暫く前に、「某航空会社の国際線往復航空券がコミコミ1万円で売られてる!」と、ちょっとした騒ぎになったことがありました。
目敏く見つけた友人がSNSで発信したのを見たのは、たまたまトイレに起きた朝の5時。え?と思って調べたら、確かに売ってる…。とはいえ、東京発の路線しか安い価格では出ておらず「まぁちょっと考えてから」と思ってまた就寝。朝には旅行系のウェブニュースにも取り上げられてちょっとした「祭り」状態となっており、実際に「買いました」報告も出てきましたが、早々に見つけられなくなりました。
どうも旅行会社がウェブに情報を出したときに何かミスをしたらしく、購入者には「お詫び金を払うので航空券をキャンセルして貰えないか」というお願いが来たとか。
いやぁ、気がついたときに買っておけば良かったなぁ…と後で後悔しました。
これはちょっと極端な例ではありますが(とはいえこうした値付け間違い=「エラーチケット」ってのは定期的に話題になるんだけどね)、ネットで情報ががんがん取れるようになってきた分、「航空券を買う」ってのは逆に難しくなってきてるんじゃないか、って気がしています。
昔は正直、安い航空券の情報ってのは旅行代理店に聞くしかない(航空会社から直接買うなんてあり得ない)し、雑誌などの紙媒体に頼るしかありませんでした。まだ分厚い雑誌版があった「AB-ROAD」とか、「格安航空券ガイド」ってのもあったな、そういう雑誌なんかを見ながら、情報を掲載している旅行会社に電話して聞く、みたいなことをやってました。
情報が取りにくい分、逆に「自分が得た情報」の範囲内で「どのチケットを買うか」迷い、決断していたわけです。たいていの場合、知らないことってのは「自分にとってなかったこと」と同意なわけで、一度決めてしまえば、余計な情報が入ってこなければ「あ、あっちの方がもっとよかったのに!」とか思う余地も少ないわけです。
それに、「航空券の値段」ってのも、昔の方が「こなれていた」かもしれません。たとえば日本からヨーロッパに行こうと思ったら、アエロフロートとアジア系航空会社の経由便が最安値、その上が欧州系航空会社、一番高いのが日系航空会社…みたいな価格帯グループ的なものがあって、その中で大凡同じような価格で売られており、旅行時期による価格変動は大きかったけど、購入時期による変動はそれほど大きくなかった、という印象があります。
今はネットで航空券の情報が簡単に、かつ大量に得られるようになりましたし、メタサーチによって複数サイトの情報の比較まで手軽に出来ちゃいます。LCCもたくさん飛ぶようになって、「飛行機に乗る」こと自体の選択肢も広がりました。
でも、その分「迷い」は増えてるなぁ、と思うこともあります。情報が多いってことはその分、比較検討する範囲は増えてるってことです。しかも最近は「買い時」も見極めが難しくなってきているように思うのですが、どうですかね? 航空会社がいきなりタイムセールを始めたり、オンライン旅行会社がクーポン配布を始めたりとか…。
また、「迷って」購入を「決断」した後も、なかなか大変。ちょっとアンテナを張ってるだけで、航空券のセール情報なんかは色々なところから入ってきます。「この前に買ったチケット、後から安くなってたらどうしよう…」みたいな思いになるかもしれない、というちょっとした恐怖を抱えながら、実際に旅立つ日を待つわけですね…。
インバウンド景気に乗っかって、日本発着の国際線がどんどん増えているのも、そういう意味では気になるところ。「え?経由便買っちゃったけど直行便が飛ぶの?」とか「就航記念セールとかやっちゃうの?」とか。迷いだらけ。
とはいえ、何を買うにしても、恐らくこうした「買うときの迷いと決断」はつきまとうこと。
それにそもそも、「旅行に行く」って場合は「ホントにココで会社休めるのかオレ?」みたいな迷いのほうが大きくて、それでも「まぁいいや!」と「購入する」ボタンをポチッとする決断をしてるわけですけどね。
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