これとも最後か(まんべくんのことではない)。
朝食は函館朝市で探してみることにしました。以前来た時よりも格段に賑わっており、人の動きが本格的に戻りつつあることを実感します。まぁ3連休だしね。
この時期、函館といえばイカ。朝採れのイカを求めて「まえかわ」に入店しました。
実はこのお店、今年5月末「北斗星スクエア」に泊まったときにも来たお店なんですが、そのときは「イカがちょうど品切れ中」だったんです。今日はしっかり出てきました。新鮮な朝イカがたっぷり乗って1680円はこのエリアではお値打ち。
朝食の後は函館駅へ。札幌行きの特急「北斗7号」のお見送りにやってきました。
今年は函館駅開業120周年ということで、駅構内には様々な装飾や展示が行われています。
この特急「北斗」で30年近く活躍してきたキハ281系が9月末で引退とのことで、見納めと思った次第。1994年に登場し、最高速度130km/hで札幌~函館間で3時間を切る俊足っぷりでした。この流麗なデザインで爆走する姿、登場当時はかなり驚かされたものです。JR北海道で事故が相次いだこともあって、今では最速でも3時間半程度にまで遅くなってしまっていますが…。
実はこの列車で長万部まで行って折り返して来ようと思ってました。長万部には駅前の「そばの合田」が販売する「そば弁当」という駅弁があったのですが、臨時の特急「ニセコ」の運転に合わせて駅での復活販売を行うことになったんです。事前予約が必要とのことで連絡先の長万部観光協会に電話したところ「ご主人が体調を崩しまして企画が中止に…」と。それじゃわざざわ行くことはないな、とお見送りだけに。
列車のお見送りを済ませて、バスで五稜郭方面へ移動。
お目当ては特別展「函館市の魚・イカ」~イカの街函館~。確かに函館といればイカですし、ちょうど朝も食べてきたところです。なんで函館ってイカなの?
音楽ホールと併設されたロビーの入口。
もともとそれほど大きな施設ではないのですが、その中で上手く特別展の展示物を入れ込んでいる感じ。函館といえば昔から北洋漁業の拠点として栄えてきたわけですが、第2次大戦後は北洋まで行くような船や設備もなかったため、近場で大量に採れたイカでその穴埋めとした…みたいな経緯だったようです。さきいかやスルメ、塩辛や珍味などを作る道具も数多く並んでいましたが、そりゃその頃なら「生の新鮮なイカを全国にお届け!」ってわけにはいかないから加工品として流通させるしかなかったわけだな。
せっかく近くまで来たので五稜郭タワーにも。
この五稜郭、確かにこの独特のカタチは上から見ないと解りません。ここにタワー作った人、商売上手いな。
函館市街や海を見渡す景色も悪くないしね。
地上に降りると、ちょっとした休憩コーナーみたいなエリアがあります。
メロンソフトで一休み。赤肉メロン+ソフトクリームで500円なら悪くないでしょ。
函館市電の五稜郭公園駅は五稜郭から歩いて10分ほどかかり「公園前」と名乗るのはいかがなものか、という気が…。この駅前にある「ミスタードーナツ」に立ち寄ります。
「函館まで来てミスド?」とお思いかもしれませんが、函館のミスタードーナツは「妙に安い」ことで有名なんですよ。ベーシックなオールドファッションやシュガーレイズドあたりなら1個70円と「昭和かよ!」というお値段なんです。これは函館地区のミスドのフランチャイジーになっている製パン業「キングベーカリー」が「地元に還元したい」と本部にかけあって実現したものなんだとか。3つ買っても250円くらいとか…。ラキピもあればハセストもあってミスも安いって、羨ましいぞ函館。
市電で函館駅へと戻ります。
お昼は駅前のラーメン店「しなの」へ。
オーソドックスで美味しい函館ラーメンが頂けるお店です。
では、今度は列車に乗ります。
乗車するのは臨時特急「ニセコ」。函館から札幌へ行く特急列車は室蘭や苫小牧を経由するルートを通りますが、以前は函館本線をニセコや小樽を経由して向かう特急も定期列車として運転されていました。こちらの「山線」のほうが距離は短いのですが、山越えやカーブも多いことから平坦で線形も良い「海線」がメインとなりました。臨時列車とはいえ、この区間を走る特急は珍しいんですよ。
で、投入される車両も珍しく、キハ183系「ノースレインボーエクスプレス」です。これは「アルファコンチネンタルエクスプレス」「フラノエクスプレス」「トマムサホロエクスプレス」「ニセコエクスプレス」「クリスタルエクスプレス トマム & サホロ」に続く6番目の北海道リゾートトレインとして1992年に登場したもの。既に他の5列車は引退し、これが残る1本だったのですが、それもついに2023年春をもって運転終了とのアナウンスがありました。11月頃にも「サヨナラ運転」的な臨時列車の設定が決まりましたが、そちらは指定席の争奪戦が起きることは必至。そこで特急「ニセコ」で海苔納めしておこうと思ったワケです。この秋の特急「ニセコ」の運転は今日が最終日。西九州新幹線の開業日に長崎に行っても飛行機使えば函館まで来れるし、ちょうど有り難いことにマイル使って飛行機代タダになったし、とヘンな移動になったという事情です。
ノースレインボーエクスプレスは5両編成。眺望に配慮して床面の高いハイデッカースタイルになっていることに加え、中間の3号車がダブルデッカーになっているのが大きな特徴です。
しかも超ラッキーなことに今回、進行方向の先頭車の最前列の指定券が取れちゃったんですよ。展望室こそないものの、運転席はこんなにオープンで、前面展望が楽しめる特等席です。
多くのカメラ鉄の皆さんのお見送りの中、函館駅を発車。
長万部では15分ほど停車します。
あれホームになんかいる…まんべくんだ!
コイツがまぁフリーダムでして、カメラを向けられてポーズとか一緒に写真撮影とかサービスすることなく動き回りやがります。でも気まぐれにこんなシーンも。相変わらずヤバいな君。
長万部からは函館本線をそのまま進行。一応お見送りとかしてくれるんだ、まんべくん。
ここで記念乗車証の配布がありました。上りと下りでデザインが違うそうです。
次はニセコに停車。
7分ほど停車しましたが、皆さん入場券を買いにいったり写真を撮ったりと忙しそう。
ニセコから倶知安までは地元の方による車内販売が行われます。一応買ってみた。
途中、比羅夫駅を通過。ここは駅舎がゲストハウスになってるんですよね。
倶知安では6分ほど停車しました。
ここでは事前予約するとお弁当が帰るんですが、この日は数に余裕があったらしく「予約の内か他の分も若干あります」とのアナウンスが。迷ってるうちに売り切れましたけどね。
倶知安を出たあたりで周囲はすっかり夜。余市、小樽と経由し終着の札幌に到着しました。
改めて車内を。最前列のエリアからの眺めはこんな感じで、2~3列目くらいでも前面展望はちょっと楽しめます。
天井まで回り込んだ大きな窓が「リゾート列車」ぽかったのよね。
3号車は2階建て構造なため、2快晴の天井はかなり低い印象。
なお1階席は…。
ラウンジ的なフリースペースになっています。販売カウンターも用意され、昔はここで車内販売を行っていたコトもあったはず。
最後、回送されていく姿を見送りました。一応、この「リゾート列車」のリプレイスという位置づけで261系5000番代が2編成導入されていますが、フリースペースとかはあるけどここまで「楽しげ」ではないのよね。今のJR北海道にそこまで求めるのも無理なハナシなんでしょうねぇ。