へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

北陸新幹線 金沢~敦賀間延伸区間に初乗り。

祝開業。

 

2024年3月16日、北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業しました。その週末、東京で所用があったので帰り道に寄ってみようということに。

 

上野から敦賀行き「かがやき」に乗車。

 

上野を出たら富山まで大宮と長野しか停車しない速達便です。

 

北陸新幹線ではまだ車内販売が行われてるんですね。「シンカンセンスゴイカタアイス」を所望。

 

「かがやき」は富山で下車。新規開業区間は各駅停車としたいので、ここで後続の「はくたか」に乗り換えます。ちなみに特急券JR西日本の「e5489」で予約したんですが、JR東日本の「えきねっと」だと任意の乗り換え列車を選んで買うのが結構大変。しかも「e5489」だと自由席の料金で指定席に乗れるという…。

 

富山駅の新幹線改札内売店とかが全くないのに吃驚。

 

ここで昼食用のお弁当でも調達を、というプランだったのに…と思ったら「ますのすし」の自販機がありました。なんでも今日から設置されたんだとか。

 

10分ほどの待ち時間で富山始発の「つるぎ」に乗車します。北陸新幹線は「東京と北陸を結ぶ」だけでなく「北陸と関西や中京を結ぶ」役割もあるため、大阪行き「サンダーバード」や名古屋行き「しらさぎ」に敦賀で接続する前提の列車もあるんです。

 

まずは既開業区間となる金沢までの区間で昼食をやっつけました。

 

金沢から先が今回、新規に開業した区間です。最初の停車駅は小松。

 

ここから乗ってくるお客さんは多めの印象です。

 

続いて加賀温泉

 

石川県下の駅としてはここが最後となります。

 

列車は福井県に突入。

 

芦原温泉に停車します。

 

お次は福井。

 

ここは新幹線駅では珍しく、一本のホームの両側に上下の列車が発着する構造になっています。

 

駅の外には新幹線観覧用と思しきデッキがあるようです。

 

次は越前たけふ。

 

今回開業した区間で唯一、他の鉄道路線との接続がない新幹線単独の駅になります。ただ、北陸道がそばを通り、武生ICに隣接しているため、一部の高速バスがこの駅を経由する経路に変更されたりしています。

 

この駅名は以前は福井鉄道に「越前武生」として存在していたもの。北陸新幹線開業に伴って駅名がこちらに譲られ、もとのほうは「たけふ新駅」に改名しています。こういうケースも珍しいよね。

 

そして終点、敦賀に到着です。

 

金沢から敦賀までは各駅停車で約1時間。途中に福井しか停まらない速達タイプだと40分ほどに短縮されます。

 

敦賀駅の新幹線ホーム、かなり高い位置にあります。ほぼ街を見下ろすような感じ。

 

関西や中京方面へ行く場合はここで乗り換え。本来、北陸新幹線はここから大阪まで建設される予定なんですが、その開業時期は未定です。北海道新幹線の札幌開業後に建設予算がついたとしても2046年以降なんて話もあり、少なくとも10年以上はこの状態が続きそうな感じ。そのためか、乗り換え案内はかなり丁寧に行われている印象です。

 

乗り換えコンコースもかなり広々としています。

 

せっかく来たので、敦賀をちょっと観光していこうと。

 

この週末は新幹線開業記念ということでお祭りが行われており、駅前には多くの出店が出ています。

 

敦賀は観光スポットが駅から離れていますが、観光地を巡るバスなども余り多くなくちょっと不便。シェアサイクルを使って巡ってみました。まずは敦賀港駅へ来てみます。こちらは以前の駅舎が残っているわけではなく、過去の資料などから再現したもの。

 

全盛期の敦賀港のジオラマが展示されていました。

 

展示内容は主に敦賀北陸本線などの鉄道に関するもの。

 

敦賀は日本と欧州を結ぶ玄関口の港として発展してきた面があります。東京からウラジオストクへの連絡船に接続する国際連絡列車が運行されていた時期も。

 

その後は敦賀ムゼウムへ。

 

以前ここにあった港関連の建物を復元した姿をしているこの博物館、内部は撮影禁止になってます。内容は敦賀港が絡んだ人命救助的な2つのエピソードを紹介しています。一つはよく知られた杉原千畝の「命のビザ」。リトアニアで日本の通過ビザを貰ったユダヤ人がシベリア鉄道を経由して辿り着いた日本への上陸地が敦賀でした。実はこの話、杉原千畝だけで実現したわけではなかったんですね。実は同時にカナウスのオランダ領事館がオランダ領のキュラソーへ行けるビザを発給しており、日本の通過ビザは「キュラソーへ行くための経由地」という名目で発給できた、と言う面もあったとか。また、JTBも絡んでいたりします。当時の日本交通公社アメリユダヤ人協会から日本に来るユダヤ難民の支援の業務依頼があり、敦賀に職員を貼り付けて日本からの移動やビザ等の手配や支援金の手渡しなどを引き受けていました。ちなみに、もう一つのエピソードはその前のポーランド難民孤児の受け入れでした。シベリアに抑留され発生していたポーランド人孤児を日本赤十字社が救出、まずは敦賀に連れてきて日本各地で療養の後ポーランドに送り返した、というようなことがあったんだそうです。

 

このエリアには赤レンガ倉庫もあります。

 

その脇にはキハ28の保存車がありました。前日は車内の公開も行われていたらしい…。キハ28なんて暫く前までは日本全国至る所で走ってたような気がするのに、いつのまにかいなくなっただけでなく保存車両もあまり多くないんだよなぁ。

 

ここにはショップやレストランのほか、昔の敦賀を再現した大きなジオラマがあります。

 

駅まで戻る途中、敦賀市博物館にも立ち寄ります。

 

もとは銀行だった建物で、館内は当時の銀行の雰囲気を残しています。

 

金庫もそのまま公開。

 

執務フロアが展示エリアに転用されており、敦賀の歴史に関する資料を見ることができます。

 

竣工時に使われていた古いエレベーターも展示されていたりして、なかなか面白かったです。

 

敦賀駅に戻りホームへ。在来線の普通列車や快速は従来からあるホームに発着ですが、特急は新幹線ホーム下に新設されたホームからの発着となるため、かなり距離があります。

 

ホームの両側に「米原・名古屋方面」と「京都・大阪方面」の特急が並んで待っていました。

 

米原行きの特急「しらさぎ」に乗り込みます。

 

座席には敦賀駅での乗り換え案内のカードが備え付けられていました。新幹線と特急の乗り換え時間は最短8分となっていますが、正直かなり余裕がなく脇目も振らずに乗り換えてギリギリ、くらいの感じです。かといって乗り継ぎ時間に余裕を持たせすぎると新幹線による時短効果が薄れるわけで…。

 

わずか30分ほどで米原着。おそらくJRでも最短区間を走る特急の一つなんじゃないかしらコレ。「しらさぎ」は1時間に1本の運転が維持されていますが、名古屋まで直通するのは半分程度で、あとは米原止まりです。ちょうど反対側のホームに新快速が停まってましたので、名古屋まではこれで帰りました。