へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

18きっぷで「HIGH RAIL星空」、あと飯田線。

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4月初旬の週末、東京へ行く用事があったので「青春18きっぷ」で出かけました。その日のうちに着ければOKだったので遠回りし、珍しく「夜」に運行する観光列車「HIGH RAIL 星空」に乗るルートにしてみた次第。

 

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名古屋から東海道線を上って豊橋へ。ここから飯田線へ入ります。

 

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まずはここから天竜峡行きの各駅停車に乗車。213系の2両編成です。

 

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この車両、もともとはJR東海の発足直後、平行する近鉄名古屋線に対抗するために関西線に導入されたもの。その後、10年ほど前にこちら飯田線へやってきました。

 

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もともと私鉄として開業したこともあって、全長200km足らずの距離に94駅もあるのが飯田線の特徴。のんびり進んでいきます。

 

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途中、中部天竜駅で20分停車。

 

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ここには2009年まで「佐久間レールパーク」というJR東海による鉄道博物館?がありました。この建物はその展示スペース跡。かなり貴重な車両も展示されており「なんでこんな山奥に?」という感じだったのですが、名古屋の「リニア・鉄道館」オープンに伴って大半がそちらに移動し、こちらは閉園となりました。JR東海って鉄道ファンにはあまり好かれていない印象あるけど、実は結構レアな車両を保管してたりするのよなぁ。

 

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水窪駅豊橋行きの特急と交換。

 

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秘境駅として有名な小和田駅。今の皇后の旧名と同じ文字、ということでご成婚の際にちょっとしたブームになったことでも知られる駅です。

 

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豊橋から約4時間かけて、天竜峡駅に到着。

 

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一応「観光地」でもあるせいか、駅舎はなかなか立派です。

 

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周囲には渓谷に沿って遊歩道も整備されており、ちょっと散歩してみます。

 

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駅からちょっと歩いただけでこの雰囲気。

 

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吊り橋からの風景もなかなか。

 

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奥に見えていたのは三遠南信道の天龍峡大橋。橋の下は遊歩道になっていて観光スポットにもなっているようです。ただ天竜峡駅からはかなり遠く、クルマがないと行くのは難しそう。

 

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ここでお昼ご飯。温泉施設「ご湯っくり」併設のレストラン「農耕百花 」へお邪魔しました。

 

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そばやかき揚げなどがセットになった「ごゆっくり御膳」1200円をチョイス。

 

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では駅へ戻ります。標高があがってきたせいか、桜がちょうど見頃の様子。

 

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途中「県外断り」の張り紙をしたお店も…。気持ちは解るけど、このあたりって結構、静岡県や愛知県との県境と遠くなかったような。意味あるのかしら。

 

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天竜峡から今度は駒ヶ根行きに乗車します。

 

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飯田駅で15分ほど停車。隣のホームには「ドクター東海」の愛称で呼ばれる検査車両、キヤ95が停車してました。2編成しかないので、結構レア車両だったりするんですよね。

 

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沿線の桜が見頃。ちょうどいい時期に来たみたいです。

 

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駒ヶ根駅で次の岡谷行きにはすぐの接続でした。

 

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今度はJR東海の主流ともいえる313系2両編成です。

 

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車内はボックスシートが並ぶ、313系の中では比較的マイナーなタイプ。

 

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ここから先も駅が多く、のんびりペース。

 

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もう平野部では見頃が過ぎている桜が、このあたりではちょうど見頃で、車窓から様々なところで楽しめました。

 

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結局、豊橋から約9時間かけて岡谷に到着しました。豊橋から岡谷を直通する普通列車でも7時間ほどかかるんですが、200km程度の距離をそんな時間かけて走るって、なかなか凄いよね。

 

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ここで中央線、大月行きの各停に乗り換え。東海道線などから流れてきた211系です。これのおかげで、中央東線普通列車は殆どオールロングシートになっちゃったんだよなー。

 

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小淵沢で下車。2017年に新しい駅舎になったんですが、きちんと降りて駅舎をちゃんと見るのはこれが初めてかも。屋上には展望台もあって、かなり立派です。

 

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1階には小淵沢の駅弁屋「丸政」の運営するショップ「MASAICHI」が入居。全国的に「駅弁」が厳しい状況にあって駅弁販売をやめたり廃業したりするケースも増えてきている中、丸政は今でも多数の駅弁を販売している貴重な存在でもあります。昔はテレビ番組とのタイアップで人気弁当を生み出したりしてたんですよね。

 

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ここから「HIGH RAIL 星空」に乗車です。この「HIGH RAIL 1375」は2017年から小海線で運航を開始した観光列車。週末を中心に1日1往復が昼間に運転されているのに加え、夜に小淵沢発の片道T本だけが「HIGH RAIL 星空」として走っています。普通、観光列車というのは昼間に走るものですが、コレは珍しく夜の時間帯での設定です。

 

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1号車は一人掛けのリクライニングシートと2名掛けのシートが窓に向かって並ぶ構造。

 

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一人掛けシートは方向を変えることができ、窓に向かって斜め45°でセットさせていました。

 

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2号車は二人掛けのリクライニングシートが並んでいます。

 

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小淵沢を発車したら晩ご飯。さきほど小淵沢駅で調達した駅弁「高原野菜とカツの弁当」です。実は事前に丸政に連絡して取り置きしてもらっていたのを、駅の「MASAICH」で受け取っていたのでした。

 

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発売からもう50年ということですが、確かに周遊券青春18きっぷで国内をうろうろし始めた高校時代から、個人的にはお気に入りの弁当だったりします。幕の内みたいなモノが多かった当時、生野菜がどっさり入ってチキンカツがメインのハイカラな中身は駅弁としてはかなり斬新でしたし、そもそも旨かったしね。今でも「生野菜が多く使われている」なんて駅弁、ほかにはあんまりないよな…。

 

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列車はJR線で最も標高の高い駅、野辺山に到着しました。ここでは約50分の停車です。

 

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この「HIGH RAIL 星空」の最大のウリは「野辺山駅前での星空鑑賞」です。ボランティアガイドの解説でたっぷり30分、周囲の灯りが少なく天体観測には最適なロケーションで夜空の星を探すわけです。このガイドさん、野辺山の国立天文台の職員だったという方で説明がガチ。残念ながらこの日は薄曇りでしたが、それでもいくつかの星座を確認することはできました。

 

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星空観測が終わって駅に戻ったのですが、ガイドさんが「この駅の天井が面白いんですよ」とのこと。

 

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ぱっと見、何もないようですが…。

 

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フラッシュを焚いて写真を撮ると星座が浮かび上がる、という趣向になってました。

 

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列車に戻ります。デッキにはスタンプが設置されていましたが、乗客数5万人達成のメッセージボードもあったり。

 

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一号車には販売カウンターがあり、各種グッズや飲食物などが売られていました。

 

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1号車には「ギャラリーHIGH RAIL」があり、通常であれば天井でプラネタリウムみたいな「星空上映会」を行っているのですが、現在は新型コロナ対策で休止中。ただ、こちらにある図書などは閲覧できるようでした。

 

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「HIGH RAIL 星空」は小諸行きですが、その手前の佐久平で下車しました。小諸から接続しているのはJR線ではなく「しなの鉄道」なので青春18きっぷは元々適用範囲外。そこでここ佐久平から新幹線で高崎までワープしてしまうことにしたんです。

 

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わずか7分の接続で上野行きの「はくたか」に乗り換えです。佐久平駅も今ではショッピングモールやホテルなどが建ち並んで、随分発展した印象ですね。

 

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高崎までは僅か20分強。ここからまた青春18きっぷの旅を再開します。10分の接続で上野行きの高崎線各停に乗車し、東京を目指したのでした。