JR北海道には「特定の航空会社の利用者にしか売らないお得なきっぷ」というのがいくつかあります。最初は2017年からPeachとバニラエアとのタイアップで「ひがし北海道フリーパス」「きた北海道フリーパス」の販売が始まりました。でも、どちらもセントレアからの北海道には就航しておらず…。翌年秋からはエアドゥの就航20周年記念として、エアドゥ利用者向けの同様のきっぷが設定されました。このときはちょうど、2018年冬スケジュールからANA便を代替するかたちで1往復だけエアドゥがセントレア-新千歳に就航したことから、2019年の3月に夕張支線のお別れ乗車に利用させてもらいました。
そして今。この新型コロナ禍でなんとPeachが2020年12月からのセントレアへ就航することになったのです。国際線が飛ばせない状況でアセットを国内へ振って収益を確保したいというPeachの思惑や、某エアアジアジャパン破綻でチャンス到来との判断など、いろいろオトナの事情もあったんだと思いますが…。これでJR北海道のPeachタイアップのフリーパスが使えるぞ! しかも、通常であれば16,380円の「ひがし北海道フリーパス」が、この3月までの限定で9,800円にまで値下げされているんですよ。これは昨年秋に使わせてもらった「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」の12,000円に勝るとも劣らないお買い得ぶりです。この「Peachひがし北海道フリーパスSP」は5日間有効ですが、同じく5日分使える「青春18きっぷ」が12,050円。特急まで乗り放題なのに鈍行しか乗れないヤツより安いってどうかしてるでしょ。そういうわけで、コレで久々の流氷見物を期待して出かけてみることにした次第。
「Peachひがし北海道フリーパスSP」を使いたいので、当然ながら新千歳まではPeach利用です。往復で一番安い「シンプルピーチ」運賃で込み込み12800円で買えました。最初は手荷物なし、座席指定もナシにしていたのですが、直前で座席指定だけ追加したので、これに片道あたり590円が追加でかかっちゃいましたが…。PeachはLCCには珍しく?オンラインチェックインが用意されていないので、必ず空港でチェックインする必要があります。ただ手荷物が無ければ自動チェックイン機で全部済んじゃいます。
早朝で出発便が多めな時間帯ではあるんですが、なかなか混んでる感じ。だんだんと賑わいが戻りつつあるのかもしれません。
8:30発のPeach461便は、セントレア国内線エリアで一番遠い2番ゲートのアサインでした。セントレアにはLCC向けに第2ターミナルもありますが、Peachは第1ターミナルを使っています。
スポットにはPeachのA320が駐機中。定刻での出発でした。
機内はどうも、ほぼ満席って感じです。順調に飛行を続け、北海道の上空へ。
新千歳空港にも定刻での到着でした。
到着後、新千歳空港駅で無事「Peachひがし北海道フリーパスSP」をゲット。このきっぷ、Peachの新千歳・釧路・女満別便で到着したその日に、新千歳空港・釧路・網走・北見の4駅のみで、Peachの搭乗券を提示した人しか買えないという限定っぷりです。
とりあえず「快速エアポート」で札幌まで出ることに。
札幌駅地下の「よつ葉ホワイトコージ」で、少し早めのランチにしてみました。
期間限定メニューとして出ていた「贅沢チーズの濃厚クリームフェットチーネ」がなんか凄く旨そうだったんですよ…。十勝産のマスカルポーネチーズを使ったソースの上に、これまた十勝産のゴーダチーズをたっぷりかけた一品って、そりゃ魅力的ですよねぇ…。
で、ココに来たならやっぱりパフェは外せないなぁ、と。シンプルに旨いホイップとソフトクリームには、このくらいのオーソドックスなデコレーションが一番似合うよね。
ここで苫小牧行きの室蘭本線各停に乗り換えます。
国鉄時代の風情を色濃く残すキハ40系。これも新型車への取り替えが地味に進んでおり、今後は淘汰が進んでいくはずです。
今日は追分で下車します。駅のホームでは昭和っぽいファンシーさ満点の看板が歓迎してくれます。
ここへ降り立ったのは、「道の駅あびらD51ステーション」に立ち寄るため。
追分駅からは1kmないくらいの距離ですが、長い坂道を登った先なので意外としんどい。「道の駅」なので基本的にはクルマ利用前提のロケーションですからね…。一応コミュニティバスみたいなのもあるようですが、土休日運休というこれまたよくあるパターンですので、結局歩くしかありません。
駅から徒歩15分ほどで到着です。
この道の駅の一角が「鉄道資料館」となっており、以前から追分で保存されていたD51が整備されて展示されています。実はSLを展示しているエリアは冬期休館だったのですが、この2月から週末だけ臨時に開館されることになりました。閉館していたのはSL展示エリアに暖房を入れると、温度差でSLがダメージを受ける可能性があったからだそう。そのため、「暖房なし」での開館となっていました。
販売コーナーやフードコートの並ぶ一般的な「道の駅」エリアのすぐ隣に、鉄道資料館エリアが隣接している形です。
中にはピカピカに整備されたD51が。
追分駅は北海道にまだ炭鉱が数多くあった頃には石炭輸送の要だった場所で、大きな機関庫のある「鉄道の町」でした。北海道で最後までSLが配置されていたのも追分で、そんな由縁から、この地に鉄道資料館があるというワケです。SLだけでなく、ここが鉄道で栄えていた頃を偲ばせる展示品が数多く展示されています。
ここのもう一つの「名物」?ともいえるのがキハ183。クラウドファンディングで2両が安平町にやってきましたが、そのうち一両はここの屋外に展示されています。このキハ183系も、追分から新得を結ぶ夕張新線の主役として活躍していた車両ですから、この地との縁もあるんですよね。
ただし冬期は保護のためブルーシートで覆われてしまっています。この手の保存車両は過酷な気象環境でもそのまま外に置きっ放しにしたためにすぐ劣化する、なんてのが多いので、こうやってちゃんと保護してるのは良いことです。日程は限定されていますが室内公開も行っているようなので、また雪解け後にブルーシートが外されたら来てみたいものです。
こちらには鉄道関係のオリジナルグッズも売っています。D51やキハ183もキャラ化してるよ…。
追分駅に戻ります。
釧路行きの特急「おおぞら」に乗りました。
途中のトマム駅ではスキー客と思しき皆さんが結構下車していきました。
帯広で下車。きょうはここで一泊です。
宿泊先は駅前の「ふく井ホテル」。十勝といえば茶色いお湯のモール泉の温泉で有名ですが、この「ふく井ホテル」は自家泉源を持っており、掛け流しの大浴場が自慢のところです。評判のよいホテルなんですが、何故か今まで宿泊する機会がなく、これが初体験。
客室はごく一般的なビジネスホテル、といった風情です。ただ、ビジホのシングルルームとしては心持ち広めな気がします。
温泉大浴場は地下に設置。内湯だけですがかなりの広さで、のんびりできました。