シェイク・ザイード・グランドモスクから路線バスで約1時間、ルーブル・アブダビへ到着しました。
ここは94番バスの終点。バス停の目の前に敷地への入口があります。
こちらがエントランス。では入館します。入場料は63ディルハム、暫く前まではエティハド航空の搭乗券提示での割引があったのですが、今では終了しているとのことでした。
館内は大変スタイリッシュ。
こちらの美術館、「ユニバーサルミュージアム」を名乗っており、その展示はなかなかユニークなコンセプトになっています。時代を追いながら様々な美術品を地域横断的に展示することで「人類の歴史に沿った美術の変遷」的な体験をしていくような流れになっているんです。これは「ダンス」というテーマで20世紀のフランス、8世紀頃の中国、3世紀頃のリビアの作品を並べ、同じようなモチーフ・テーマで様々な地域でいろんな年代にこうした作品が生み出されていたことを示すもの。
手前は縄文土器。同じような時代の中国とアフガニスタンの土器とともに展示されています。
人類が「文字」を生み出すと、それを何らかの形で遺そうとするわけです。エジプトや中東、中国などで同じような目的で作られたものを並べることで、「まぁ皆さん一緒ね」みたいなことが感じられるわけです。
この「ルーブル・アブダビ」、こんな感じで進んでいくわけですが、なんだか「美術館」というよりは文化人類学の博物館のよう。まぁ英語だとどっちも「Museum」なので、そこに境界線なんか実はないのかもしれませんが。
大航海時代になると、世界中で精巧な地図が作られ初めるわけですが…。
これは同時代の日本で作られていた、世界地図と日本地図の屏風。世界地図が意外とちゃんとしてるのね。
19世紀末~20世紀初頭のエリアでは、印象派などの絵画と同時代のプリミティブアートが並べられ、そのコントラストを楽しむことができます。
全般的に「凄く有名」な作品が多数というわけではありませんが、マネの作品とかも展示されてたりして。
最後に現代美術が紹介され、出口はスザンナ・フリッチャーの作品の中を通り抜けます。ワイヤーが張られた中を通るので、壊しそうでちょっと怖かった…。
この「ルーブル・アブダビ」、建築自体も一つの「アート」と言えます。設計はフランスの建築家、ジャン・ヌーヴェル。日本だと汐留の電通本社ビルはこの人の設計です。アラブ的な意匠を取り入れた屋根は美しく、組み合わされたスチールの隙間から程よく日差しが入り込んできます。
周囲は海で囲まれていますが、水辺をうまく取り入れ、いい雰囲気を作り出しています。
この入り江を眺めるデッキにはベンチや「人をダメにしそうなソファ」っぽいものが設置され、まったりするのに凄く最適なスペースになっています。この時期、アブダビの最高気温は30度を少し超えるくらい。湿度が低いので風が吹けば涼しさも感じるほどなので、ここでのんびり、ってのも充分アリです。
白い壁が海に映えますねぇ。
こちらは特別展などを行う展示室スペース。今の時期は2つの特別展が行われており、一つはこの「”ラグジュアリー”の1万年」という、贅沢品などが人類の歴史の中でどのように生み出され使われてきたのか、というような内容のもの。
20世紀初頭のパリを舞台にした芸術家の作品を集めた企画も。
出口の手前にはミュージアムショップもあります。「あの名画が観れる!」という感じではないし、展示作品も入れ替えなどがあるようですが、全般的にはユニークな体験ができる美術館で「アブダビに来たなら是非」なスポットだと思います。