へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

京都で博物館めぐり&大阪の「格差」ホテルで一泊。

両極端。

 

この春、大阪・関西万博の開幕にあわせ関西では大きな特別展が3つ開催されていました。大阪の大阪市立美術館では日本の国宝をとにかく集めました!という感じの「日本国宝展」、奈良国立博物館は奈良らしく宗教美術を中心にセレクトした「超 国宝―祈りのかがやき―」。これは先月、まとめて見ています。

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そして京都国立博物館では「日本、美のるつぼ―異文化交流の軌跡―」を開催していました、これもなかなか内容はいいらしく、閉幕前に行ってみようと思った次第。せっかく京都まで来たんだから他のも見てみよう、と朝イチで来たのは京都工芸繊維大学にある「美術工芸資料館」です。

 

ここで開催中だったのが特別展「海をゆく建築」。1930~40年代の日本の客船の内装は建築家が手がけることが多かったようですが、中には建造中に軍艦に改装されるなどで実現しなかったものも多く、当時の資料もあまり残っていません。この特別展では戦前から戦後にかけて数多くの名建築を残した村野藤吾と、京都工芸繊維大学の前身である京都高等工芸学校の教授を務めていた本野精吾が手がけた客船のデザイン図などを展示していました。戦前の日本のオーシャンライナーはある意味、日本のプライドを示すような存在。かなり気合いを入れて内装も手がけられていたことがわかります。

 

続いて京都国立博物館。ここで開催中の「日本 美のるつぼ」が今回の最大の目的でした。

 

大阪や奈良で開催中のものに比べると「国宝」のようなものは控えめですが、「日本と世界」というテーマに徹した内容でした。最初のパートでは「日本と万博」をテーマにしたもの。なんと日本が万博に最初に参加したのは1862年の第2回ロンドン万博からと、かなり初期のことでした。日本が万博に参加したのは、様々な美術品などを通じて国際社会における日本の地位向上を図るため。「こんなスゴいアートがある国が未開なワケないじゃないですかぁ」と言いたかったワケですね。実際、19世紀末の欧州ではジャポネスクブームが巻き起こっています。なかなか面白いのは、そのブームを牽引したのは、明治政府が当初は「時代遅れの大衆芸術」としてあまり表に出さなかった「浮世絵」だったこと。ドビュッシーの「海」の初板オーケストラスコアに葛飾北斎の「冨嶽三十六景」の絵の一部が使われていたりしますが、今回の展示の目玉の一つがその「神奈川沖浪裏」でした。その後は世界との交流の痕跡を示す数々の美術品が並び、古くから世界との関わりの中で日本の美術が磨かれてきたことを感じさせる内容となっていました。

 

本日3箇所目は「龍谷ミュージアム」。西本願寺龍谷大学の仏教関連博物館施設です。

 

ここで開催中だった「大谷探検隊 吉川小一郎 ―探究と忍耐 その人間像に迫る―」を見てみたかったのです。大家探検隊とは20世紀初頭に中央アジアでの仏教伝来の探求のため浄土真宗本願寺派が3回にわたって派遣した探検隊で、吉川小一郎はその3回目に派遣された隊員の一人。この調査隊自体も報告書は作成されたものの資料が少なくて不明な部分も多いそうなのですが、今回は吉川小一郎の直筆の手紙など新資料が見つかったことで特別展の開催に至ったようです。

 

ちなみに「龍谷ミュージアム」、常設展示は仏教に関するものでこちらも意外と面白かったです。ウイグルのベゼクリク千仏洞の壁画の一部が原寸大で再現されていたりします。

 

京都での最後の訪問先は「京都鉄道博物館」でした。

 

かなり遅くなりましたが、ここでお昼ご飯。

 

ここでも大阪・関西万博に関連して「あの頃の交通展」という企画展が開催されています。

 

1970年の大阪万博がテーマ。その当時の国鉄の対応が紹介されていましたが、大阪への万博訪問客輸送のために国鉄も輸送力を増強。開業当時は12両編成だったと鵜飼い同新幹線が16両編成になったのもこの時期です。また各主要駅には万博への旅行案内センターを開設。

 

会期後半に使用されたのか「もう一回万博に行きませんか」的なポスターも。

 

各種の記念切符も数多く発行されたようです。

 

1970年当時の交通事情も紹介。当時は国鉄も前年に全線開通した東名高速道路ハイウェイバスを開業するなどモータリゼーションが進行していたことから、その頃に販売されていた乗用車のパンフなども大量に展示されていました。

 

もちろん常設展示も見ていきます。ちょうど今日の運転を終えた「SLスチーム号」の機関車が転車台に入ってくるところが見れました。

 

今日は大阪で一泊。宿泊先は新今宮駅前にある「OMO7大阪」です。「HafH」に入会しているのですが、コインが貯まる一方でなかなか宿泊する機会に恵まれず…。普通に予約した方がお得なコト多くない?という感じだったんですが、時々割といいホテルがお得に出てることがあったりするのよね。今回も1泊2万円弱くらい換算だったので、それなら泊まってみようかな、と。

新今宮駅前には長いこと「曰く付き」っぽい雰囲気の大きな空き地があったのですが、ココに星野リゾートが進出というニュースは「えっあそこに星野?」と世間をざわつかせたものです。大阪の中では格段に「地区」としてのイメージが悪いエリアではありますが、純粋に立地だけ見れば関空まで電車で一本、繁華街のミナミも近い上に新世界エリアは今や人気の観光地。治安云々も命の危険を感じることはまずないくらいですから、ホテルを建てる場所としては悪くないんだよね。

 

ホテルエントランスは南海駅のほう、JRなら西口のほうが近いところにあります。

 

エントランスに入ると2階へのエスカレーターが。

 

このホテル、1階部分は駐車場と庭園になっています。

 

2階に上がり、この通路の先がロビーです。

 

チェックインはセルフですが、スタッフが案内してくれます。

 

アメニティはロビーに用意されているものから必要な分だけ持っていくスタイル。館内着は浴衣みたいなデザインで、ここから好きな柄とサイズを選びます。

 

エレベーターホールではバラエティ豊かな招き猫がお出迎えです。

 

今回予約したのは一番ベーシックなダブルルーム。かなり広く感じます。

 

リビングエリアはこんな感じ。窓際のソファがなかなか快適です。

 

壁面には大阪の地図。鉄道路線も描かれていますが「大阪環状線」無くない?

 

ベッドはこんな感じで小部屋みたいな中に収まっています。ちょっと隠れ家っぽい雰囲気。

 

バスルームとトイレは別の設置。お風呂には洗い場もあるタイプです。

 

コーヒーや緑茶に加え、OMO7特製のパインアメとか用意されていました。

 

冷蔵庫には空のボトルが入っていました。水道水や各階設置のウォーターサーバーから水をコレに貯めて冷蔵庫で冷やして飲んでね、ということらしいです。

 

窓からの眺め。建物の特異な外観は外壁にルーバーのようなパネルが設置されているせいでした。やっぱり直下には激安アパートとかが並んでいるので「目隠し」なのかな…。

 

各フロアに自販機、電子レンジ、ウォーターサーバーと製氷機が置かれたサービスコーナーが用意されています。

 

さて館内を散策。ロビーにも大きな大阪のマップが掲げられています。

 

ライブラリーコーナー。このほかにもロビーには多数の椅子やソファもあって居場所は多いです。

 

ここで「EXPOつながって展」なるミニ展示が行われていました。1903年に後に「新世界」と呼ばれることになるエリアで行われた「第五回内国勧業博覧会」を紹介するもの。

 

ロビーにはイベントコーナーもあって、スタッフによるトークイベントなどが行われます。この日は「だんじり」を紹介するステージを見ました。「だんじり」って要は「山車」の関西での呼び名だったのね。

 

ロビーの外には「庭」。遠くにあべのハルカスも見えます。

 

このエリアでのんびり過ごせるような場所も多数用意されています。この日は雨模様でしたが、屋根のあるテラスも広く、意外と快適に過ごせました。

 

夏のイベントとして、大阪の有名店「会津屋」のたこ焼きと…。

 

クラフトビールの無料のふるまいが。やだ嬉しい。

 

これが「お一人様1回限り」とかでなくおかわりOKと太っ腹。うーん、星野ってやっぱりこういう「楽しませる」系の演出は上手いなぁ。

 

夜にはホテル壁面に花火のプロジェクションマッピングも行われます。

 

このエリア、食事場所にも困りません。この日はラーメンの人気店「無鉄砲」へ。

 

いやぁ濃厚。

 

翌朝。

 

ロビーに「空飛ぶクルマ」が展示されており、朝10時からは時間限定で記念撮影もしてくれるようです。

 

ロビーにはカフェがあり、朝には近所の人気店のパンなども販売。

 

レストランの朝食はビュフェ形式ですが、ひとり4千円はちょっとなぁ。

 

正直、かなり居心地のいいホテルでした。この1ヶ月前、すぐ近くの激安ホテルに泊まったばかりなので落差がすごすぎたけど…。