「Texas Eagle」での最初の夜を過ごして、今日は2020年の元旦。特別なことは何も起きませんが、乗客やスタッフ同士で「Happy New Year」の挨拶が交わされ「年明け」の雰囲気を少し感じました。ちょうど目を覚まして暫くした頃、朝7時半過ぎにテキサス州のマーシャル駅に到着。かなり立派な駅舎が使われています。定刻の7:50に発車しました。なお、この列車は今日の早朝にテキサス州に入り、明日の午後までずーっとテキサス州内を進んでいきます。そりゃ列車名に「テキサス」が入るワケだよね。
食堂車へ朝食を食べに行きます。朝食は営業時間内であれば好きなタイミングで食堂車に行けばOK。メニューはこんな感じです。
最初にオレンジジュースとコーヒーを戴きます。
メインはオムレツを選択。追加でチーズを入れて貰って、チキンソーセージを添えて貰いました。サルサソースがついてきました。ちゃんと1階のキッチンで調理された料理が出てきます。
8時半頃にロングビュー到着。
ちょっと停車時間があったので、ホームに降りて列車編成を眺めてみました。1両の機関車が2階建ての大きな客車6両を引っ張る構成です。
ダラスには定刻より20分早く11:10着。
1916年に建てられた歴史ある立派な駅舎がそのまま使われています。駅の周囲はオフィス街といった感じ。
駅舎内は綺麗に保たれていますが、待合室とチケットカウンターくらいしかなく殺風景な印象。
このダラス・ユニオン駅はアムトラックだけなく市内のライトレール、ダラス~フォートワース間の近郊鉄道「Trinity Railway Express」の発着駅にもなっています。
ダラスは11:50の定刻で発車。ここでランチ。食堂車でビーフバーガーを戴きました。
次に停車したのはフォートワース、12:40着。タイムテーブル上は13:25着なので相当早く着いちゃってます。まぁダラスとフォートワースの間は50kmくらいしか離れていないので、そもそもそんなに時間がかかるわけがないのだけど。
こちらも、しっかりした駅舎があります。
駅舎内には待合室とチケットカウンター。グレイハウンドバスのターミナルも兼ねています。
この駅はアムトラックに加え近郊鉄道とバスも乗り入れ、一大インターモーダルターミナルとして整備されています。鉄道からバスへは少ない段差でバリアフリーな乗り換えが出来るような構造となっており、公共交通の利便性向上にかなり力が入っているのを感じました。テキサス州といえば最近北米トヨタの拠点が移転したりと「超クルマ社会」って印象なんですが、公共交通も疎かにしてるわけじゃないのね。
駅構内には昔の「テキサス電気鉄道」のインターアーバン電車が綺麗に保存されていました。フォートワース駅は14:10の定刻で発車、結局1時間半の停車時間があったことになります。
16:30にテンプル着。
この駅には貨車や機関車などが保存展示されていました。
蒸気機関車や客車も置いてあって、こちらはリストア中の様子。これまでの停車駅でも昔の駅舎を大切に使っている様子が見えたりと、テキサス州って「鉄道」を意外と大事にしているのかもしれません。
すっかり日も落ちた18:25、テキサス州の州都でもあるオースティン駅に到着しました。ここで乗り降りする乗客はかなり多い感じです。
テキサスといえば日本人が知っていそうなのはダラス・ヒューストンくらいでオースティンって地味な印象ですが、かなりの大都市といった風景。実はアメリカ人の間でも人気の都市らしく、「住みたい州都」ランキングでここ数年1位を獲得。IT系企業も多く「シリコンヒルズ」と呼ばれることもあるらしいです。
まだ列車が定刻18:40でオースティンを出発したくらいのタイミングで、夕食のため食堂車へ。
夕食のメニューはこんな感じです。昨晩食べたステーキとクラブケーキのコンボの他、ステーキ単品とチキン、サーモン、ベジタリアンメニューのパスタが用意されています。
飲み物は白ワイン、アルコール飲料は寝台車の乗客向け食事サービスに含まれないので別途料金を支払う必要がありますが、ビール・ワインで6~8ドルくらいと比較的リーズナブルな価格設定です。
メインはサーモングリル。生で魚を食べる習慣のないアメリカなど海外では「魚を焼いたヤツ」はガチガチに中まで火を通しまくってパサパサの極みみたいなブツを出されることが時折あるのですが、こちらは程よい調理加減で、ジューシーに美味しく頂けました。
最後にデザートとしてチーズケーキお願いしました。
サンアントニオ駅に到着したのは21:05、定刻よりも50分も早くなっていました。「Texas Eagle」は通常はここまで毎日運行されています。そのため多くの乗客がここで降りていきました。
あまり大きくありませんが駅舎が。
こちらも駅舎内はシンプルに待合室とチケットカウンターくらい、といった感じです。
駅前には、サザンパシフィック鉄道の駅として建てられ「サンセットステーション」と呼ばれていた駅舎があり、今ではコンベンション施設として使われています。ホーム脇には蒸気機関車が静態保存されていますが、ホリデーシーズンのイルミで覆われていました。
駅の廻りには特に何もないので車内で過ごします。時折ガシャンガシャン音がして軽い振動があったのですが、外に出てみたら6両あった車両がいつのまにか2両になってました。座席車1両と寝台車1両だけの状態です。
深夜12時過ぎに、ニューオリンズからやってきた「Sunset Limited」がサンアントニオ駅に到着。2両だけが残った「Texas Eagle」と連結されました。ここからロサンゼルスまでは2列車が併結される形で進みます。