へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

祝?移動自粛解禁。「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗ってきました。

f:id:slips:20200630220120j:plain

いよいよ「県境を越えた移動」の自粛が緩和となりました。健康には気をつけながら、少しづつ「お出かけ」再開していくことにします。

 

で、記念すべき?第一弾は西日本鉄道の観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」を体験してきました。この週末はもともと、長崎・雲仙の「雲仙観光ホテル」に宿泊しようと航空券を予約していました。しかしながら、雲仙観光ホテルが6月いっぱいまでの休館を決定し、航空券だけが宙ぶらりんな状態に。航空会社の特別対応でいつでも払戻可能なので暫く放置していたんですが、経済活動の再開の動きで、なんだか「お出かけ」できそうな雰囲気…。いろいろ検討していたところ、以前から乗ってみたかった西鉄の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」も5月末から運行を再開していたので、じゃコレ!と思った次第です。

 

f:id:slips:20200630221202j:plain

今回の出発はセントレアではなく県営名古屋空港から。JALコードシェア便としてフジドリームエアラインを利用します。

 

f:id:slips:20200630221315j:plain

搭乗するのはFDA303便。JAL4403便としてJALのサイトから購入したものです。JALのマイルが付くし、FLY ONポイントも加算されます。機材はエンブラエルERJ175、「ちびまる子ちゃんランド」のラッピング機で、機内アナウンスでもPRがありました。機内は思ったより席が埋まっており、ざっと6~7割くらいの搭乗率といった印象。

 

f:id:slips:20200630221813j:plain

機内サービスが独特なのもFDAの特徴かも。早朝便では愛知県小牧市に本社のある「コモ」のパンがサービスされます。なお、お取り寄せの案内付き。このパン、特殊な種を使っているため賞味期限が長いんですよね。でもちゃんと普通に旨いパンだし。

 

f:id:slips:20200630222326j:plain

ほぼ定刻で福岡空港に到着。

 

f:id:slips:20200630222530j:plain

福岡空港からは地下鉄で天神へ向かいます。「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の発車時刻は11:50、まだ朝10時過ぎなので周囲をぶらぶらして時間を潰しました。

 

f:id:slips:20200630222652j:plain

11時半頃に改札を通過してホームへ。予約すると利用5日前くらいに「乗車券」替わりのメールが送られてきます。そのメールをプリントアウトするか画面で見せると、この北口の有人改札を通過することができる、という流れ。メールには「このメールを提示できないと乗れません」的な記載がありますが、印象としてはそこまで杓子定規な運用は行っていないように感じられました。でもメールは忘れずに見せようね!

 

f:id:slips:20200630223105j:plain

ホームには既に列車が入線していました。頭端式のホームなんで、思ったより風情があります。ホーム端のデジタルサイネージには出発案内も掲示

 

f:id:slips:20200630223335j:plain

列車のエントランスには「お洒落カフェ」の入口みたいなディスプレイが。ここでスタッフが名前を確認しながらチェックインしてくれ、席まで案内してくれます。このベンチ、座って記念撮影もできました。

 

f:id:slips:20200630223700j:plain

車内はこんな感じ。窓の格子なども相まって、やっぱり「カフェ」イメージですね。

 

f:id:slips:20200630224320j:plain

今回は1名での利用でしたが、窓側の2人掛けテーブルがアサインされました。「密」回避で定員を減らして運行しているため、お客さんの数は座席数の半分以下くらいといった感じで、ちょっと寂しいかな…。

 

f:id:slips:20200630224503j:plain

西鉄福岡駅発車までの間、車内を探検。この列車は3両編成ですが、2両目はほぼ全体がキッチンに充てられているという贅沢な造りです。既にこの旅で提供される食事の準備が行われていました。キッチンにはオーブンも設置され、メインで提供されるピザはここで焼き上げられます。レストラン列車は全国かなり増えましたが、既に調理・配膳された料理を積み込むだけ、というのが意外と多かったりします。その中で、ここまでガッツリ車内で調製するのは貴重かも。

 

f:id:slips:20200630224938j:plain

本日のメニュー。かなり拘って沿線の地元の素材を使った内容となっています。この列車「観光列車」と紹介しちゃいましたが、「他の地域からの観光客の誘致」よりは「地元の人が利用して地元を再発見する」というのがコンセプト。西鉄の福岡~大牟田なんてバリバリの「日常」路線で通勤通学の足なわけですが、そんな「普段使い」の皆さんに地元の良さを再認識して貰おう、ということで企画されたため、逆に「地元のいいもの」を出してる、といった感じなんですね。

 

f:id:slips:20200630225418j:plain

ドリンクメニューも充実しており、こちらも沿線からチョイスされた品が揃っています。また嬉しいのが、「メニュー掲載のドリンクをどれでも3杯飲めて税込み1800円」というセットがあること。高いモノだと1杯1200円したりするんですが、これも対象なんだと。いいのかそんな太っ腹で。

 

f:id:slips:20200630225723j:plain

発車すると程なくウェルカムドリンクが。これは基本料金に含まれる分です。ノンアルコールのジュースも用意されていますが、ココは勿論「あまおうプレミアムスパークリングワイン」をチョイス。ボトル1本に苺「あまおう」約50粒を使ってるそうな。1本3000円くらいと、購入するとそれなりのお値段の品だったりします。

 

www.nishitetsu.co.jp

 

f:id:slips:20200630230229j:plain

1品目は「とうもろこしと胡瓜の冷たいスープ」。柳川産のとうもろこしと八女産の胡瓜を使っています。とうもろこしは荒潰しで瑞々しく、スープというよりはピューレを食べてる感じなくらい「とうもろこし」の風味が強く出ています。上にちょこんと乗った胡瓜をスープに混ぜると、またちょっと爽やかさが出てきて風味が変わるのが面白かったです。

 

f:id:slips:20200630230603j:plain

ここでドリンク1杯目をオーダー。「うきはフルーツエール」、うきは産のぶどうを使ったビールです。「フルーツエール」ということで台湾で見かけるような甘めのフルーツビールを想像していたのですが、ぶどうは軽く香りを感じるくらいで、味はしっかりエールらしい飲み応えのあるビール。食事にもしっかり合ってくれました。

 

f:id:slips:20200630231102j:plain

2皿目で「野菜のプレート」として運ばれてきたのは「ズッキーニと茄子のスカペーシェ」「茹で卵のドライトマトソース」「桃とマスカットのカプレーゼ」の3品。スカペーシェってのは要は南蛮漬けみたいなもの、野菜の味が濃い感じが生かされてる印象でした。フルーツとモッツァレラチーズというのも意外と悪くない組み合わせでしたが、桃の皮はそのまま食べてよかったのかしら…。

 

f:id:slips:20200630231841j:plain

ドリンクのお代わりは白ワイン「ローズ・ボッサ」。次が肉料理なので赤でもよかったんですが、コレなんと福岡で作ったワインなんですよ。しかもワインとしては結構珍しい「巨峰」が原料。出てくる料理が地元に拘ってるんだから、飲み物も地元縛りでいくぞ! なお、すっきり呑みやすく結構旨かったです。

 

f:id:slips:20200630232435j:plain

3品目の肉料理「豚肉のスパイス煮込み」です。「スパイス煮込み」といっても辛口スパイシーなワケではなく、複雑な風味が感じられるソースでした。ポークもとろとろに煮込まれていて美味。願わくばソースが旨かったので、浸して食べられるパンとか寸とかあったら嬉しかったかも。

 

f:id:slips:20200630233110j:plain

この手の観光列車では「定番」ともいえる「沿線でのお見送り」もありました。

 

f:id:slips:20200630233310j:plain

食事の途中で、記念乗車券が配られました、考えてみたら申込みとかのやり取りは基本メールなんで、こういうモノって全然なかったんですよね今まで。「列車」に乗るわけだから、手元に残る乗車券っぽいブツがあると、ちょっと嬉しいよね。

 

f:id:slips:20200630233512j:plain

4皿目はこのコースのメインにあたる「ズッキーニと大葉のピザ」です。クラストは全粒粉なのかな?香ばしくてイイ感じです。大葉もチーズと合わせると「洋」の顔になるのがユニーク。

 

f:id:slips:20200630234214j:plain

途中、花畑駅で15分ほど停車。「停車駅」扱いではないのですがドアが開放されホームに降りられるので、ちょっと外観を眺めてみました。

 

f:id:slips:20200630234330j:plain

2号車のキッチン部分。黒板のメニューボードみたいになってるのね。

 

f:id:slips:20200630234405j:plain

こちらの駅では手作りの横断幕でお見送りしてくれる親子が登場。かわいい。

 

f:id:slips:20200630234910j:plain

沿線の幼稚園からも手を振ってくれました。

 

f:id:slips:20200630234948j:plain

次のドリンクで3杯目。梨ジュースが面白そうだったのですが品切れとのことで蜜柑ジュースをいただきました。これでメニュー上の価格では合計2700円なんですが、セット料金なので1800円で飲めてしまった…。

 

f:id:slips:20200630235149j:plain

〆はハーブティーとデザート。この列車、途中に柳川駅で停車しますので、ここで下車する乗客から先にサーブしていました。ハーブティー八女市お茶屋さんがブレンドしたオリジナルの3種から選べるようになっており、和紅茶+カモミールを選んでみました。

 

f:id:slips:20200630235450j:plain

デザートはうきは市のカフェ「cake.cafe.miel」のアイスケーキでした。フルーツがふんだんに入っており、ちりばめられたクッキーもいいアクセント。

 

f:id:slips:20200701000154j:plain

結局、乗車時間の2時間半ほど、ずっと「食べて飲んで」といった感じでした。終点の大牟田駅到着直前に、この「降車券」が配られます。下車して改札を通過する際に駅員にこれを渡して出場する流れです。

 

f:id:slips:20200701000408j:plain

14:14の定刻で大牟田駅に到着です。片道料金8800円とそこそこのお値段ですが、福岡という都市から出発できるというアクセスの良さ、「地元」に徹底的にこだわった食事やドリンク、カフェみたいな心地よさ等々、なかなか楽しい旅路でした。また、この列車の利用者専用で、西鉄路線が1日550円で乗り放題になるチケットも買えるので、福岡への戻りに柳川寄ったり太宰府寄ったり…ってのもお手軽にできるのもいいですね。割とお勧め、でした。