もうすぐ引退だと思います。
ホテルをチェックアウトして厚岸駅へ…ってすぐ目の前ですが。
まずは根室行き普通列車に乗車します。JR北海道では「北海道命名150年」に合わせ、4両のキハ40をイベント列車風に改造しました。
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2018/180215-8.pdf
「北海道の恵み」シリーズと名付けられたうちの一両「森の恵み号」が花咲線に期間限定で運用されているとのことで、乗ってみようと思ったワケです。
2両編成のうち1両が「森の恵み号」。通常の列車に増結、という形のようです。
車内は何故か座席のヘッドレスト付近が木張りになっています。あと各席のボックスにはテーブルも設置。
厚岸から先はしばらくの間、花咲線の中でも車窓風景がいい区間となります。列車も景勝ポイントでは速度を落とすなどのサービスをしていました。
厚岸から2駅の茶内で下車。茶内駅のある浜中町は漫画家モンキー・パンチの出身地ということもあり、ルパン三世のキャラクターで飾られています。花咲線にはルパン三世のラッピングトレインも走ってるよ。
ここで対向列車としてやってきた釧路行きに乗車して折り返します。
この列車も随所随所の景観ポイントで徐行しながら厚岸まで進みます。
浜では昆布を干している姿も見えたりして、なんだか長閑。
釧路駅では、札幌行きの特急「おおぞら」に乗り換えます。
自由席にしましたが、ほぼ座席が埋まる程度と比較的混んでました。
今日は新得まで乗車です。
新得駅は割と大きく立派な印象ですが、スキー全盛期にはサホロなど周囲のスキー場へのアクセス拠点だったワケだしね。
ここから乗るのはバス。根室本線の新得から東鹿越までの区間は2016年8月の豪雨により被災、それ以来ずっと不通が続きバス代行になっています。莫大な費用をかけて復旧させるほどの利用者もない区間なため、新得~富良野間まるごと廃止の方向で進みそうな雰囲気。不通前には滝川~釧路に「日本最長(走行時間が)の鈍行」が走ってたりしたのにねぇ。
駅舎内の発車案内板にも代行バスが表示されていました。
4連休だし周遊パスもあるし…ということなのか、代行バスを待つ長蛇の列ができてしまいました。いつもこんなに乗ってれば復旧してたはずだよね。
新得から東鹿越まで、その間には2駅しかありませんが、距離は40km以上と結構あります。そのためか、代行バスは観光バスタイプの車両がやってきました。
バスは国道38号を狩勝峠に向けて登っていきます。途中、十勝サホロリゾートを経由しますが、このホテルへの無料送迎バスを兼ねているようです。
峠を越えて落合駅前に到着。
次は幾寅駅…ですが駅名の看板は「幌舞駅」になってますね。
ここは高倉健主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地として知られ、撮影当時のセットなどがいまだに残されています。駅舎の看板も撮影当時に変えられたもの。1999年の公開ですから、もう20年以上前なんだよな…。それなのにまだ「ロケ地」として訪れる人がいるってのは結構凄いのでは。まぁあの映画、高倉健も凄いんですが当時は19才で人気絶頂のアイドルだった広末涼子も凄かったのよね。
およそ1時間バスに揺られ、代行区間の終点である東鹿越駅に到着です。
ここからは列車の旅に戻ります。滝川行きの普通列車へ接続です。
今回は富良野で下車します。
富良野駅の改札前には、なんだか懐かしい「あいつ」が…。これ、JR北海道のキャラクター「モジャくん」じゃないっすか!ご無沙汰っす! JR発足から暫くは、北海道のいろんな見かけていましたが、最近がその姿があまり見当たらなくなっていたような…。
ここで次の列車まで1時間ほどの待ち時間があるのですが、富良野って駅の周囲に何か見るところがあるわけでもないのよね。
…と思ったら、ちょうど旭川行きのトロッコ列車が発車するところ。「富良野・美瑛ノロッコ6号」です。この列車には自由席の設定もあるし、中富良野まで行ってすぐ折り返せば予定の列車に間に合います。
富良野駅でぼーっとしてても仕方ないし、乗っちゃうことにしましょう。
「富良野・美瑛ノロッコ号」はトロッコ車両による3両編成。「釧路湿原ノロッコ号」と違って、こちらは自由席もトロッコ車両に割り当てられています。
富良野や美瑛っぽい車窓風景は、どちらかというと中富良野よりも北側から広がっていく感じです。とはいえ、富良野のあたりもまぁまぁ北海道っぽい風景ではあったりするのですけどね。
20分ほど、のんびりとした列車の旅を楽しんだら中富良野に到着です。
ここにやってくる対向列車で富良野へとんぼ返りです。
駅のホームにはちょっとファンシーな看板が。なんか昭和な香り…。
折り返し列車はごく普通の普通列車。往路はのんびり20分でしたが、戻りは10分で富良野に到着です。
富良野から乗車するのは札幌行きの臨時特急「フラノラベンダーエクスプレス4号」です。
この列車に投入されるのは「ノースレインボーエクスレス」。JR北海道が「リゾート列車」として製造した車両の最後の「生き残り」です。国鉄時代に製造された「アルファコンチネンタルエクスプレス」「フラノエクスプレス」から始まり、JR化後の「トマムサホロエクスプレス」「ニセコエクスプレス」「クリスタルエクスプレス トマム & サホロ」とありましたが、どれも既に引退し、今でも残るのはこれだけになりました。「ノースレインボーエクスプレス」も登場は1992年と、そろそろ30年近くになります。置き換え用として新たに「普段は定期列車に使える観光列車」としてキハ261系5000番台が登場しましたので、この列車も恐らく引退間近なんじゃないでしょうか。
この列車、思いっきり観光目的に振り切っており、座席は全て視点をかさ上げしたハイデッカースタイルになっています。時代が時代だけに「バリアフリー?なにそれおいしいの?」って設計です。
車内は天窓もあり眺望は抜群。ただ、そのかわりに天井の荷物棚が無茶苦茶小さくなっちゃってますが。
先頭車からは運転席越しに前面展望も楽しめます。JR北海道のリゾート列車って大抵こんな感じでしたよね。
富良野から約2時間、すっかり暗くなった札幌駅に到着しました。
このユニークなスタイルを見られる機会も、もうないかもしれないなぁ。
5両のうち1両が2階建て構造になってるのも、この「ノースレインボーエクスプレス」の特徴。
2階は普通に客室ですが、1階はフリースペースになっています。昔はここで車内販売とかもあったりしました。新しく登場するJR北海道の「観光列車」も、5両のうち1両はフリースペースになっています。こういうコンセプトは受け継がれるんですねぇ。