「GoToトラベル」真っ盛りですが、ソレを使わずにお出かけです。
今年の6月、「こんぴら温泉郷ふるさと旅行券」というのが発売されました。これは琴平の宿泊施設の宿泊代支払いに使える1万円券を5千円で販売する、というもの。例年だと「1万円券を8千円」って感じらしいのですが、今年は新型コロナの影響で割引率がどーんと上がった模様です。枚数限定ですがラッキーにもコンビニでゲット。今回はコレを使っての旅行です。
四国まではJAL修行も兼ねて、FDAの高知行きをJALコードシェア便で確保。名古屋から四国方面へは、中部からANA松山便、小牧からFDAの高知便しかないんですよね。昔は徳島行きとかあったんですけど。
この週はちょうど台風14号が日本に接近していたタイミング。進路が全然定まらず、どうなることやらと思っていたのですが…。結局、この日は天候調査もかかることなくフツーに飛んでくれました。
FDAは早朝便だとパンが出てきます。
さすがに離れているとはいえ紀伊半島の南に台風がガッツリ居座ってる状況なので、高知には北方から回り込むルートで飛んだようです。
高知龍馬空港に到着。あらまぁ、快晴です。
そのままリムジンバスで高知駅へ移動します。何故か定刻より数分遅れての発車でした。到着便のお客を待ってたとか、そういうわけでもなさそうなのに…。
高知駅前でバスを下車します。
そのまま岡山行きの特急「南風」に駆け込みました。お、新型車両ですね。
さすが最近の列車だけあって座席にコンセント完備。
高知から1時間半ほどで琴平に到着。向かいのホームには観光列車「四国まんなか千年ものがたり」大歩危行きが停車していました。「南風」の車内でも琴平到着前に車掌が「四国まんなか千年ものがたり」への乗り継ぎ客がいないか確認しており、意外とここで折り返し乗車する人もいるのかも。
琴平駅は登録有形文化財になっている、なかなか味のある建物。ここまで来たら「こんぴらさん」、金刀比羅宮へのお参りといきたいところですが、なんせ御本宮まで785段の石段を登らないといけません。確か石段を駕篭に乗せて運んでくれるってのがあったような、と思ったら、後継者不足で今年1月で廃業になってしまったんだそう。ただ、途中まで運んでくれるタクシーがありました。
「こんぴら参拝登山シャトル」は1名700円で途中の「大門」の近くまで運んでくれる、というもの。駅にも案内が出ており、電話したらすぐ来てくれました。
タクシーは凄い急坂の続く狭い路地を進み、10分ほどで大門近くの「駅」に到着です。生活道路で一般車が入れないところも特別に許可を得ているんだそう。
乗ってきたタクシーが戻るところ。こんな道を走るんだもんね…。
タクシー降り場から少し歩くと大門に。ここで365段、半分弱くらいのところまでショートカットした形です。
半分弱の高さ、といっても下を見下ろすとかなりの高度を稼いでいるのが解ります。
ここで一休み(もう?)。資生堂パーラーが運営する「神椿」、ちょうど500段目くらいのところにあたります。
こちらのカフェでは、この「神椿パフェ」が看板商品。ご当地のお菓子「おいり」を使ったりした和風のパフェですが、さすが1000円もするだけあってお上品です。
また石段をえっちらおっちら登っていきます。
やっと御本宮に到着。
大変な道のりですが、ここからの景色も悪くないんだよね。
下界に降りたらお昼ご飯。こちらの友人が付き合ってくれ、地元でも人気といううどん屋さんに連れて行ってくれました。「長田in香の香」、クルマでないと来れないような場所ですが、昼過ぎでも行列が。
このお店、見事なまでに「うどん」だけ。メインは釜揚げうどんと冷やしうどんだけ、あとはおにぎりとかのご飯モノがあるくらいで、天ぷらなんてものはありません。4玉半の「たらいうどん」が看板らしく、一緒に引っ張って食べました。麺はもちろ、んですがお出汁が旨い。
あと、食べながら訊いた「香川のうどん事情」とかもおもしろかったです。お前そんなハナシ今まで教えてくれなかったじゃん! 香川では製麺所が沢山ありますが、普通の人も法事とかのために麺をそういうところに買いに行くんだそうで。それ以前に法事とかでうどん出すんだ…。余所のお宅の法事に出席して帰ってくると母親から「味はどうだった?」と訊かれるのがお約束らしいのですが、これは麺は既製品でも出汁は自家製なので「あの家の出汁は旨いのか」ってのは気になるため。旨い出汁が作れるかどうかで香川マダムはマウンティングしてるのか。いずれにせよ、「うどん」の占める意味が他地域とかなり違うのは分かったわ。
で、食後は本日のお宿まで送ってもらいました。今日宿泊するのは「ことひら温泉 御宿 敷島館」です。こちらは「ドーミーイン」などを運営している「共立メンテナンス」の施設、昨年オープンしたばかり。金刀比羅宮の参道に面していますが、この場所は17世紀前半創業という老舗旅館「敷島館」があったところ。20年ほど前に廃業し、登録有形文化財に指定されていた建物も解体されてしまいました。ただ、その資材などは保管されていたそうで、この土地を新たに取得した共立メンテナンスが古い資材も生かしつつ新築したものなんだそうです。
館内のロビーは畳敷き、靴を脱いであがります。
今回予約したのはツインルームですが、大きなソファも置かれた部屋は広めで、なかなか快適な感じです。
テーブルの上にはお茶菓子が置いてありますが、ご当地モノの「灸まん」に加え「うどん揚げぴっぴ」も。これ、「めりけんや」の結構人気なヤツじゃないですか。塩味なのでお酒のおつまみにもなってくれそうです。
テレビボードの引き出しにはお茶セットが。この下の段にはコーヒーセットも用意されています。
部屋の片隅には化粧台も用意。
洗面所はこんな感じ。一応、シャワールームも部屋にはあります。
「ことひら温泉」というくらいですから勿論「温泉」があります。内湯のみですが、落ち着いた雰囲気でいい感じでした。浴室自体はそれほど大きいわけではないのですが、サウナに水風呂、打たせ湯に寝湯まで揃って、結構のんびりできます。
こちらには大浴場のほかに4箇所の家族風呂もあります。予約などは必要なく、空いていれば誰でも好きなときに使えますが、大人気でいつも埋まってる感じでした。なお、このエリアには無料で使える洗濯機と乾燥機もあったります。こんぴらさん詣でで汗だくになったお洋服もココで洗えちゃうぞ。
大浴場の隣には湯上がり処が。夜はアイスキャンディー、朝は乳酸菌飲料が用意されていて、お庭を眺めながら自由に頂けます。
夕食は2部制で、2回目は午後7時半スタートとなります。夕食時間が遅くなる組への配慮として、午後6時から7時までロビーでお菓子のサービスがありました。
こちらで振る舞われていたのはスイートポテト。何故か「こちらでお召し上がり下さい」と念を押されたのですが、何か部屋に持ち帰っちゃダメな理由とかでもあるのだろうか…。
この一角にはコーヒーメーカーも置いてあり、いつでも利用可能。夕方には冷たいお茶も用意されていました。
では晩ご飯。お食事処で頂きます。
こういうお宿ですから、食事は和食、懐石スタイル。まずは前菜から登場しますが、お品書きの他に、提供されるお料理を詳しく解説した「しおり」まで用意されていて親切です。
ドリンクは地ビールからはじめました。
先椀替わりとして、鯛入りの小田巻蒸し。香川だから敢えての「うどん」入りなのかしら。
お造りは土佐醤油と煎り酒とともに供されました。
お替わりに地元の琴平の酒蔵、金陵の「楠神」をチョイス。
焼物は鮑と真魚鰹。添えられた栗の茶巾絞りも秋らしい設えです。
台の物は黒毛和牛のしゃぶしゃぶ、ごまだれで食します。
ここで「お品書きの5品からお好きな物をお選び下さい」と。どれか一つ選べ、ってことかしら、と思ったら全部頼んでもいいんだって。そんなわけで欲張って1品づつ全部頂いちゃいました。
最後にご飯もの。蛸の釜飯です。
これ、テーブルの上で炊きあげられていたもの。お焦げもちゃんとできてるのがいいよね。
デザートは冷やし洋風汁粉に洋梨のジュレでした。可愛いカタチの讃岐和三盆も添えられています。
朝ご飯はハーフバイキング形式。サラダや小鉢などが小分けで用意され、自分で取ってきます。讃岐うどんもありましたよ。
なお、ドーミーインといえば「夜泣きラーメン」の無料サービスが「名物」ですが、このお宿も同じ系列ということで同じサービスが用意されています。ただ、今回は晩ご飯でお腹いっぱい。勿体ない気もしましたが見送りに…。
メインで運ばれてきたのはこちら。
じゃこ天や焼き魚もあり、お好みで炙って食べられます。
バイキングコーナーからフルーツやヨーグルトなど頂いて朝食の〆に。全般的にお食事も美味しくて満足です。
朝10時過ぎにチェックアウト。ホント、こんな感じでこんぴらさんの参道にどーんと建ってるんですよね。
参道に面した一角には誰でも使える足湯もあります。ちょっとお高めですが、居心地はいいお宿でした。