「シィライン」は欠航になることも少なくないようで、今回は青森で丸2日間とって「土曜がダメでも日曜に」と仏ヶ浦まで行くチャンスを増やす日程にしていました。結局のところ予定通りに土曜日に行けたので、日曜はまるまる空くことに。青森市近辺の観光地は昨年夏に来た時に一通り巡ってるので「どうしようかなぁ」と思っていたんですが、「津軽フリーパス」なるものがあるの発見しました。
青森から弘前や五所川原などの津軽エリアのJRはもちろん私鉄やバスに2日間乗り放題で2100円というお値段なんですが、青森から弘前までのJR片道運賃が680円、五所川原まで990円します。津軽鉄道はもう長いこと乗ってませんし、弘南鉄道も弘南線は未乗。弘前から黒石も片道470円かかりますので、このあたりをある程度乗ればモトが取れてしまうような価格設定じゃないですか…。今回はコレを使ってみることにしました。
朝8時前に青森駅にやってきました。
現在、青森駅は駅舎の建て替え中。駅の入口も仮設の状態です。
まずは快速「リゾートしらかみ」に乗車。
今年8月の豪雨の影響で五能線は深刻な被害を受け、鰺ヶ沢~岩館間が不通となっています。通常は1日3往復ある「リゾートしらかみ」も1往復に減便され、運行区間も青森~鰺ヶ沢に短縮されている状態です。
通常は予約が取れないことも珍しくない人気列車なんですが、さすがに今日はガラガラ。一応は鰺ヶ沢から先は東能代まで「リゾートしらかみ」に接続した代行バスはあるんですねどねぇ。
弘前で進行方向を変え、川部から五能線へ。岩木山を眺めながら進んでいきます。
五所川原で下車します。
ここで1時間ほど待ち時間があるので、ちょっと観光してきます。
駅から徒歩5分ほどのところにある「立佞武多の館」へ行ってみました。五所川原は毎年8月に開催され、高さ20m以上もの巨大な山車が登場する「五所川原立佞武多」が有名。ここでは祭りで使われる3基の立佞武多が展示・保管されています。
展示エリアへの入館料は650円。「津軽フリーパス」で1割引になりますが、この手の展示館としてはまぁまぁのお値段です。が、入ってみて納得。確かに巨大な立佞武多は壮観で、そのくらいの価値はあります。
「五所川原立佞武多」が始まったのは1996年と比較的最近のこと。しかしながら本来の佞武多は「上へ大きくするモノ」だったそうで、明治から大正にかけて20m級にまで巨大化したものの、近代化で街中に電線が張り巡らされるなどした結果「高さより横方向へ」という流れになったんだそうです。昔の佞武多の設計図などが見つかったことをきっかけとして1996年に「一度だけ」のつもりで復活させたのですが、結局1998年から毎年行われることになりました。立佞武多は3基ありますが、作るのが大変なので毎年1基が新調されリプレイスされます。
8月の祭りの際にはここから山車が出動するため、通路の一部は跳ね上げ式になっています。
展示の最後に吉幾三が…ってこの方、五所川原出身でしたね。実際にご本人が参加されることもある模様。
近くには「吉幾三コレクションミュージアム」なんてのもあります。「立佞武多の館」が予想以上に充実していてそちらで時間を殆ど使ってしまったため、こちらに寄る時間はありませんでしたが…。
さて、今度は津軽鉄道に乗車です。冬のストーブ列車とか有名ですよね。
1両編成のディーゼルカーで出発。
津軽鉄道では9月から「鈴虫列車」というのをやってます。車内に鈴虫を置いて、虫の声を楽しんでもらおうという趣向です。
この日は鳴き声を聴くことができました。実施期間は「10月中旬まで」。鈴虫の状況により決まるので、「XX日まで」と期限が切りにくいそう。
途中の津軽飯詰駅には「汽車旅文庫」があります。レイルウェイライター種村直樹氏の蔵書などが寄贈されているのですが、開館日が毎月第3日曜日だけ。残念ながら今日は空いてませんので通過します。
「津軽フリーパス」は津軽鉄道では終点の津軽中里までではなく、途中の金木までが有効エリアとなっています。そこで一旦ここで降りることに。
金木駅舎にはこんな看板や展示が。この白戸栄之助という方、金木の出身だそうですが「日本初の民間パイロット」なんだそうですよ。
とはいえ、こちら出身の著名人といえばやっぱり太宰治でしょう。その生家「斜陽館」は、ここまで来れば訪問するでしょやっぱり。
津島家は「金木の殿様」とまで呼ばれたほどの大地主で、この家も相当な費用を掛けて建てられたもの。明治時代の豪邸としても見ごたえあり、です。
ちゃんと終点まで行っておかなきゃ、と「津軽フリーパス」とは別料金を払って津軽中里まで。ここも駅名に「津軽」って入ってるのにフリーエリア外なんだ…。
ここまで乗ってきた列車、「ストーブ列車」で使われる客車が連結されていました。どうも「スイーツ列車」みたいな企画をやってたみたい。
駅舎はかなり大きく、恐らく以前はスーパーマーケットあたりが入居していた様子が伺えます。
このへんでお昼ご飯。駅構内の「駅ナカチャンコ食堂」にしました。
このお店、以前は他の場所にあったらしく、「カツ丼」が美味しいことで知られていたそうです。それなら、と「カツ丼」を頂きました。お汁多めの素朴な感じがいいですね。カツも旨いよ。
津軽中里駅のある中泊町にはステンドグラスが美しい「宮越家離れ」があり、ちょうど今の時期に特別公開が行われていました。知ってたら行ったのに…。
この駅舎内ではその昔に津軽半島を網羅していた「津軽森林鉄道」に関する展示があるんですが、今は「宮越家」の関する展示が行われているため、こっちは隅に追いやられていました。
では、五所川原へ戻りましょう。
途中の嘉瀬には何やら派手な車両が置かれています。テレビ番組「SMAP x SMAP」の企画として1997年に香取慎吾が地元の小学生と一緒に車両に絵を描いたんだとか。ただ、だんだん劣化してくるわけで…。津軽鉄道にも乗務するアテンダントさんが香取慎吾の出演している番組に「修復して」という当初を続けていたら、今度は「おじゃMAP!!」の企画として2017年に塗り替えが実現。当時一緒に絵を描いた子供達も参加したんだとか。
弘前駅には「全部りんごジュース」という自販機が。すごいりんご推しだな。
終点の黒石を目指します。
終点の黒石に到着。古い街並みなども少し歩くとあるみたいですが、今日は折り返しだけ。
ローカル線の終点、といった感じで雰囲気はいい感じ。弘前へと戻ります。
弘前からは青森行きの快速へ。
ただし、そのまま青森まで行ってしまうと名古屋までの帰りの飛行機に間に合いません。青森空港へは弘前からもリムジンバスが運行されており、こちらを利用しました。弘前駅前からそのままバスに乗ってもよかったのですが、JRで浪岡まで行って10分ほど歩いたところにあるバス停からも空港行きバスが捕まえられます。バス代も節約できるので、そのルートにしてみた次第。
バス停までの道のりは比較的解りやすく、バス停にも「空港行き」の表示がしっかり出てました。定刻を過ぎてもバスがなかなか来ないのでちょっとドキドキしたけど…。結局10分ほど遅れてやってきました。
運行時間に余裕を持たせているのか、青森空港到着は定刻でした。
青森空港でのフジドリームエアラインって割と存在感があり、県営名古屋空港への3往復に加え神戸行きも1往復あります。カウンターもしっかりしたスペースが取られていました。チェックインの際にラウンジの入場券をもらいましたが、JALの上級会員でラウンジ入室資格のある旅客に発行しているようです。
既にこの時点で出発30分前を切っていたので早々に保安検査を抜けて出発ゲートに向かったのですが、どうも使用機材がまだ到着していないようで遅延するっぽいです。うーん、チェックインの際に教えてくれれば空港内のフードコートで「味噌カレー牛乳ラーメン」喰ってきたのに。
昨日ホテルでもらった工藤パンの「イギリストースト」が残っていたので、これで空きっ腹を満たしました。
結局、15分遅れでの出発でした。
この便でもサービスでお茶菓子が提供されました。確かシャトレーゼがスポンサーみたいな位置づけなんですよねこのエアライン。
そのまま15分遅れで県営名古屋空港に戻ってきました。