へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

「みんなの九州きっぷ」リターンズ、その1:車両召し上げ!かわいそうな「はやとの風」乗車。

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コロナ禍の2020年夏にJR九州が販売した「みんなの九州きっぷ」。土日の2日間、JR九州全線が新幹線も含め乗り放題!が1万円という吃驚プライスで、その破格さもさることながら永らく途絶えていた「九州内の乗り放題きっぷ」復活という意味でもインパクトのあるものでした。北部九州版なら5000円で、いくらお客が減ったからといってもやりすぎでしょ…という感じ。自分も2回ほどお世話になりました。

 

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その「みんなの九州きっぷ」が2021年秋から再販されることに。今度は全九州版が1万5千円、北部九州版が8000円と大幅な値上げになってしまいましたが、それでも充分お得なお値段です。2月の3連休、またコイツのお世話になりました。

 

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仕事を終えて夜の「のぞみ」で小倉へ向かいます。

 

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名古屋駅で購入した駅弁が本日の夕食です。松浦商店の「こだま」。

 

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この「いかにも普通」な幕の内弁当って佇まいがいいんだよね。趣向を凝らした駅弁が増えている中、こういうオーソドックスなヤツって意外と貴重では。

 

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山陽新幹線区間では車内販売からアイス買ってみたりもしました。シンカンセンスゴイカタイアイスとはちょっと違うヤツね。こんな感じでまったり車内で過ごしていたら、なんと翌日からの予定が成り立たなくなっていたことが判明。当初は朝イチの宮崎行き「にちりん」に乗って吉都線へ入るつもりだったんですが、乗車したい吉都線の列車が保線のため運休になってるじゃありませんか!慌ててスケジュールを組み直す羽目に…。

 

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小倉駅に到着。ここでネット予約で購入しておいた「みんなの九州きっぷ」の引き取りと指定席の確保をしました。2020年版はJR西日本エリアでもきっぷの受取や指定券の発券が可能だったんですが、今回はJR九州エリア内のみの扱いになっています。

 

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小倉では「ホテルリリーフ小倉駅前」に宿泊しました。小倉駅南口、駅前にそびえる「セントシティ」のすぐ裏手にあり、駅からも見えるくらいの近さ。

 

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まぁごく普通のビジホですけどね。

 

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デスクの上には手書きのメッセージカードが置かれていました。ホテル1階にはカフェがあるのですが、こちらの割引券とかも貰えたりして、サービス的には悪くないかも。

 

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翌朝6時に小倉駅へ戻ります。

 

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本日の旅程は博多行き特急「ソニック」からスタート。

 

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振子式の885系、いまだに斬新に見えるスタイルですが初登場は2000年。これで既に20年以上も経ってるというのは吃驚です。ただ、このイスの座り心地の微妙な悪さは何とかして欲しい気がするぞ。背もたれのヘッドレスト部分が大きすぎて、背中にまで当たるのでしっくりこない…。

 

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博多からは鹿児島中央行きの九州新幹線「つばめ」に乗り換えます。

 

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九州新幹線仕様のN700系8両編成は1~3号車は自由席として横5列、4号車から8号車は指定席として横4列シートになっています。ただ一部「つばめ」などに投入されるときは4号車や5号車も自由席として運用されることがあります。この「つばめ」がまさにソレで、自由席で横4列のゆったりシートを堪能させてもらいました。

 

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博多から鹿児島中央まで各駅に停まって約2時間。九州新幹線鹿児島中央駅、この「終着駅!」って感じが珍しいですよね。まぁ新幹線で実質的に終着駅である駅自体ってのがそもそも少ないんだけどさ。

 

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鹿児島中央では本日のメインイベント、特急「はやとの風」吉松行きに乗車です。2004年に九州新幹線新八代鹿児島中央で部分開業した際に運転開始となった観光特急ですが、この3月で運転終了することになりました。その理由が「車両転用のため」。2022年度中に西九州新幹線が開業する予定なんですが、それに合わせて「ふたつ星4047」という観光列車を走らせることになり、この車両を再改造してそっちに持って行くんだとか…。ラストラン目前で混雑することを見越したのか、今まであった自由席の設定が無くなり、今では全車指定席として運転されています。今回はコレが大きな目的の一つでもあったんで、この指定席が取れるかどうかドキドキしちゃってたぞ。

 

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もともと普通列車用だったディーゼルカーを改造したものですが、車内はリクライニングシートが並べられています。

 

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車両の中央部分には展望スペースを設置。

 

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ここには足もとから天井まで続く大きな窓が。列車は暫く錦江湾沿いに進むのですが、ここからの桜島の眺めはなかなかのものです。

 

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隼人から肥薩線に入り、嘉例川で停車。

 

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「鹿児島県最古の駅舎」として有形登録文化財になったこともあり、鉄道利用でない観光客も多数訪れていました。「はやとの風」運転開始が話題なった契機みたいな面もあるところなんですが、「はやとの風」がなくなっても駅舎の観光資源としての価値は残りそうですね。

 

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次の停車駅の霧島温泉ではホームで地元の皆さんのお出迎えがあり、霧島茶やサツマイモの天ぷら「ガネ」の振る舞いが行われていました。車内販売では限定品「はやとの風 紅はるかプリン」をゲット。

 

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ちょうどバレンタインのイベント中だそうで、プリン購入者にはプレゼントがありました。「はやとの風」缶バッジ、客室乗務員の手書きメッセージ付きです。

 

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一緒に義理チョコの王様「ブラックサンダー」も入っていたのですが、なんとパッケージが「はやとの風」仕様だったのには吃驚。

 

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大隅横川駅でも暫く停車時間があります。この駅舎も嘉例川並に古いんですが、あんまり話題になってないような気が。

 

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この駅の場合は「レトロ駅舎」よりもこの「機銃掃射の跡」推しだからなぁ。

 

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1時間40分ほどかけて、終着の吉松に到着です。ホームには「はやとの風」に加えて「いさぶろう・しんぺい」の看板が掲げられていました。鹿児島から観光列車を召し上げて長崎に持って行くとは酷い話!と思っちゃいますが、もともと「はやとの風」はコレ単体で機能することを意図していない列車でした。九州新幹線が先行開業した新八代から鹿児島中央までの区間と合わせて肥薩線を周遊ルートにするために、熊本方面からは「九州横断特急」や「SL人吉」で人吉まで、そこからは「日本三大車窓」を通過する「いさぶろう・しんぺい」で繋ぎ、それを受ける役割を持っていたのが「はやとの風」。しかしながら2020年の水害で肥薩線は甚大な被害を受け、八代から人吉を経由して吉松までの区間は運休となってしまいました。肥薩線の復旧の方針すら検討中という状況ですから、「はやとの風」だけあっても正直あまり意味はない、って感じではあるのよね。

 

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吉松からはまた「はやとの風」で折り返しなのですが、待ち時間で駅周辺を散策してみました。

 

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駅前には最盛期の吉松駅の様子を紹介する看板がありました。肥薩線から宮崎方面へ向かう吉都線が分岐する駅でもあったことから、機関区があったりするような大規模な駅だったようです。住民も鉄道関係者がかなり多い「鉄道の町」という側面もあった模様。

 

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では、また来た道を辿って鹿児島中央へ。

 

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人吉方面に延びる線路。ここをまた列車が走るのはいるになるんでしょう。というか、また走るの?が怪しいのか。

 

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鹿児島中央に戻ってきました。

 

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ここで昼食。「みんなの九州きっぷ」には様々な特典があり、鹿児島駅の「アミュプラザ」で使える500円の金券が貰えたりします。コレを使って「天文館むじゃき」へゴー。

 

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食事とミニサイズの白熊とのセットメニューなんてものもありました。で、黒豚を使った「最高丼」と白熊のセット1390円也を選択。こんな見た目ですが、意外とお肉の量は多かったです。

 

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白熊は色々選べるのですが、ここはベーシックなヤツで。

 

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お次はまた観光列車、特急「指宿のたまて箱」に乗ります。こちらは2011年に九州新幹線が全通した際に登場しました。県内でも有数の観光地でもある指宿への列車ということもあってか人気は上々のようで、1日3往復も設定されています。当初は2両編成だったのに、当時3両編成だった「はやとの風」から1両分捕って今では3両が標準になっている様子。

 

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こちらは基本的に「錦江湾の眺め」がウリということもあり、海側は窓に向かって並ぶカウンター席が配置されています。山側は進行方向に向いた2名掛けリクライニングシート。

 

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桜島の姿も楽しめるわけですが、単に海沿いの区間からだけはなく、高台から市街地越しの容姿も見えたりするのが特徴かも。

 

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指宿までは1時間足らずでの到着です。この「ほどほど」の乗車時間も人気の秘密かも知れません。

 

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改札には「祝10周年」の横断幕が。

 

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15分ほどの滞在で折り返しの「指宿のたまて箱」に乗ります。

 

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往路と違う号車にしたんですが、こちらの車内は「はやとの風」の車両とほぼ同じような亭アウトでした。おそらくコレが当初は「はやとの風」「指宿のたまて箱」共通運用として用意されたのに「指宿のたまて箱」専用になっちゃったヤツだな多分。ただ、これも長崎に召し上げられるみたいですけど…。

 

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指宿枕崎線は海岸沿いを走る区間も多く、景色はいいですね。

 

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本日3回目の鹿児島中央駅。また九州新幹線に乗りますが、今度は「さくら」に乗車です。

 

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下車したのは新鳥栖

 

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在来線との乗換駅として改札は繋がっていないのですが、動線は解りやすくて乗り換えには便利な印象です。

 

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在来線改札脇には鳥栖駅でホームのうどん屋や駅弁などを扱う「中央軒」のスタンドがありました。他にもファミマや物産も扱う観光案内所があったりと、意外と駅の施設は充実しています。乗り換えのお客さん、多いの?

 

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ここでは名物「かしわうどん」を頂きます。柔らかめのうどんに甘めのお汁、九州だねぇ。

 

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今日はここから特急「みどり」佐世保まで向かってスケジュール終了です。「ハウステンボス」編成と「みどり」編成が合わせて8両まるごと「みどり」になってるヤツが来ました。

 

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今ではすっかり少数派になった783系ですが、JR九州が初めて開発した特急電車である上に「JRとして登場した初めての特急電車」でもあったりします。短い編成でも指定席/自由席、喫煙席/禁煙席が柔軟に設定できるよう、1両の真ん中に昇降口を設けることで区画を分けるというコンセプトが採用されています。その後これに続いた形式はないので、そこまで便利だったわけでもなかったのかも。

 

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ハウステンボス」編成側に乗ったのですが、車内もちょっと行楽っぽい雰囲気になっています。仕切り扉のガラス面にハウステンボスのロゴが出ていたりと、かなり「振ってる」デザイン。

 

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佐世保に着いたのは夜7時半頃。今日は結局、およそ13時間も列車乗りっぱなしでした。