東日本大震災ではJR山田線の釜石~宮古間も被災し、長期にわたり不通となっていました。最終的にこの区間は、盛~釜石と宮古~久慈と、山田線を挟んだ2路線を持つ三陸鉄道に譲渡されてることになりました。そしてこの3月、不通区間が復旧するとともに「三陸鉄道リアス線」としての運行が始まったわけです。
盛駅に到着して切符を買おうとしたら、団体さんもいるようで窓口は大行列。券売機もありますが1台しかなく、こちらもかなり並んでいます。乗り継ぎ時間は15分もないので、かなりギリギリになってしまいました。駅の周囲には特に商店らしきものはなく、駅窓口でちょっとした食品などは売っているようでしたが、この混雑では買えそうにありません。そんなわけで、朝飯抜き決定。
盛発宮古行き列車は2両編成ですが、後ろの1両は団体貸し切り扱いでレトロ車両が使われていました。この時点で車内は立ち客が出るほどの混雑っぷりでしたが、途中でバスツアーらしき団体さんも乗り込んできて満員電車状態になってしまいました。
なんとか座れたのは山側で、通路も人でぎっしりな感じ。所々に見える海沿いの景色は、こんな防波堤が目立つのですけど…。
釜石駅に到着。ちょうど「SL銀河」も到着したところのようです。駅構内はラグビーワールドカップ一色、といった感じ。
鵜住居駅から見えたのは、そのラグビーワールドカップの開催地の一つである「釜石鵜住居復興スタジアム」。随分小さく見えますが、それもそのはず、収容人員は1万6千人ほど。日本での開催は12都市で行われますが、他の開催地のスタジアムは2万人以上の収容能力がありますので、ここが最も小さい会場ということになります。
この区間でも、海側では様々な工事が行われている様子を数多く見かけました。
「本州最東端の駅」なんだそうですよ。
宮古駅に到着。以前はJRと三陸鉄道は別の駅舎だったのですが、JR側に統合されていました。以前の三陸鉄道の宮古駅だったところは「駅」としては閉鎖済み。
ここ宮古で久慈行きに乗り換えるのですが、待ち時間が50分ほどあります。ちょうど昼時だし、朝から何も喰ってないし…と考えていたら、駅前にショッピングセンターらしきものがありました。スーパーくらいはありそうだし、とりあえず入ってみます。駅前側の出入り口は後から作ったのかな?いきなり階段に2階にあがって入店するという不思議な構造をしていました。
こういうトコってスーパーとかは1階にあること多いよな…とエスカレーターを見つけて降りたところにあったのがこのお店。「和食処 ごっこ亭」ですか? それよりも表の看板の「ビン丼」って何?
「生うに入り」なんて素敵やんか。しかもそれで1500円ならお安いかも。瓶ドン(表の看板と表記が違うぞ!)が何なのか謎は解けていませんが、こちらを戴いてみます。
で、運ばれてきたのはこちら。なんか牛乳瓶乗ってますけど。
瓶の中には「ウニ」「イカ」「めかぶ」と具が詰められていて、これを自分でご飯の上に空けて食べるのが「瓶ドン」なのでした。宮古では生ウニの保存に漁師が牛乳瓶を使うことが多かったことから着想し、新しい「ご当地グルメ」として売り出し中の様子。
さっそくご飯にオン! なんか残念なビジュアルになっちゃいましたが、どうも本来は添えられたスプーンで自分好みに綺麗に盛り付けを楽しむものだったらしい。でもいいや、旨かったから(^^;)。さすが「入荷時のみ」提供だけあってウニが新鮮。めかぶとウニって組み合わせは初めてですが、トロトロねばねばが一緒ってのも食感的に面白いし、そもそも味のほうも意外と合います。イカも食感に変化を加えるのに一役買っており、あっという間に食べちゃいました。
久慈行きに乗車。こちらもほぼ満席の混み具合でした。なお、こっちにもさっきと同じ旅行会社のツアーご一行様が途中からご乗車されました…。それなりの人数なのに、座席確保とかはしないんですかね。割と年齢層高めの方が多いので「立ちっぱなし」は辛そうだったよ。
車内で「おやつ」を戴きます。「盛岡のソウルフード」とも言われる(ほんとかよ)「福田パン」がさっきのショッピングセンター1階のスーパーで売っていたのでゲットしておいたんです。こんな感じでスーパーでも売ってたんだコレ。
列車は鉄橋の上など、景勝地では減速したり停車したりしながら進んでいきます。
お天気はちょっと残念な感じですけど。
十府ヶ浦海岸駅に停車中、駅前の公園に何やら破壊された物体が置かれているのが見えました。震災で被災した歩道橋の一部を震災遺構として保存しているもののようです。
盛からおよそ5時間。リアス線の北端、久慈駅にたどり着きました。「お盆休み」ということもあるのかもしれませんが、観光客らしきお客さんがかなり乗車しているようで、全通後の出足は悪くないのかもしれません。