今日は北海道最終日。フェリーの出航する小樽へ向かいます。
国道229号はここからせたな町の中心街までは内陸部を通るルートになります。日本海沿いとなる道道740号に入りましたが、所々に道幅が狭い区間も。
遠くには奥尻島も見えています。
交通量も少なく、絶景が続くいい道でした。
せたな町の旧瀬棚線、瀬棚駅跡に立ち寄り。瀬棚線は函館本線の国縫駅から分岐して、ここ瀬棚までを結んでいた鉄道路線で、国鉄末期の1987年に廃止されました。
その後は「せたな町生涯学習センター」へ。もとは高校だったようですが、今は図書館や郷土資料館などが設置されています。
で、ここには「瀬棚線資料展示室」もあるんです。今回のお目当てはコチラ。
展示室は1階と2階に分かれています。こちらは2階。
こちらは主に瀬棚駅に関する資料などが中心、といった感じ。
瀬棚駅にあった看板類や、当時の瀬棚駅を再現したジオラマなどが置かれています。
そして、こちらの展示物の中で一番の「お宝」は恐らくコレでしょう。国鉄時代に行われた利用促進キャンペーン「いい旅チャレンジ20,000km」で使われた顔ハメ看板です。
「いい旅チャレンジ20,000km」は1980年から10年間行われ、国鉄全線242路線、総延長約2万キロの制覇を目指そう!というキャンペーン。各路線の始点と終点の駅で自撮りした写真を事務局に送ると「その路線を踏破」と認定され、踏破した路線数に応じて景品などが貰えました。写真にはその駅の駅名標などが写っている必要がありましたが、それとは別に「撮影コーナー」として、こうした看板が置かれていた駅も存在していたようです。
看板の裏の説明文、「昭和65年まで」の表記がエモい。このキャンペーンが始まった1980年はまさに国鉄の赤字ローカル線の廃線が始まった時期。途中、国鉄からJRに変わったりもしています。他の駅にあった看板はキャンペーン終了で処分されてしまいましたが、瀬棚駅はキャンペーン終了前に駅の営業が終了してしまったため、偶然にも「駅にあった備品」と一緒に保管されることになったわけです。恐らく、日本全国でも残っているのはココだけなんじゃないでしょうか。
1階の展示室も見学。
こちらの方は瀬棚線の中間駅の看板類や運行関連の資料などが展示されていました。北海道は廃線となった路線は多数ありますが、こうやって「鉄道の記録」をきちんと残しているところも多いんです。それだけ「鉄道」が特別なもの、だったのかもしれません。
そのまま国道229号を北上。
寿都町に入ると日本海に着き出すような形で「弁慶岬」を通過します。どうもココ、義経と弁慶が欧州から蝦夷地に逃れてここに上陸、滞在したという伝説があるそうで、唐突に弁慶の銅像が建てられていたりします。まぁ「弁慶岬」の名の由来、アイヌ語から来てる説もあるらしいけど…。
道の駅「みなとま~れ寿都」で一休み。
それほど規模は大きくありませんが、地元産品をセンス良く揃えたショップとフードコーナーがありました。食事もなかなか旨そうで、こちらで昼食とします。
春限定!というフレーズに惹かれて「しらすまぜそば」を戴きました。しらすがたっぷり、風味も良く美味でした。
食事を済ませて先に進みます。国道沿いの寿都神社、ちょうど桜が満開の見頃なので寄り道。
道の駅「いわない」でも小休止です。
ここ岩内にも1985年まで岩内線という鉄道路線が通っていました。道の駅の前に、岩内駅跡を示す標識も設置されています。
本当なら岩内から積丹半島をぐるっと廻っていきたいところだったのですが、今回はそこまでの時間的余裕がなく断念。国道5号を函館本線沿いに進むルートにしました。仁木に「きのこ王国」あったのね。ちょっとお買い物してしまいました。
国道5号で余市に到達。
考えてみたら、余市の道の駅「スペペースアップルよいち」って本体はこっちなの? 立派なほうは「宇宙記念館」だよなぁ…。
余市からは2018年に開通したばかりの後志道経由で小樽まで向かいました。内陸の山沿いに建設されているんですが、石狩湾の景色が広がる区間も多く、なかなかの風景が楽しめます。流出した朝里ICの近くにディスカウントストア「トライアル」があったので、「サッポロクラシック」を箱買いしたり等の買い出しを実行。マイカーで来ると荷物が増えるのが気にならないのがいいなぁ。で、午後4時前に小樽港フェリーターミナルに戻ってきました。
これから乗船するのは新日本海フェリーの新潟行き「らべんだあ」、往路に乗った「あざれあ」と同型船になります。
ターミナル内で乗船手続き。
午後4時頃から乗用車の乗船が始まりました。
カーデッキにクルマを駐めて客室へ。
船内のレイアウトは「あざれあ」と基本的には同じですが、内装のカラートーンや細かいデザイン、家具類などに違いがあります。
午後5時、新潟港に向けて小樽港を定刻で出航。さよなら北海道!
売店前のパブリックスペースの椅子、「あざれあ」では丸いものが置かれていましたが「らべんだあ」はカクカクな形。
積丹半島の神威岬を通過するあたりで、同じ新日本海フェリーの船とすれ違います。おそらく、舞鶴からやってきて小樽へ向かう「あかしあ」でしょう。
夕食は船内レストランで頂きます。
これも新日本海フェリーご自慢の逸品なのかな、ビーフシチューセットをチョイス。かなり本格的なお味なのに、これで1100円はお安いかと。ライスかパンが選べるのですが、パンを選んだらクロワッサンが来ちゃいました。ビーフシチューならバゲットとかのほうが合うような気がするな…。旨かったからいいけど。
食事の後ももう一杯。おやすみなさい。
新潟港には翌朝9時15分の到着です。さぁ、名古屋へ帰りましょうか。