へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

陸海空乗るだけサマー、その3:まさか当選、天草エアライン「乗るだけ運賃2021サマー」で飛びまくれ。

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おそらく1日8回のフライトは自分史上最多だと思う。

 

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朝8時前にホテルを出発。この「アパホテル博多駅筑紫口」、ホテルの廊下が「屋外」なんですよね…。当然ながら空調はなし。部屋のエアコンも外出時には運転が止まるので、外からホテルに暑い中帰ってきても、涼むまでに時間がかかるのが難点ですわ。

 

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博多駅から地下鉄で5分、福岡空港へ。JALカウンターの一角に設けられた天草エアラインのチェックインカウンターにやってきました。これから、天草エアラインのフライトに8区間乗りまくる旅が始まります。

 

www.amx.co.jp

 

天草エアラインはその名の通り、天草空港を拠点として運航するローカル航空会社でして、プロペラ機1機で1日10区間の定期便を飛ばしています。これに1日全部乗り通して運賃1万円ポッキリ!という「乗るだけ運賃2021サマー」という企画がリリースされました。これは2014年から時折設定されていたのですが、この7月に久々に実施されることに。今回は7月中の設定日は10日間で、最大定員は1日あたり6名と、つまりは60名だけ利用できる、ということになります。申込み多数の場合は抽選となり、まぁこういうのは当たらないしなぁ…と一応申し込んでみたところ、「当選です」のお電話を頂いたので吃驚。1400名以上の応募があったそうなので、倍率23倍以上だったのか!

 

この「乗るだけ運賃2021サマー」で乗れるのは天草空港から出て天草空港に帰る最大10区間。それではキツいという方向けに、福岡空港から出て福岡空港で終わる8区間コースも用意されています。天草発着だと朝7時前に天草空港に行かないとダメなのでちょっと厳しく、今回は8区間ということでの利用です。なお、運賃はどちらも1万円ポッキリ。

 

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手続きの際には「誓約書」の記入を求められます。一日乗りまくりで1万円って安いな!って感じですが、それは予定のフライトをコンプリートした場合のこと。途中でリタイアした場合には、それまで乗った区間の普通運賃分を追加で請求されてしまいます。また「これで体調悪くなってもウチ知らんぞ」というのも入ったりして…そんなに宇宙旅行行くみたいなノリなのかよ…。ここで1区間目の天草までの搭乗券を受け取ります。同時に首から掛ける札も貰いましたが、空港によっては係員が別ルートで案内するので着けておいてください、とのこと。

 

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保安検査を通過して出発ゲートにやって来ました。今日の「乗るだけ運賃」のチャレンジャーは計6名でしたが、自分以外の5名は皆さん天草からの10区間制覇狙い。ごめんなさい軟弱者で。

 

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搭乗口から飛行機まではバス移動。これが今日お世話になる天草エアライン唯一の保有機、ATR42-600「みぞか号」です。2016年にそれまでのDHC-8に変わって導入された機材で、日本初のATR機でもあります。今では日本エアコミューターも導入、北海道エアシステムでも使用が開始されたので、日本でもだんだんお馴染みの飛行機になりつつある感じ。

 

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機内は横4列のシートが並びます。赤のシートはJACと同じ印象ですが、実際にこの機材が長期整備に入る際にはJACから貸出が受けられるようになっているそうで、共通化を図ったようです。

 

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では、福岡空港を出発。

 

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AMX102便は大牟田付近までほぼ九州新幹線のルートに沿って南下し、有明海を横断。島原を見下ろしながら天草へと向かいました。

 

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僅か25分ほどのフライトで天草空港に着陸。

 

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到着ロビーにはやっぱりお前か!天草は熊本県、当然ながら「くまモン」をお見舞いされてしまうわけです。

 

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くまモン」に加えて「WANIMA」もおるやんけ。天草出身なんですね、知らなかったわ。

 

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天草空港、初めて来ましたが意外とじゃんとしたターミナルです。

 

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ロビーは空港の運航規模には充分な広さで、椅子も多め。

 

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チェックインがウンターはこんな感じ。ここではこの先の4区間分の搭乗券を受け取りました。

 

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一角には観光案内パンフなどが置かれたコーナー。

 

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売店もあって、天草のお土産物などがなかなか充実していました。

 

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2階には狭いながらも展望デッキもありました。

 

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日本の国内線では「保安検査通過は出発20分前までに」というのが一般的ですが、ここではそんな厳密な運用はありません。先ほどまでチェックインしていた係員の皆さんがお仕事を終えると、今度はこっちに移動して保安検査要員になるという流れで、準備が済み次第アナウンスが入る、といった感じです。このときも15分前くらいから保安検査が始まりました。満席でも50人未満のお客さんなので、これでも充分かと。

 

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また「みぞか号」に戻ります。

 

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2区間目はAMX201便、熊本行き。直線距離でわずか70km程度という短さで、飛行時間も15分ほど。飛行距離が短いおかげで高度も低いので、まるで天草諸島の遊覧飛行のようです。天草から熊本市内まではバスが一日10往復ほどありますが、直線距離は短くても道路は島伝いに遠回りすることから、所要時間は2時間半もかかります。そういうわけで航空路線の意味があるのですが、天草~福岡が1日3往復に対して天草~熊本は1往復しかありません。熊本空港が市街地から遠くバスで1時間弱かかるためにアドバンテージが薄れることや、運賃が倍近く違うせいかもしれません。

 

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飛行時間が短くベルト着用サインも消えないので「乗ってるだけ」しかないのですが、シートポケットに入ったエチケット袋を見たら、なんとそれぞれ違うメッセージが書かれているじゃありませんか。ぱっと見「白い袋が置いてあるだけか」と油断してたぜ。

 

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「機内誌」もありますが、ポケットファイルを使った手作り感満載のもの。あ、お持ち帰りは不可でございますよ。航路の紹介や天草エアラインの客室乗務員の全員の紹介まで載ってました。全員といっても計4名ですが。

 

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あっという間に熊本空港に到着。バスでターミナルビルまで移動します。

 

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熊本空港は国内線ターミナルビルの建て替え工事が行われており、仮設の建物で運用されています。通常通り到着ロビーを出て出発ロビーから保安検査を通過してゲートへ向かいます。

 

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3区間目は大阪・伊丹行きのAMX801便、ゲートに着いたらもう最終の搭乗案内中でした。

 

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熊本空港を離陸すると、空港の周囲をぐるっと回って高度を稼ぎます。

 

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フライトはそのまま東へ。佐伯付近で豊後水道を横断し四国上空に入ります。

 

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熊本~大阪便では機内サービスが行われます。配られたのはみかんジュース。

 

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高知の上空を横切り、和歌山付近で本州へ。そこから大阪湾沿いに北上するのですが、関西空港が眼下に現れます。

 

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大阪市街を通り、南側から伊丹空港へアプローチしていきます。

 

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10分ほど定刻より遅れて大阪・伊丹空港に到着しました。ここは到着と出発の動線が分離されていないので、乗り継ぎ?のために保安検査を再度通過する必要がありません。

 

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ここまで30分程度のインターバルで飛行機に乗ってきたわけですが、ここ伊丹では40分間も空いています。ちょうどお昼時、ここでお弁当でも買おうかなと思って制限エリア内を彷徨いてみたのですが、なんか以前と様子が違います。

 

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伊丹空港はリニューアル工事が終わり昨年8月にグランドオープンしてたんですね。それ以来、伊丹に来たのが初めてだったので、この変貌ぶりにはかなり驚きました。ちょっとしたショッピングモールのフードコートみたいじゃないですか。

 

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ここから熊本に折り返し。AMX802便は機材到着が遅れたため、出発時間は定刻12:50から10分遅れの13:00でセットされていました。

 

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ゲートからは階段を降りてランプ上を歩いて機体まで移動です。

 

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伊丹空港は13:15頃に離陸。

 

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神戸あたりまで南下して大きく右に旋回、そのまま瀬戸内海方面を西へ向かいます。

 

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この機内で昼食。フードコートエリアの店舗でもテイクアウトできるようなモノが色々あったのですが、結局オーソドックスに淡路屋のお弁当をチョイスしてしまいました。

 

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「六甲山縦走弁当」、お値段680円とイマドキの駅弁としてはリーズナブル。それでいて中身は割としっかりしています。

 

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これは尾道上空あたり。先ほどからずっと瀬戸内海上空を飛行しています。

 

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松山付近から大分を目指して豊後水道を横断。いったん有明海まで抜けて旋回し、西側から熊本空港に着陸しました。

 

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熊本着は15分遅れ。そのまま急いで次の便、天草行きのAMX202便のゲートへ急ぎます。まぁそうはいっても同じ飛行機に戻るだけなので乗り遅れることはまずありませんが。

 

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天草までは15分ほど。また天草諸島の眺めを楽しみながらのフライトです。

 

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天草到着は10分ほどの遅延でした。

 

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今度は朝と逆向きでの駐機。機体を大きく回り込むようにターミナルへ入ります。

 

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6区間目はAMX105便の福岡行き。天草空港ではこの便を含め3区間分の搭乗券を貰いました。いよいよラストスパート! 福岡からご一緒だった客室乗務員さんはここで交代です。

 

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今度の福岡行きは有明湾を北上して唐津付近で玄界灘に抜け、そこから福岡空港に北側からアプローチするルートでした。

 

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福岡空港へのフライトタイムは約30分、10分ほどの遅延での到着です。

 

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ターミナルまではバス移動。そこで次のゲートまでは職員の案内で向かうことになっているのですが、それらしい人は誰もいません。たまたま通りかかったJALのスタッフさんに尋ねたところ「そのまま到着ロビーに出て出発口から入ってください」との回答。それで間に合うのかしら…と思っていたら、同じチャレンジャーの中で複数回参加の方がおり、「ここから乗り継ぎ動線で行けるはず」と主張した結果、そちらのルートを通ることができました。国内線同士の乗り継ぎ案内カウンターはあるのですが、スタッフが常駐しているわけではないようです。

 

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保安検査を通過することもなく無事に7区間目のAMX106便のゲートに到達。「乗るだけ運賃」利用者が最後の乗客で、この6名でバス1台が出ました。

 

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この天草行き、朝乗ったAMX102便とほぼ同じルートでの運航。

 

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雲仙普賢岳を眼下に眺めながら天草空港へアプローチします。

 

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飛行時間は25分程度、ここで遅れを取り戻してほぼ定刻で天草に到着しました。

 

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一旦ターミナルビルへ。天草空港に来たのは今日これで3回目ですよ。

 

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いよいよ最後の8区間目、福岡行きのAMX107便へ搭乗です。

 

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遠く島原半島を望みながら離陸。天草空港から島原半島雲仙普賢岳がよく見えるのですが、隣県がよく見える空港ってそんなに多くないような気が。

 

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先ほど搭乗したAMX105便とはルートが違い、天草を離陸した後は大牟田方面へ向かいました。そこから九州新幹線ルートに沿うように北上。

 

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今度は糸島付近で玄界灘へ抜け、北側から福岡空港に入っていきます。

 

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定刻に福岡空港に到着。8区間の「乗るだけ」終了です。なんか名残惜しいぞ。

 

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ターミナルまでの送迎バス、なんだか賑やかです。空港内のランプバスに1台だけお祭りムード装飾を施したそうで、ラッキーにもソレに当たったようです。

 

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他の5名のチャレンジャーの皆さんは福岡から天草まであと1フライト搭乗しますので、到着口でお別れ。「乗るだけ運賃」の記念品として缶バッジを頂きました。10区間フルで乗ると金色のバッジらしいですよ。

 

この企画、想像以上に楽しかったです。グルグル乗ってるだけで楽しいのか?と思っていた面もあるのですが、同じ飛行区間でも往復で同じルートとは限らず、意外と機窓に変化がありました。プロペラ機のため飛行高度も低く速度も遅いので、ちょっと遊覧飛行みたいな感じです。天草エアライン自体もアットホームな雰囲気で居心地のいい感じ。これは飛行機に乗るのが好きなら是非一度お試しを!って気がします。

 

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最後にすっかりお馴染みになった「みぞか号」をお見送りしようと、福岡空港の展望デッキに出てきました。

 

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なんかココも随分オシャレになってるじゃないですか! 福岡空港もリニューアルがどんどん進んでおり、この展望デッキのエリアも昨年の8月にオープンしたばかりのようです。コロナ禍の中でも、なんか色々変わってるんだなぁ。