へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

令和元年20発目、アムトラック大陸横断。その12:シカゴ発ロサンゼルス行き「Texas Eagle」乗車1日目。

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シカゴからアメリカ西海岸方面には毎日運転の長距離列車が3本あります。シアトル/ポートランド行きの「Empire Builder」、サンフランシスコ行きの「California Zephyr」、そしてロサンゼルス行きの「Southwest Chief」です。ただ、これに加えて週3日「Texas Eagle」も運行されています。この「Texas Eagle」はテキサス州サンアントニオまで毎日、その先のロサンゼルスまでは週3日という変則的なスケジュール。またサンアントニオ~ロサンゼルス間はニューオリンズ~ロサンゼルスを運行する「Sunset Limited」に併結される形になっています。「Empire Builder」「California Zephyr」「Southwest Chief」の3列車は2泊3日の行程ですが、「Texas Eagle」だけは遠回りルートとなるため3泊4日と長め。そこで、今回はこの「Texas Eagle」を選んでみました。

 

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「Texas Eagle」のシカゴ発車時間は午後1時45分。その20分前にラウンジ内に案内放送が入り、寝台車の利用者がラウンジの一角に集められます。ここからホームまで係員が優先搭乗を案内してくれました。

 

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座席車の乗客が待機する前を横切って列車へ向かいます。

 

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ホーム入り口脇の掲示板には「Texas Eagle」の表示。

 

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これがこれから乗車する列車、かなりの迫力です。シカゴから西方面・南方面へ向かうアムトラックの長距離列車には基本的にオール2階建ての「スーパーライナー」が使用されています。

 

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寝台車も2階建て。出入り口は1階に設置され、前後の客車との貫通路は2階にあります。

 

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では3泊お世話になる自室へ。2階の部屋がアサインされていました。

 

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こちらがスーパーライナーの「エコノミーベッドルーム」です。ビューライナーとほぼ同じ構成で、向かい合わせのシートが一組。

 

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片方のシートの脇には上段寝台利用時のステップを兼ねた台があります。ビューライナーと違い、こちらには室内にトイレも洗面台もなく、共用の化粧室を利用する形です。

 

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反対側のシート。背もたれ横のパネルのところにコンセントが1カ所設置されています。

 

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列車は定刻でシカゴを発車。シカゴは鉄道の要所でもあるせいか、暫くは車窓に他の路線の線路が併走したり交差したり、といった感じです。あとアメリカって平面交差が凄く多い印象…。

 

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ちょっと車内を探索。2階の中央にはサービスコーナーがあって、こちらにコーヒーが用意され自由に飲めます。だいたい昼過ぎから夕方くらいまで補充されているような感じです。

 

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2階には自分が利用している「ルーメット」が10室に加え、こちらの広めの部屋「ベッドルーム」が5室設置。

 

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1階には手荷物置き場と「ルーメット」が4室、加えて4人用の「ファミリーベッドルーム」とバリアフリーの客室が1室ずつ用意されています。これに加え、化粧室が3カ所(2階にも1カ所あります)。

 

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シャワールームも1カ所あり、寝台車の旅客はいつでも自由に無料で使えます。バスタオルも用意されていましたが、石鹸しか置いていなかったので気になる人はシャンプーとか持参の方がいいのかも。

 

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ほかの車両も見てみます。寝台車は2両で、その隣には食堂車が連結されています。

 

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食堂車の隣はラウンジカー。天井まで回り込んだ大きな窓で、展望に配慮された構造になっています。この車両の1階には売店があり、ここがカフェ的な役割も担っています。

 

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座席車は2両。日本のグリーン車くらいのゆったり目のシートが並びます。しかし6両編成でうち2両がサービスカーって贅沢な編成…。

 

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列車はイリノイ州内を南下していきますが、シカゴでは寒々しい雪景色だったのに、いつのまにかこんな風景に。

 

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午後3時過ぎにアナウンスが入り、「これから食堂車の予約を伺いに廻ります」とのこと。アムトラックの長距離列車では夕食については時間指定の予約制となっています。食堂車のスタッフが列車内を廻り、予約チケットを配布。寝台車の乗客は食事付きなので全員コレを貰うのですが、座席車は有料なので希望者がチケットを発行して貰うことになります。

 

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午後7時半にミズーリ州セントルイスに到着。なんとこの列車、今のところほぼ定刻で運行しています!

 

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予約していた時間になったので食堂車で晩ご飯です。

 

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今日は大晦日、ビールで乾杯です。お向かいは相席となったマダムで、セントルイス到着前にゲートウェイアーチが車窓から見えたそうな。アムトラックの食堂車では、基本的に「相席」で、どんなに空いていても誰かが座っているテーブルに誘導されます。自然と何か会話しなきゃいけない訳ですが、意外とコレが面白かったりする面もあったりして…。「日本から来ました」位の話題振りでも色々膨らましてもらえます。

 

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ロールパンとグリーンサラダ。「Lake Shore Limited」とは違い、正統派の食堂車サービスです。お皿がプラスチックなのがちょっと残念ですが。

 

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メインで選んだのは、メニュー上では一番お高い39ドルの値段がついてる「Land & Sea Combo」、ステーキとクラブケーキの盛り合わせです。ステーキはちゃんと焼き加減も確認されますが、外側がカリッと焼かれて中もミディアムレアでいい塩梅と、なかなかに旨い。クラブケーキもちょっと塩気が強い気もしましたが美味しく戴けました。

 

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「デザートはいかが?」とのことなので、本日のお勧め「ラバケーキ」をコーヒーと一緒に。アメリカっぽい甘さですが、ちゃんと温められていて、こちらも悪くなかったです。

 

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食事のあと、カーアテンダントにベッドメイキングをしてもらいました。寝台車には1両に1名アテンダントが乗務しているんです。大晦日ですが何か列車内でそれらしいイベントがあるわけでもなく、他の乗客も特に盛り上がる様子もなく静かな夜となる感じ。自分も大人しく寝ることに…。