JR西日本が2020年に運行を開始した「WEST EXPRESS 銀河」。元々は「気軽に乗れる長距離観光列車」がコンセプトでしたが、運行当初は貸切列車としてツアー形式でしか販売されていませんでした。2021年の春に抽選に当たって乗りましたけどね。
これが昨年から「臨時列車」として運転されることになり、普通に指定席特急券とかを取れば乗れるようになったんです。相変わらず人気でなかなか予約は取りにくいのですが、今夏の紀南コース夜行便でクシェットが確保できてしまったのでした。
金曜夜、名古屋からは新幹線で京都まで移動開始。EX予約の値上以降、名阪間の新幹線移動は自由席ばっかりになっちゃったなぁ…。ちょっと時間はかかるけど「こだま」ならほぼ座れるし、関西発も新大阪始発の「のぞみ」なら座席確保は容易なんで。
特急「WEST EXPRESS 銀河」新宮行きは京都を21:15に発車します。
発車案内板の英語表記もちょっと洒落てます。
普段は嵯峨野線が発着する31番線に列車は入線済みでした。
今回予約したのは昔のブルートレインB寝台のような構成の「クシェット」ですが、特急の普通車指定席扱いで料金も指定席特急料金で乗れてしまいます。シーツや枕はありませんが、ブランケットは備え付けられています。枕カバーっぽい布はあるので、鞄とかを枕代わりにするならコレを敷けばオッケー? また、寝台を覆うカーテンもありまん。そういう意味では、上り下りが面倒だけど上段の方が落ち着くかも。
上段だと天井に空調の吹き出し口がありますが、ハンドルで風量の調整は可能でした。
壁面には上から照明、小物入れに照明調整スイッチ、それにコンセントを設置。
クシェットは横になれるのはいいのですが、起きてる間の居住性がビミョーです。そこで、暫くは4号車のフリースペースで過ごすことに。この一角、ちょっと食堂車っぽい。
よく見たら壁面には歴代の東海道線を走った列車が描かれているじゃないですか。昔の100系新幹線の食堂車にも歴代の東海道線優等列車を描いたエッチング版の装飾があったことを思い起こさせます。
まずは関西らしいもので乾杯。「カール」って最近じゃ新大阪駅のキオスクとかでも「お土産にどうぞ」とか売ってるもんな。
夕飯もまだだったので駅弁も。夜9時前の京都駅、まだ各売店の在庫はそれなりに残っていて助かりました。
関西っぽい中身がイイ感じ。
進行方向千棟になる号車はプレミアムグリーン車として個室が並びますが、運転席直後のエリアはフリースペースになっており、前面展望が楽しめます。
ちょうどうめきたエリアに新設された大阪駅の地下ホームを通過するところでした。
深夜12時前に和歌山に到着しました。ここで1時間ほど停車しますが、実は時刻表上ではここ、停車駅ではないんですね。
この停車時間、乗客の皆さんが押しかけるのは駅そばの「麺屋ひしお」。
既に営業終了の時間なんですが、「WEST EXPRESS 銀河」乗客限定でラーメンを販売しています。
テイクアウトでの受け渡しになるので、駅構内のベンチや列車内のフリースペースなどで頂きます。夜中のラーメンってのも相乗効果なのか旨いです。
和歌山を出ると車内は消灯され、すっかり夜汽車の雰囲気になりました。せっかくクシェット取ったんだから横になって寝ましょうか。
やっぱりカラダを伸ばして休めるって違いますね…。爽やかに翌朝。
紀南エリア最初の停車駅、串本に到着です。
ここでも1時間ほど停車時間が取られています。この停車時間で橋杭岩まで行けるミニバスの運行があったので、言ってみます。
20分ほどの滞在で観光。道の駅などもあるのですが、当然ながら営業時間前でした。
駅に戻ってからは駅前のコンビニなどをうろうろ。
串本を発車。
このあたりの区間、車窓からは海が見えるところが増えてきます。
車内では、熊野曼荼羅絵解きの体験イベントが行われました。
列車は新宮まで向かいますが、一つ手前の停車駅である紀伊勝浦で下車しました。
せっかくだから温泉でも!と思ったんですが、実は勝浦温泉って朝9時くらいの時間から外来入浴を受け付けているところが意外とないんです。京都から和歌山までの区間ではフリースペースで観光案内もあったんですが、そちらで聞いても「ここくらいだと思いますよ…」と教えてもらったのが駅裏すぐのところにある「ホテル&レンタカー660」でした。
それほど広くはありませんが温泉らしいお湯が適温で楽しめる、なかなかいい施設でした。