下関までの道中です。
「WEST EXPRESS 銀河」乗車の旅行パッケージは大阪発着の商品になるため、名古屋から大阪までは自分で別途手配しました。大阪からの往路の新幹線は比較的自由に選べるようになっており、まずは「のぞみ11号」で広島まで。
ここで後続の「こだま845号」に乗り継ぎます。
この列車に使用されているのは700系。既に東海道新幹線からは昨年春に引退した形式なんですが、8両編成のバージョンが今でも山陽新幹線で使われています。でもコイツ、ちょっとかわいそうなヤツなんすよ…。関西と福岡との間での航空機からシェア奪還に特化した仕様で「ひかりレールスター」なんて名前まで与えられました。ただ2011年に九州新幹線が開業すると、山陽新幹線から直通する「さくら」「みずほ」が設定されたことで「山陽新幹線区間だけの速達列車」の本数は激減。もともと東海道からの「のぞみ」直通も増えていたことから、今では1日数本だけの「ひかり」を除けば殆ど「こだま」で余生を送っているような状態になってます。
4号車から8号車までの「指定席車」は横4列のシートが設置されています。「こだま」運用では基本的に7号車と8号車は自由席として設定されるので、ココを狙うのがお値打ちかも。
この車両の大きな特徴は8号車に4室設置されたコンパートメントかもしれません。
「こだま」のときには閉鎖されて使用できませんが、中は4人用の個室になっています。どちらかといえば「ビジネスマンがちょっとした会議とかが車内でもできるように」みたいな設えって感じです。
ちなみに1~3号車の自由席車は普通に横5列シートです。
「こだま」は小倉で下車。
国鉄時代から活躍する415系ですが、車内も登場当初のようなセミクロスシートのままの車両でした。
門司港に到着。
ここで昼食を。門司港といえば「焼きカレー」が名物なんですが、そういえば今まで食べたことなかったな…と駅前にある「伽哩本舗」に行ってみました。
まぁ「カレーにチーズかけて焼く」なんて料理、不味くなる要素がどこにもないよね。欧風の濃厚なカレーは所々焦げ目っぽいところもあって、それが少し変化をつけてくれます。で、中には卵が埋まっていて、これを途中で崩して食べるとまた味変。意外と一皿で満足できるものでした。
お次はちょうど今日から今年の運行が始まった「北九州銀行レトロライン」に乗車します。かなりの盛況で吃驚したんですが、どうも北九州市が市民向けに「定額で市内の観光施設などが使い放題になるパス」みたいなのを出しており、それを利用する地元の方のようでした。
このトロッコ列車「潮風号」ですが、客車はもと島原鉄道、機関車はもと南阿蘇鉄道となかなかユニークな由緒を持ってたりします。
路線の長さはなんとわずか2.1km。最高速度も15km/hと「日本で一番短くて遅い鉄道」を自称しています。終点まで20分ほど、門司港の景色を眺めながらののんびり旅です。
途中に1箇所トンネルがあるんですが、通過の際には天井に海峡の魚とかが映し出されたりして。
終点の関門海峡めかり駅です。折り返し便も多くのお客さんを乗せて出て行きました。
ここには関門トンネルで使われていた機関車「EF30」が客車とともに展示されています。
客車は売店兼カフェになっていました。窓からは関門海峡が見えるなかなかのロケーションだったので、ここでコーヒーを戴いて一休みしました。
ちょうど先ほど折り返していったトロッコが戻ってきたところ。
海沿いをぶらぶら歩いて、関門トンネルの入口まで。道路となっている関門トンネルには歩道も整備されており、徒歩なら無料で利用することができます。
まずはエレベーターで海底レベルまで降ります。
降りたところから先が本州、下関まで続く歩道です。ここは歩行者だけでなく自転車も通行OK。押し歩きなら原付まで通れるとか。自転車と原付は通行量20円を支払う必要がありますが、無人の料金箱に代金を入れるという緩さです。
トンネルの長さは780m。ほぼ中間点が福岡県と山口県との県境で、ちゃんとトンネル内にもマーキングされていました。
のんびり歩いてだいたい15分、といった距離でしょうか。この歩道の上には自動車用のスペースがあるんですね。
こちらもエレベーターで地上まで出ます。
すぐ目の前にバス停があり、ここから下関駅まで向かいました。
今日の宿泊は「ヴィアイン下関」です。
夕食は下関駅周辺でもかなり高評価の「おかもと」へ。
店内に入ると、大きなショーケースに所狭しと魚介類が並んでいました。
まずは刺身盛り合わせとビールで始めます。刺し盛りは下関ならではの鯨なども入り、これで1000円とお値打ち。なかなかイイ感じの店ではあるんですが、料理がどれもボリューム多めで、独り身には少しもてあましそうな感じ。そこで、河岸を変えてみることにしました。
2軒目は街中を歩いているときに見つけた「みすゞ」へ。
地のモノにこだわったお得なセットがあるのに惹かれた次第。
ドリンクはユズキチのチューハイにしました。ユズキチってのは山口県、萩や長門あたり特産の柑橘だそうです。
1品目はちりめんじゃこ。これも長門油谷産と地物です。
お次は鯨の刺身。本皮は脂の甘みが美味でした。
特牛イカのお刺身。コリコリで新鮮です。
〆の卵かけご飯までついてました。これで1300円なら安くないですか?
既にそれなりに食べてるような気がしますが…鶏白湯ラーメンの評判店「鶏一心」にふらふら入ってしまう私。
はい、呑んだ後なんで余計に旨いわ。
翌朝は8時にホテルをチェックアウト、やってきたのは唐戸市場。
ここは普段は業者向けの卸売市場なんですが、週末には「活きいき馬関街」として一般向けの営業を行っています。
目玉は各店が競ってショーケースに並べるお寿司。どれも1カンから気軽に購入できるうえに、お値段はさすが産直、というリーズナブルさ。バラエティ豊かな寿司が並んでいるのを見て廻るだけでも楽しめます。
ふぐ刺しとかもこんな値段で出てたりして。
寿司だけでなく揚げ物や焼き物、汁物なども売られています。
こうして買い回りしたものを、市場の脇のパブリックスペースで海峡を見ながら食べる、というのが一般的です。
そんなわけで、自分もここのお寿司で朝ご飯、ということにしました。
朝から豪勢な食事を堪能し、バスで下関駅へ戻りました。