岩手では以前から泊まってみたかった温泉宿へ行きました。
盛岡駅に着いて西口のバス乗り場へ向かいました。盛岡駅は基本的に駅の出口は東側にしかなく、西側へは自由通路で繋がっている感じ。そのため、駅の入口というには簡素な印象です。
今夜のお宿は八幡平の山頂近く、藤七温泉 彩雲荘」です。標高1400mは東北としては最高地点の温泉で、その野趣溢れる露天風呂が有名。なんと宿泊客向けに無料の送迎バスを用意しており、ありがたく利用させて頂きました。
岩手県北観光バスの中型車で盛岡駅を出発。このまま藤七温泉まで行くわけでなく、八幡平のいくつかの旅館やホテルを廻って乗客を降ろした後に「さくら公園」にある物産店の駐車場に到着。バスはここで終点で、この先は彩雲荘の送迎車に乗り換えとなりました。盛岡駅からさくら公園までは1時間ほど、そこからの送迎車は30分強、といったところでした。
で、「藤七温泉 彩雲荘」に到着です。山道を登っておよそ1時間半以上、途中で高速道路も経由しているのに交通費タダでここまで来れるとは…。
山の素朴なお宿、という雰囲気が凄い。早速チェックインを済ませます。
鍵を受け取って客室へ向かいますが、かなり年季の入っている建物で歩くたびに床がきしむほど。ただ、掃除などは行き届いており、廊下もピカピカです。
お部屋はお一人様には充分な、シンプルな六畳間。布団は既に敷かれていました。
テレビはありませんが、既に朝晩冷え込む日もあるそうでストーブが出ています。携帯の電波は、少なくとも自分の使っていたドコモでは特に不自由ないレベルで使えていました。
このお宿の魅力は何と言っても温泉! 早速入浴しに行きます。ここ彩雲荘には混浴が基本となる大きな露天風呂に加えて男女別の内湯、宿泊者専用の小さな露天風呂と用意。
こちらが宿泊者専用路線風呂。3~4名も入れば一杯になりそうな小さめのものですが、天気が良い日にはご来光が眺められる位置にあたります。
大浴場は宿泊棟からちょっと離れたところにあり、外履きに履き替えて進みます。
内湯と大露天風呂の入口です。脱衣場や内湯は男女別ですが、内湯から外の露天風呂へ出られるようになっており、一歩外へ出ると完全に混浴エリアです。こういう時って男性の方が恥ずかしく感じるような気がするな…。なお女性は体に巻いたまま入浴できるバスタオルを購入でき、多くの人が利用しているようでした。お湯は乳白色で泥も混じるワイルドなもの。地球からダイレクトに来てるぜ!を実感できます。ただ、この「ワイルドさ」がダメな人はダメな温泉・お宿かもなぁ、という気はしました。洗い場も内湯にカランが2箇所のみでしたし。
夕食は食堂で、バイキング形式での提供です。
豪華なものはありませんが、山のものや珍しいキノコ類などを使った料理が所狭しと並ぶ、なかなかのクオリティです。
天ぷらやアマゴの塩焼きなど温かい料理もあり、美味しく頂きました。
夜は7時半から8時半まで、大露天風呂が女性専用となります。この日は夜半から雨が降り出してしまいました。女性専用タイム終了後に露天風呂に行ってみたのですが雨模様、菅笠が用意されているのでコレを使って入浴もできるのですが、薄暗い中に濡れた通路を歩いて行く自信がなく断念。内湯でのんびりしました。
なお館内にはアルコールとソフトドリンクの自動販売機があるので、寝る前の一杯とかも対応してます。ソフトドリンクの方は一般的な自販機の価格。アルコールはビール一缶400円とかの設定、こうした施設なら「ありがち」な水準かと。
朝食も同じくビュッフェスタイルです。
こちらも山奥のお宿であることをかんがえれば充分すぎるラインナップ。ソーセージがハーブ系の入ったちょっと高そうなヤツだったりします。
八幡平の名水で淹れるコーヒーも頂けるのはポイント高し。
宿からの帰りも無料送迎の利用です。朝9時、お宿のクルマで出発です。この日の朝はまとまった降雨で、これまた菅笠で凌ぐには厳しいレベルだったので露天風呂の利用は断念することに…。お天気が良かったらより楽しい滞在だったかも、と思うと少し残念ですが、まぁ「出直してこい」ってことだと理解しましょう。
30分強で「さくら公園」の駐車場に到着。ここで盛岡駅までのバスを20分ほど待ちます。送迎車はすぐに宿へは帰らず、ここでバスの運転手と引き継ぎを行うことになっているんだそうです。ちゃんとしてますな。
ここには物産館「あすぴーて」とビジターセンターがあるので、バスを待つ間の時間潰し。
10時前にやってきた送迎バスに乗車し、盛岡駅を目指します。昨日のバスには自分を含め数組しか乗っていなかったのに、何故か今日の盛岡までの戻りのバスは結構な乗車率。どこから沸いてきたんだ皆さん。
およそ1時間ほど、午前11時に盛岡駅前に戻ってきました。
駅構内へ向かおうと自由通路に入ったら、こんな案内が。
西口のバスロータリー前に建つビルが「マリオス」。
ロビーに入り、中央のエスカレーターを上がると…。
壁面にどーんと煉瓦の建物が。
これはその昔、この地にあった旧国鉄盛岡工場の一部をここに移設したもの。盛岡まで鉄道が開通した翌年の1891年に建設されたものだそうです。
最盛期にはこれだけの規模の工場がここに存在し、東北地区では最大級の施設として利用されていました。
一角には機関車の模型も展示されていました。1972年の日本の鉄道100年を記念し、盛岡工場に勤務していた職員が作成したもので、流石プロが作っただけあって非常に精巧に出来ています。どうも走行も可能な感じでしたが。
今日はこれから、盛岡から青森まで移動です。
新函館北斗行きの「はやぶさ」に乗車です。「はやぶさ」は全席指定ですが、盛岡から新青森の間は「座席指定はせず空席があれば座っていい、安い特急券」が利用可能。「えきねっと」などでは購入できず、駅の窓口や券売機で買いました。