へんな旅ばかりしています。

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何故かインバウンドに大人気!MIHO MUSEUMの謎を解き明かせ&琵琶湖マリオットホテル宿泊。

滋賀県信楽の山奥に「MIHO MUSEUM」という美術館があります。正直、日本でもそれほど有名だとは言いがたいところなんですが、訪日外国人、特に欧州あたりからの旅行者にはかなり知られた存在。いったい何故?なにがそんなにいいの?とずっと不思議の思っていました。これは行って確かめるしかないぞ、とは思っていたのですが、決して交通の便がいい場所でもないので、なかなかチャンスがなく…。昨年夏も計画していたものの、大雨で美術館までの道が崖崩れで通行止めとなって路線バスが運休とか、まぁそんなのが続いていました。で、やっと訪問の機会となりました。

 

今回はマイカー移動。新名神信楽ICから一般道に流出しましたが、高速を出てすぐのところに何やら碑のようなものが。これはもしかして…。

 

1991年に発生した「信楽高原鉄道列車衝突事故」の慰霊碑でした。ちょうど信楽で行われていた陶芸祭の来場者を満載した列車が正面衝突、死者42名に負傷者614名を出した大事故なのですが、JRからの直通運転の列車も絡んだ事故だったために他社への乗り入れに際した安全体制の見直しが行われたりしたそうです。また航空や鉄道の事故を調査する運輸安全委員会の設立のきっかけの一つでもあるんだとか。

 

信楽ICから山道を走ること約20分、「こんなところに?」と思うような人里離れた場所に「MIHO MUSEUM」はありました。

 

この美術館、広大な敷地に建てられています。チケットカウンターなどを擁するレセプション棟から遊歩道を10分ほど歩いたところに美術館の本館がある、という配置。

 

まずはレセプション棟へ。

 

もう昼過ぎだったので、まずはランチにしました。レセプション棟にはレストラン「ピーチバレイ」があります。

 

メニューはこの日は2種類で、おにぎりの定食と春野菜のパスタからのチョイス。パスタを選びましたが、野菜の味が濃くてお上品な風味でした。

 

それでは本館へ向かいましょう。桜並木の遊歩道を歩いて行くのですが、ラッキーなことにちょうど桜が見頃でした。

 

坂道を登っていくとトンネルがあります。

 

結構長いトンネルを抜けると…。

 

美術館の本館が見えてきました。

 

谷間にかかる吊り橋を渡ってアプローチします。この美術館、中国系アメリカ人の建築家であるI.M.ペイの作品。「桃源郷」をモチーフに設計したそうですが、桜並木に導かれてトンネルを抜けると視界が開けて別世界…という構成は確かに「桃源郷」的です。

 

I.M.ペイルーブル美術館のリニューアルの際に造られた「ルーブル・ピラミッド」を手がけた人でもあります。MIHO MUSEUMもペイらしいガラスと鉄骨を組み合わせたスタイルなのですが、ライムストーンと木製のルーバーがどこか優しい印象を与えてくれます。

 

エントランスロビーの大きな窓の向こうには、なにやら奇妙な建物が。実はこの美術館、新興宗教神慈秀明会が造ったモノなんですよ。もしかしたら40代以上の方ならその昔、ターミナル駅などで「あなたの幸せを祈らせてください」とか寄ってきた「手かざし」の人たちがいたことを覚えているかもしれませんが、あれがココだったりします。もう今ではやってないそうですが。教義として芸術に触れることも推奨しているそうで、この美術館も教団が収集したコレクションを展示するために建設されたらしいです。で、この建物のあるあたりが教団の本部。手前の台形の建物は教祖殿で、設計は日系アメリカ人建築家のミノル・ヤマサキ911で破壊されたワールドトレードセンターの設計で有名な人ですね。奥の方の塔はカリヨン塔で、これもI.M.ペイの手によるもの。なんだその豪華設計陣は。

 

このときは特別展として「懐石の器」展を開催していました。本来の「懐石」って先に「ごはん」を食べるものだったのか! 非常に解りやすくかつ丁寧な説明や内容で、キュレーション能力は相当なものであることが伺えます。

 

常設展示は古代エジプトから東洋まで幅広いコレクションが展示されていました。なかなかの佳作揃いではあるのですが、正直な感想を言ってしまえば、このコレクション「だけ」を目当てにわざわざ欧州から訪問しているとはちょっと思えませんでした。古代ローマとかエジプトの美術品ならもっと近いところにありますしね。やっぱり、このI.M.ペイの傑作ともいえる「美術館建築」そのものが「美術品」として価値を評価されているから、と考えるのが妥当かも。もちろん、そこに並ぶ美しい美術品も欠かせないとは思いますし、企画展の「企画力」も高いことも要因の一つでしょうけどね。

 

1時間ほど観覧し、来た道を戻ります。

 

今度は長いトンネルを抜けると桜並木、というニクい演出です。

 

やっぱり桜が綺麗なこの時期が、MIHO MUSEUMの一番の「旬」なのかもしれません。

 

今開催中の特別展は8月までですが、7月からは展示内容が変わる様子。9月からは別の特別展が予定されています。今回の展示も内容はかなり良かったので、また別の企画の時に来てみたいと思います。

 

MIHO MUSEUMから山を下り琵琶湖へ。途中ショッピングモール「ピエリ守山」に立ち寄ってみました。ここは以前「明るい廃墟」なんて話題になったところ。その後オーナーも変わってリニューアルし、今では多数のテナントも入る賑わいを取り戻しています。1階には地場系のスーパーが入居しておりお値段はお安めなんですが、デリカ系がちょっと弱いかな。

 

今日はそのピエリ守山の近く「琵琶湖マリオットホテル」に宿泊です。

 

フロントでチェックイン。スーペリアルームで予約していたのですが、プラチナエリートのアップグレードで琵琶湖側のデラックスルームにしてもらえました。

 

部屋は広々としていて快適そうです。

 

窓側にはソファが置かれ、窓からは琵琶湖が一望です。

 

テーブル上にはクッキーとジンジャエールが用意されていました。

 

バスルームも綺麗。

 

アメニティはタイのTANNが置かれていたり。お洒落ですねぇ。

 

こちらのホテル、プラチナエリート会員は朝食とラウンジアクセスの特典があります。ラウンジのオープンは御膳11時からとなり、朝食は12階のレストランでのみの提供でした。

 

ラウンジは1階のロビーの一角に用意されています。

 

フード類も割と充実していて、軽い夕食程度ならココでも充分かも。

 

こちらのホテルは温泉大浴場もあったりします。隣接する「スポーツセンター」内にあるのですが、部屋と温泉との往来は館内着でOK。

 

ここで靴やスリッパを脱いで下のフロアへ。

 

温泉に隣接してプールもあって、こちらも利用可能。温泉大浴場については特に外の景色が見えるようなこともなく割と普通の雰囲気でした。

 

翌朝は晴れ。窓からの琵琶湖もいい感じです。

 

朝食は最上階の「Grill & Dining G」で。

 

窓側の席を用意していただきました。

 

ビュッフェ形式で豊富な品揃えですが、なんとなく「ごはん」で和食寄りにしたいラインナップといった印象。卵料理は注文して持ってきて貰う形なんですが、滋賀の郷土料理である「えび豆」を使ったオムレツなんてものも。

 

フレンチトーストを貰ってみましたが、これも旨い。まぁどれも外れはありません。

 

次の予定もあったので、レイトチェックアウトはぜずに11時過ぎには退館。なかなか快適な滞在でした。