へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

「おかえり」の旅 in 新潟&福島、その4:全部盛り? 会津鉄道「お座トロ展望列車」で猫に会う。

盛り盛りですな。

 

連休3日目、これから名古屋へ帰ります。

 

今日は会津若松会津田島行きの「お座トロ展望列車 会津浪漫花号」からスタートです。この「お座トロ展望列車」という謎な名前、「お座敷列車」「トロッコ列車」「展望車」が備わった列車ということで名付けられています。いやぁ何でもくっつければいいってもんでもないだろソレ。

 

乗車には座席指定券400円が必要となります。ウェブでも予約が可能ですが、予約のみで支払いは当日の車内で。今回は展望席のところを予約しました。横4列のリクライニングシートが3列分の計12名分の座席がハイデッカースタイルのエリアに設置されています。

 

ハイデッカーなので運転席ごしに前面展望が楽しめますが、運転席の横にも展望スペースを設置。なお会津田島行きだとこちらが最後尾になるので後面展望、ですな。

 

展望室のある車両の半分はお座敷エリア。掘りごたつスタイルの座席となっています。

 

もう1両はトロッコ車両。ただ既に10月と若干肌寒い時期でもあるため、窓はオープンにはなっていませんでした。ちなみにこの車両には販売カウンターもあり、飲食やグッズなどを販売しています。

 

会津若松を発車。西若松から会津鉄道区間に入ります。

 

30分ほどで芦ノ牧温泉に到着、ここで対向列車行き違いのため約10分停車しました。

 

ここは「猫が働く駅」として駅長をはじめ4匹がアサインされています。しかしながら2代目の駅長だった「らぶ」はこの直前、10月5日に亡くなってしまいました。

 

www.minyu-net.com

この日は駅舎にアテンダントの「さくら」が勤務中(というか休憩中?)でした。こちらでは猫の皆さんについては撮影禁止。初代駅長の「ばす」がフラッシュ撮影の光で視力に影響が出たための措置だとか。

 

以前に会津鉄道に乗ったときはこの駅は通り過ぎただけだったので、下車して駅舎までみれたのはコレが初めて。猫駅長関係グッズが多数ありましたが、なんか凄いモノが!

 

tetsudo-ch.com

「仕事猫」とのコラボグッズが売ってるじゃありませんか。もともとは施設長の「ぴーち」(なお病気治療のため引退済みだそう)が「ヨシ!」の仕事猫に似ているということから実現したらしいです。

 

芦ノ牧温泉から先は暫くダム建設に伴って付け替えとなった比較的新しい区間となり、長いトンネルが続きます。トロッコ車両ではトンネル壁面に映し出される動画が楽しめるような趣向も。

 

橋梁も新しい感じです。

 

茅葺き屋根の駅舎が印象的な湯野上温泉駅

 

車窓の景色がだんだん「街」になってくると…。

 

終点の会津田島に到着しました。

 

ここでは次の列車までの待ち時間が1時間以上あります。GoogleMapで見ていたら「祇園会館」なるものが駅の近くにあるようですので行ってみました。毎年7月に行われる会津田島祇園祭は京都の祇園祭博多祇園山笠と並ぶ「日本三大祇園祭」の一つなんだとか。マジか。

 

こちらでは食事の提供も行っており、お昼は「里山ランチバイキング」を開催中。990円なんですが、ここで食事をすると祇園祭の展示コーナーの入館料500円のところ15江0円と大幅に割引になるそうなので、昼食をここで頂くことにします。

 

ビュッフェ台に並ぶ料理は20種ほどですが、どれも「里山」に相応しい素朴な田舎料理といった趣きで、なかなかステキ。なんか「いなかのおばあちゃんち」に来たみたい。

 

料理はどれも美味。お客さんの入りがそれほど多いわけでもないのに、料理はどんどん補充してくれます。里山の野菜料理だけでなく唐揚げなどもあるよ。

 

カレーも具がゴロゴロ入った「家庭の味」。これは掘り出し物のお店ですよ。

 

ご飯の後は展示エリアへ。

 

田島の祇園祭、歴史はかなり古く起源は12世紀まで遡ります。途中に中断を挟み、1603年から続いているそうです。

 

展示の一角に何処かで見たようなタッチの絵が飾られています。テレビ番組「お笑いマンガ道場」でも知られる漫画家の富永一朗が幼少期に田島で暮らしていたことがあるという縁から、観光PRのイラストをいくつか手がけた様子。

 

駅まで戻ってきましたが、これから乗る予定の浅草行き特急「リバティ」に満席表示が出ていて吃驚。駅の窓口で確認したら「会津田島から満席」とのこと。これからこの列車で鬼怒川温泉まで乗車する予定でして、鬼怒川温泉までなら「座席指定なし」という条件で特急料金不要で乗れるんですよ。ホントに満席なら1時間ほど立ちっぱなしか…。

 

東武鉄道の最新の特急車両、500系の3両編成に乗り込みます。

 

「満席」と言われたのですが、結局は会津田島からは1割程度の埋まり具合で発車。途中駅から少し乗ってくる人もいましたが、それほど混雑せず、鬼怒川温泉まで空席に座って移動できました。

 

鬼怒川温泉到着前の車窓風景、廃墟となったホテルが建ち並んで本当に異様な雰囲気ですねぇ…。

 

鬼怒川温泉で下車。ここから乗ってくる旅客もそれほど多い感じはせず、「満席」って他の方はどこから乗ってくるんだろう?

 

ここでも1時間ほど待ち時間があります。鬼怒川温泉の駅前、観光案内所の隣にあったコンビニ風の商店がお洒落なカフェになっていたりと、ぼちぼち変化があるようです。バームクーヘンのお店とかもあるし。

 

バームクーヘンにバニラとストロベリーのミックスのソフトを載せたやつ。これで一休みです。

 

鬼怒川温泉からは新宿行きの特急を利用します。

 

東武鉄道は日光への観光輸送では国鉄とライバル関係にありました。結局は東武の勝ち!みたいな感じになったのですが、そのライバル同士が手を結び、2005年からJRの新宿から東武日光鬼怒川温泉までの直通特急を走らせています。東武としては都心側のターミナルが浅草という微妙な立地であることに限界を感じていた部分もあったようです。車両はJRと東武が双方とも用意しましたが、東武は当時のフラッグシップ「スペーシア」を投入。

この「スペーシア100系電車の登場は1990年、世はバブル真っ盛りの頃です。そのため「ゴージャス」全振りみたいな車両になっています。改装を経て大人しめになりましたが、金メッキの金具などに名残が。

 

シートピッチはJRグリーン車レベル、驚きの1.1m。大きく貼りだしたヘッドレストは以前ココにスピーカーが設置され、オーディオサービスが行われていた「跡地」です。

 

広い販売カウンターも設置されています。今ではもう営業していませんが、以前はここはビュフェとして温かい食事や生ビールなども販売していました。東武では来年に新しいフラッグシップとなる特急車両を導入予定ですが、そちらにもカフェカウンターが設置されるそうなので、ちょっと楽しみ。

 

東武からJRへは栗橋で連絡します。乗車券は会津鉄道西若松~栗橋までの会津鉄道野岩鉄道東武鉄道の3社連絡で購入、それとは別途にJR線部分で栗橋から先を購入しておきました。特急券は「えきねっと」でも買えるのですが、鬼怒川温泉駅では「えきねっと」での受取は出来ないので要注意ですな。

 

約2時間ほどで新宿に到着です。私鉄の特急車両が当たり前のようにJRのホームに停まってるの、なんか凄いことじゃないかしら。

 

ちょうど新宿まで来れたので、と小田急百貨店本館を眺めておくことに。 ル・コルビュジエに師事したモダニズム建築家の坂倉準三の傑作の一つとされ、西口の広場と一体で整備されました。竣工は1967年。再開発に伴い9月末で閉館となり、今後解体される運命です。

 

小田急百貨店自体はすぐそばの「小田急ハルク」で営業を継続することから「閉店セレモニー」的なものは行われなかったそうです。実は北側の一部は小田急ではなく別のビルなんですが、坂倉準三が外観を揃えるように提案した結果、このような揃った見た目になったという経緯があるようです。

 

エレベーターホールも駅のコンコース近くという限られたスペースの中に「デパートらしいゴージャス感」をきちんと織り込んでいます。いま、このくらいの「古さ」の近代建築が割と危機にあるような気はしますね…。これまた前川國男の代表作だった高層ビル「東京海上日動ビル」も1974年と比較的新しいように思われるのですが、建て替えのために解体されてしまいましたし。ただ、同じ坂倉準三の手がけた伊賀市の旧市役所ビルは再生事業の方向性がやっと決まった様子。こうして少しでも「いい建物」が残るといいんですけどね。

 

消えゆくビルを堪能し東京駅へ。新幹線で名古屋へ帰ります。

 

駅弁「チキン弁当」が今日の晩ご飯です。この弁当、登場はなんと東海道新幹線開業と同時の1964年。そろそろ60年経とうとしてるのか…。このハイカラな雰囲気、子供の頃からの「あこがれのごはん」ってイメージが自分には強いです。東京駅で他にも魅力的なお弁当が山ほど売られている今でも、やっぱり時々買っちゃうのよね。