へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

「36ぷらす3」に乗る、その1:意外と行きにくい宮崎へフェリーで。

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JR九州の新しい観光列車「36ぷらす3」に乗ってきました。

この「36ぷらす3」、毎週木曜日から翌週月曜日までの5日間の日程で九州を一周するルートを走行しますが、運行は昼間のみ。各日がそれぞれ1本の臨時列車として運転されるので、それぞれの日程で指定券を取れば乗車することが可能です。食事付きのツアー形式で販売される座席もあるのですが、ちょっとお高めな印象。今回は土曜日の宮崎~大分、日曜日の大分~小倉のルートで指定席を確保できたので、そちらでの乗車です。

 

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で、結構困ったのが「どうやって土曜の朝までに宮崎に行くのか」です。通常時であれば名古屋を朝イチの航空便に乗れば楽勝なんですが、コロナ禍で国内線が大幅減便されてしまっており1日1便だけ夜に飛んでるような有様。地上で行くと小倉まで新幹線で行って在来線特急乗り換え…が一般的ではあるのですが、小倉から宮崎ってのが5時間近くかかるくらい遠いんです。そのため、最近では九州新幹線新八代から出ている宮崎行きの高速バスと組み合わせるルートもよく使われるようになっているようです。結局、このときは神戸からの夜行フェリーを使うことに。名古屋から新幹線で新大阪へ移動します。

 

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新大阪からは新快速で三ノ宮まで乗車。

 

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三ノ宮駅前からは、フェリーターミナルまでの連絡バスが出ています。所要時間は10分ほど。

 

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神戸三宮フェリーターミナルに到着。ここからは宮崎行きのほか、小豆島・高松へ向かうジャンボフェリーも発着しています。

 

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こちらが本日乗船する宮崎カーフェリーの「みやざきエキスプレス」です。全長170m、総トン数約12000トンと、長距離フェリーの中では比較的大きい方に入れていい規模でしょう。ただし就役は1996年と既に20年以上が経過しており、相当なベテランの部類になってしまいます。既にお取り替え時期を迎えているのですが、過去からの多額の債務を抱えている状態で資金調達ができない状況にありました。とはいえ、このフェリー航路は県産品を出荷する重要な生命線でもあるため、宮崎県も融資などで支援を行うことで新造船の発注が叶いました。来年には現在就役中の2隻とも新造船にリプレースされる予定です。

 

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搭乗手続を終えて乗船。この航路、以前は大阪南港発着だったのですが、2014年に神戸港発着に変わっています。大阪南港発着時代にこの航路に乗った記憶が…。もうそんなに長いこと使ってなかったんだ。

 

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乗船口からはエスカレーターがあり、3階へ。

 

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エスカレータ-を上がるとメインロビーがあり、ここに案内所と売店があります。個室利用者はこの案内所で乗船券を提示し、客室の鍵を受け取ることになります。

 

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今回は一人用個室「一等S室」を取りました。年季の入った感じはありますが、なかなか綺麗に保たれている感じです。この「みやざきエキスプレス」には同じ一人用個室が10室用意されていますが、就役当時としてはシングルルームは多めに設定されている感じ。今では珍しくなくなりましたけどね…。

 

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室内には洗面台が設置されています。ここにフェイスタオルと歯ブラシが用意されていました。また備品としてはスリッパもあります。

 

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結構ちゃんとしたクローゼットも。中にはナイトウェアがあります。予備の毛布も1枚あるので、寒かったらコチラをどうぞ。

 

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デスクの脇には茶器セットが。

 

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中には湯飲みと茶葉が置いてありました。給湯器もパブリックスペースにありますが、室内にも電気ケトルが備え付けられています。

 

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19:10、定刻で神戸港を出港です。さすが港町、船上から見る神戸の夜景はなかなかのもの。

 

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夕食は船内のレストランを利用。本来はバイキングスタイルで夕食・朝食とも提供なのですが、新型コロナ対策のため休止中となっており、船内調理のお弁当を販売するスタイルでの営業です。

 

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現在では通常、5~6種類程度のメニューでの弁当販売なんですが、3月まではフェアメニューとして宮崎産のお肉を使ったラインアップが追加されていました。

 

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購入した弁当類はレストラン内で食べてもいいのですが、レストラン前のプロムナードに並んだテーブルで戴くことにしてみました。

 

 

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宮崎ブランドポークの串カツとメンチカツを、これまた船内で調達したビールとともに。

 

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メインは宮崎和牛重。これで800円はお値打ちです。

 

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3階ロビーに自動販売機が並ぶエリアがあり、ビールもここで買ったのですが、扱っているのはアサヒのスーパードライしかないのがちょっと残念かも。

 

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ちなみに船内はこんな感じ。旅客フロアは3階と4階にあります。

 

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3階の案内所近くにはゲームコーナーも。コロナ対策で閉鎖しているフェリーもあるようですが、こちらはしっかり営業中です。

 

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給茶機もあるので冷たい水やお茶も自由に飲める…のですが、紙コップの備え付けはありません。一等以上だと客室内に紙コップが備品としておいてあるのですが、2等以下は案内所で購入する必要があります。

 

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テレビの置かれたコーナーも。

 

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3階には雑魚寝スタイルの2等客室があります。この日はガラガラでした。枕元にパーティションを設置しており、座席数も余裕を持ってソーシャルディスタンスが取れるように間引いているようです。

 

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今では雑魚寝部屋でも一人一箇所のコンセントがあるフェリーとか普通ですが、1990年代製のこの船にはそんなものはありません。ただ、共用のUSB充電器は後付けで用意されていました。ちょっと盗難とか心配な気はするけど、一応は充電できる手段はあることになるわけですね。

 

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ワンフロア上の4階には個室系の客室と2等寝台があります。階段周りのロビーの風情とか、やっぱり時代を感じさせるものが。

 

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ここにも、簡素な感じですがパブリックスペースがありました。

 

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ここにも自販機コーナーがあるのですが、こちらもビールはアサヒのみ。ちょっと偏ってるんじゃない?

 

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4階には展望浴場も設置されています。ボディソープとリンスインシャンプーは備え付けアリ。入浴時間は出航日の夜10時までと翌朝入港前までが通常なのですが、この日は外海の太平洋側に出たところで荒天が予測されているため、危険防止として朝の浴場開放は行わない旨の案内が出ていました。折角「展望」浴場なんだから、翌朝の明るいときに窓からの景色を眺めながら湯船に、ってのも楽しいんですけど、ちょっと残念。

 

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翌朝、宮崎港に入港。確かに昨晩は夜中にかなり船が揺れてた時間帯があったりした記憶が。入港前、遠くにシーガイアが見えました。

 

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着岸前、フェリーは方向転換します。

 

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このサイズのフェリーで船内移動のためにタグボートが着くのって珍しいような。

 

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宮崎港に到着。こちらはタラップで完全に地上に降りて、そこからターミナルビルまで地上を歩く形でした。

 

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フェリーターミナルは、1日1便の運行のわりには結構立派なビルになっています。

 

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ターミナルの目の前から、フェリーに接続して宮崎市中心部へ向かうバスが出ます。

 

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宮崎駅前でバスを下車。駅前には昨年秋にオープンしたばかりの「アミュプラザ宮崎」がありますが、まだ朝早いので当然ながら殆ど閉まってます。

 

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駅から中心街へぶらぶら歩いてお肉屋さんへ来てしまいました。実は乗船した時期には「宮崎牛・みやざき和牛消費券プレゼントキャンペーン」というのが神戸発限定で行われており、2000円分の金券を貰ってしまったのです。宮崎市内の精肉店やレストランで利用可能なんですが、レストランは軒並み営業は朝11時以降。精肉店は郊外立地が多く、中心地で後戦中でもやってて金券が使える、というのがこの「天狗吉本 ブルドッグ109” 」くらいしか無かったんですよ。ただ、お店の方は親切でイイ感じだったから全然オッケー。他にも同じような感じのお客さん、時々来てるそうです。結局、いろいろ宮崎和牛を買って自宅配送にしてもらい、追加料金を払う羽目に。うわぁ、地元の消費拡大策にまんまとハマってるじゃんオレ。

 

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この近くのバス停からそのまま宮崎空港へ向かうつもりだったのですが、バス近接情報をチェックしたら20分ほど遅れてるじゃないですか! 小林方面から来る路線バスとしちゃ結構な長距離路線なんで心配してたんですが案の定、って感じ。あわてて宮崎駅まで向かいました。