へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

「みんなの九州きっぷ」リターンズ、その3:日本最古?の観光バスで地獄巡り。

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地獄を見てきました。

 

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別府では「ホテルシーウェーブ別府」に宿泊。モロに別府駅前という便利なロケーションにあります。

 

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シングルルームを取りましたが、まぁ一般的なビジホ仕様。ただ、窓側の空間がちょっと広めで、ここに椅子とテーブルが設置されていたりしました。

 

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山側の高層階だったので、窓からは別府駅が一望。なかなかのトレインビューです。

 

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客室の入口に鍵穴があり、ここにルームキーを差し込んで回すと室内の照明などが点くという変わった構造でした。有り難かったのは、室内のコンセントは常時通電していたこと。この手のホテルだと、主電源にコンセントも連動していて外出中は通電せず、充電などができなかったりすることもよくあるんですよね。

 

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基本的にはビズネスホテルなんですが、なんせここは別府。立派な掛け流しの天然温泉の大浴場がありました。1階は露天風呂あり、3階は内風呂だけですが、毎日男女の入れ替えがあるので、宿泊者は朝晩入浴すれば両方使えることになります。

 

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大分県も「まん延防止」なので、夕食に困りそうな雰囲気。そこで今回は1泊2食付きで予約していました。食事は1階のレストランで。

 

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大分名物の定食なんですが、これは魚を調味料に漬け込んだ「りゅうきゅう」と赤魚の煮付け。

 

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とり天も出てきます。

 

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別府らしい地獄蒸しも。

 

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ご飯とともに出てくるのも大分の郷土料理であるだんご汁。大分は「だんご」といっても丸いものではなく、幅の広いうどんのような形なのが特徴です。

 

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朝食はビュッフェスタイルでの提供でした。なかなか種類も豊富で、全般的に旨かったです。

 

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「みんなの九州きっぷ」は有効期間2日間なので昨日で終了。今日はもう名古屋に帰るだけなんですが、午前中はベタな観光をしてみることに。亀の井バスの定期観光バス「別府地獄めぐり」に乗車します。この観光バス、日本で初めて女性バスガイドを乗務させたんだそうですよ。

 

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やってきたのは「別府地獄めぐり」専用のバス。前面にはツノまでついちゃってます。バスガイドさんが「世界で唯一、ツノのついたバスです」と紹介してましたが、まぁそりゃそうだろうな、と。恐らく世界中で「バスにツノを付ける」って発想自体、ほかにはなさそうだもん…。

 

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バスは流川通りを経由して、30分ほどかけて地獄のあるエリアまで向かいます。流川通りは別府が温泉観光地として栄え始めた頃のメインストリートだったんだとか。また、観光バスが運行を始めた当初は、バスガイドは「七五調」と呼ばれる独特の節での案内を行っていたそうで、当時の案内を再現して聞かせて貰ったり。最初の訪問地の「海地獄」で下車、ここからは暫く歩いて廻ります。生憎の雨模様でしたが、傘の貸出がありました。「別府地獄めぐり」カラーの目立つ傘ですが、その目立つ分、集団にはぐれなくて便利かも。

 

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海地獄はコバルトブルーのお湯が沸いていることから名付けられたもの。こう見えて泉温は98度もあるんですよ。

 

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お次は鬼石坊主地獄

 

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泥の中からボコボコと沸いてくる姿が坊主のよう。ここも泉温99度と超高温です。

 

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続いてかまど地獄。

 

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ここには一丁目から六丁目まで、6つの様々な「地獄」があったりします。

 

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ここも泉温は98度。この噴気をかまどのように使っていたことから「かまど地獄」と呼ばれることになったそうです。また、ここでは「湯けむり」の原理が解る実験とかも見せてくれます。要は「雲」ができるのと同じ原理なんですね。

 

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4箇所目が鬼山地獄。

 

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「地獄」としては割とフツーですが…。

 

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温泉の熱を利用してワニを飼育しているのが、ここの最大のウリだったりします。実際、他の「地獄」に比べて地味なためにワニを飼うことで集客を狙ったものなんだとか。この日はちょうどワニのもぐもぐタイムを見ることができました。丸のままのニワトリとかバリバリ喰うのは迫力あります。

 

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次は白池地獄。

 

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お湯が白い、ということで白池地獄なんですが、天気などのコンディションによるようで、この日はそこまで「白い!」って感じではなかったような。

 

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ここでは温泉熱を利用してピラルクなどを飼育していました。

 

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ここで再度バスに乗って移動します。

 

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6箇所目となるのが血の池地獄

 

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その名の通り、真っ赤なお湯が湧いています。泉温はちょっと低めで78度。この泉源が温泉として使われていた時もあったそうですが、タオルなどが真っ赤に染まってしまい苦情が耐えなかったことから、今では地獄としての観賞用のみ利用されています。

 

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そして最後の7箇所目は竜巻地獄。

 

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この竜巻地獄、シンプルに言えば間欠泉です。だいたい30~40分に1回程度のインターバルで吹き上がっており、観光バスもこの時間に合わせてスケジュールが調整されます。

 

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10分ほど待っていると、勢いよく熱湯が噴き出してきました。なんと105度もあるんだそうです。でも吹き出し口の上に「天井」が作られていて「え?これだけ?」という印象もなくはありません。実は昔はこの「天井」部分はなかったそうですが、これがないとマジで30mくらいは平気で吹き上がっちゃって危険だ、ということで設置されるに至ったんだとか。その設置も、定期的に熱湯が噴き出してくるところに作るワケなので相当大変だったそうです。

 

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別府駅を出発して約3時間、地獄めぐりツアーは終了。北浜のバスターミナル前で下車しました。正直なところ、このルートであれば路線バス等を使っても充分巡れるし、コスト的にもそっちのほうが安くつきます。ただ、バスガイドさんのフルの案内を受けながら楽しめる、という価値は充分あるのでは。元祖バスガイドを堪能できますよ。

 

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昼食はバス停近くの百貨店「トキハ」の地下、湯けむり横丁へ。2019年の秋、リニューアルによって開設されたエリアです。

 

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大分と言えばとり天が有名ですが、この東洋軒がとり天発祥のお店とされています。本店は別府駅からかなり離れた、公共交通では行きにくい場所にある上に、地元でも人気店なので常に行列。そんな東洋軒の支店がここにあるんです。先ほどの地獄めぐりのバスガイドさんも「本店より便利な場所にあって本店より空いてる」とイチオシしてました。

 

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これが発祥の店のとり天です。東洋軒はもともと中華料理店で、ほかにもオーソドックスな中華メニューもありました。とり天はそのまま食べても美味しいし、タレにつけても旨いし、と言った感じです。

 

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食後のデザートを求めて、こんどはランズ珈琲へ。「日本一のパフェ屋さん」だそうで。

 

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そういうわけでパフェ戴きました。パフェの種類も豊富なんですが、別府地獄プリンの乗ったヤツで。

 

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それから別府駅へ。駅前に立つ銅像がありますが、この人こそが別府観光の父とされる油屋熊八。亀の井バスや亀の井ホテルの創業者でもあり、女性バスガイド乗務もこの方のアイデアです。

 

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別府からは、まず博多まで出て新幹線で名古屋まで戻るルートにしました。博多へは観光特急「ゆふいんの森」に乗車します。新型コロナ禍の前までは外国人観光客にも大人気で、なかなか予約が取れない列車になっていました。このキハ71系、1989年に急行型気動車から改造されたものですが、車体はほぼ新造、足回りも度重なるアップデートが行われており、ほぼ原型は残っていない感じです。

 

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客室は床を高くとったハイデッカースタイル。ちょっとレトロ調の雰囲気にリクライニングシートが並びます。

 

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今回「ゆふいんの森」ルートを選んだのは、進行方向最前列の座席が取れたから。実はその前には、昨年秋から由布院~博多間での運転となった観光列車「或る列車」に乗るつもりで予約を取っていたんです。お一人様3万5千円という結構なお値段だったんですが、「まん防」入りしたことから酒類提供が中止されることに。「或る列車」は食事・ドリンク込みのお値段なんですが、酒抜きでメシ喰うのにお値段一緒ってのはなんとなく釈然とせず、また次の機会にしようとキャンセルした次第。今回は当初は「或る列車」メインだったんだよね…。

 

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大分から久大線に入り由布院に到着。由布院まではガラガラだったんですが、なんと大分からお隣に席を取った方がいらっしゃって少し驚きました。まぁ最前列に座りたかったんでしょうけど、このご時世でガラガラの車内でよく「密」を選ぶなぁ…。結局、由布院までで下車されましたが。逆に由布院で多くのお客さんが乗ってきて、車内は観光列車らしい賑わいとなりました。

 

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ゆふいんの森」にはビュッフェカウンターがあります。昔はあんかけ焼きそばなど温かい食事なども提供されていましたが、今ではカフェ系中心。アイスクリームなど買ってみました。

 

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JR九州のD&S列車では客室乗務員がキャンディーのサービスをしてくれるのですが、「ゆふいんの森」は専用の包み紙での提供。運転開始から既に40年以上経っていますが、JR九州の観光列車のイメージリーダー的な知名度は相変わらずですから、扱いも特別なんでしょうね。

 

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別府から博多まで約3時間半かけて到着です。「ソニック」なら2時間くらいで着くんだけどね…。

 

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博多からは「のぞみ」で帰りました。