足立美術館、実は温泉地にあったりします。
足立美術館のすぐそばにあるのが「安来さぎの湯温泉」です。8世紀頃に発見され江戸時代まで栄えたものの、17世紀の洪水で流されてしまったんだとか。それを20世紀に入ってから再発見し再興したそうです。
そして、今夜泊まるのが「さぎの湯荘」です。温泉を再興したのがこちらの初代当主だそうですので、地域的には一番、なのかもしれません。
玄関から一歩足を踏み入れると、なかなか上品な雰囲気。1泊2食で2万円を切るくらいのお値段なのでそこそこいい宿とは想定してましたが、もしかしたらそれ以上?
フロントで手続きをして、準備ができるまでお庭の見えるロビーで一休み。ちょうど1週間ほど前から「安来に泊まってお得に観光~やす得!キャンペーン~」というのを安来市が始めたところらしく、宿泊料金が最大3000円引き、加えて2000円分の金券がもらえるとのこと。
今回は「一休.com」での事前決済で予約していたのですが、キャンペーンを適用したほうが安くなるので宿都合でキャンセル扱いにし、こちらを適用していただきました。金券は足立美術館の入場料金にも充当できたので、先にチェックインしておけばよかったかもな…。
コーヒーとお茶菓子を頂いていると、準備ができたとのことでお部屋に移動。
まぁ一人旅には贅沢な広さのお部屋に通されました。
窓辺にはテーブルとチェアが。実は部屋の向こうは道路なんですが、塀と植林でうまく隠されており、通行量も少ないので「静かなお庭を眺めてくつろぎのひととき」みたいな雰囲気に浸れます。
冷蔵庫やポットなどが置かれたキャビネットもお洒落です。
洗面台もいい雰囲気。全般的に居心地の良さを感じますね。
こちらのお宿、別館などもいくつかあって、なかなか複雑な構造です。規模は大きいようなのですが、そのせいであまり「大旅館」という感じがなくアットホームな雰囲気なのが不思議。
では早速、温泉に入りましょうか。
もしかしたら「さぎの湯荘」の大きな魅力はこの温泉大浴場かもしれません。浴室に入ると、大きな窓の向こうに田園風景広がり一瞬息を呑むほど。大浴場から見える方向は「ほぼ田んぼ」しかないので、まるで田んぼのど真ん中で入浴しているような気分になります。
夕食は個室のお食事処での用意でした。
こちらが本日のお品書き。懐石ですが、品数は多めかな。
既にテーブルには料理が並んでいました。
食事のお供は、最初に地ビール「大山Gビール」を頂きました。でもコレ鳥取の大山ブルワリーなんですよね…まぁココは島根だけど鳥取の隣だから地物みたいなもんでいいよね、と。
温かいものとして茶碗蒸しと…。
鰈の焼き物は後から運ばれてきました。
お酒のお替わりはモロ地元、安来の吉田酒造の「月山」芳醇辛口純米を。お宿のオリジナルラベルじゃないですか。
ご飯はテーブルの釜で炊かれたとうもろこしご飯。どれも美味しく頂きました。
最後にデザートが出てきて、お食事は終了。
「さぎの湯荘」には大浴場のほかに2箇所の貸切風呂があり、空いていれば自由に使うことができます。こちらも風情ある作りでした。
こちらのお宿、パブリックスペースも意外と多く、温泉宿には定番の卓球台もあったりして。
大浴場にも行ってみましたが、夜の露天風呂も星空が見えて最高です。
館内の自動販売機はドリンクだけでなくアイスも販売。山陰らしく二十世紀梨のシャーベットを湯上がりに頂いてみました。あれ?これも鳥取だな…。なんか完全に「鳥取か島根か解らないがその辺に行った人」になってるな俺。
部屋に戻ったら、窓にカエルが張り付いてました。いやぁ、長閑なとこなんですねぇ。
朝食は大広間で頂きました。
ソーシャルディスタンスを意識した感じでテーブルが並びます。
大広間の窓からはお庭と田園風景が。
朝食のメニューは一般的な感じ。お味は確かです。
焼き魚も焼きたてで提供されました。
朝食後、もう一回大浴場へ。この風景、いいよなぁ。
チェックアウトして安来駅へ。通常だとさぎの湯温泉の宿に宿泊した場合は、足立美術館の無料送迎バスを使えることになっています。この日は宿の方が駅方面へ行く用事があるのでお送りしますよ、とのことで、お願いすることにしました。
クルマの準備が整うまで、お庭を見ながらコーヒーを頂きます。さぎの湯温泉、ここに泊まったら朝イチの足立美術館に行くのが本当はいいみたいです。今は新型コロナ禍で来場者も多くないのですが、足立美術館といえば団体ツアーでも山陰を巡るなら必ず訪問するような人気スポット。ただ、ツアーだと宿泊地は松江や出雲あたりに設定して観光バスで来ることになるので、頑張っても団体さんが来れるのは朝10時過ぎにはなってしまいます。足立美術館は朝9時開館なのですが、朝イチに来ると団体客もいないので静かな中でお庭を眺められるというメリットがあるんだとか。
宿から15分ほどで安来駅まで戻ってきました。
駅前になんだか船を象ったようなモニュメントが。北前船だって?
実はこの安来駅、駅から近いところまで日本海に繋がる中海が迫っており港になっているのでした。北前船もここに寄港していたらしいです。
立派な安来駅の駅舎は観光案内所と物産の販売所、カフェなどが入っており充実しています。安来って安来節の発祥の地なので(まぁ名前から言えば当然だわな)、その関係の展示などもあって時間は潰せます。