へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

令和2年5発目、霧島温泉に泊まってみた。その3:肥薩線観光列車乗りまくり。

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霧島ホテルでの一泊を過ごし、バスで霧島温泉駅を目指します。予め利用予定のバスの時間をフロントで伝えておくと、時間に合わせてバス停まで送迎車で送ってくれます。

 

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霧島温泉駅まではちょうど30分。

 

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駅の待合室には古い案内図が掲げてありました。1988年に廃線になった、粟野から分岐して八代までを結ぶ山野線や、その一年前の廃線だった西都城から分岐する志布志線が図の中に描かれています。

 

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あら、こちらにも坂本夫妻がいらっしゃいますね…。

 

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ここからは鉄道旅。吉松行きの特急「はやとの風2号」に乗車します。九州新幹線の開業を契機に運行が始まった観光特急です。バリバリに普通列車用のディーゼルカーを改造して特急に仕立てる、ってのは登場当初、かなり驚いたもんです。長らく定期列車として走っていましたが、今では土日祝日などを中心とした臨時列車になりました。

 

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霧島温泉では5分ほど停車時間があり、ホームには地元の方による即席売店が登場していました。

 

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では乗車。改造車ですが、車内はウッディな感じでまとめられていて雰囲気は悪くありません。

 

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発車して隣の駅、大隅横川には6分停車。この駅舎も、昨日訪問した嘉例川と同じ年に開業した、鹿児島県内最古の駅の一つです。駅舎内には出店が並び、地元の方も遊びに来ているようで賑わっていました。

 

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駅のホームの柱には、機銃掃射の跡が残っていて、これもこの駅舎の見所です。

 

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霧島温泉から30分ほどで終点の吉松に到着しました。ここは都城方面に向かう吉都線肥薩線から分岐する駅であると同時に、この先の人吉方面への難所へ向かう準備拠点として、その昔は「鉄道の街」でもあったところ。駅前にはSLが静態保存され、往時を紹介する小さな史料館もあったりします。

 

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ここからは人吉行きの普通列車「しんぺい2号」へ乗り継ぎ。「しんぺい」とは明治・大正時代に活躍した政治家・後藤新平のことです。なんで?と思ってしまいますが、肥薩線の最大の難所だった人吉~吉松間が開通したときの鉄道院総裁を務めていたのがその理由。この区間でも難工事だった矢岳第一トンネルの吉松側の入口に後藤新平が書いた扁額が掲げられていることに由来します。矢岳第一トンネルは人吉側に当時の逓信大臣だった山縣伊三郎の扁額があるため、反対方向の人吉発の列車名は「いさぶろう」が与えられていたりするのですが。

 

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2両編成の「しんぺい」は基本、殆どの座席が「指定席」として販売されており、自由席も「ある」ことにはなっていますが数席しかありません。こちらも元は普通列車用のディーゼルカーですが、観光列車らしい内装に改造されています。

 

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吉松を発車した「しんぺい」は10分ほどで次の駅、真幸に到着しました。

 

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真幸はスイッチバックの駅。勾配がきつい区間をジグザグに進むことで高度を稼ぐという線路の敷き方で、駅はその途中に位置しているんです。先ほど停まっていたホームを横目に見ながら、列車は勾配を上がっていきます。

 

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真幸から次の駅、矢岳までの間に「日本三大車窓」と呼ばれる景観が楽しめる区間があります。なお、「三大車窓」のほかの2つは「篠ノ井線の姥捨付近」と、今では線路付け替えのために存在しない「根室本線狩勝峠付近」だそうですよ。

 

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列車は暫くここで停車してくれるので、眺望をじっくり楽しめます。また、ここから見える景色の解説看板も沿線に設置されていて、とっても親切。

 

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今日はお天気もよく、うっすらですが桜島まで見渡すことができました。

 

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矢岳第一トンネルを抜けると線路は下り坂になっていきます。矢岳駅では5分ほど停車。

 

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ここには駅前にSL展示館があり、乗客の多くが停車時間を利用して見学していきます。

 

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ここから次の大畑までは急な下り坂を避けるためにループ線スイッチバックのコンボという、なかなかレアな線形になっています。列車がループにさしかかるところで、車窓からはこれから向かう大畑駅を眼下に見ることができました。なお、ここまでの間、沿線の主要な絶景スポットは全て進行方向の右側。この列車は4席がけのボックスシートが基本ですので、奇数番号の席を選んでおくと良さそうです。

 

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大畑での停車時間は7分。

 

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この駅には沢山の名刺が貼られています。なんでもココに名刺を貼ると出世できるという噂があるらしい…あんまり出世したくないから貼らなくてもいいや(^^;)。

 

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駅のそばに、なんだかお洒落なレストランができています。最近オープンした「CLASSIC RAILWAY HOTEL人吉」のレストラン「LOOP」で、ランチ営業もやっている様子。結構な人気のお店のようで、今度時間があれば寄ってみたい感じです。この「CLASSIC RAILWAY HOTEL人吉」、宿泊は隣の矢岳駅近くにある駅長宿舎になるというユニークな仕組み。

 

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人吉に到着すると、そのまま特急「かわせみ やませみ4号」へ乗り換えました。

 

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「かわせみ やませみ」はJR九州の観光列車の中でも最も登場時期が新しい列車になります。元ネタは相変わらず国鉄時代に製造された普通列車用のディーゼルカーなのですが、内装の豪華さや洗練度はどんどん高くなり、完成形に近づいているような印象がありますね。

 

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車内にはサービスカウンターがあって飲食物やお土産などを販売しています。地元球磨の焼酎とおつまみのセットを購入し、ちょっと遅い昼食にしました。

 

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人吉の「開」という有名店が手がけた「おつまみ」は、ジビエの鹿肉を使ったりと地元に拘ったハイレベルな仕上がり。焼酎が進みます。

 

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車窓からは球磨川

 

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JR九州の観光列車は途中駅での停車時間を長く取ることが多いような気がするのですが、この「かわせみ やませみ」は一勝地で8分、坂本で5分、と割と最小限。

 

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ホームに降りて列車を眺めると、塗装もかなり凝った綺麗な仕上がりなのが解ります。

 

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「のんびり特急」は1時間半ほどで終点、熊本に到着しました。

 

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さすが熊本、駅のベンチに「くまモン」が居やがるぜ。

 

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熊本からは在来線で小倉まで移動…なのですが、実は改札階まで降りてこなくても同じホームの反対側で乗り換えができたことに気がつく私。

 

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2両編成の鳥栖行き各駅停車に乗ります。

 

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JR九州普通列車もユニークな車両が多く、この817系もその一つ。窓が異常に大きく、木の板に革製のクッションを貼り付けたような姿が印象的な転換クロスシートが並びます。居心地はなかなか良好で、これなら鈍行でも快適です。

 

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久留米で下車し、ここ始発の門司港行きの快速列車へ乗り換えます。

 

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こちらも転換クロスシートが並び、座り心地はまずまず。

 

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結局、乗り換え1回の3時間ちょっとで、熊本から小倉まで移動できました。しかし小倉駅、いつ見てもこの「モノレールがビルに突っ込んでる」のが「ぼくのかんがえたみらいとし」みたいで凄いよな…。