沿って伸びており、只見線ほど山岳路線という感じはありません。

 

「おいこっと」には車内販売も乗っています。乗車記念として和紙のしおりを頂きました。

 

スジャータのバニラアイスも売ってましたが、買ってみたら「スゴイカタイアイス」でした。20分くらい放置して喰ったけど。

 

北陸新幹線との接続駅となる飯山では30分以上停車します。

 

駅構内にある、毎時正時に動くからくり時計も見れるタイミングです。

 

JR線としての飯山線は豊野まで、長野までの間はしなの鉄道区間となるので「青春18きっぷ」で乗っていると、車内検札で運賃は別途徴収されます。長野では4分の接続で篠ノ井線へ乗り換えますが、次の列車は隣のホームに停まっていました。3月のダイヤ改正までは別のホームだったらしいです。中央東線は211系がメインですが、この編成はクロスシート車でした。運用が決まっていないようなので、ロングかクロスかは運次第、なんです。

 

甲府行きの普通列車なので、スイッチバック姨捨にも停車します。

 

本線では長野行きの特急「しなの」が通過していきます。

 

松本で下車。ここで次の列車まで1時間ほど空きが出ます。

 

ちょっと早いですが、ここで晩ご飯にします。駅ビル内の「松本からあげセンター」へ行ってみました。

 

松本のご当地グルメとして有名なもののひとつに「山賊焼き」がありますが、ここはその山賊焼きで結構評価の高めのお店。夕方なので居酒屋的に使ってる人が大半でしたが、山賊焼きやから揚げの定食もオーダーできます。山賊焼きはハーフサイズの定食にしたんですが、それでも結構なボリューム。

 

松本では中津川行き普通列車に。「青春18きっぷ」シーズンの中央西線普通列車は2両編成ということもあっていつも混んでる印象があったのですが、この日は終点までかなり空いていました。

 

中津川では名古屋行き普通列車に乗り換え。この区間はすっかり新型の315系への取り替えが完了しているようです。新しいのはいいけどロングシートしかないのはちょっとねぇ…。

特別な特急で会津まで、その1:やっと乗れたぞ、スペーシアX。

2023年7月に運行を開始した東武の新型特急「スペーシアX」。バブル経済真っ只中の1990年にデビューした「スペーシア」はJRグリーン車並みのゆったりしたシートに金メッキの目立つゴージャス感溢れる内装など「豪華」でしたが、その後継で新しい東武特急のフラッグシップとなる「スペーシアX」もなかなかのものの様子。既に登場から半年以上が経過していますが、上級クラスを中心に予約が取りにくい状況が続いています。そんな中、目玉グレードの一つと言える「コックピットラウンジ」の座席が取れてしまったので、初乗車と相成りました。

 

週末は仕事で東京に出ていたので、そのままお出かけ。土曜の午前中はこの週末で会期終了となる東京都美術館印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」へ行ってみました。アメリカはマサチューセッツ州第2の都市であるウスターの「ウスター美術館」所蔵の欧州の印象派絵画と、その影響を受けたアメリカの印象派絵画を中心にした展示内容。

 

続いてお近くの東京藝術大学大学美術館で開催中だった「大吉原展」へ。女性の性的搾取を肯定しているとか云々で開幕前に炎上騒ぎになった展覧会です。その中身ですが、壮大なボリュームかつ非常に真面目。個人的には、どんな物事にも陰と陽があるわけで、そのどちらも目を瞑ることなく直視することから始めるべきだし、「生産業」という陰の場所だからと行って蓋をしたり無かったことにするほうが不誠実なんじゃないのかしら、という気がしましたね。だって現実に性的搾取の場所であると同時に文化の花咲いた場所なんだから。「吉原って何?」をちゃんと知るためには必見、お勧めです。

 

で、東武浅草駅までやって来ました。

 

予約が取れたのは鬼怒川温泉行きの「スペーシアX」。今のところ、浅草からは東武日光行きと鬼怒川温泉行きが運行されています。

 

特急ホームにはちょっと近未来的なフォルムの列車が既に入線済み。

 

1号車のコックピットラウンジへ乗り込みます。

 

このコックピットラウンジ、まるでホテルのロビーのような内装です。日本最古のリゾートホテルと言われる「日光金谷ホテル」などをモチーフにしたデザインだそうで…。フリースペースではなく「指定席」としてこんなリビングみたいなソファを備える定期列車なんて、なかなかないんじゃないかしら。

 

1号車は東武日光鬼怒川温泉行きでは先頭になりますが、運転席との仕切りは大きなガラス窓になっており前面展望が楽しめます。これも最近の特急車両には珍しくなってきた仕様ですね。

 

家族やカップルで談笑しながら楽しむ感じのエリアって感じなんですが、ぼっちにも優しいのが嬉しいところ。運転席のすぐ後ろに一人掛けのソファ席が2名分あるんですよ。

 

ここに座ると前面展望が思う存分楽しめちゃいます。隅田川岸にちょうど満開の時期を迎えた桜を眺めながら、東武浅草を定刻に発車。

 

デーブルにはバインダーが設置されており、カフェの利用方法やメニューの案内が入っています。コックピットラウンジ内にはカフェカウンターがあるのですが、1号車の乗客はバインダーに挟まれた利用カードを提示すればいつでもカフェでのお買い物ができます。ところが、2号車から5号車までのプレミアムシートとスタンダードシートの旅客は乗車後に春日部発車後から始まるウェブ予約をしないとカフェに来ることができない仕組み。今年3月のダイヤ改正までは個室の並ぶ6号車の乗客ですら予約が必要だったんですよ…今は6号車利用者も利用カードが貰えていつでも利用可となりましたが、1号車には購入物を飲食するスペースはないので座席まで持ち帰る必要が。1号車から6号車まで持って変える必要があるのってキツいよねぇ。なお、料金としてはコックピットラウンジよりもプレミアムシートの方が高いので、安い方が優先されてるような感じになってます。

 

カフェカウンターはこちら。このあたりの佇まいも高級ホテルっぽい。

 

カフェのメニューとしてはスペーシアXオリジナルを含むクラフトビールがウリといった印象です。

 

そういうわけで一杯。宇都宮LRT開業記念として作られた「LIGHT LINE SESSION IPA」、名前だけじゃなくアルコール度数も3.8%とライト、という面白いビールでした。

 

フード系としてはおつまみやお菓子などがメインで「食事」になるようなものはありません。ただ沿線の地のモノを揃えるなどラインアップには拘っている様子。酒粕ジェラートとか頂いてみました。

 

快適すぎてあっという間に下今市まで来ちゃったよ。

 

ここから先の鬼怒川線は単線で、意外にもローカル線の風情が漂う区間

 

途中で「SL大樹」と交換しました。

 

浅草から2時間、終点の鬼怒川温泉に着いてしまいました。いやぁコレ、凄くいいですわ…。乗るなら絶対「コクピットラウンジ」がお勧めです。他の座席や個室は他の列車にも無いわけじゃありませんが、この「ホテルのロビーみたいなのが動いてる」不思議な感じはスペーシアXでしか体験できないもの。

 

さて、他の車両も見てみます。こちらは1号車の4名用コンパートメント。

 

スペーシアXの「看板」的な存在は、やっぱりこの6号車の「コックピットスイート」でしょう。最大7名までが入れる個室ですが、どこかの企業の来客用応接室みたいな感じでしょ? 運転席の背後になるので、前面展望もバッチリです。ただ1室しかないので、予約が全然取れないけど。

 

5号車の一部に設置されているボックスシートは2名用。

 

2号車のプレミアムシートは横3列。リクライニングしても後列の人が気にならないバックシェル付きの構造ですが、ちょっと近鉄「ひのとり」のシートをグレードアップしたみたいな感じですかね。

 

3号車から5号車までがレギュラーシート、一番一般的なグレードですね。

 

隣のホームには「SL大樹」の客車が停まってました。これもすっかり、東武の日光や鬼怒川ではすっかりお馴染みになった感ありますなぁ。

 

このまま鬼怒川温泉とかに泊まっちゃおうと思ったのですが、なんか空いてる宿がどこもイマイチ。そこで、この先を進むことにします。新藤原行きの普通列車に乗り継ぎ。

 

新藤原からは会津田島行きの「リバティ会津」に。特急列車ですが、野岩鉄道区間では乗車券だけで利用OK。座席指定はできず空席に座ることになるのですが、この区間で満席、なんてのは多くなさそうだしね。

 

会津田島ではすぐの接続で、会津鉄道会津若松行きに乗り換えです。

 

会津若松に到着したのは夜7時前。鬼怒川温泉からは2時間半程度で来れちゃいましたが、実は首都圏と会津との間を結ぶルートとしちゃ便利ではあるわけで。

 

今日の移動はここまで。「駅前フジグランドホテル」に投宿します。名前の通り、合図若松の駅のすぐそば。

 

いかにも日本のビジホ、といった風情のシングルルーム。リニューアルもしっかり行われているようで綺麗です。

 

このホテルの嬉しい特典は、すぐ近くの日帰り温泉の入浴券が貰えること。タオルも貸して貰えるので、手ぶらで行けるのも嬉しい。

 

さっそく温泉を楽しみに出かけました。露天風呂などもあるし、屋外の休憩エリアもあったりしてのんびりできます。

 

温泉のフロントで「お食事されますか?」と聞かれ「します」と答えるとレストランのサービス券が貰えました。発泡酒ですがジョッキ1杯かソフトドリンク、ソフトクリームから選んでタダで提供というものなので、夕食はここにしました。

 

このから揚げと…。

 

ハムカツに…。

 

餃子の3品で1000円と、なかなかお値打ち。

 

〆は喜多方ラーメンで。

 

結局3時間近く長居しちゃいました。

なんだここは。ザ・ヒロサワ・シティ「ユメノバ」訪問記。

凄すぎた。

 

JR水戸線下館駅にやってきました。今日はここからバスで「ザ・ヒロサワ・シティ」に今年2月オープンした「ユメノバ」を目指します。

 

駅前の大きなビルには「筑西市役所」の表示。随分立派ですが、以前は「サティ」だったビルで、商業テナントの撤退に伴い市がフロアを借り上げて市役所を移転させたもののようです。

 

駅を出て右手に進むとバス停があります。

 

筑西市道の駅循環バス」に乗車します。

 

「ザ・ヒロサワ・シティ」までは駅から5kmほどで真っ直ぐタクシーなどで行けば10分もかかりませんが、このバスは道の駅「グランテラス筑西」を経由するルートなので20分ほどかかります。「グランテラス筑西」、なんと北海道のコンビニ「セイコーマート」がありました! 確かに本州も茨城と埼玉に店舗があるとは聞いてたけど…。

 

で、「廣澤美術館」のバス停で下車します。「ザ・ヒロサワ・シティ」はゴルフ場やBBQ場など様々な施設が集まった広大な施設ですが、その入口にあたるような場所にあるのがこの「廣澤美術館」です。

 

ここから5分ほど、もう少し先の方まで歩いて行くと…。

 

「ユメノバ」の入口がありました。

 

入場料は2500円、結構なお値段です。

 

「ユメノバ」の全体はこんな感じ。もともと「レールパーク」として保存車両があったり、クラッシックカーが展示されたりしていたようなのですが、国立科学博物館と共同で航空博物館を建設することとなり、そのオープンに合わせてエリア全体を「ユメノバ」としてリニューアルした、という感じのようです。

 

エントランスから時計回りに進んでいくと、まずはグライダーと模型飛行機を展示している建物がありました。

 

その先が「レールパーク」。寝台特急北斗星」のヘッドマークをつけた機関車EF81にSLのD51、新幹線の系が並んでいます。

 

ここの目玉はなんといってもこの「北斗星」じゃないでしょうか。機関車のほか、客車が4両保存されています。

 

EF81は機器類を全て撤去されており、車内に入れるように扉が新設。

 

内部には寝台列車ヘッドマークなどが展示されていました。

 

続いて繋がっている客車の1両目は「オロハネ24」、2名用個室B寝台「デュエット」と個室A寝台「ロイヤル」の合造車でした。こちらは「デュエット」車内。個室内まで自由に立ち入って見学が可能です。

 

そしてこちらが寝台特急北斗星」では最上級のグレードに位置づけられていた個室A寝台「ロイヤル」です。基本的には1名用ですが、追加料金を払えばダブルベッドサイズとして2名で使うこともできました。青函トンネルが開通して札幌まで直通の寝台特急を走らせるにあたり「何かシンボル的なものを」ということで用意されたそうですが、寝台料金だけで2万円近い設定だったので「どうせ誰も乗らないだろ」と思われてたんだとか。それが実際に運行を開始してみると大人気で、なかなか予約が取れない状況に。実際、自分もここに乗れたのは2、3回くらいしかありません。この「ロイヤル」、乗車時にはワインなどのウェルカムドリンク、翌朝にはコーヒーのサービスもあったりしたんですよ。

 

そして個室にはトイレとシャワールームもついてました。

 

次に繋がるのは食堂車「スシ24」。「北斗星」ではディナーは予約制が基本で、和食か洋食コースが提供されていました。ディナータイムが終わると予約なしで使える「パブタイム」となり、この時間帯でもハンバーグやビーフシチューなどの食事も用意。ただ、「北斗星」廃止前の時期は食堂車も大人気でパブタイム営業時間内に入れない、なんてこともあったなぁ、と。なお朝食は予約なしで利用できました。

 

客席だけでなく厨房も入り放題。ここで調理してたのね。

 

続いて「オハ25」、ロビーカーです。1両まるごと、誰でも使えるフリースペースとして解放されていました。ロビーカー自体は「北斗星」運行開始前、東京から九州方面へのブルートレインへの連結で既にサービスは始まっていたもの。シャワールームも2室設置され、車掌から「シャワーカード」を購入すると利用することができました。

 

最後尾は「オハネフ25」、一般的な開放式B寝台車です。

 

2段寝台が向かい合わせに並んでいます。寝具などもちゃんと用意されていて今にも実際に走り出しそうですが、パンフレットには「10名以上の貸切で宿泊利用が可能」との記載がありました。ただ受付で聞いてみたら宿泊利用はまだ受け付けておらず、開始時期や値段なども未定とのこと。もし宿泊可能になったら、あの「ロイヤル」とかで一晩過ごせちゃうのか…と思うと楽しみですが。

 

そのほかの保存車両としては、鹿島臨海鉄道で「マリンライナーはまなす」として運転されていた車両もあります。

 

リゾート列車としてリクライニングシートが並んでいた筈の車内は座席が撤去され、鉄道関係の遊具が設置されていました。ただ運転席後ろのラウンジエリアのソファは現役当時のままのようです。

 

こちらは関東鉄道で使われていたキハ101。車内見学は不可でしたが、イベントスペース的に使われているような感じでした。

 

JR東日本の東北・上越新幹線E2系先頭車は車内見学OK。

 

D51は千葉の個人宅から譲渡を受けたものだそうです。

 

車両展示エリアの近くには「鉄道資料館」があり、こちらも割とマニアックなものが色々展示されています。

 

「鉄道きっぷ館」なるものも。記念切符などのコレクションが展示されていました。

 

そして今回オープンした施設が「科博廣澤航空博物館」です。国立科学博物館と共同で、航空関係の展示を行う博物館。

 

館内は意外と広く、床面には滑走路を模した装飾が。

 

ここでの見どころは戦後日本初の国産旅客機「YS-11」の量産1号機です。国立科学博物館が所蔵していましたが、永らく羽田のハンガーで保管され一般公開がなかったものを、こちらに移設しました。

 

この「シコルスキーS-58」ヘリコプターは南極観測船「宗谷」に搭載されていたもの。

 

ほかにも零戦などが展示。おそらく科博の所蔵品で展示機会がなかったものをいろいろと持ってきているんでしょうな。

 

休憩用といった感じで置かれている椅子、コレって昔のJALビジネスクラスの座席だよね?

 

他にも色々あるので、ここからは駆け足で。「宇宙館」は日本の宇宙開発黎明期の実験用ロケットなどが展示されているのですが、かなり貴重品じゃないですかね、もしかしたら。糸川教授のペンシルロケットに関する詳しい説明とかあって、かなりマジです。

 

こちらは「ヘリコプター・ソーラーカー館」。

 

「クラシックバイク博物館」は古いバイクがぎっしり。

 

いきなり救急車が登場、これも展示品です。

 

「消防衣装館」。スタッフがいれば試着できそうなものも置かれてましたけど、どうなんだろ。

 

その奥にあるのが「消防自動車博物館」です。主に日本の消防車ですが、よくこれだけ集めたな、というボリューム。

 

どうもこれは元自衛官の鈴木靖幸さんという方のコレクションで、以前は千葉の方で展示されていたものの災害で施設が被災。新たな受け入れ先としてこちらで再オープンとなった、というような経緯らしいです。

 

「ミニカー館」というのもあって、消防車のミニカーが膨大に並んでいたんですが、これも鈴木コレクションの模様。

 

そして「クラシックカー博物館」。もうお腹いっぱいだよ…どんだけ展示品あるんだよ…。

 

「船の博物館」は池にクルーザー3隻と屋形船1隻が浮かんでいました。ここだけ、ちょっと謎な感じ。

 

他の施設もなかなか油断ならず、「サボテン館」の中にも飛行機の展示があったりするのよ。

 

中央には遊具のある広場。「北斗星」を編成で眺められますが、ここに置かれているロケット、ホンモノじゃないよな?

 

食事ができるところとしては、麺類や丼物などが用意された食堂がありました。

 

駅弁も数量限定ですが売られており、「北斗星」食堂車の中で食べてもOK。今や「食堂車でご飯」なんて滅多にできませんから嬉しいですね。

 

3時間以上たっぷり観てまわって出てきたら、ヒロサワグループの広報館みたいなのがありました。

 

随分手広くビジネスをやってる様子。まぁそのくらいの資金力がないと、こんなヤバい施設は造れないよなぁ。

 

「ユメノバ」敷地外にもいろいろと。ここには段ボールのSLが展示されていました。

 

何故か「寺内タケシ記念館」なんてのもあります。ただ、毎月第2・第4日曜日のみの開館のようでこの日は閉館していましたけど。

 

蓄音機や古いカメラなどが並んでいる展示館。

 

「廣澤美術館」は隈研吾設計。中まで見る時間は今回はなかったわ…。

 

下館駅行きのバスに乗って戻ります。帰りはほぼ直行なので10分ちょっとで駅まで行けました。それしにても「なんだこれ」って施設でしたね…。オーナーの趣味で集めたモンから始まってるんでしょうが、科博の所蔵品とかも有効活用してみたりとか、とにかく、なんか規格外です。消防自動車のコレクションも見ごたえあったし、お高めの入場料は全然納得出来る感じでした。

道の駅のホテルに泊まって行く「大塚国際美術館」。

相変わらず凄いな。

 

鳴門の「大塚国際美術館」に行ってきました。土曜日の午後に名古屋を出てドライブ、淡路島の南端の福良にある「フェアフィールド・バイ・マリオット・兵庫淡路島福良」まで。今日はここで一泊します。

 

このホテルはマリオットと積水ハウスが立ち上げた地方創生事業「Trip Base 道の駅プロジェクト」でオープンしたホテルの一つです。このプロジェクトは各地の道の駅に隣接してホテルを作り、ホテル内には敢えて飲食施設は設けずホテル外で消費して貰うことで地域経済の活性化を図る、というもの。ここも近くに「道の駅 福良」があるのですが、残念ながらショップも飲食店も夕方までしか営業していないので夕食に使うというわけにはいきません。正直、コンセプトは素晴らしいんだけど地域がついてこれてない感がちょっと、ねぇ。

 

とりあえずチェックイン。マリオットのプラチナステータスが2月で終了したので今はゴールドですが、こちらは部屋のカテゴリーが一つしかないのでアップグレード等は元々存在せず、食事提供もないので朝食無料特典も関係ないので特に不都合もありません。ただレイトチェックアウトは14時まで用意してくれました。

 

フロントの近くには小さな販売コーナーがありました。近所には夜10時までやってるスーパーとセブンイレブン程度しかないので、こういうのはちょっと便利ですね。

 

1階のロビーフロア。コーヒーマシンが設置されており、いつでも自由にいただけます。この手のサービスには珍しくアイスコーヒーもあったりして。

 

フェアフィールド・バイ・マリオットではよく見る、洗面台とベッドルームが一体のレイアウトの部屋。窓際はソファが設置されています。

 

3階の部屋にアサインされましたが、窓からちょっとだけ海が見えました。ホテルの海側に大きめのマンションが建っているので、このマンションと重なる位置の部屋だと海は見えなさそうです。

 

夕食はホテルの外で。ホテルでも周辺の飲食店マップを貰えます。ただ、夜にやってるお店がそう多いわけでもない様子。海鮮が旨いと評判のお店がホテル近くにあり、予約の電話を入れたら「夜7時以降の予約は取ってないので、当日お越しください」との案内だったので行ってみたのですが「予約がないなら帰れ」と言わんばかりの勢いで「いつ空くか分からない、忙しくて空いて連絡も出来ない」と塩対応。まぁ地方の飲食店とかではありがちですが、「外で食事をする前提のホテル」が近くにあってこのあしらいかぁ、となかなか複雑な感じでした。で、もう一軒目星をつけていたのがここ「ジロ・デ・アワジ」、淡路牛がウリのお店だそうな。やっぱり近くに港があるロケーションだと皆さん魚介類を求めるのか、こちらは空いていてすぐに入店。

 

淡路牛のカルビ丼を頂きましたが、なかなかのハイクオリティでした。淡路牛はほどほどのかみ応えで旨味が濃いし、お店オリジナルのタレも美味。ご飯は足りなかったら「追いご飯」もオッケーだそうな。店主さんも親切で、むしろ前の店に追い出して貰ってラッキーだったかも。

 

翌朝は「うずの丘」で朝ご飯。「あわじ島バーガー 淡路島オニオンキッチン」へ立ち寄りました。

 

ご当地バーガーグランプリ」全国1位になったという「あわじ島オニオンビーフバーガー」にオニオンリングとドリンクのセットで。ただこの「あわじ島オニオンビーフバーガー」ってメインが玉ねぎのフライだったんだよね…。それにオニオンスライスや玉ねぎ入りのトマトソースが入り、少しビーフが入っているというような構成。これにオニオンリングを合わせちゃったもんだから「喰ってるモノの半分以上が玉ねぎ」みたいな感じになってしまったぞ。

 

その後は鳴門海峡大橋を渡って徳島県に突入、「大塚国際美術館」に到着です。駐車場は美術館から離れた場所にあり、美術館まではシャトルバスで移動。

 

チケットを購入し館内へ。前回は5年ほど前の訪問だったと思うのですが、こんなに混んでた記憶がない…。

 

エスカレーターを登りきって最初に辿り着くのは「システィーナホール」。イタリアはバチカン市国システィーナ礼拝堂の天井画を再現した空間です。実物は2018年末のイタリア旅行で見ましたが、アチラは撮影禁止の上に『会話禁止」なのに皆さん騒がしくお喋りに夢中…みたいな感じだったので、むしろコチラの方が落ち着いてじっくり見られるような気がしなくもないです。

 

ちなみに「大塚国際美術館」に展示されているものは全部「複写」で、ホンモノはありません。陶板に原寸大で焼き付けた複製画が古今東西1000点以上展示され、全て見て廻ると歩行距離は4km以上になるという壮大なものです。複製画とは言え精密に作られ迫力は充分ですし、なんせ「コレ知ってる」的な名画が次々登場。これも「フランダースの犬」を見ていた世代なら分かる「ネロが見たかった絵」、ルーベンスの「キリスト昇架」です。

 

ゴヤの「裸のマハ」「着衣のマハ」。これもマドリッドプラド美術館と同じく並んで飾られていました。

 

今回ちょっと凄いぞ、と思ったのがコレ。フェルメールの「音楽の稽古」が新たに展示作品に加わっていました。2019年のロンドン旅行でラッキーにも実物を鑑賞できていますが、なかなかお目にかかれない逸品なんです。

 

slips.hatenablog.com

 

この絵、イギリス王室所有、ってことになるんですよね。そんなところと交渉して複写の許可貰ったのか、と考えるとかなり貴重な品なんじゃないでしょうか、複写だけど。なお、ここで見られるフェルメールの作品は10点。全部で37しか作品がないとされているんだから、全部コンプリートしてくれるといいんだけどなぁ。「合奏」なんか1990年に盗難に遭ってから行方不明のまま。実際に戦災で失われたゴッホの「ひまわり」を再現してたりするので、こっちも美術館に残るデータとかで再現しくれませんかね?

 

展示は古代から現代まで時代を追って進むように順路が設定されており、最後は現代幻術。ピカソの「ゲルニカ」も実物大の大迫力で鑑賞できます。それにしても有名な絵画や芸術作品ばかりで、上質な霜降りカルビだけ食わされてるような気持ちだったよ…。

 

なお鑑賞時間を長めに取ったので昼食は館内のカフェでいただきました。この「最後の晩餐ランチ」、ビーフステーキに淡路鯛のソテーなどが盛り合わせになって1500円となかなかリーズナブル。お味はフツーでしたが、こういう場所にしてはお手頃かも。

北陸新幹線 金沢~敦賀間延伸区間に初乗り。

祝開業。

 

2024年3月16日、北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業しました。その週末、東京で所用があったので帰り道に寄ってみようということに。

 

上野から敦賀行き「かがやき」に乗車。

 

上野を出たら富山まで大宮と長野しか停車しない速達便です。

 

北陸新幹線ではまだ車内販売が行われてるんですね。「シンカンセンスゴイカタアイス」を所望。

 

「かがやき」は富山で下車。新規開業区間は各駅停車としたいので、ここで後続の「はくたか」に乗り換えます。ちなみに特急券JR西日本の「e5489」で予約したんですが、JR東日本の「えきねっと」だと任意の乗り換え列車を選んで買うのが結構大変。しかも「e5489」だと自由席の料金で指定席に乗れるという…。

 

富山駅の新幹線改札内売店とかが全くないのに吃驚。

 

ここで昼食用のお弁当でも調達を、というプランだったのに…と思ったら「ますのすし」の自販機がありました。なんでも今日から設置されたんだとか。

 

10分ほどの待ち時間で富山始発の「つるぎ」に乗車します。北陸新幹線は「東京と北陸を結ぶ」だけでなく「北陸と関西や中京を結ぶ」役割もあるため、大阪行き「サンダーバード」や名古屋行き「しらさぎ」に敦賀で接続する前提の列車もあるんです。

 

まずは既開業区間となる金沢までの区間で昼食をやっつけました。

 

金沢から先が今回、新規に開業した区間です。最初の停車駅は小松。

 

ここから乗ってくるお客さんは多めの印象です。

 

続いて加賀温泉

 

石川県下の駅としてはここが最後となります。

 

列車は福井県に突入。

 

芦原温泉に停車します。

 

お次は福井。

 

ここは新幹線駅では珍しく、一本のホームの両側に上下の列車が発着する構造になっています。

 

駅の外には新幹線観覧用と思しきデッキがあるようです。

 

次は越前たけふ。

 

今回開業した区間で唯一、他の鉄道路線との接続がない新幹線単独の駅になります。ただ、北陸道がそばを通り、武生ICに隣接しているため、一部の高速バスがこの駅を経由する経路に変更されたりしています。

 

この駅名は以前は福井鉄道に「越前武生」として存在していたもの。北陸新幹線開業に伴って駅名がこちらに譲られ、もとのほうは「たけふ新駅」に改名しています。こういうケースも珍しいよね。

 

そして終点、敦賀に到着です。

 

金沢から敦賀までは各駅停車で約1時間。途中に福井しか停まらない速達タイプだと40分ほどに短縮されます。

 

敦賀駅の新幹線ホーム、かなり高い位置にあります。ほぼ街を見下ろすような感じ。

 

関西や中京方面へ行く場合はここで乗り換え。本来、北陸新幹線はここから大阪まで建設される予定なんですが、その開業時期は未定です。北海道新幹線の札幌開業後に建設予算がついたとしても2046年以降なんて話もあり、少なくとも10年以上はこの状態が続きそうな感じ。そのためか、乗り換え案内はかなり丁寧に行われている印象です。

 

乗り換えコンコースもかなり広々としています。

 

せっかく来たので、敦賀をちょっと観光していこうと。

 

この週末は新幹線開業記念ということでお祭りが行われており、駅前には多くの出店が出ています。

 

敦賀は観光スポットが駅から離れていますが、観光地を巡るバスなども余り多くなくちょっと不便。シェアサイクルを使って巡ってみました。まずは敦賀港駅へ来てみます。こちらは以前の駅舎が残っているわけではなく、過去の資料などから再現したもの。

 

全盛期の敦賀港のジオラマが展示されていました。

 

展示内容は主に敦賀北陸本線などの鉄道に関するもの。

 

敦賀は日本と欧州を結ぶ玄関口の港として発展してきた面があります。東京からウラジオストクへの連絡船に接続する国際連絡列車が運行されていた時期も。

 

その後は敦賀ムゼウムへ。

 

以前ここにあった港関連の建物を復元した姿をしているこの博物館、内部は撮影禁止になってます。内容は敦賀港が絡んだ人命救助的な2つのエピソードを紹介しています。一つはよく知られた杉原千畝の「命のビザ」。リトアニアで日本の通過ビザを貰ったユダヤ人がシベリア鉄道を経由して辿り着いた日本への上陸地が敦賀でした。実はこの話、杉原千畝だけで実現したわけではなかったんですね。実は同時にカナウスのオランダ領事館がオランダ領のキュラソーへ行けるビザを発給しており、日本の通過ビザは「キュラソーへ行くための経由地」という名目で発給できた、と言う面もあったとか。また、JTBも絡んでいたりします。当時の日本交通公社アメリユダヤ人協会から日本に来るユダヤ難民の支援の業務依頼があり、敦賀に職員を貼り付けて日本からの移動やビザ等の手配や支援金の手渡しなどを引き受けていました。ちなみに、もう一つのエピソードはその前のポーランド難民孤児の受け入れでした。シベリアに抑留され発生していたポーランド人孤児を日本赤十字社が救出、まずは敦賀に連れてきて日本各地で療養の後ポーランドに送り返した、というようなことがあったんだそうです。

 

このエリアには赤レンガ倉庫もあります。

 

その脇にはキハ28の保存車がありました。前日は車内の公開も行われていたらしい…。キハ28なんて暫く前までは日本全国至る所で走ってたような気がするのに、いつのまにかいなくなっただけでなく保存車両もあまり多くないんだよなぁ。

 

ここにはショップやレストランのほか、昔の敦賀を再現した大きなジオラマがあります。

 

駅まで戻る途中、敦賀市博物館にも立ち寄ります。

 

もとは銀行だった建物で、館内は当時の銀行の雰囲気を残しています。

 

金庫もそのまま公開。

 

執務フロアが展示エリアに転用されており、敦賀の歴史に関する資料を見ることができます。

 

竣工時に使われていた古いエレベーターも展示されていたりして、なかなか面白かったです。

 

敦賀駅に戻りホームへ。在来線の普通列車や快速は従来からあるホームに発着ですが、特急は新幹線ホーム下に新設されたホームからの発着となるため、かなり距離があります。

 

ホームの両側に「米原・名古屋方面」と「京都・大阪方面」の特急が並んで待っていました。

 

米原行きの特急「しらさぎ」に乗り込みます。

 

座席には敦賀駅での乗り換え案内のカードが備え付けられていました。新幹線と特急の乗り換え時間は最短8分となっていますが、正直かなり余裕がなく脇目も振らずに乗り換えてギリギリ、くらいの感じです。かといって乗り継ぎ時間に余裕を持たせすぎると新幹線による時短効果が薄れるわけで…。

 

わずか30分ほどで米原着。おそらくJRでも最短区間を走る特急の一つなんじゃないかしらコレ。「しらさぎ」は1時間に1本の運転が維持されていますが、名古屋まで直通するのは半分程度で、あとは米原止まりです。ちょうど反対側のホームに新快速が停まってましたので、名古屋まではこれで帰りました。

ついに乗ったぞ、「TOHOKU EMOTION」。

JR東日本の「のってたのしい列車」のひとつ「TOHOKU EMOTION」に乗ってきました。

 

 

「TOHOKU EMOTION」は久慈線の八戸~久慈間を運行していますが、団体専用列車扱いで旅行商品を購入しないと乗車できません。で、基本的に列車にだけ乗る旅行商品は2名以上からしか申し込めないんですよ。時々、東京方面からのツアーに組み込まれる形で1名から参加OKの商品が出るんですが、今回は「びゅうトラベル」の東京発日帰りのツアーを発見。無事催行確定となったのですが、東京駅早朝集合ということで夜行高速バス「ドリーム号」で上京としました。

 

解放休憩は浜名湖SAと愛鷹PAの2箇所。

 

定刻より15分ほど早く「バスタ新宿」に到着しました。

 

バスタ新宿」は新南口の上にあるのですが、こちらの改札はまだ閉鎖中で、甲州街道を渡って南口にいかないとダメなのね。

 

集合時間までの間、御茶ノ水駅から徒歩5分ほどのところにある「RAKU SPA 1010 神田」で朝風呂にしました。ここは2018年までは「江戸遊」という名前で営業していたスーパー銭湯で、まだ「ムーンライトながら」が運転していた頃は東京駅到着後によくお邪魔していました。2019年から極楽湯の運営となって再開しましたが、引き続き朝5時から520円で銭湯がわりに使えます。お風呂はそれほど広くはありませんが、普通の銭湯だと思えば特に不満はありません。ただ、以前はフロアに寝っ転がれた休憩スペースが椅子とソファに変わっていたので、仮眠とかは厳しそうな印象でした。

 

朝7時、集合場所の東京駅八重洲北口へ。ツアーは途中までですが添乗員付きです。

 

ここで八戸までの乗車券を受け取ります。

 

乗車したのは「はやぶさ5号」。

 

約3時間、八戸に到着しました。

 

ここで40分ほどの待ち時間がありました。1名参加者の「TOHOKU EMOTION」の座席は抽選で。3両編成で中央の2号車はキッチンスペースとなり、客席となる1号車は個室、3号車はオープン座席形式ですが、列車まるごとこのツアー客で貸切状態の様子。結局、往復とも個室のアサインされました。

 

出発10分前にホームへ誘導。

 

いよいよ「TOHOKU EMOTION」にご対面。東日本大震災からの復興支援の一環としても位置づけられ2013年から運行していたこの列車、実に10年経ってやっと乗車が叶ったワケですな。

 

乗車口は1箇所。ちょっとカフェ風で、乗務員さんのお出迎えも。

 

2号車から乗り込みますが、こちらはオープンキッチンになっています。

 

1号車の自分の席へ。コンパートメントの中はこんな感じです。

 

テーブルにはメニューが用意されていました。

 

「TOHOKU EMOTION」で提供されるランチは半年ごとにメニュー監修する料理店が交代し、メニューの内容も3ヶ月毎に変わります。2023年度下期のメニュー監修は広東料理の「銀座嘉禅」。このお店、ディナーなら1名2万円以上、ランチでも1万円近くという高級店でした…。またドリンクはアルコールも含め料金に含まれ飲み放題です。この区間、通常の旅行商品として購入すると1名8500円なんですが、この内容ならかなりお値打ちかと。

 

八戸を定刻で発車。

 

最初にノンアルコールのスパークリング林檎ジュースがウェルカムドリンクとしてサービスされます。

 

次はシードルをお願いしてみました。

 

そしてランチが始まります。前菜はボックスで運ばれてきます。

 

蓋を開けるとこんな感じ。甘く味付けされたピーカンナッツ、コリコリ食感のクラゲ、帆立が入った海鮮のタルタル、蟹肉あんの茶碗蒸しの4品、どれも美味でした。

 

車窓には八戸の蕪嶋神社が見えてきました。

 

お次は白ワイン。

 

お料理も続きます。「鯛と青ザーサイのさっと蒸し 香港フィッシュソース」です。下に敷かれているのはジャスミンライス。列車内で提供されるのに絶妙の蒸し具合だったのは凄いぞ。

 

ドリンクは後も考えて程々に、とドライゼロへ変更。

 

「ガーリック豚のやわらか煮込み 香港熟成黒酢のソース」が登場。豚肉が箸でほぐれるほど柔らかく、ソースもまろやかで美味しかったです。

 

宿戸を過ぎて暫く進んだ大浜海岸には、東日本大震災で被災した久慈線の運行再開を地元の人が祝って設置した「夢をのせてJR」と書かれたドラム缶が置かれています。ここで地元の皆さんの歓迎旗振りがありました。雪模様の寒い中大変だなぁ…。

 

ここでデザートが中国茶とともに運ばれてきました。

 

玉手箱みたいなボックスを開けると3品が並んでいました。「流れるカスタード饅頭」は中にトロトロのカスタードクリームが入っており、差し込まれたストローで中のクリームを吸って飲んでから食べるという趣向。中国にこういう感じのでっかい肉まんあったよね! 杏仁豆腐は温かいのが新鮮。

 

食後にアイスコーヒーを頂いて到着までのんびり。

 

ランチョンマットのイラスト、なかなか可愛いです。

 

久慈までの乗車時間は2時間ほどですが、食事を楽しんでいたらあっという間でした。

 

ここから折り返し八戸行きの「TOHOKU EMOTION」に再度乗るんですが、1時間ほどフリータイムがあります。

 

これが意外とやることがないというか…。駅周辺、特に何があるわけでもないんですよ。駅前にはNHKの朝の連ドラ「あまちゃん」にも登場した「駅前デパート」がありますが、今では営業している店舗などはない様子。そもそもここまでランチ喰ってきちゃったし、これから乗る折り返しはデザートビュッフェなので「何かここで飲食する」感じでもないですし。

 

そういうわけで、歩いて10分弱のことろにある道の駅くじ「やませ土風館」まで行ってみることにします。

 

スーパーがあったりと産直の生鮮品が充実していましたが、さすがに買って帰るのは難しいかな。久慈秋まつりで使われる山車の展示などもあって、割と時間は潰せます。

 

「放映されたのは放映されたのは2013年と既に10年前ですが、街中にはいたるところに「あまちゃん」の痕跡?が。

 

JRの久慈駅へ戻ってきました。

 

JRの駅の隣には三陸鉄道久慈駅があります。こちらも「あまちゃん」で「北三陸駅」として登場したところで、駅舎内にはその紹介なども残っています。

 

駅の隣には市の公共施設も建っていました。

 

ここでも「あまちゃん」推し。

 

では、久慈駅へ折り返しです。

 

帰路のテーブルはフォークやスプーンがセットされていました。

 

こちらがメニュー。まずスイーツ3品がサーブされ、その後はオーダーバイキングとなります。当初は2号車でのビュッフェスタイルだったのですが、コロナ禍での感染症対策としてオーダー制になったようです。今年4月からはまたバイキングスタイルに戻るようですけどね…。こちらもドリンクは飲み放題、アルコールも用意されており、このときは赤白のワインとビールが注文可能でした。スイーツはホテルメトロポリタン盛岡監修だそうな。

 

最初に出てきたのは巨峰シャーベット、モンブラン洋梨のタルトの3品。

 

続いてこの6品から自由にオーダー可能となります。

 

とりあえず全部のっけてもらいました。チーズケーキが予想外にしっとり感が強くて美味。他もなかなかでした。

 

甘くないものも少し用意されており、ミラノサラミとシーフードマリネ、ミックスナッツがオーダーできます。アルコールもあるので甘いものが苦手な人でも…ってスイーツビュッフェがウリのこの列車に左党は乗っちゃダメか。まぁケーキの合間に口直しとしてもイケます。

 

さて追加は…と選ぶの面倒なんで結局また6品持ってきてもらっちゃった。

 

復路は往路より15分ほど短い乗車時間。これも車内で喰ってるので短く感じます。八戸ではツアーは一泊して三陸鉄道に乗るグループと日帰りで東京に帰るグループの二手に分かれ、添乗員さんは1泊2日コースに付いていくのでここでお別れ。そちらはすぐの乗り換えで盛岡へ向かいますが、日帰り組は1時間ほど後の「はやぶさ」に乗ります。

 

駅周辺で時間潰し。駅前の「ユートリー」という公共施設も見てみます。

 

1階はお土産物店のほか、地元の祭りの山車の展示や地元企業紹介コーナーとかがありました。上の方は宿泊施設にもなってるんですね。

 

ツアーの特典として含まれていたNewDaysで使える金券で買い物などしつつ、「はやぶさ」で東京へ帰還しました。

さよなら根室線、流氷つき。その2:根室線廃止区間乗り納め、ペンギンパレードつき。

翌日はついに乗り納め区間へ突入します。

朝6時半にホテルを出発。

 

帯広駅へ。

 

帯広から札幌方面への始発の特急「とかち」に乗車します。車内のこの表示も根室線廃線より一足先に姿を消すものの一つ。3月16日のダイヤ改正から、北海道の特急列車は札幌~旭川間の「カムイ」「ライラック」以外は全て全車指定席となるため、「自由席」が消滅するんです。

 

30分ほどで新得に到着しました。今日はここで下車。

 

ホームから駅舎に入るドアに代行バス乗り場の案内が掲示されていました。これも今月末まで。

 

新得駅前は工事中のようで、以前は駅前にあった代行バス乗り場はちょっと離れた場所に移動されていました。

 

駅前にはなんだかカバーオールが洗濯物のように吊されてます。

 

新得フローズンカバーオール」という企画のようです。本来であればガチガチに凍ったカバーオールになるはずのようですが、この日は気温も高めだったせいか単なる洗濯物干しみたいになっていただけ。

 

帯広駅をもう少し後に出る各停に乗っても代行バスには乗り継げるのですが、乗り換え時間が短いのと、もうすぐなくなる自由席に乗っておこうと特急を選んだ次第。待ち時間は適当に駅周辺の散策などで潰しました。新得駅の表示、代行バスもちゃんと出してます。

 

出発10分ほど前にはバスが来てたので乗り場へ移動。

 

ここから東鹿越まで、このバスで向かいます。以前は札幌方面から帯広へ向かう特急列車も通っていたルートですが、1981年に南千歳から新得までの石勝線が開通してからはローカル線に転落。2016年には台風により不通区間が発生しましたが、この東鹿越~新得間は復旧されることなく廃止となってしまうわけです。

 

代行バス国道38号線富良野方面に向けて進んでいきます。1966年までは根室線もこの国道38号線と同じようなルートを採っていましたが、急勾配に急カーブが続く扇形だったことから長いトンネルを掘って今のルートに変わっています。

 

途中、サホロリゾートを経由。この代行バスはサホロリゾートへの無料シャトルバスも兼ねていますが、代行バス以外にもホテルが用意する便もあるようです。

 

バスはどんどん坂道を登っていきます。

 

狩勝峠を通過。ここまでの間は十勝平野の風景が見え、なかなか綺麗です。鉄道の方も旧線だった頃は狩勝峠付近は「日本三大車窓」の一つとされていたんだそう。ちなみにほかの2つは篠ノ井線の姥捨駅付近、肥薩線矢岳駅付近。肥薩線のほうも災害で運休中のままですから、三大車窓のなかでは1つしか今では楽しめないことになるワケか。

 

狩勝峠を越えるとあとはずっと下り坂。

 

新得を出て45分、国道38号線根室線とまた合流したあたりで落合に到着。ここで数名の乗客が乗ってきました。

 

道路と線路が併走しているので、所々に橋梁や踏切など線路の痕跡が。

 

次は幾寅、ここでも数名の乗降がありました。駅の表示が「幌舞駅」なのは1999年公開の映画「鉄道員(ぽっぽや)」の撮影が行われた際の名残。駅周辺には撮影で使われたセットなどがまだ残っています。既に20年以上前の作品ですし、ここが廃線になった後はどうするんですかね…。ちなみにこの映画、高倉健と当時人気絶頂のアイドルだった広末涼子の共演が話題になりました。ヒロスエ、今じゃ不倫騒動とか起こしてますがあの頃はマジで凄かったんだよ…。

 

代行バスの終点、東鹿越に着きました。

 

ここからは列車に乗り換えです。バス代行区間も災害復興が済んでいなかっただけで立派に「鉄道路線」ですからね。あわせて乗ってこその「お別れ乗車」かと。廃線1ヶ月間にしてはほどほどといった感じの乗車率で発車です。

 

東鹿越の次は金山。

 

次は下金山。

 

山辺

 

布部。

 

そして廃止区間の北端、富良野に到着です。鉄道の区間は40分ほどの乗車でした。ここで滝川行きの列車に別れを告げ、こちらは富良野線旭川を目指します。根室線は今年4月以降は「滝川~富良野」「新得根室」と飛び飛びの2区間の路線となりますが、滝川~富良野間は札幌発富良野行き臨時特急のルートになったりしているので、暫くは大丈夫でしょう。

 

旭川行きは2両編成でしたが、立ち客も結構出る程度に盛況でした。意外と使われてるのね…。

 

ちょっと早いですがお昼ご飯を。駅構内の「旭川駅立売商会」で幌加内そばを出してるじゃないですか!

 

駅の立ち食い蕎麦ですが、結構ちゃんとしてます。コンコースに椅子とテーブルがあり、そちらに持ってきてくれました。

 

食器を戻しに行ったら「本日限りで駅弁全品500円」だそうな。この「旭川駅立売商会」ってデパートの北海道物産展とかでもよく見かけ、海鮮弁当とか売ってるところなんですよね。蕎麦だけじゃ足りない気もしてたし買っちゃえ。

 

牡蛎の炊き込みご飯に寿司飯に乗った甘海老・いくら・かに、となかなかゴージャスではないかと。

 

帰りの航空便の出発までの時間、久々に旭山動物園へ行ってみます。

 

旭川駅から動物園は意外に遠く、路線バスで40分ほどかかります。以前ほどインバウンドで溢れかえっている感じはありませんが、それでも極寒の旭川の屋外施設としちゃ異例といえる程度にはお客は入っています。このくらいの賑やかさの方が見やすくていいのかも。

 

そういうわけでアザラシを見たり。

 

シロクマを見たり。

 

ヒグマを見たりとか。

 

シマフクロウはちょうど飼育員さんの解説タイムがありました。環境の悪化によって数を減らしているシマフクロウですが、つがいが見つからないとか巣穴が見つからない等の要因もあって、人工的につがいを作ったり子育てできる巣穴のかわりとなる巣箱を設置したりして回復を図っているんだそうです。また魚類が主な食料で、ネズミなど小動物を食べるフクロウには生えている足の毛がないとか、いろいろと面白い話が聞けます。

 

シマフクロウの檻への階段に旗が並んでますが、これも意味があるもの。シマフクロウの生息する道東では、道路や橋を飛んで渡るときに低い高度でクルマなどに衝突する事故が起きるので、この旗を立てることで高い高度で移動させようとする工夫です。

 

北海道に生息する動物コーナーとか出来てるのね。

 

そして旭山動物園名物、かな?のペンギンパレードも。最近では色々な動物園などでも行われていますが、確かここが「元祖」だったはず。もともとのペンギンの習性を行かしたものらしいです。

 

2時間ほど見学し、旭川空港へと向かいました。旭川空港旭山動物園の間には1日1往復だけ直行バスが運行されていて、空港行きのスケジュールがちょうど利用予定便とピッタリだったのよ。

 

時刻表上では所要時間35分となっていましたが、25分程度で空港まで来ました。

 

旭川空港ではそのまま出発口へ。

 

2階へ上がると、かなり雰囲気が以前と違っている感じ。レストランフロアはフードコートになっており、梅光軒や山頭火をはじめとした地元のお店が入っている上に内装もお洒落になっていました。ショップの方も少しセレクトショップ風のところもありました。

 

展望デッキに出たら、ちょうどこれから乗る羽田行きの飛行機が降りてきたところ。B767-300です。

 

保安検査通過後のエリアにもANA系とJAL系のショップが。16時頃から搭乗開始となりました。

 

定刻に出発。

 

普段あまり乗らないワイドボディ機、やっぱり広々としてていいよなぁ。

 

夕刻の羽田に到着です。

 

乗り換えの待ち時間が1時間半ほどあるため、サクララウンジへ。

 

ちょっとビールなども。

 

何故か売店でお弁当類2割引とかになってたので軽くお食事も。弁当類を扱っている店舗全てで割引が行われているワケではなさそうなので、ちょっと基準は謎です。

 

羽田からはセントレア行きに乗って帰宅しました。