へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

「四国満喫きっぷスペシャルプラス」の旅。その1:「しまんトロッコ」乗車。

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新型コロナ禍で減退した需要を回復させるため、鉄道会社もいろいろとユニークな割引切符を出しています。8月に利用した「みんなの九州きっぷ」や、9月に利用した「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」などがありますが、JR四国も7~9月まで「四国満喫きっぷスペシャル」というのを出してました。これも四国内乗り放題で3日間8000円から、という結構な大盤振る舞い。残念ながら販売期間中に利用する機会には恵まれませんでしたが、10月から今度は「四国満喫きっぷスペシャルプラス」というのを売り出したんです。これは「四国満喫きっぷスペシャル」よりも2000円値上がりしてしまっていますが、そのかわり「四国旅ぱす。」のポイントかキオスクで使える1000円分の金券がオマケについているもの。「四国旅ぱす。」は四国内の観光施設に利用できるポイントで、使い方によっては3000円相当以上のバリューになるようなので、単純に「2000円値上げ」というわけではないようです。

 

今回は、11月の3連休で「四国満喫きっぷスペシャルプラス」を使ってみることにしました。目的は四国内のトロッコ列車と、11月いっぱいでDMV化対応のため通常のディーゼルカーでの運転が終了となる阿佐海岸鉄道の乗車。トロッコ列車の方がかなりの人気でしたが、なんとか指定席も確保できたのでお出かけです。

 

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四国までの足は、日本旅行の鉄道+宿のパック利用。名古屋から岡山経由で高松までの往復と、高松でのホテル1泊の組み合わせです。合計25700円のところ、GoToトラベル適用で16710円プラス地域共通クーポン4000円分が付いてきました。金曜夜の出発で、帰りは連休最終日の設定です。

 

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名古屋から「のぞみ」で岡山まで。名古屋から岡山って1時間半ちょっとで行けちゃうので、時間的には東京へ行くのとそんなに変わらないんですよね。なんか遠いイメージあるんだけど…。岡山では快速「マリンライナー」で高松へ移動します。岡山駅って「マリンライナー」のホームまで、新幹線改札から遠くてちょっと吃驚。新幹線改札から来ると、手前側に四国方面への特急が発着するホームがあって、それを通り抜けないと辿り着かないんですよ。「快速」だからって扱いが酷いのかしら。

 

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高松駅に到着したのは夜11時前。まずは「四国満喫きっぷスペシャルプラス」を「みどりの窓口」で購入します。このきっぷ、ネットからも購入可能で自宅まで配送してもらえるのですが、窓口購入だと10000円、ネット購入だと10500円と窓口の方が安いんです。ただ、購入の際にアンケートへの記入を求められました。

駅からホテルまでの道すがら、「地域共通クーポン」を使いセブンイレブンで夜食と朝食を調達です。日本旅行のパックでついてくる地域共通クーポンは電子クーポンで、利用期間は出発日から最終日までの4日間で設定されていました。ただ、調べてみると高松駅周辺には電子クーポンが使える店があまり多くないんです。駅のキオスクも紙クーポンのみ。また、意外と盲点だったのが「四国の4県は必ずしも隣接していない」ということ。地域共通クーポンは隣接県まで利用可能ですが、なんとなく四国なら「4件どこでも使えるのでは?」とかって感じですよね? それが、なんと香川県高知県は県境が接していないんです。つまり、日本旅行提供のクーポンは四国内では香川の他は愛媛と徳島でしか使えないわけですな。香川から高知って移動する人は多そうだし、特例で入れてあげてもよさそうなもんなのに…。なお愛媛と徳島は四国内と他の3県と接してるので、こちらが目的地のクーポンは四国内で利用できます。

 

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今日のお宿は駅から徒歩10分ほどの「ホテルワカバ」。駅としてはことでん片原町駅のほうが近く、ロケーションとしても片原町の商店街そば、と繁華街に近い感じです。

 

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部屋は昨年リニューアルしたそうで、なかなかオシャレで綺麗な感じでした。

 

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翌朝、高松駅へ戻ります。

 

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今日はこれから高知方面を目指すのですが、高松から高知へ直通する特急は本数が少なく、昼間の時間帯だと快速で宇多津まで移動して、岡山から来る特急「南風」へ乗り換える、というパターンになってしまいます。

 

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隣のホームには「瀬戸大橋アンパンマンロッコ」が停車中で、お子様連れのご家族で大賑わいでした。コレ、随分前に1回乗ったことがあるのですが、全力でアンパンマンが散りばめられたファンシーな車内にお子様だらけという雰囲気で、かなり居たたまれない気持ちにさせられます。

 

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宇多津で特急「南風」に乗り換えたのですが、これが車内は立ち客がかなり出るほどの混雑でした。指定席も満席の様子で、しばらくデッキで立っての移動となってしまいました。それでも途中駅で降りるお客さんもぼちぼち居たりして、琴平で降りたお客の席をなんとか確保することができました。

 

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この「南風3号」、アンパンマン列車として「アンパンマンカー」がついてるやつです。そちらにはうっかり先月乗ってしまい、また微妙な雰囲気を味わってしまっているのですが、「アンパンマンカー」以外の車両でも天井にアンパンマンのキャラクターが描かれてたんですね…。

 

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高知では隣のホームにいる特急「あしずり」へ乗り換えましたが、こちらも満席といった盛況っぷり。今の時期でもこんなに混んじゃうものなの?

 

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「あしずり」の車内で、高松駅で調達しておいた駅弁でのお昼ご飯にしました。2018年まで松山駅の駅弁として売られていた「しょうゆめし」です。

 

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松山駅の製造元が廃業となったために駅弁の販売も一旦終了したのですが、JR四国のキオスクが復活させたんだとか。製造は岡山の弁当業者の三柿野なんですね。ちゃんと製造元からレシピを受け継いでいるようです。

 

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高知から1時間ほどで窪川に到着、ここで下車します。

 

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ここから予土線の「しまんトロッコ」に乗車します。小型の貨車を改造した車両ですが、これが国鉄初の「トロッコ列車」、つまり元祖だったりします。運転開始は1984年ですが、今も変わらず「貨車から改造」のトロッコが使われているんですよね。

 

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ロッコ車は通常の普通列車となる単行のディーゼルカーの後ろに連結されています。トロッコ車両には途中の土佐大正から江川崎のみ乗れるので、それ以外の区間はこちらのディーゼルカーに乗ることに。

 

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ロングシートのつまらないシートに揺られて30分、土佐大正駅に到着。

 

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ここでトロッコ車両への連結扉が開放されます。トロッコ車両は全席指定席で今日は満席の様子。なお、一般車にも座席番号がついているのですが、そちらは「自由席」なのでトロッコ車両の指定座席と関係なく好きなところに座ってオッケーでした。

 

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土佐大正から江川崎までの約50分間がトロッコ乗車区間で、車内には案内マップが掲示されていました。予土線四万十川に沿って進むハイライト区間、といった感じです。

 

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今日は快晴で気温も低くないので、絶好のトロッコ日和って感じです。

 

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四万十川を鉄橋で横切る箇所もいくつかあり、旬は過ぎてますが紅葉も少し残って割とイイ感じの風景が続きます。

 

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あとは四万十川沿いをのんびり進む感じで。

 

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途中、車内では乗車証明書も配布されました。一緒に飴も頂きましたが、これって恐らく「鉄道ホビートレイン」じゃないか? 新幹線のハリボテみたいなやつ。

 

trafficnews.jp


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四万十川といえば欄干のない「沈下橋」が有名ですが、予土線の車窓からも見ることができます。増水などの際に橋が流されない工夫だそうですが、コレをクルマで渡るのはやっぱりちょっと怖そう。

 

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ちょっと「人が住んでる」感が増してきて、江川崎駅に到着。トロッコ乗車区間はここまで、あとはまた一般のディーゼルカーに移動し、宇和島まで1時間ほど乗車することになります。窪川から宇和島までは2時間半ほどかかりますが、結局トロッコ車両に乗ったのはその半分以下の時間でしかありません。ただ、予土線で車窓風景のいちばんいいあたりの区間ですし、吹き曝しの貨車改造車に快適に乗っていられるのはまぁ1時間くらい、ってことで「ちょうどいい」感じはします。車窓風景も変化に富んでいて飽きないですし。これが40年近くも人気列車として続いているのも納得です。

 

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宇和島ではすぐの接続で松山行きの特急へ乗り換えます。

 

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特急「宇和海」、これもアンパンマン列車でした…。マジでJR四国アンパンマンだらけじゃん。

 

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宇和島から松山へは、特急は途中を内陸側の内子線経由で進みます。海沿いの予讃線の方が景色がよく、途中の伊予大洲で「伊予灘線」経由の各駅停車に乗り換えてもよかったのですが、海沿いの区間に辿り着く頃には夕方5時を大幅に過ぎてしまい景色も楽しめそうにないので、今日はこのまま直行にしました。でも、もしかしたらギリギリで瀬戸内海に沈む夕日とか見れたかもな…。

 

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松山駅には5時半頃には到着。

 

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JR松山駅前からいよてつの路面電車道後温泉まで。今日はこちらに一泊です。