へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

祝!Peachセントレア就航!「Peachひがし北海道フリーパスSP」で流氷を求めて。その4:「流氷物語号」乗車と「なんちゃって流氷」鑑賞。

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ちゃんとした流氷見たかったなぁ…。

 

f:id:slips:20210419223400j:plainホテルを出て北見駅へ。今日は飛び石連休の中日で平日、ちょうど通学時間にも重なったので学生の集団と遭遇しました。ここから路線バスやスクールバスで学校へ向かうようです。

 

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網走行きの普通列車は3両編成ですが、制服姿の皆さんでほぼ満席状態でした。北見の隣の柏陽駅、その隣の愛し野駅もすぐそばに高校があり、皆さんそちらの生徒さんの様子。たった2駅過ぎただけで車内はガラガラになってしまいました。

 

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網走駅に到着しましたが、ここで「流氷物語号」に乗り換えます。

 

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「流氷物語号」はオホーツク海の望める釧網線の網走~知床斜里間で、流氷がやってくる冬の季節だけ運転している臨時列車です。この区間には2016年まで「流氷ノロッコ号」というトロッコ列車が流氷観光向けに設定されていました。極寒のオホーツク海沿いにトロッコ列車を走らせるという凄い企画でしたが、北海道らしい寒さを体感できるし、開放感(といっても開口部には透明アクリル板を張るなど吹き曝しではなかったですが)もバッチリで景色も見やすい、と結構悪くない存在。しかしながら、トロッコ列車を牽引するディーゼル機関車の台数確保が難しくなった上に、これらのディーゼル機関車は冬期は除雪に充当しなければならないなどの事情で、トロッコ列車釧網線での運転を終了させることになったのです。トロッコ列車自体は夏の釧網線富良野線などでまだ走っているのですが…。ただ、流氷観光向けの観光列車が全くなくなってしまうのも影響が大きいことから、通常のディーゼルカーを使用した列車として継続することになりました。それが2017年から運行開始となった「流氷物語号」です。これまでは普段この路線を走っているキハ54系にラッピングした車両が使われていましたが、今年は「流氷物語号」として5周年を迎えることから観光用の「北海道の恵み」シリーズ車両の投入となっていました。

 

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また今年は1980年代のパソコンゲーム北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ」とのコラボも、雲岡開始周年企画として行われていました。「オホーツクに消ゆ」はその後ファミコンにも移植され、当時は名作アドベンチャーゲームとして名を馳せた存在ではあるのですが、「なんで今?」という気がしたのは確か。でもその裏には、なかなか凄いドラマがあったようです。

 

nlab.itmedia.co.jp

 

30年以上前のコンテンツだけあってコラボするにも誰に許諾を得るのか等が相当に散らかっていたようですが、それが線が繋がって解決に至ってるのがまさにアドベンチャーゲームのようです。

 

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「北海道の恵み」シリーズは「北海道命名150周年」だった2018年に普通列車用のキハ40系を改造して4両が登場しました。普段は通常の運用にも入るので車内の改造は最小限といったところで、座席のボックスにテーブルが設置されているのが目立つ程度です。なお、車内ではロングシート部分でグッズ販売が行われていました。「流氷物語号」の乗車記念品に加え「オホーツクに消ゆ」コラボグッズも多数。

 

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「流氷物語号」は網走を発車し、釧網線知床斜里へ向け南下していきます。車窓には爽やかに晴れた空の下に広がる青いオホーツク海が広がっています…。車内の案内放送でも言ってましたが、最近は流氷の量もかなり減ってきている様子。昔は一度流氷が接岸すると、余程のことが無い限り海が海氷で閉ざされたままになっており、南風が吹いて沖に押し流されてもすぐに戻ってくることが多かったとのこと。それが最近ではタイミングが良くないとなかなか見れない、なんて感じになってしまっているようです。確かに北海道には大学生の頃から時折訪れていますが、冬はもっと「流氷」って「割と見れるもの」だったような気がします。「流氷が少なくなった」のは網走にとっても大問題で、勿論「観光」への影響もあるのですが、それよりも大きいのが漁業への影響。流氷が来る期間は漁船を陸上にあげる必要があるので漁に出れませんが、この禁漁期間があることで水産資源の保護に繋がっているのでは?と言われるようになってきているようです。また流氷自体が海への栄養補給のような役割があるのではという研究結果もあるそうで、流氷が無くなることによる水産資源への影響が懸念されているんだとか。

 

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北浜駅では10分停車。

 

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このは駅のホームからオホーツク海が間近に見えることで有名なところ。海を見渡せる展望台も設置されています。

 

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上からはオホーツク海の向こうに知床連山まで見渡せます。流氷が来てると絶景なんだろうなぁ、これ。

 

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およそ1時間、知床斜里駅に到着。

 

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ここでは、そのまま網走に折り返します。

 

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網走までは快速「しれとこ摩周号」に乗車しました。これ、「快速」となっていますが通過する駅が殆どありません。網走までも冬は営業してない臨時駅を通過するくらい…。

 

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相変わらず車掌に広がるのは青い海。流氷の位置情報は海上保安庁気象庁など様々なソースで得ることができるのですが、メインの海氷帯は今日も沖合20~30km以上先。そりゃ見えないし、観光船で近づける距離でもないようです。

 

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網走駅に到着後、今日はレンタカーを借りて移動します。本当は網走からの流氷観光船「おーろら」の乗船を考えていたのですが、乗っても流氷は見れず単なる「オホーツク海遊覧」の状況です。ツイッターなどで発信される流氷の状況などを見る限り、知床のウトロまで行けばそれなりの流氷が見れるようですが、そこまで行く時間はなさそう。ただ、その手前で斜里の少し先の峰浜の海岸にも流氷が残っているようなので、そちらに行ってみることにしました。

 

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先ほどは鉄道で辿ったルートを、今度は国道244号で。途中、北浜駅に再度立ち寄りました。

 

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この駅舎にある喫茶店「停車場」でランチを戴くためです。国鉄末期に釧網線のこの辺りの駅のいくつかで、無人となって空いたスペースに飲食店を入居させたケースの一つです。ここ以外では隣の藻琴駅に喫茶店、止別駅にはラーメン屋が入り、30年以上経った今でも元気に営業中。この「停車場」も以前は旅行のついでに立ち寄っていたのですが、ここで食事するのは久しぶりです。

 

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今日のランチメニューからオムカレーを注文。カレーソースはシーフード入りです。

 

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そのまま進み、峰浜海岸へ来てみたところ、こんな風景が広がっていました。あ、ちょっと流氷が来てるっぽい!

 

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こうしてみると海が海氷で覆われているようですが…。

 

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実際には「く」の字に曲がった海岸線のところに沖へ流されず残った氷が溜まっている、といった程度なんですよね。それでも全く見れないよりはマシかも。

 

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今日はこのまま紋別まで向かう予定。途中、網走の道の駅に休憩がてら立ち寄ります。

 

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ちょうど最終の流氷観光船が出航するところでした。実はこの観光船を運航する会社、ほんの10年ほど前までは名鉄グループだったんですよ。同じく網走周辺をカバーする網走バスも名鉄グループでした。実際、名鉄に入社するとグループ会社配属ってルートもあり、こういう地方のグループ会社への勤務を命じられることもあったそうです。よくドラマなんかで「お前は明日から網走勤務だ!」とかってのがあるけど、名古屋に地元企業に入ったと思ったらコレがリアルであり得た、ってことらしい…。それにしても凄かったのね名鉄

 

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紋別まで移動の途中、こんなところにも寄ってみました。

 

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常呂漁港近くにある通称「氷漬け灯台」とか「モーゼ」とか呼ばれ、最近ちょっと話題のスポットになりつつあるらしいです。冬になると灯台が海からの風雪で氷だらけになってしまい、こんな形になってしまうんだとか。海が流氷で覆われているとより「モーゼ」っぽい見た目になるんじゃないのかな。

 

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あとはサロマ湖沿いの道がずっと続きますが、サロマ湖は完全に凍結しているようです。

 

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夕方6時前に今日のお宿「紋別プリンスホテル」に到着です。何かイベントでもあるのか、こんな時期ながらかなり混んでいる様子。

 

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シングルルームですが、ビジネスホテルよりは広めの印象。

 

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このホテル、地下に天然温泉の大浴場があります。街中なので景色は楽しめませんが露天風呂もあり、内湯も広くて快適でした。

 

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夕食は外で。ホテルの近くには飲食街があり、お店もそこそこ多いようなので、食事場所には困らなさそうです。

 

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特に予約などはせず、紋別ではかなり評判のよさそうな居酒屋に行ってみたのですが「今日は予約で満席」とのこと。空くまで待つと伝えたのですが「何時空くか解りませんねぇ」と明らかに不歓迎ムードだったので諦め、すぐ近くにあった「じん兵衛」へ。

 

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こちらも悪くなさそうです。ビールで始めます。

 

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刺身盛り合わせ。

 

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たちぽん。

 

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最後にホッケのフライ。ホッケといえば焼き魚が定番ですが、フライもホクホクの身が楽しめて美味です。大将とお話しする中で「この時期、紋別の旬の海の幸を求められるのが一番困るんですよねぇ」と。え?なんですと?紋別なんてみんな「食」はソレめあてなんじゃないの?と思ったのですが、考えてみればオホーツク海沿岸では冬になると流氷が来るので漁に出れないし、そもそも漁船も氷で潰されないように陸上に挙げてしまうわけですから、今の時期は海産物があがってこないんだよね。当然の話っていえばそうなんだけど、意外と盲点だな…。