凄すぎた。
JR水戸線の下館駅にやってきました。今日はここからバスで「ザ・ヒロサワ・シティ」に今年2月オープンした「ユメノバ」を目指します。
駅前の大きなビルには「筑西市役所」の表示。随分立派ですが、以前は「サティ」だったビルで、商業テナントの撤退に伴い市がフロアを借り上げて市役所を移転させたもののようです。
駅を出て右手に進むとバス停があります。
「筑西市道の駅循環バス」に乗車します。
「ザ・ヒロサワ・シティ」までは駅から5kmほどで真っ直ぐタクシーなどで行けば10分もかかりませんが、このバスは道の駅「グランテラス筑西」を経由するルートなので20分ほどかかります。「グランテラス筑西」、なんと北海道のコンビニ「セイコーマート」がありました! 確かに本州も茨城と埼玉に店舗があるとは聞いてたけど…。
で、「廣澤美術館」のバス停で下車します。「ザ・ヒロサワ・シティ」はゴルフ場やBBQ場など様々な施設が集まった広大な施設ですが、その入口にあたるような場所にあるのがこの「廣澤美術館」です。
ここから5分ほど、もう少し先の方まで歩いて行くと…。
「ユメノバ」の入口がありました。
入場料は2500円、結構なお値段です。
「ユメノバ」の全体はこんな感じ。もともと「レールパーク」として保存車両があったり、クラッシックカーが展示されたりしていたようなのですが、国立科学博物館と共同で航空博物館を建設することとなり、そのオープンに合わせてエリア全体を「ユメノバ」としてリニューアルした、という感じのようです。
エントランスから時計回りに進んでいくと、まずはグライダーと模型飛行機を展示している建物がありました。
その先が「レールパーク」。寝台特急「北斗星」のヘッドマークをつけた機関車EF81にSLのD51、新幹線の系が並んでいます。
ここの目玉はなんといってもこの「北斗星」じゃないでしょうか。機関車のほか、客車が4両保存されています。
EF81は機器類を全て撤去されており、車内に入れるように扉が新設。
続いて繋がっている客車の1両目は「オロハネ24」、2名用個室B寝台「デュエット」と個室A寝台「ロイヤル」の合造車でした。こちらは「デュエット」車内。個室内まで自由に立ち入って見学が可能です。
そしてこちらが寝台特急「北斗星」では最上級のグレードに位置づけられていた個室A寝台「ロイヤル」です。基本的には1名用ですが、追加料金を払えばダブルベッドサイズとして2名で使うこともできました。青函トンネルが開通して札幌まで直通の寝台特急を走らせるにあたり「何かシンボル的なものを」ということで用意されたそうですが、寝台料金だけで2万円近い設定だったので「どうせ誰も乗らないだろ」と思われてたんだとか。それが実際に運行を開始してみると大人気で、なかなか予約が取れない状況に。実際、自分もここに乗れたのは2、3回くらいしかありません。この「ロイヤル」、乗車時にはワインなどのウェルカムドリンク、翌朝にはコーヒーのサービスもあったりしたんですよ。
そして個室にはトイレとシャワールームもついてました。
次に繋がるのは食堂車「スシ24」。「北斗星」ではディナーは予約制が基本で、和食か洋食コースが提供されていました。ディナータイムが終わると予約なしで使える「パブタイム」となり、この時間帯でもハンバーグやビーフシチューなどの食事も用意。ただ、「北斗星」廃止前の時期は食堂車も大人気でパブタイム営業時間内に入れない、なんてこともあったなぁ、と。なお朝食は予約なしで利用できました。
客席だけでなく厨房も入り放題。ここで調理してたのね。
続いて「オハ25」、ロビーカーです。1両まるごと、誰でも使えるフリースペースとして解放されていました。ロビーカー自体は「北斗星」運行開始前、東京から九州方面へのブルートレインへの連結で既にサービスは始まっていたもの。シャワールームも2室設置され、車掌から「シャワーカード」を購入すると利用することができました。
最後尾は「オハネフ25」、一般的な開放式B寝台車です。
2段寝台が向かい合わせに並んでいます。寝具などもちゃんと用意されていて今にも実際に走り出しそうですが、パンフレットには「10名以上の貸切で宿泊利用が可能」との記載がありました。ただ受付で聞いてみたら宿泊利用はまだ受け付けておらず、開始時期や値段なども未定とのこと。もし宿泊可能になったら、あの「ロイヤル」とかで一晩過ごせちゃうのか…と思うと楽しみですが。
そのほかの保存車両としては、鹿島臨海鉄道で「マリンライナーはまなす」として運転されていた車両もあります。
リゾート列車としてリクライニングシートが並んでいた筈の車内は座席が撤去され、鉄道関係の遊具が設置されていました。ただ運転席後ろのラウンジエリアのソファは現役当時のままのようです。
こちらは関東鉄道で使われていたキハ101。車内見学は不可でしたが、イベントスペース的に使われているような感じでした。
D51は千葉の個人宅から譲渡を受けたものだそうです。
車両展示エリアの近くには「鉄道資料館」があり、こちらも割とマニアックなものが色々展示されています。
「鉄道きっぷ館」なるものも。記念切符などのコレクションが展示されていました。
そして今回オープンした施設が「科博廣澤航空博物館」です。国立科学博物館と共同で、航空関係の展示を行う博物館。
館内は意外と広く、床面には滑走路を模した装飾が。
ここでの見どころは戦後日本初の国産旅客機「YS-11」の量産1号機です。国立科学博物館が所蔵していましたが、永らく羽田のハンガーで保管され一般公開がなかったものを、こちらに移設しました。
この「シコルスキーS-58」ヘリコプターは南極観測船「宗谷」に搭載されていたもの。
ほかにも零戦などが展示。おそらく科博の所蔵品で展示機会がなかったものをいろいろと持ってきているんでしょうな。
休憩用といった感じで置かれている椅子、コレって昔のJALのビジネスクラスの座席だよね?
他にも色々あるので、ここからは駆け足で。「宇宙館」は日本の宇宙開発黎明期の実験用ロケットなどが展示されているのですが、かなり貴重品じゃないですかね、もしかしたら。糸川教授のペンシルロケットに関する詳しい説明とかあって、かなりマジです。
こちらは「ヘリコプター・ソーラーカー館」。
「クラシックバイク博物館」は古いバイクがぎっしり。
いきなり救急車が登場、これも展示品です。
「消防衣装館」。スタッフがいれば試着できそうなものも置かれてましたけど、どうなんだろ。
その奥にあるのが「消防自動車博物館」です。主に日本の消防車ですが、よくこれだけ集めたな、というボリューム。
どうもこれは元自衛官の鈴木靖幸さんという方のコレクションで、以前は千葉の方で展示されていたものの災害で施設が被災。新たな受け入れ先としてこちらで再オープンとなった、というような経緯らしいです。
「ミニカー館」というのもあって、消防車のミニカーが膨大に並んでいたんですが、これも鈴木コレクションの模様。
そして「クラシックカー博物館」。もうお腹いっぱいだよ…どんだけ展示品あるんだよ…。
「船の博物館」は池にクルーザー3隻と屋形船1隻が浮かんでいました。ここだけ、ちょっと謎な感じ。
他の施設もなかなか油断ならず、「サボテン館」の中にも飛行機の展示があったりするのよ。
中央には遊具のある広場。「北斗星」を編成で眺められますが、ここに置かれているロケット、ホンモノじゃないよな?
食事ができるところとしては、麺類や丼物などが用意された食堂がありました。
駅弁も数量限定ですが売られており、「北斗星」食堂車の中で食べてもOK。今や「食堂車でご飯」なんて滅多にできませんから嬉しいですね。
3時間以上たっぷり観てまわって出てきたら、ヒロサワグループの広報館みたいなのがありました。
随分手広くビジネスをやってる様子。まぁそのくらいの資金力がないと、こんなヤバい施設は造れないよなぁ。
「ユメノバ」敷地外にもいろいろと。ここには段ボールのSLが展示されていました。
何故か「寺内タケシ記念館」なんてのもあります。ただ、毎月第2・第4日曜日のみの開館のようでこの日は閉館していましたけど。
蓄音機や古いカメラなどが並んでいる展示館。
「廣澤美術館」は隈研吾設計。中まで見る時間は今回はなかったわ…。
下館駅行きのバスに乗って戻ります。帰りはほぼ直行なので10分ちょっとで駅まで行けました。それしにても「なんだこれ」って施設でしたね…。オーナーの趣味で集めたモンから始まってるんでしょうが、科博の所蔵品とかも有効活用してみたりとか、とにかく、なんか規格外です。消防自動車のコレクションも見ごたえあったし、お高めの入場料は全然納得出来る感じでした。