去年はSLじゃなかったけど。
昨日借りたレンタカーは今朝の返却。この時期だとレンタカー事務所も午後6時には閉まってしまうので、それまでに返せるかビミョーだったからね…。クルマを返す前に網走湖あたりまで行き、旭川を目指す特急「大雪」を撮影してきました。
朝9時過ぎに網走駅へ。
そういえばキハ183系の引退記念として、登場時の復刻塗装の編成がある筈なんですが、今回の旅行では1度もお目にかかってません。復刻塗装の編成だと「懐かしのヘッドマーク」が仕込まれているようなので、見たかったんだけどな。
網走からは釧路行きの快速「しれとこ摩周号」へ乗車します。この列車、便利な時間帯なのにいつも1両での運転で、常に混雑している印象があります。そのため、10時過ぎの発車ながら早めにホームに並ぶことにした由。幸いなことに、今日は増結した2両編成となっており、座れないというようなことはありませんでした。
増結されたキハ40系は「宗谷色」と呼ばれる塗色でした。暫く前のJR北海道の企画で復刻塗装を施されたもので、以前は宗谷本線の急行列車で使われる車両のカラーだったものです。
網走駅を発車。サッポロクラシックの缶はファイターズ新球場のデザインです。確かに北海道に来てからこの新球場の話題を耳にすることが多く、地元のワイド番組でも連日取り上げてました。
知床斜里の手前付近でオホーツク海沿いに出ると、流氷が顔を出してくれました。
知床斜里では網走行きの快速「しれとこ摩周号」と行き違います。あちらは平常どおり1両での運転です。
網走からおよそ2時間強、標茶で下車します。
ここから「SL冬の湿原号」へ乗車する予定。去年はSLが故障したためディーゼル機関車が代打を務めていましたが、今年はちゃんと動いてますな。
毎年冬に運転される「SL冬の湿原号」にあわせ、地元の標茶町ではさまざまな「おもてなし」を用意しています。今日はなんと町長さんと副町長さんまでゆるキャラを従えホームでお出迎えする盛り上がりっぷり。近隣の飲食店へ無料で送迎してくれるサービスは今年も行われていましたが、2021年に牡蛎蕎麦を食べたお店は今日は休業とのこと。
駅周辺にも飲食店はいくつかあるようでしたが、もの凄い鳴き方をしている羊を客寄せにして何やら売っている様子。
肉巻きおにぎりとラムサフォークのキンパ、なかなか旨そうです。これで1パック500円ということで、これを4人でシェアして昼食としました。
「SL冬の湿原号」の標茶発時間は午後2時。少し早めにホームに着けられた列車の前では記念撮影する人で賑わってます。ただ標茶駅はホームが短いので、SLはホームの先にはみ出して停まってますが。
全車指定席の列車で確保できたのは2号車のボックス席でした。この列車、5両編成のうち4両は国鉄時代の1970年代前半に製造された14系客車を改造したものですが、この車両だけもっと古い時代のものなんです。快適性の面ではハズレかもしれないけど、SLっぽい雰囲気という意味ではアタリかしら。
発車して早速、先ほど標茶の駅前のアンテナショップで買ったソフトクリームを。
2号車にはカフェカウンターがあり、そこでも特製プリンを売ってますがね。
途中の茅沼は「タンチョウの見れる駅」として知られていますが、この日の数羽いました。
もともとは茅沼駅長がエサをあげていたそうなんですが、無人駅化された後は地元の人がそれを引き継いでおり、変わらずタンチョウがやってくるんだとか。
塘路では網走行き列車との行き違いのためしばらく停車。SLの姿をじっくり見れることができます。
数は多くはないものの、釧網線の車窓からもエゾシカをみることができました。釧路川を鉄橋で渡ると、終点はもうすぐ。
今夜は釧路で1泊して明日東京へ帰る1名と今夜のバスで札幌を目指す1名の計2名に見送られ、札幌行き特急「おおぞら」に乗車しました。
このまま新得まで向かい代行バスを挟んで旭川まで向かう1名と分かれ、自分は帯広にて下車します。釧路と帯広って近いようだけど特急で2時間弱かかるという、なかなかの距離だったり。
帯広着は午後6時頃、もうすっかり夜です。寒いのは勿論、地面がかなり凍っていて気をつけないと滑って転びそう。
今日は帯広で一泊。駅前の「ふく井ホテル」に投宿しました。地下に十勝名物のモール泉の天然温泉があるのがウリ。夜通し入浴可能です。
部屋は特色はありませんが、ビジネスホテルとしては少し広めな印象です。
ホテルへのチェックイン後、バスでイオンまでお出かけ。六花亭のケーキを買うのが目的です。帯広駅近くには六花亭本店がありますが、こちらは午後6時閉店なので先ほどの特急「おおぞら」で着くと間に合いません。しかしながら六花亭には帯広周辺のモールやスーパーのいくつかにも支店があり、ケーキを扱っている店舗も意外とあります。このイオンの支店もケーキを扱っており、帯広駅周辺からのアクセスが一番いいところだったんですよ。
帯広駅周辺からここまでは最小でも1時間に1本はバスの便がある感じ。エントランスにはバスの時刻表も掲示されていて便利です。十勝バスがPayPayでも運賃で払える、ってのもいいよね。
そして夕食。帯広ならもうここしかないでしょ!と個人的には思ってる「マリヨンヌ」です。「北の屋台」からこちらに場所を移して以来、2回目の訪問。
現在は5000円・8000円・1万円のコースのみが提供されていますが、今回は奮発して一番高い1万円のコースにしました。座席に着くとメニューが用意されていたんですが、こんなに沢山出てくるの?
料理が多そうなのでアルコールは抑え気味に、とビールで始めます。こちらで提供しているのは北海道限定の「サッポロクラシック」の中でも特別な「パーフェクトクラシック」。ビール自体は同じようなのですが、サッポロビールが認めた厳しい水準を満たしてビールを提供しているお店しか名乗れないんだとか。コレ、そんなに貴重だったのか…。
アミューストして2品提供されました。こちらは「ボタン海老とかぶのマリネ ビーツのソース」。
もう一品は「花咲ガニのサラダ仕立て」。
既に激ウマなんですが、本番はこれから。十勝産のストラッチャテッラチーズをドレッシングにした十勝野菜のサラダです。
真だちと真カスベのソテーにほうれん草のソースを添えたもの。
青ゾイの生雲丹添え、上はスライスした生椎茸です。
こちらはアブラボウズと北寄貝、ソースには春菊が使われています。
グリルした本マス。パースニップのグリルが敷かれていました。
パンも十勝産の小麦を使ったもの。
ここからは肉料理。アポイ豚のグリルは越冬男爵のマッシュポテトと共に供されます。
こちらはホゲット…ってなんだそりゃ?と思ったらラムとマトンの中間、月齢で12~24ヶ月の羊の肉のことだそうです。
お次はエゾシカのロースト。
最後のお料理はビーフですが、滋賀の精肉店「サカエヤ」で熟成させた熟成肉をメインとして提供してくれます。今日のお肉は地元十勝の経産牛で、14年間子供を産み続けた雌牛の肉。それとは対照的に、様似の牧場で完全放牧で育てられた「ジビーフ」のお肉の2種類を用意してくれました。「ジビーフ」は単に放し飼いというだけでなく、交配も自然に行われるという「ほぼ野生」みたいな牛だそうで「ジビエ」+「ビーフ」でジビーフ、なんだとか。
そんな牛肉がステーキとして出てくるわけですが、まぁどちらも旨いわけでして。経産牛もそんなに歳を取った牛の肉なんて普通は食用にはしないわけですが、充分「上質なお肉」です。若干あっさりした印象はあったかな? ジビーフは脂の載り方も適度で柔らかく、これはこれでやっぱり旨いわけでして。
デザートは苺のミルフィーユでした。直前に温かいチョコレートソースをかけて提供してくれます。コーヒーも頂きゆっくり味わいました。正直、コレ1万円のレベルじゃないぞ絶対。東京あたりで同じモノ喰ったら倍以上は絶対にするでしょ…。どの品も地元素材にこだわっており、十勝地方の食の「豊かさ」を堪能できます。やっぱりイイなぁこの店。もっと行きやすければ何度も通うんだけど…。
ホテルまでの帰りでちょっと寄り道。1月末に閉店してしまった百貨店「藤丸」です。日本各地で「デパート」がどんどん消えていく中では健闘している方だと思うのですが、流石にコロナの打撃には耐えられなかったようです。地階の食品フロアは地元の特産品が揃い使い勝手がよかったのですが。
ホテルに戻って温泉を堪能。モール泉特有のコーヒー色のお湯が手軽に楽しめます。
お風呂の後は六花亭のケーキを。これで1個200~300円くらいなんだぜ…。