
どうなるんでしょうね。
日本唯一のアプト式鉄道など、見どころいろいろの大井川鐵道の井川線。これが「観光列車化」というアナウンスがあったのが今年4月末のことです。
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6月から実施、というなかなか急なお話だったのですが、地元からの反発などもあったせいか一旦見送りとなりました。しかしながら6月に入ったら「正式決定、7月から実施」という正式発表が。
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あの路線、何回か乗ったことはあるのですが確かに沿線には何もなく、地域間利用もなさそうだし駅前に何かあるようなところも少ないし、と厳しそうな感じはありました。観光バスの団体が奥大井湖上駅とかアプト区間とかを乗るだけ、というのも多そうで、収益的には厳しそう。そういうわけで値上げは理解できるのですが「旅行商品として乗車1回ごとに3500円」はなかなかの上げ幅です。そういえば奥大井湖上駅に降りたことないな…と思ったのですが、観光列車化後に千頭→奥大井湖上で途中下車→井川→折り返して千頭、という乗り方をすると3500円x3回=10500円もかかるのか! そりゃヤバいじゃんちょっと今のうちに行っとけ、と思ったワケです。

大井川鐵道の大井川本線は現在、川根温泉笹間渡から千頭までが災害のため不通になっており、町営バスで移動する必要があります。名古屋から鉄道で向かうと千頭に着けるのはかなり遅い時間になってしまうため、今回はマイカーでのアクセスにしました。鉄道に乗りに行くのにクルマで、って個人的にはビミョーなんだけどなぁ。

千頭駅には隣接して「道の駅・音戯の郷」があり、鉄道利用者もここの駐車場を使う人が多いようです。

井川線の古い客車が休憩所として設置されていました。

窓口で切符を購入。

購入したのはコレ、「井川寸又峡周遊きっぷ」です。井川線全線に加えて千頭から寸又峡温泉までのバスまで含んで2日間乗り放題、これで2100円です。千頭から井川までの片道運賃が1340円なので、単に往復してくるだけでモトが取れてしまいます。もちろん、観光列車化されるので6月で販売終了になるのですが。

駅構内の売店。お弁当も売ってました。しばらく再訪もなさそうなので、ちょっとグッズなども買ってみます。

そろそろ発車時刻。改札を通ってホームへ向かいましょうか。

大井川鐵道には「きかんしゃトーマス号」が運行されていてお子様に相変わらず大人気だそうですが、今はトーマスも来れない千頭駅にもヒロとジェームスが佇んでいます。

ホームには列車を待つ人が。値上げ前の駆け込み乗車組がもっといるかな、と思ったのですが、まだ正式発表直後なせいか、それほど多い感じはありません。

接岨峡温泉行きの列車が入線してきました。

結構いろいろな車両が連結されていますが、こんな展望車みたいなのもあったので、ここにしてみました。開放感があって景色も楽しめるけど、時期的にちょっと寒かったかも…。

千頭を出ると程なく川根両国に停車。7月以降、観光列車化されると、この駅に停まるのは1日1往復だけ、通常料金で乗れる自由席が連結される列車だけになる予定です。

沢間駅。ここも観光列車は通過する予定です。

この駅の周辺には川根茶の茶畑が広がります。

寸又川と大堰川との合流地点を鉄橋で渡ると…。

川根小山駅です。「かわねこやま」=「川猫山」ってこと?

次が奥泉駅。ここは7月以降も全列車が停まります。

大井川にかかる泉大橋。

程なくアプトいちしろ駅に到着です。

ここからお隣の長島ダム駅までの区間が、急勾配を歯車付きレールで登っていくアプト式の区間。専用の電気機関車が最後尾に連結されます。基本的にディーゼル機関車が客車を引っ張る路線ですが、ここだけ電化されているんですね。

アプト式の機関車はかなり大柄で、連結された客車とのサイズの差がすごい。

ここから先の区間、2本のレールの中央に歯車用のレールが敷かれています。長島ダムの建設進捗に伴って井川線の一部区間が水没することになったため、線路を切り替えると同時に急勾配区間ができたため、1990年にアプト式鉄道として運転を開始しました。

この区間の勾配は90パーミル。なんだかよくわかりませんが「1キロ進むと90メートル高度が上がる」という、鉄道としてはかなりの急坂です。実際、今来た線路を振り返るとその勾配の凄さは感じられます。

坂を登り切ったあたりから長島ダムが見えてきました。

長島ダムは2002年竣工。大井川水系のダムとしては唯一、発電を目的としないダムだそうな。

長島ダム駅ではアプト式の機関車が切り離されます。ちょうど入ってきた千頭行きの上り列車の先頭に連結されて戻っていきました。

次はひらんだ駅。

そして奥大井湖上駅に到着、ここで途中下車します。

次の井川行き列車まで待ち時間は2時間以上あるので、駅が見下ろせる展望台まで歩きます。鉄橋の脇には対岸に渡れる通路が。

ここから登っていったところにあるようですが…。

トンネルの脇に階段がありました。

その先にはもっと急で狭い階段がありました…。ちょっと怖いぞ。

途中、駐車場があるのが見えました。奥大井湖上駅、別に鉄道でなくてもクルマで来れちゃうんですよ、実は。

途中、ちょっとしたハイキングコースみたいなところも。割としっかりした靴できたほうがよさそうです。

登りきったところが展望台…ってまぁただの道路でしたけどね。とはいえ、ベンチなども置かれており、車両進入禁止にもなっているみたいです。

で、展望台からの景色がこれです。確かに絶景だわ…。
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2019年に「クールジャパンアワード」を受賞しただけのことはあります。ただ、この日はインバウンドらしき方は見かけなかった気がする。

ここでお昼ご飯にしました。途中の浜松SAの天神屋で買ったおにぎりです。このあたりの食料調達事情がわからなかったので、念のために仕入れておきました。あ、考えてみたら天神屋と大井川鐵道、親会社が同じ「エクリプス日高」だ…。でもこの会社、安価謎なんですよね。客室数64室というそれほど大きくない「静内エクリプスホテル」を運営している会社なのですが、どこに鉄道とか弁当屋とか傘下に収める資金力があるのかしら、と。あと北海道のホテルやってる会社がなぜ静岡に?って気もするけど。

先ほど乗ってきた列車が接岨峡温泉で折り返してきました。この列車を見送ったくらいで駅付近に戻ります。

線路付け替え前の旧線の跡は、この駅からも見ることができます。

駅のホームに隣接?してコテージもあり、ここにカフェが併設されています。

一応ここもカレーなど食事はできますが、「数量限定」との記載もあって、念のためランチを持参した次第。この日はまだカレー売ってました。ルーが青くて映え系だったりします。

カフェ利用、ということでコーヒーと抹茶のガトーショコラを購入。

カフェ利用だと最上階のテラス席に座ることができます。

ここから見下ろす景色もなかなかです。

では先へ進みましょう。井川行きの列車がホームに入ってきました。

なんか妙にクラシックな車両がつながってます。これに乗ろうっと。

車内もイイ味出してるなぁ。

接岨峡温泉駅、ここで降りる人も意外と多い印象。

この先は1日2往復しか列車が運行されない区間。尾盛駅は7月以降、観光列車が1日1本停まるだけになる予定です。

尾盛駅を出ると関の沢橋梁を渡ります。川底から70.8mと現在、鉄道橋としては日本一の高さを誇ります。105mあった宮崎の高千穂鉄道の高千穂橋梁がダントツの日本一だったのですが、そちらが2008年に廃線になったので、こちらが繰り上げで1位になった由。

次が閑蔵駅。

車窓に井川ダムが見えてくると…。

終点、井川駅に到着です。

折り返しの列車の発車時間まで1時間以上あるので、駅周辺を散策してみます。

とはいえ集落まではかなり遠いし、ダムくらいしか見るものないんですけどね…。ダムの近くに中部電力の「井川展示館」があったので入ってみます。

まぁ井川ダムの広報施設ですね。建設当時の映像などが見れました。井川ダムは1957年竣工、日本初の中空重力式コンクリートダムです。コンクリートの使用量を減らせる様式として採用されたようですが、コンクリートの価格が下がると施工費の方が高くなり、今では殆ど採用されていないようです。なお、井川線ってもともとこのダムの建設のために整備されてるんですよね。そのため、路線の所有は今でも中部電力で、大井川鐵道が列車の運行を担っている、という枠組みです。井川線の運行はダム建設における地元補償のの一環という意味合いもあるため、鉄道運行の赤字は中部電力が全額補填しています。正直、そういう環境でこの路線の値上げ、というのも事情がよくわからないな、という気もしなくはないのよねぇ。

ちょっと早めに駅に戻ってきました。当駅から出る列車は1日2便、2本目の最終列車に乗り遅れるとバスもないので、ここから出る手段は無くなりますからね。

さっき乗ってきた列車が折り返し便。これに乗り込みます。

上り列車は進行方向に機関車が連結されており、最後尾は運転席。車掌はここには乗務しないので、ちょっと展望席みたいな感じになります。ここをゲットできました。

最後尾から流れる景色を楽しみながら約2時間。

千頭駅に戻ってきました。
まぁいろいろと特殊な路線だなぁ、と。「定期券販売の実績が15年間ゼロ」だそうですが、確かに地域の足、という感じはないし、駅の周辺に観光客が降りて地元にカネを落とすようなポイントも少ないので「列車で来た観光客が地元経済に貢献」というのもあんまりなさそうです。路線としては魅力は豊富で、これが1日2000円ちょっとで楽しめちゃうのは安すぎる気はするんだけど、じゃあ3500円が妥当か?といわれるとちょっと悩みますねぇ…。今のような「ただ乗るだけ」ではなくて、途中駅での散策とか飲食とかも含めて「往復利用での観光パッケージ」という形なら1万~1万5千円くらいでも乗る人いるかもな、という感じですかね。なお鉄道の現場の方々も観光列車化にあんまり納得いってるワケではなさそうで、乗車中に「来月からの制度変更」に関するアナウンスが車掌さんからあったんですが「こんなになっちゃうんですよ」感がスゴかった上に「現場からも意見は上げているのですが…」みたいな、あからさまに「変更に反対」みたいな発言もあったくらい。なお、「旅行商品」扱いなのは「運賃」の値上げの場合は地方運輸局に申請し認可を得る必要があるため、のようです。この手続きが申請書書いたり公聴会開いたりと面倒なんですが、旅行商品としちゃえばスキップできるじゃん、ということの様子。いいのか?

さて、井川線乗車のあとはそのまま名古屋にクルマで帰るわけですが、せっかく静岡に来たんだし、とハンバーグで有名な「さわやか」を目指してみました。国道1号バイパスを降りてすぐのところにある掛川本店へ行ってみたら、夕方6時台で100分待ち、というなかなかヤバい状況でした。ウェブサイトで各店舗の待ち時間が確認できるのですが、どこも90分待ちくらい…なんだこの店は。浜松の方に60分待ちとか短めの店があったのでそちらへ向かうことにしたのですが、移動している間にどんどん客が来ていたようで、近くに来たらここが100分待ちに。もうムリじゃんこれ、と浜松餃子の「五味ハ珍」に変更しました。ここも旨いからいいんだもん! それにしても「さわやか」、観光客が多い御殿場とか遠鉄百貨店とかはともかく、地元民しか行かなさそうな店でもこの人気っぷりは凄いわ。

ここの餃子も悪くないのよね。このあとは結局、全部バイパスで高速を通らず名古屋まで帰還しました。昨年開業した蒲郡バイパスで浜松から名古屋までが無信号でつながったんですよね。