へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

「デルタ航空が最近いいらしい」ってホントか?

最近、「デルタ航空がよくなってる」みたいな話を耳にするようになってきました。米系キャリアなんてサービス悪いわメシは不味いわ遅れるわ欠航するわ…って感じというのが定説でしたが、なんでも最近は変わってきているんだとか。マジか。

 

日本人が評価するエアラインランキングとしては、恐らく「エイビーロード エアライン満足度調査」が一つのベンチマークになるかと思われます。2019年の調査を見てみましょうか。こちらでレポート全文がPDFで読めます。

 

https://www.recruit-lifestyle.co.jp/uploads/2019/07/RecruitLifestyle_AB_20190704.pdf

 

総合ランキングではもちろんトップ10入りなんてことにはなってませんが、2019年度は14位。ただ、比較的いいイメージのキャセイパシフィック航空と同位です。2017年20位→2018年18位からの14位と赤丸急上昇中って感じで、これが「ザ・ベストテン」なら「今週のスポットライト」のコーナーでワンコーラスくらい歌わせて貰えそうな感じです。しかも部門別では「機材」「エンターテイメント」で10位貰ってます。米系なんて「コスパ部門」くらいしか上位に食い込まないのが普通だったのにねぇ。

 

米国での調査を見てみましょうか。The Airline Quality Ratingあたりが指標になると思うのですが…。

 

airlinequalityrating.com

2019年のランキングでは1位取ってます。ほかの調査でもだいだいトップ3くらいには位置していることが多く、なんか評判が上がっていることは確からしい。

 

加えて、昨年下期から長距離路線のサービススタイルを改善したとのこと。なかなか体験する機会がなかったのですが、いろいろ複雑な事情のこの時期、アメリ東海岸への出張に行くことに。それじゃ、見せて貰うかデルタの実力とやらを。

 

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閏年、2月29日の土曜日午後のセントレア。相変わらずガラガラです。

 

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チェックインカウンターもこの有様。ただ、フライト自体はガラガラではなく、7割くらいの埋まり具合のようです。

 

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ターミナルビル4階のスカイタウンへ。まぁまぁ人がいる感じですが、今日は週末。本来であればここで何らかのイベントが行われ、もっと多くの人で賑わっているはずなのを考えると、ねぇ。しかも今はちょうどセントレア開港15周年期間。記念イベントもいろいろ企画されていたんだと思うんですが。

 

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イベントプラザの片隅にこんなボードを発見。セントレアには「セントレアフレンズ」というキャラクターがいるんですが、その人気投票とかをやっていました。こんなにいたのかお前ら。なお、ウェブでも投票できるらしいよ。

 

www.centrair.jp

 

「第1弾」期間の中間発表が出てますが、メインである「なぞの旅人フー」が1位なのはいいとして、結構いい追い上げで「かもめちゃん」が2位って大丈夫か。

 

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「プライオリティパス」で利用できる「スターアライアンスラウンジ」へ立ち寄りましたが、こちらもお客が数名といったところ。で、新型コロナ対策で飲食物の品揃えが相当に残念な内容に…。もともと割と残念な部類に入る感じでしたが(^^;)、今日はそれに輪をかけて、個包装のおにぎりやパンくらいしか置かれていないという状況です。飲み物もドリンクサーバー以外は全て缶ドリンクなどに限定され、氷も用意されていませんでした。仕方ないっていえば仕方ないのですけどね。

 

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こちらが本日搭乗する、デトロイト行きDL94便。機材はエアバスA330-200です。

 

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今日は機材の到着が少し遅れたらしく、出発30分ほど前からの搭乗開始でした。

 

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座席は青い革張り、座り心地はまずまず。ただシートピッチはそれほど広くなく、リクライニング角度も控えめな印象です。

 

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シートモニターはもちろん完備。エンターテイメントシステムはしっかり日本語対応です。映画も日本語対応のものがこの日は28本用意されていました。このシステム、映画を「対応言語」ごとにソートできるのがかなりナイス。これ、いちいち詳細までチェックしないとその映画の対応言語が分からない、とかってよくあるよね。

 

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デルタ航空、エコノミーなのにアメニティキットの配布があります。まず暫く前から配布されるようになったスリッパ。エコノミーでスリッパくれる航空会社って他にはあまり無いんじゃないですかね。靴を脱いで楽に過ごせるので地味に嬉しい。加えて紙おしぼり+アイマスク+耳栓の入ったパック、イヤホンも配布されます。

 

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また、結構きちんとしたメニューが配布されます。

 

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メニューの中には食事や飲み物のラインナップが掲載されていますが、加えて「本日のサービスの流れ」みたいな説明があるのは親切。

 

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暫くすると、機内食用のカトラリーと飲料水がボトルで配布されます。エコノミーでエビアンのボトルをばらまくって太っ腹じゃん。

 

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その後、ウェルカムカクテルとして「ベリーニ」配られます。桃のピューレとスパークリングワインがベース。デルタ航空の本拠地アトランタのあるジョージア州が「桃」の名産地だから、なんだってさ。

 

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さてさて、機内食タイム。先ほど配られたカトラリーの包みを開くと、それがそのままテーブルマットになります。エコノミーなのにテーブルにマット敷いてご飯食べるのってなんか新鮮。

 

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機内食は前菜2種、メイン3種からチョイスする形式になります。旅客一人一人からリクエストを訊いて、それに合わせてその都度トレーにミールをセットしてサーブするという、なかなかクルーの仕事量としちゃ大変そうな流れになっていました。この日はハムとトマトのサラダ、カツ丼をチョイス。味の方も割とイケました。何気にパンが旨かったし。

 

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食後のデザートはハーゲンダッツのアイスクリーム。カチカチで出てきて「デルタコウクウスゴイカタイアイス」になってたのはご愛敬。

 

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1回目のミールサービスが終わると機内はお休みモード。で、キャビン後方の空席のテーブルの上には、こんな感じでスナックコーナーが開設、好きなときに好きに持って行ってOKな感じで用意されていました。この隣にはエビアンのボトルもどーんとダースで置かれ「さぁ持ってけ」状態。水のボトルは途中でクルーが希望者に配って廻ったりもしてたので、水分補給には困りませんね。

 

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せっかくなので少し貰ってもぐもぐ。

 

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中盤で出されるスナックは包みピザみたいなやつ。

 

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これもチーズ多めで、何気に旨かったです。

 

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到着前の食事はたまごとチーズのホットサンド、フルーツにヨーグルトの組み合わせ。これも予め食事が並んだトレーを配布するのではなく、その場でトレーに食事を並べてサーブするスタイルでした。手間かけてんなデルタ。

 

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そんなわけで、なかなか快適な感じでデトロイト到着、となりました。まぁクルーの対応が日系ほど繊細じゃないとかってのはありますが、皆さんフレンドリーで意外と和やかで印象は悪くありません。加えて日本語の話せるクルー多くないですか? 3~4名くらいは乗ってたぞ多分。

 

なお、デトロイト到着時、降機前に地上係員からアナウンスがあり「名前を呼んだ人はドアサイドに来い」とのお呼び出しがありました。…って俺の名前呼んだ? 自分含め2名が名前を呼ばれ、ビジネスクラスやVIPよりも先に降ろされてスタッフの先導で入国審査へ。これは別室送りか?と思ったのですが、結局フツーに入国審査を受け、何事もなく手荷物受取所で解放されました。一体何だったの?と思ったのですが、そうえいば降りて最初に「中国のスタンプは何処?」ってパスポート見られたな…。恐らく年末年始のアメリカ旅行が中国経由のフライトで、1月初旬にロサンゼルスから瀋陽に行くフライトに乗った記録は残っているはず。それでチェック対象になったのでは、と思われます。

 

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デトロイトデルタ航空の主要ハブの一つ。まぁ元々はデルタと合併しちゃったノースウエスト航空のハブだったんですがね。おかげでデルタ航空利用であれば国際線と国内線の乗り継ぎは同じターミナル内で完結し、入国審査を終えて手荷物を一旦引き取って税関越えて手荷物をまた預けて保安検査抜けて…とエスカレーターに乗って上に上がったらそのまま出発ゲートエリア、という分かりやすい導線になっています。

 

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ただ、次のニューヨーク・ラガーディア行きまで4時間以上の待ち時間が。デルタ航空でもスカイチームでも上級会員資格は持ってないし、プライオリティパスで使えるラウンジや施設もないので、そのへんでひたすら待つ羽目になりました。こんな感じでまずまず快適なソファとかあったし、WIFIも割と早いのがタダで使えたから時間潰しはできましたけどね。

 

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晩ご飯はチックフィレイがあったのでそちらで。このチェーン、やはり人気らしく他の空港内店舗に比べても格段に混んでました。

 

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チキン、チーズ、レタスにトマトというシンプルな構成ですが、やっぱ旨いですねココ。ポテトも独特。日本に進出しないのかな?

 

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ニューヨーク行きのDL973便の機材は今どき珍しいB717。もともとはボーイングに合併されたマクドネル・ダグラス社の「DC-9/MD-8X/9X」シリーズの流れを汲む、後ろにエンジン2個くっつけた旅客機です。ボーイングとの合併の際に旧MD社の旅客機は基本的に「絶盤」になったのですが、開発中かつ一定のオーダーがあったMD-95は残ることになり、「B717」に改名されて世に出ることになりました。で、面白いのがデルタ航空B717って元々デルタ航空がオーダーしたものではない、ということ。LCCのエアトランが発注していたのですが、エアトランはその後サウスウエスト航空と合併することになります。サウスウエストと言えば機材を全部B737シリーズに統一することで効率化しました!ってLCCなので、合併で全然違う機材が入って来ちゃうのは少し困った事態です。ここに目を付けたのがデルタ航空で「ウチが発注してるB737とお宅でもてあましてるB717を交換しませんか?」と持ちかけたわけです。なんでそんなコトしたの?って感じなのですが、実はデルタ航空は当時、かなりの数のMD-8Xシリーズを運用していました。それなら系統が同じB717を増やした方が効率いいんじゃね?と考えたようなんです。最終的にデルタ航空は90機以上のB717保有していますが、B717はそもそも生産機数が150機程度なので、過半数を持ってることになるのね。

 

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出発20分前くらいからの搭乗開始でした。今日は満席とのこと。

 

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ニューヨークまでの飛行時間は実質1時間強、と言った感じでした。機内サービスはドリンクが出てくるのは勿論、軽いスナックもサーブされたのはちょっと吃驚。ビスケットかチーズクラッカーから選べました。

 

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荷物も比較的早く出てきました。デルタ航空のアプリもなかなかの優れもので、そのまま搭乗券代わりになるQRコードが出せたり、搭乗が始まるとメッセージで教えてくれたりするのですが、一番ありがたいのは「受託手荷物の状況を教えてくれる」という機能。自分の荷物が飛行機に搭載されると「今搭載されました」というメッセージが表示され、到着後も「今飛行機から降ろされました」「これからターンテーブルに出てきます」みたいなのも教えてくれるんですよ。おかげで「あ、もしかしたらロストバゲージとかになってないよな…」とかドキドキしながら荷物を待つようなことはありません。なんかいろいろ凄いぞデルタ。