へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

令和元年17発目、アブダビ経由のフランス。その20:豪華カップリング美術展+パリで「相席食堂」。

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日が暮れてからやって来たのはグラン・パレ。こちらでは現在、エル・グレコロートレックの特別展を開催中です。え?そんなの同時開催しちゃうって豪華すぎない?さすがパリ!って感じかしら。

 

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まずはエル・グレコ展へ。入場料は13ユーロですが、エル・グレコ展とロートレック展のコンビチケットだと2つ観れて25ユーロとお得。

 

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では鑑賞。

 

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おーっとこれこれ、「聖母被昇天」がありました! これ、シカゴ美術館の所蔵品なのですが、今年9月にシカゴに行ったときには既にパリに移動しており観れなかったヤツです。その時のお話はこちら。

 

slips.hatenablog.com

 

他にも主要な作品が多数集められています。

 

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「ろうそくに火を灯す少年」、イタリア・ナポリのカーポディモンテ国立美術館の所蔵品です。

 

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宗教画が主に知られる画家ですが、同じテーマで複数の作品を遺しており、それを並べて展示しているものもありました。これは「悔悛するマグダラのマリア」で、どちらも1580年頃の同時期に描かれたものとされています。左はアメリカ・マサチューセッツ州のウースター美術館所蔵、右はブタペスト国立絵画館の所蔵品。こういう「見せ方」をさせてもらえるのは、特別展の醍醐味ですね。

 

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こちらはこの特別展のキービジュアルにも使われている「第5の封印」。アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵されている作品です。エル・グレコの亡くなる直前に描かれた晩年の作だそう。

 

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続いて、ロートレック展のほうに移動。

 

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なんか謎の着物っぽい服を着て愉快なポーズを取ってるロートレックさんが(^^;)。彼の生きた19世紀末はフランスなどヨーロッパでジャポニズム旋風が巻き起こっていた頃。ロートレックも日本美術に大きな影響を受け、漢字っぽいサインを画に書き込んだりすることもあったようなので、これもそうした「影響」なのかもしれません。

 

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2フロアを使った、なかなか大規模な展示になっていました。

 

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こちらはロートレックの自画像だとのこと。フランス・アルビのトゥールーズロートレック美術館蔵。

 

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「黒いボアの女」、オルセー美術館の所蔵品。

 

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ロートレックは「ポスター」も多数手がけたことで知られる作家でもあります。当時、芸術家はこうしたポスターを描くのは下品なこととされていたようですが…。これは有名なムーラン・ルージュのために描かれたもの。

 

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自転車のチェーンを販売する事業者の宣伝ポスター。

 

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キャバレー歌手・女優として当時活躍していたイヴェット・ギルベールを描いた作品。

 

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この特別展で妙に心に残ったのがこの「フィンセント・ファン・ゴッホの肖像」、オランダのアムステルダムにありゴッホ美術館の所蔵になります。ロートレックゴッホはかなり親交が深かったようですが、何か明るくて暖かく、それでいて哀愁を帯びたような色合いと、描いたのが横顔だったりするあたりに、何か二人の関係性が滲んでいるように感じられます。

 

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さて、豪華二本立て美術展鑑賞の後はパリで最後の晩ご飯へ。せっかくだから豪遊しちゃうぞ!と思いつつ、やってきたのはパリでも安くて旨いと評判の大衆食堂「シャルティエ」だったりします。地元の皆さんにも大人気ということで大行列!

 

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店頭の行列だけを見るとそんなに長くなさそうだったのですが、なんと行列が一旦店内に入って続いており、30分以上並んで待つことになってしまいました。列の途中でバーカウンターがあり、ホットワインとサングリアを小さなコップ1杯1ユーロで売ってました。面白いのでサングリアを所望。

 

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やっとお店の前まで到達。ここで行列は2つに分かれ、1~2名のレーンとそれ以上のグループのレーンに振り分けられます。このお店では「相席」が基本。4人掛けテーブルでも2名+2名で相席させるのはデフォルトなので、少人数だと空いてるテーブルにどんどん先に回しちゃうようにしているようです。

 

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そういうわけで、自分も既にカップルがお食事中の4人掛けテーブルに案内されました。

 

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メニューは英語版も用意されています。とにかく凄いのは「おねだん」。本日のスープ1ユーロって何が起きているのか。前菜も3~5ユーロ、メインディッシュも10ユーロくらい。

 

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飲み物はロゼのワインをハーフボトルで。前菜にはポークのテリーヌを選びました。素朴さもありますが旨いです。

 

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メインはハンバーグステーキ!粗挽きのお肉は意外と食べ応えアリ、ペッパーソースもイイ感じです。

 

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さてお次はデザート…とメニューと睨めっこしてたら、お隣のカップルから「何を選ぶの?」と話しかけられました。おお、「相席食堂」やん。そのお二人のお勧めで、こちらのシューアイスを選択。その後、ハナシがかなり弾んでしまい、夜12時近くまでお店で過ごしてしまいました。男性は学校の先生、女性は国の機関へお勤めだそうで、特に男性側の日本のポップカルチャーの知識が結構豊富で面白かったです。マンガやアニメ、ゲームは一通り知ってました。「スーパーマリオ」が日本のゲームだって彼女は知らなかったのもちょっと驚き。まぁ考えてみたらマリオとルイージにピーチ姫とかって日本要素ないもんな。

 

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店内はちょっとクラッシックな雰囲気ですが、「大衆食堂」らしく活気に溢れています。同席した知らない人同士での会話も盛んなようですので、そういう雰囲気とかも「シャルティエ」の魅力かもしれません。

 

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営業時間は深夜0時までの筈ですが、まだ店内には沢山のお客さんがおり、これからの入店を待つ列も少しありました。本当に人気店なんですねぇ。