へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

7月四連休の「へんな旅」その1。骨董品の特急乗車。

f:id:slips:20200812001642j:plain

7月って四連休があるんですよね。「四連休になった理由」のコトは延期になっちゃいましたが、カレンダーは予定通りで四連休のまま、折角なのでお出かけしました。凄く「へんな旅」でしたけど。

 

f:id:slips:20200812001821j:plain

名古屋発朝イチの「のぞみ75号」で西を目指します。

 

f:id:slips:20200812001900j:plain

岡山で下車し、出雲市行きの「やくも3号」に乗り換えです。

 

f:id:slips:20200812002652j:plain

この特急「やくも」に充当されているのは381系電車。まだ国鉄時代の1973年に登場した車両です。その昔は名古屋と長野を結ぶ特急「しなの」でも使われていたのですが、JRになって間もなく新型車の383系に置き換えられ、JR東海エリアでは1996年に定期列車での運用から外れています。そんな「骨董品」みたいな「国鉄」車両を未だにJR西日本は「特急」に使っているワケ。最終製造は1982年だそうで、さすがに生き残っているのは後期製造分だと思うのですが、それでも既に40年近くが経過してるってのは、物持ちいいなJR西日本。まだ「国鉄」の頃に製造された特急用車両が使われているのって、JR九州JR四国キハ185系、JR北海道キハ183系くらいだった筈です。

 

f:id:slips:20200812003528j:plain

今回利用したのは豪勢にグリーン車! この「やくも」、一部の列車には改造で誕生したパノラマ車両のグリーン車が使われているんです。さすが「古い車両を大切に使いましょう計画」大好きのJR西日本も比較的高頻度で運行する特急の車両が古参ってのは問題だとは思っているらしく、2022年度を目処に後継車を検討、ということになっています。つまり引退も結構「秒読み」になってきたので、今のうちに乗っておこうと思った次第。ちなみに、JR西日本のクレジットカード「J-WESTカード」を持っていると各種の割引運賃が使えたりするのですが、今回の利用も特急券+グリーン券で通常運賃6610円のところ、3470円で買えてしまいました。このカード、ショッピング実績が年に1回あれば年会費無料なんで、JR西日本エリアでの旅行予定がそれなりの頻度であるなら、作っておいてソンはないと思います。

 

f:id:slips:20200812004227j:plain

このパノラマグリーン車の最大の特徴は運転席を通して前面展望が楽しめるところ。

 

f:id:slips:20200812004319j:plain

当然ながら運転席直後のシートは大人気で満席、前から3列目をやっと確保できたのですが、この位置からでも意外と前がよく見えます。

 

f:id:slips:20200812004458j:plain

車両は古いけど内装は何度かアップデートを受けています。とはいえ、そこかしこに「昭和の国鉄」の香りが残っているのがご愛敬。ドアのところや洗面台など「段差」が目立ちますが、これはこの車両が床を低くして作られているから。この381系、「振子型車両」でして、カーブにさしかかったところで「振子」のように車体を傾けることで早く走れるように設計されています。なので重心が低くなるようにしてあるんですね。加えて、この381系の置き換えが進まないのも、この車両の特殊性が一因だったりします。381系は「自然振子方式」といわれる、車両にかかる遠心力とかで自然に車両が傾くような構造なのですが、車体の傾くタイミングが微妙にズレるので、乗り心地がイマイチなのが課題とされていました。その後に登場した振子型車両は「強制振子式」といって、線路のカタチに合わせて予めプログラミングしておき、そのプログラムによって車体を傾ける方式が採用されています。コレ、意外と作るのが大変でコストもかかるらしく、JR西日本では紀伊半島の方へ運行している特急「くろしお」用に283系という車両を開発しましたが、何か問題があったようで18両しか作られていません。「やくも」が古いまま使われているのは、そのへんの事情もあるのでしょうな。なお最近では車体を振子式にするのではなく、台車に付いてるゴムのクッションに送り込む空気の量をコントロールすることで車体を傾斜させるというタイプもあります。東海道新幹線あたりでも採用されていますが、あんまりカーブがきつい路線だと必要な空気量が多すぎて使えなかったりするみたい。

 

f:id:slips:20200812005828j:plain

このグリーン車は「2+1」の横3列。座席はこんな感じです。

 

f:id:slips:20200812005908j:plain

さすがグリーン車、リクライニングも深く倒れます。

 

f:id:slips:20200812005935j:plain

普通車も座席は新しいものに取り替えられており、座席間隔も広げられています。そのかわり、窓の位置と座席の位置が合わなくなって「座席の横が壁」みたいなところが出てきちゃってますが。

 

f:id:slips:20200812010105j:plain

岡山から約3時間で出雲市到着。

 

f:id:slips:20200812010131j:plain

折角ここまで来たので出雲大社に行きましょうか。一畑電鉄の電車を使いました。

 

f:id:slips:20200812010219j:plain

途中、川跡で乗り換えて出雲大社前に到着。

 

f:id:slips:20200812010316j:plain

出雲大社前の駅舎はちょっとモダンな雰囲気です。

 

f:id:slips:20200812010419j:plain

駅舎内もステンドグラスや丸い天井など、洋館のようです。

 

f:id:slips:20200812010506j:plain

出雲大社前の駅から出雲大社までは少し歩きます。途中、こんな所もありました。あの方のご実家ですねぇ。

 

f:id:slips:20200812010605j:plain

境内に入る前に昼食。「出雲そば 田中屋」にしましたが、人気店だけあって行列ができてました。

 

f:id:slips:20200812010804j:plain

「三色割子そば」を戴きます。上に乗っているのはとろろ、天かす、温泉玉子。それぞれ味わいが違い、いろいろ楽しめるのがいいよね。

 

f:id:slips:20200812010959j:plain

昼食のあとは参拝。

 

f:id:slips:20200812011029j:plain

そのあとは「島根県立古代出雲歴史博物館」へ。出雲大社自体は何度か来ているんですが、こちらは初訪問だったりします。

 

f:id:slips:20200812011138j:plain

入口での検温など、新型コロナ対策がバッチリ行われていました。

 

f:id:slips:20200812011221j:plain

展示の中で面白かったのはこちら。鎌倉時代出雲大社本殿を、5人の建築学者が文献などをもとに作った復元模型が並んでいます。「高さ48メートルあった」という説があるそうですが、いろいろ議論はあるようです。

 

f:id:slips:20200812012354j:plain

出雲大社からは少し歩く距離ですが、廃止されたJR大社線の終着駅だった「大社駅」ををを見に来てみました。一畑電鉄の駅が洋風だったのと対照的に、こちらは純和風。

 

f:id:slips:20200812012520j:plain

この駅舎は重要文化財となっており、廃線後も保存されています。

 

f:id:slips:20200812012631j:plain

駅舎内も和風。

 

f:id:slips:20200812012657j:plain

窓口などには廃線当時のままの掲示や案内が残されています。

 

f:id:slips:20200812012749j:plain

ホームなども当時のまま残っています。

 

f:id:slips:20200812012814j:plain

駅舎の脇には恐らく団体客などを捌くためと思われる臨時改札も設置されていました。その昔はここが出雲大社への表玄関だったわけですしね。

 

f:id:slips:20200812012918j:plain

では今日のお宿へ。「出雲グリーンホテルモーリス」、出雲市駅前の便利なロケーションです。大浴場もあるのが嬉しいところ。

 

f:id:slips:20200812013007j:plain

シングルルームはごく「普通」な感じ。

 

f:id:slips:20200812013031j:plain

夕食をどうしようかな…と思っていたのですが、ホテルから徒歩5分ほどのところにあるスーパーに行ってみたら、地物のお刺身などが半額で大放出中だったので、これらを調達して済ませました。旅先のスーパーマーケット巡りって、意外と面白いのよ。