へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

九州の観光列車乗りまくり!その5:JR九州の「準」フラッグシップ?「或る列車」&DXグリーン車乗車。

高いんだけどね…。

 

宮崎駅の改札前には本日の運行状況が掲示されていましたが、さすがに早朝の特急などは台風の影響で運休したようですが、自分が乗る予定の列車は通常通りの様子。

 

特急「にちりん」で大分までの移動です。

 

昨日まで乗っていた「36ぷらす3」の種車である787系が使用されています。

 

豪華にグリーン車に乗っちゃうぞ。今回の旅行では博多からずっとJR九州株主優待券の割引を使っているのですが、「片道行程なら複数列車を乗り継いでも1枚の株優で割引が適用になる」ので、ここもアップグレードしちゃえ!となった次第。グリーン料金も半額になるしね。

 

787系デビュー当時の面影を残す車内。3列のシートが並びます。ただ、今日はその奥のパーティションの奥が自分の座席です。

 

1両に3席しかない「DXグリーン車」です。登場当初はここは「トップキャビン」と呼ばれ、6名分の座席が並ぶ個室になっていた筈。今では通常のグリーン車よりも大きなシートが並んでいます。

 

PCも載りそうな大きなデスクに、かなり深く倒れるリクライニングシートにはレッグレストもついて座り心地はなかなか。ただJR九州あるあるでメンテがイマイチなのか、ちょっと座席自体がガタガタ揺れる気がするのはね…。

 

なおこの車両には4名用のグリーン車個室も用意されています。大分到着前に出てきたグループがいたので、ちゃんと需要あるみたい。

 

およそ3時間で終点の大分に到着。隣には博多行き特急「ソニック」が停車しており、乗り継ぎの便が図られています。

 

大分駅では乗り継ぎ時間が1時間半ほどありましたが、荷物もあるしお天気も微妙。

 

結局、駅構内の「シアトルズベストコーヒー」でのんびりしました。シナボンも中部地域にはないのでちょうどいいんだい。

 

大分からは久大線普通列車で。

 

由布院で下車します。

 

そしてここからが今回の旅行のメインイベント、「或る列車」への乗車です。2015年に「車内でスイーツを楽しむ」というコンセプトで誕生したこの列車、JR九州のフラッグシップ「ななつ星」登場後に誕生したこともあってそれに匹敵するグレードを目指したそうで、建造費はなんと6億円。観光列車の改造費は高くても1両1億かければスゴいという感じなので、正直とんでもなくカネかかってます。そんなコストを反映したのか、この列車に乗る料金も他の観光列車に比べてかなりお高め。一人当たり3万円くらいは平気でとられちゃうレベルです。にもかかわらず未だに予約がなかなか取れない人気っぷりで、今回もこの列車の予約が取れたから九州まで来たようなもんです。

 

このゴージャス感溢れるデザインは、明治末期に九州鉄道がアメリカに発注した豪華客車をモチーフにしたもの。実車のほうは日本に輸入された時点では九州鉄道が国有化された後だったため、特別列車などに少し使われた程度でほぼ活用されなかったようです。当時の資料から原信太郎氏が模型を制作しており、この列車自体はその模型をもとにしているようです。デザインはもちろん、みんな大好き水戸岡鋭治先生。考えてみたらオリジナルの787系も36ぷらす3もこのお方の作品なわけで、ずっと水戸岡ワールドにいるようなもんだな。

 

乗車開始は発車5分ほど前と結構直前。アテンダントがドアサイドでお出迎えです。

 

自分の座席は2号車の個室。それぞれ通路側に扉があって締め切ることが出来るようになっています。

 

ウェブで予約する場合、1名で予約可能なのはこの個室1箇所しかありません。一方の座席は壁に窓がないため、サービスレベルの問題から1名用という設定にしているのかも。当初は進行方向側に座るようにテーブル上がセットされていましたが、「窓のあるほうが宜しいですか?」と反対側にセットし直してくれました。なお、他の区画で1名利用の方がいたんですが…電話予約とかなら枠があるのかな?

 

座席に着くと列車はほどなく発車しました。

 

テーブルの上には本日のメニューが。

 

この「或る列車」、お値段はお高いですが車内での飲み物はアルコール類も含め込みになってます。九州の地のモノが厳選されて用意されていました。

 

まずは都農ワインのスパークリングで。

 

もう午後3時前なので、早速お食事タイムです。運行当初はスイーツを中心としたメニューを提供していた「或る列車」ですが、昨年秋にコンセプトをリニューアルし「食事メイン」のコースとなりました。まずは前菜「九州の大地のテリーヌ」、卵はJR九州のグループ会社で生産したものだそう。

 

2杯目は九州らしく焼酎、水割りで頂きます。鹿児島の八千代伝です。

 

2品目は魚料理「潮風のブイヤベース」。長崎産の甘鯛が使われており、風味は濃厚です。

 

ちょうどこのあたりで、「ゆふいんの森」でも減速する「慈恩の滝」を通過しました。

 

3品目の肉料理「黒毛和牛のすき焼きとおにぎり」、ここで急にド直球の和食テイストのものが登場です。お肉は柔らかく上等な脂が乗って美味。ご飯と良く合う味付けです。

 

日田を過ぎて大分県として最後の駅となる夜明で対向列車待ちで暫く停車時間があり、ドア開放となりました。皆さん駅周辺の散策を楽しんでます。

 

行き違いの後、また博多へ向けて出発です。

 

ここでデザートタイム。鹿児島産のパッションフルーツに沖縄産のパイナップルを使った「トロピカルカクテル」、ココナツ風味のソースが添えられて好きなだけ掛けて食します。

 

その後はミニスイーツも登場、コーヒーと共にまったりと頂きました。メインお肉と魚は温かい状態で供されますが、列車の中で「ちゃんとした温かい料理」が出るの、それだけで今や贅沢となってしまいましたね…。

 

お食事も終わったこところで車内を探索。まずはお手洗い…と思って連結面付近に行ってみたのですがそれらしいモノは見当たりません。まさかトイレ無し?と思ったら、2号車の運転台直後のところに設置されてました。

 

大きめの洗面台など、かなりのスペースが割かれています。

 

トイレ自体もこの内装の凝りようですよ。さすが「ななつ星」クオリティを目指しただけあって、こういうトコにも手を抜いてません。

 

1号車はオープンスタイルの座席が並び、2号車の個室とも大きく雰囲気が違います。これも開放的でいいなぁ。

 

サービスカウンターはこちらにあります。厨房などもここにあるようです。

 

ドアの窓もステンドグラス風の仕立て。とにかく車内外とも美しく、走る工芸品、って感じです。

 

そういうわけで由布院から約3時間の行程で終点、博多に着いてしまいました。素晴らしい仕立ての列車に美味しい料理と飲み物、洗練されたアテンダントのサービスなど、おそらく昼行の観光列車としては日本でもトップクラスなんじゃないでしょうか。ただ、お値段がね…。そうそう気軽にリピートできるレベルじゃありませんが、クオリティを考えると納得感はあって、なかなか悩ましい列車でした。