へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

2022年お盆のヘンな旅、その3:JALスカイミュージアム見学&新宿のレトロ宿「景雲荘」宿泊。

ホントは楽しい納涼船もあったはずなんだけどね…。

 

お盆のヘンな旅3日目は東京滞在。友人と浜松町で集合、とりあえずお昼でも…と思って近場のお店を探したら、蒲田の餃子の名店「歓迎」の支店とかあるじゃありませんか。

 

tabelog.com

 

4種の炒飯から選べて餃子付きのランチが1000円、とお手頃に頂けるのがナイス。炒飯も結構なボリュームでした。もちろん餃子も旨いよ。

 

モノレールで新整備場駅で下車。これから「JAL SKY MUSEUM」を見学します。要はJALの格納庫・整備工場の見学なんですが、昨年リニューアルされ、JALの歴史などを紹介する博物館的エリアが大幅に拡充されました。ただし永らくコロナ禍で見学受け入れを中止しており、今年5月から再開されたばかり。感染症対策で受け入れ人数も絞っているようでなかなか予約が取れない状態なんですが、友人がなんと纏めて4名分も確保してくれ、参加することができた次第です。予約開始は1ヶ月前の午前9時半なんですが、その時点では満席でも10時過ぎくらいに空きが出てたりすることがあるんだとか…。

 

午後の部の見学は午後2時半開始。10分ほど前から受付が始まり、名簿チェックと検温を済ませミュージアムコーナーへ入館します。このエリアはパイロットやCA、グランドスタッフなどJALのお仕事を紹介するエリア。奥には実際のB737コクピットや客席のシートも展示されています。途中、レクチャールームに集合となりますが、ここで見学に関する注意事項を10分ほど説明されます。そのあとは見学のハイライトなどの説明があるのですが、全てビデオとなり、こちらは希望者だけ観ればいいようになっています。ビデオを観ない人はこちらのミュージアムを自由見学できるんですが、絶対こっちに時間を割いた方がいいです!

 

お隣には歴代のJALのCAの制服がズラリと並びます。JALと合併した日本エアシステムの制服もちゃんと揃ってるのが凄い。

 

JALJASの歴代主要機材のモデルプレーンも。

 

そして最大の見どころはJALの歴史紹介アーカイブコーナー。JAL創業の1950年代から10年ごとに現在までの歴史を紹介しているのですが、ディスプレイにはデジタル化されたデータが満載で、当時のポスターや機内食、様々な資料やCM映像まで数多くのコンテンツを自由に見ることができるんです。正直、これだけで半日くらい欲しいレベル。

 

デジタル化されたデータだけではなく、様々な「実物」もショーケースに飾られています。これはJAL設立時の目論見書。JALは国策会社として国が作った会社と思われがちですが。実は設立時は完全に民間主導で、国からはむしろ煙たがられていたような存在でした。それというのも、当時はGHQ主導で米国の主要航空会社が出資する会社に日本の国内線を運行させるプランがあったから。それを「日本人の手で日本の航空会社を」と設立されたのが日本航空、なんです。その後は半官半民になったんですけどね。

 

1960年代に使われていたオンライン予約端末。キーも少なくて、今の時代から見るとおもちゃみたいです。

 

JALコンコルドの売り込みを受けたときに送られたモデルプレーン。航空機メーカーは航空会社への機材売り込みの際にこうした「売り込み先の塗装を施したモデルプレーン」を持っていくことが多く、世の中には色々と「珍品」も転がっているようです。なおJALコンコルドを3機仮発注していました。B707DC-8など本格的なジェット旅客機が登場した際にはジェット機への懐疑的な見方もあって、JALは発注を見送りました。ところが太平洋線の当時のライバルだったパンアメリカン航空ノースウエスト航空はいち早くジェット旅客機を導入し、お客を根こそぎ奪っていってしまったんです。そりゃプロペラ機よりも速くて快適なんだから当たり前ですが、JALも慌てて発注するものの納入はかなり先という結果に。そこで様々な交渉で納入を繰り上げてもらったりしてなんとか米系2社に追いつきます。そういう経験があったため、パラダイムシフトを起こしそうな新機種はかなり早期に発注するような状況が暫く続いていました。超音速機もそんな流れで早期に商談に入ったようです。

 

JALだけでなくJASの資料も。これは1995年から導入されたMD-90に施された塗装の原画ですが、描いたのは映画監督の黒澤明。7種類のデザインが用意され、16機導入された機体にそれぞれ塗装されました。JALJASの統合後にはJAL塗装に塗り替えられてしまいましたが、結局2013年までJALの機材として活躍。なお1機だけ、再塗装のタイミングの関係で現行の鶴丸つきJAL塗装になった機体があったようです。なおこのほかにも皇室フライトに関する展示もありましたが、こちらは撮影禁止。座席配置プランとかあったので、セキュリティ上の配慮もあるんでしょうね…。あとはショップもあってJALグッズなども豊富に揃いますが、JAL生協価格で通常よりもお安くなっているものもあるんだとか。

 

アーカイブを1時間ほど見学し、いよいよ格納庫へ。最初に重整備を行っているハンガーに入ります。こちらでは整備スタンドの一つをA350用に改修中で、もう1箇所のみ稼働中ということでB767が入庫していました。

 

お隣の整備ハンガーに入ると、いきなりB777-300という大型機がお出迎え、すごい迫力です。

 

実際に地面まで降りて間近に飛行機を見ることができます。この日はほかにB787B737もいました。

 

ハンガーの扉のところから外を眺めると、滑走路はすぐそこ。ここから間近に離着陸を見られるのもポイントです。

 

格納庫の片隅にはDC-8「FUJI号」の機首が。これはJALが最初に導入したジェット旅客機「DC-8」で、1機まるごと保存するのが難しかったため機首部分だけ残したそう。ファーストクラスのラウンジエリアにあたり、贅を尽くした空間が広がっているのですが、内部の見学はなかなかできません。

実はこれ、2017年に幕張メッセで開催された「ニコニコ超会議」に出展されたことがありましてですね…。

 

その時に、ドアから眺めるだけでしたが内部公開があったんです。今ではJALパックのオプションとしてJAL SKY MUSEUMの見学を申し込むと「FUJI号」見学がついたプランが購入できるらしいのですが、2名以上でないと参加できないのよね。

 

工場見学はおよそ50分。そのあとエントランスまで案内され、見学は終了となりました。

 

本当ならこのあとは浜松町に戻り、竹芝桟橋から東海汽船の「東京湾納涼船」に乗船する予定でした。ところがこの日は台風が接近しており、関東に最接近するにはまさに納涼船が運航する夜の時間帯。当然のようにお昼頃には欠航が決定…。東京湾納涼船もコロナ禍で3年ぶりの運航だったので乗りたかったんですけどね。もともと人気があってなかなか予約が取れないような状況でしたが、今年は特に凄かったし。リベンジしようと再予約にトライしましたが、もうその時点で9月初旬までの運航日の予約はほぼ満杯といった感じでした。結局この日は羽田空港内で過ごしましょう、ということに。まずは第3ターミナルに来てみたのですが、国際線もぼちぼち再開して利用者はそこそこいるんですが、テナントなどはほぼ閉店したまま、という寂しい状況でした。

 

お次は第2ターミナルへ。ANAの出発案内板は赤く「欠航」の文字が並びます。これから接近する台風に備えて早々に欠航を決めてしまったようです。その一方でJALはまだ飛んでいれる様子で、2社間で判断がかなり分かれた印象。

 

展望デッキに出てみましたが、当然ながら雨で外に出るような感じでもなく。

 

ここのカフェで暫くまったりしました。

 

第1ターミナルに移動し、「銀座ライオン」でプチ飲み会となりました。

 

さて、今回の東京滞在は新宿に宿を取りました。新橋あたりの宿がかなり混んでて値段も高めだったので「何かあるの?」と思ったらコミケと重なってました。そりゃ混むな…。で、宿泊先がこの「景雲荘」、新宿駅からは徒歩5分もかからないような好ロケーションなのに、なんか時が止まったようなホテルなんですよ。おそらくこの周辺に以前は多数あったであろう「商人宿」の生き残りなんでしょうが…。

 

女将さんの丁寧なご案内を受けながらチェックインを済ませます。楽天トラベルでは「お嬢様御一人でも御安心なお宿」と謳ってますが、深夜12時から朝6時までは出入口が施錠され「門限は12時」というところから、の様子。

 

客室はなんと和室。今日のお部屋は6畳間ですが、一人で泊まるなら充分な広さでしょう。それにしても新宿みたいなロケーションで畳で寛げて布団で寝れるなんて、そうそうないでしょ多分。

 

お部屋の一角にはちゃぶ台。ポットには温かいお茶が用意されていました。

 

テレビもあるよ!

 

お部屋はちゃんとバス・トイレ付き。歴史は感じさせる建物ですが、どこもかしこもピカピカに掃除されていて綺麗で清潔。メンテが凄い行き届いてる感じです。これでこの日は1泊5000円程度なんですから、コスパ良すぎでしょう。

 

翌朝は7時過ぎに出発。地方都市の駅前にありそうなビジホが新宿の高層ビルの谷間にあるのって、なんかシュールかも。