二日目の朝7時、帯広駅前のバスターミナル。
今日はまずここから、広尾までの路線バスに乗車します。
7:15に帯広バスターミナルを発車。
郊外に出ると、北海道らしい平野の雪景色が広がります。
1時間半ほどで忠類のバス停に到着。ここで5分ほどの停車時間がありました。バス待合室はお手洗いも完備されており、トイレ休憩的な位置づけもあるようです。
大樹の道の駅も経由。
終点近くになると海が見えてきました。
帯広を出発して約二時間半のバス旅で、9:37に広尾に到着。
帯広から広尾までは国鉄の広尾線という鉄道路線があったのですが、1987年に廃止になっています。その広尾線の資料がこのバス待合室に展示されていると聞いたのですが、移設されてしまったようです。移動先の「広尾町海洋博物館」は広尾の町外れにあって、ここから気軽に行ける感じではなさそうです。
さすが北海道、待合室の中は暖房がしっかり効いていて快適です。バスの窓口もありますが、朝・昼・夜とそれぞれ1時間ずつしかオープンしない模様。
外には鉄道記念公園。雪が積もっていて入れませんが…。なお、ここは広尾線の広尾駅の跡地にあたります。
ここからは襟裳岬を回って様似まで向かうJRバスに乗り継ぎ。土日祝日はⅠ日2便しか運転されていません。10:00発車。
広尾から乗車したのは自分ひとり。この先も誰も乗車してくるお客はなく、様似まで結局「貸切状態」でした。これ、自分が乗らなかったらお客は無人で走ってたんだろうか…。
暫く進むと窓には海が迫ってきます。
広尾から襟裳岬までの国道336号線は通称「黄金道路」と呼ばれています。断崖絶壁の迫る険しい地形に建設したために莫大な費用がかかり、まるで黄金を敷き詰めたようだ…ということでこの名がついたんだとか。確かに海に沿った狭い敷地になんとか道路を通した感じです。ただ、路線の改良はどんどん進めているようで、海沿いのルートをトンネルに付け替えている箇所も多く見られました。
広尾から1時間で襟裳岬。オフシーズンなので観光客らしき姿はありませんでした。
ここから車窓には太平洋が見えてきます…って今までも太平洋か。
広尾から2時間、様似駅前に到着しました。
日高本線の終点、様似駅です。苫小牧からの線路がここまで延びているのですが、2015年の1月の高潮被害で現在は様似~鵡川のみ運転され、鵡川からここまでは運休中。もう5年も列車が来ない駅になってしまい、そのかわり代行バスが運転されています。もともと赤字路線だった日高線、JR北海道の経営状況も芳しくないことから復旧費用の目処がたたず、復旧を強く求めていた沿線自治体の態度も変わりつつあり、どうもこのまま鉄道廃止、という流れになりそうです。
駅舎内には待合室、きっぷ売り場もちゃんと窓口が開いていました。
ホームに出てみると、錆付いた線路が寂しげな感じ。
ここで待ち時間があるので、どこかでランチを…と思いGoogleマップを調べたら、駅から5分ほど歩いたところに「食事の店 水鶏」というラーメン屋があるみたい。で、来てみたらこんなお店。貨車(正確には貨物列車に連結されていた車掌車ですけどね)を使ってるじゃん!
店内も車掌車だった頃の面影を遺してる感じです。
よく見たら壁のお品書きも、ちょっと駅名表示っぽいデザイン。ラーメンがメインですが…。
ご飯モノや定食もありました。
北海道らしく味噌ラーメンにしてみましたが、これがなかなか旨くてちょっと吃驚。ごくごくスタンダードな感じだけど、丁寧に作られてる印象のラーメンでした。ご飯のサービス付きで800円というお値段もナイス。凄く混んでるわけではないけど次から次へと来店者がいたので、実は地元でも人気店かもしれません。列車内みたいな雰囲気もよかったし。