へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

「まってるし鹿児島市」で鹿児島へ、その1:折角なので「おはら祭」見学してみた。

鹿児島市に3泊もしてしまいました。

まだ政府の旅行支援策も音沙汰なかった今年9月、鹿児島市が「まってるし鹿児島市宿泊満喫クーポン」なるものの販売を始めました。鹿児島市内の宿泊施設で使える5000円分の宿泊券を2000円で提供、というもの。これでも6割引相当ですが、桜島の宿泊施設については7000円分のクーポンが2000円で売られるという大盤振る舞い。もう7割引ってどういうことよ…。今年の7月に桜島が噴火し、桜島としては初めて「噴火警戒レベル5」が発令されました。地元としては「まぁよくあること」感覚だったようなのですが、全国ニュースで「レベル5」とか流れたらそりゃ「桜島ヤバい?」と思っちゃいますよね。そうした風評被害もかなりあったようで、そのリカバリーという意味合いがあったようです。

 

往路はセントレアから鹿児島へ空路で。当初は翌日の午後のスカイマーク便で行く予定だったのですが、南九州最大級といわれる「おはら祭」が2年ぶりにフルスケールで開催されるんだそうで、その本番の日程がちょうど鹿児島入りを予定していた日でした。せっかく日程が被るならお祭り見たいよね、と前日夜の移動へと変更したのでした。スカイマークは予約変更が何度も可能な運賃「たす得」で取っていたので後日のフライトへ変更、こちらはANAのマイルで確保しました。夜7時前に到着したのですが、お弁当でも買って機内で…と思ったら既に殆どのお店で売り切れ状態。仕方なくターミナル1階のローソンでおにぎりを買って凌ぎます。

 

ANA便の鹿児島行き最終便はソラシドエア運航。それにしても名古屋~鹿児島ってANA系で1日3~4便に加えスカイマークも2便、いまは運休中だけどジェットスターも飛んでたし、需要多いのかしら。

 

鹿児島空港からはリムジンバスで市内へ向かいますが、これが満席で発車。積み残しが出て次便に回される人も結構いるくらいでした。

 

この時間、鹿児島空港リムジンバスは市内各所に停車するルートになるため、天文館までは50分ほどかかります。バスは割と珍しい?韓国製ヒュンダイ・ユニバースじゃないですか。

 

本日のお宿は「東横INN鹿児島天文館Ⅱ」、これは「全国旅行支援」適用で予約しました。割引後の宿泊料が約3500円で3000円分の地域クーポンがつくので、実質500円ほどで泊まってることになるな。

 

お部屋はお馴染み「東横イン」仕様。

 

もう夜11時前ですが夕食を。クーポン利用可能のお店を、と「鹿児島ラーメン 豚とろ」までやってきました。クーポンはちょうどお値段が1000円となる煮玉子入りのラーメンのみに使用可能だそうですが、望むところだ! お店の人が「クーポンよく出るなぁ…」と呟いてたんで、利用者多いみたい。

 

以前にも来たことがあるお店ですが、安定の旨さ。

 

翌朝は東横インの無料朝食を頂きます。

 

おはら祭は天文館エリアの市電が通る大通を高見馬場電停から朝日通り電停付近までを通行止めにして大規模に開催されます。前日も「夜祭り」が行われていますが、今日が「本祭り」。既に大通は祭りの準備が整っている感じ。

 

この区間、お祭り開催中は市電も運休となるのですが、展示車両は置かれています。これはチャギントンのラッピング電車。

 

その昔、お祭りに欠かせない存在だった「花電車」も登場です。これは先代が老朽化で引退したため新たに改造された3代目、今回のおはら祭が初披露とのこと。

 

10時を過ぎるとオープニングの太鼓演奏が始まりました。

 

今年は感染症対策として沿道に観覧エリアを設定し、そこからソーシャルディスタンスを保って見物、というシステムが導入されていました。観覧エリア入場時はこんなシートを渡されます。このシートの上に座ったりできるんでラクといえばラクでした。歩道から立ち止まっての観覧はご遠慮下さい…となっていましたが、結局は多くの方はそんな感じで見ていた様子。観覧エリアの入場には特に予約やチケット等も不要なんですが、「ここ入っていいの?」的雰囲気はちょっとあったしなぁ。

 

本祭りの総踊り第1部は10時45分開始。カウントダウンが行われ、踊りが始まりました。基本的には「おはら節」に合わせて皆さん振り付けを揃えて踊る…といった感じでして、ゆったりしたテンポで進んでいきます。

 

地元の企業や学校などが団体で参加しているものが多い様子。JALも大所帯で参加していました。まぁ傘下のJACは鹿児島県の出資も受けていますしね。その一方、ANAの姿は見当たりませんでした。鹿児島就航の歴史は圧倒的にANAのほうが長いわけで、こういうイベントに積極的に出ていてもおかしくないんだけどなぁ。

 

JR九州も参加してました。

 

1部と2部で行われる総踊りだけでなく、マーチングバンドのパレードや「オハラ21」というアップテンポ版「おはら節」で若年層チームが踊るパートなど、様々な企画がありました。

 

昨晩もらった地域クーポンがまだ2千円分残っているので、コレが使えるお店でお昼ご飯。天文館のセンテラスにある「焼肉ひら松」へ行ってみました。

 

店内は焼肉店とは思えないほどお洒落。カウンター席とテーブル席があり、焼肉はテーブル席、カウンターではステーキや肉料理がいただけます。和牛ハヤシライス1100円也ですが、肉ゴロゴロでかなりハイレベルでした。夜は3500円からのコースメニューもあるようで、なかなか使えるお店かも。

 

お祭りはまだ第2部の総踊りが残ってますが、そろそろ移動しましょう。

 

天文館付近が通行止めになっている関係で、路線バスは迂回ルートでの運行となっていました。鹿児島市内を巡る周遊バス「カゴシマシティビュー」の停留所もザビエル公園の前に移設。ここはフランシスコ・ザビエルの来航400年を記念して作られた公園だそうです。そういえば日本で最初に来たのは種子島、そのあと鹿児島上陸なのね。

 

やってきたバスに乗車。

 

およそ30分以上かけて仙巌園に到着しました。天文館エリアから直行でここまで来るバスなら10分ちょっとの距離なんですが「カゴシマシティビュー」は城山公園など寄り道をするルートになるため、かなり時間がかかっちゃうんですよね。

 

園内に入ると最初に目に入るのはこの「鹿児島 世界文化遺産オリエンテーションセンター」。ここに作られた溶鉱炉跡などが世界文化遺産明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産になっています。

 

19世紀半ばにここで行われた近代化事業「集成館事業」に関する解説が中心。火縄銃に替わり洋式銃を導入した際にアルコールが大量に必要になり、それを「いも」から作るように島津斉彬が命じたことが「芋焼酎」の始まり…ってアレ軍需物資の転用だったの?

 

なお、これが世界遺産溶鉱炉跡。

 

そもそも仙巌園は庭園として国の名勝に指定されているところで、本来はこのお庭を愛でるところ、です。

 

桜島を借景とした庭園は確かにお見事。この目の前にJR日豊本線が通っているのですが、電化にあたってできるだけ景観を邪魔しないように配慮されたという逸話があるそうです。

 

御殿の屋内の見学も追加料金で可能でしたが、今回はパス。外から眺めるだけでもいい雰囲気です。

 

仙巌園の一角には「猫神社」なんてものもあります。文禄・慶長の役の際に島津家17代義弘が「目の形で時間がわかるから」という理由で朝鮮に猫を7匹連れて行ったのですが、生き残って帰ってきた猫2匹を祀ったものと言われています。猫を戦場に引っ張り出すなんて酷い!って気もしますが、単に「猫好き」だったから連れて行ったんじゃないですか?時間が解る云々なんて口実? なお、これに肖って猫関連グッズなんかも売られていました。

 

庭園見学のあとは「ぢゃんぼ餅」で一休みです。「ぢゃんぼ餅」は鹿児島のこの周辺の名物ですが、「ぢゃんぼ」といいながら大きいわけじゃありません。ひとつのお餅に串が二本刺さっているので「両棒餅」、が語源。ここ仙巌園の茶屋では「しょうゆ」「みそ」「きなこ」の3つの味で頂けます。

 

隣接した敷地に建つ尚古集成館は日本最古の洋風工場建築とも言われているそうですが、残念ながら現在は耐震工事中のため閉館中でした。

 

そのかわり別館で小規模ですが島津家の貴重な品々などの展示が行われています。

 

結局、2時間ほど滞在してしまいました。また「カゴシマシティビュー」に乗車、中心部へ戻ります。