青森の星野リゾートに泊まってきたばかりですが、今度は今年開業したばかりの「星野リゾート 界 長門」に行ってきました。
「星野リゾート」といえば最近は宿泊施設の再生を手がけることが多く、「奥入瀬渓流ホテル」や「青森屋」もその事例です。それに対してこの「長門」は、施設だけではなく「長門湯本温泉」全体の再生プロジェクトにガッツリ絡んだケース。施設は倒産した老舗大型ホテルの敷地跡に新築されています。「長門湯本温泉が”行ってみたい温泉地トップ10”にランクインする」を目標としており、一体どんな姿になっているのか、かなり興味があったんです。
当日はレンタカーで来訪。国道316号沿いに入口がありますが「大人しい」雰囲気で、正直ちょっと解りづらかったです。玄関前にクルマを乗り付けるとすぐにスタッフが駆けつけ、名前を確認した後に「駐車場にクルマを止めて中で待っていてください」との案内。
暫くするとクルマの方にスタッフがやってきました。新型コロナ対策としてチェックインは客室で行うそうで、ロビーはスルーしてクルマから部屋まで直接案内されました。
さて客室ですが、大変オシャレ。ベッドボードに山口「徳地和紙」をあしらうなど、地元の工芸品などが多数使われています。「藩主の宿泊所」をイメージしたんだそうで「藩主のようにおくつろぎ下さい」だそうな。うむ、苦しゅうないぞ。
テレビの前にはソファを設置。
PCをいじったり書き物するのに便利そうなデスクも。
大きな木箱の中にはお茶セットが用意されています。器は萩焼だとか。
洗面台はこんな感じ。
アメニティは風呂敷に包まれて用意されていました。
中身は以外とシンプルでしたけど。
客室は温泉街を流れる音信川に沿って並んでおり、窓からは温泉街を一望できます。
音信川の対岸には美祢線が通っており、実は「トレインビュー」なお宿だったりします。まぁやってくるのが面白みのないキハ120ばっかり、だったりしますけどね。
こちらのお宿、敷地内はこんな感じになっています。宿泊棟が2棟、ライブラリーと浴場が別棟と4つの建物で構成され、それぞれが屋根付きの外通路で繋がれています。
では早速、温泉に入りましょう。浴場はそれほど大きくないですが、内湯は浴槽が2つあり、熱いお湯とぬるいお湯が楽しめます。露天風呂も坪庭を眺めながら入れて、雰囲気はなかなかいい感じでした。無色透明ですがちょっとヌルつく感じの肌触りはいかにも「温泉」らしいお湯。「美肌の湯」と呼ばれるのも納得です。
浴場前にはちょっとしたラウンジスペースがあって、湯上がりでのんびり、とかできちゃいます。男性と女性で入浴時間が違ったりするので、ここで待ち合わせとかも出来ますね。
湯上がりには夏みかんジュースとアイスキャンディーも自由にいただくことが出来ます。
夕食は1階の食事処で。
こちらが本日のメニューです。
飲み物は山口の地酒飲み比べセットがあったので、そちらをお願いしてみました。
最初に出てきたのは烏賊の生雲丹のせ。敷かれている黒いのはイカスミ。和食でソース的にイカスミを使うのって割と珍しいかも。
お次は鱧真薯。鱧の中には少し梅ペーストが入っていて、程よい酸味でさっぱり感がありました。
続いて随分ゴージャスなプレートが出てきちゃったぞ。「宝楽盛り」として八寸やお造りがどーんとやってきました。飾りの丸いヤツは桶職人さんが作ったものですが、「温泉地トップテンに入るという先が見通せるように」として底がありません。
揚げ物、稚鮎がメインです。
河豚の煮凝りは抹茶あんで。夏らしい爽やかな一品です。
最後はご飯。大きな土鍋でサーブされます。
鰻の蒲焼きが乗ってる炊き込みご飯でした。ちゃんと「おこげ」もできてました。かなりの量でしたが、美味しかったので完食してしまった…。
デザートは「夏みかんあんみつ」でした。ごちそうさま。
「界」では地元の文化を体験できる「ご当地楽」というプログラムが用意されています。こちら「長門」では山口特産の赤間硯を使った「大人の墨あそび」が行われていましたので、折角だからと参加してみました。
テーブルにはそれぞれ形の違う硯が用意されています。
赤間硯はその粒子の細かさが特徴だそうで、水を垂らして少し擦るだけで真っ黒な墨がすぐ出来上がりました。
墨が良いせいなのか、なんか書きやすい気がします。「何か書いてみましょう」と色紙が配布され…適当なこと書いてみた。
別棟にはラウンジ的に使える「トラベルライブラリー」があります。
中には名前の通り、旅行関係の本なども置かれています。
また、こちらにはコーヒーマシンなども設置されており、いつでも好きなときにコーヒーやお茶が頂けるようになっています。
ライブラリーの脇が音信川側の玄関。ちょっと外を散歩してみましょう。
音信川を中心に非常に綺麗に整備されています。川沿いの灯りが綺麗。
川面近くにも遊歩道が設けられており、ここを散歩するのも楽しい。
ちょっとした河床っぽいものも設置されてるのね。
右側が最近建て替えられて綺麗になった外湯の「恩湯」、そこから「竹林の路」が国道の方に向かって伸びています。夜の温泉街は雰囲気もいいのですが、お店とか全然開いてないんですよね…。これで夜8時くらいなんですが、ちょっとしたカフェどころかコンビニもなし。食べ歩きの店とかお土産物屋とかをひやかしながらそぞろ歩き…とか出来るともっと楽しいのにな。まぁ時節柄「臨時休業」してたのかもしれないけどね。
朝食も食事処でいただきます。
まずは夏みかんジュースから。
烏賊しゅうまいや地物のかまぼこも付いたお膳でした。
追っておぼろ豆腐も登場。朝食も丁寧に設えられてる感じがして美味でした。
朝食のあと、もう少し温泉街をぶらぶら。
暫く雨が続いていて川が増水しているようで、川面の遊歩道も一部は水没しているほど。でも昨日午前中までは遊歩道全体が水に浸かっているほど水位が高かったそうで、これでも「落ち着いた」方だとのこと。
散歩から宿に戻ると、ちょうど玄関脇の「あけぼのカフェ」が開店したところ。行列のお目当ては名物の「どら焼き」ですが、開店15分ほどで完売してしまった様子。並んでいたお客さんからは不満の声が上がっていましたが、そりゃそうだよね…。もうちょっと数を用意できなかったのかしら。星野系列って基本的には「いい」んだけど、なんだか所々に「ポカ」が出てくるような気が…。