へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

近鉄特急「ひのとり」プレミアムシートに乗りました。

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近鉄が名阪特急の新しいフラッグシップとして送り出した「ひのとり」。2020年3月14日から運行開始となりましたが、運行2日目のプレミアムシート、しかも前から2列目という好条件なチケットをゲットできたので乗ってきました。

 

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乗車するのは大阪難波駅16:20発の特急「ひのとり」716列車。

 

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出発の数分前に「ひのとり」が入線してきました。大阪難波駅って少ないホームでかなりの本数の列車をさばいてますが、結構コレ名鉄名古屋駅じみてません?

 

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早速、車内へ。豪華さというよりはクールな印象でまとめたインテリア、といった感じですね。

 

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座席は6号車の6A。名古屋行きは6号車が先頭で、座席番号は出入り口側から1番を割り振られています。運転席から数えて2列目ですが、ここからの全面展望はこんな感じ。ここからでも充分に風景を楽しめます。

 

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プレミアムシートの車両はハイデッカー構造になっているため、後方からでも運転席越しの全面展望はそれなりに「見える」感じではあります。

 

…と、素敵な電車で楽しい名古屋までの旅路がはじまるよ!と思ったら、ちょうど先ほど桔梗が丘駅で人身事故が発生し、名張桔梗が丘間で運転見合わせとなった旨のアナウンスが入りました。「運転打ち切りや行先変更となることがあります」ってどういうことだい?

 

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車端にはディスプレイが2枚。主に左側が日本語、右側が多言語表示、といった感じで使われています。

 

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また、こんな感じで停車駅からの接続列車案内も表示されるのは他ではあまり見かけない趣向です。

 

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プレミアムカー車両のデッキはこんな感じ。交通系ICカードでカギがかけられる手荷物ロッカーがあります。ハイデッキ構造の客席へは階段でアクセス。バリアフリーはレギュラーシートで対応してるからOKってことですね。

 

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デッキの一角にある販売コーナー。一杯200円で買えるコーヒーサーバーが設置されています。その隣の販売機では100円で緑茶と紅茶も売られているのですが、コーヒーサーバーはお湯ならタダで出てくるので、これを使って自分で淹れる、ってわけですね。そのほかにはチョコバー程度しか売ってませんでしたが、今後もこんな品ぞろえなのかしら? 販売機の空きスペースはまだありましたが。

 

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デッキには洗面所が1か所。

 

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お手洗いは男性用小便器1か所、女性用トイレ1か所、男女兼用トイレ1か所と数は手厚い印象。最近は鉄道車両でも設置例が増えてきた温水洗浄便座がついてます。

 

大和八木駅到着の前に再度アナウンスがあり、「この列車は行き先を名張に変更します」って…せっかく取ったのにそんな仕打ちか。どうも近鉄って、不通区間が生じると運転打ち切りや行先変更を積極的に繰り出して列車が詰まらないようにすることが多いみたいですね。

 

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大阪難波駅からおよそ50分、名張駅に到着。まぁ名張駅に停車する「ひのとり」ってレアなので「珍しいもの見れた」ってことでもありますが。

 

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列車はそのまま車庫に回送するらしく、全員降車するように指示されました。

 

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この「ひのとり」の10分前に賢島に向けて出発した特急も一足先に名張で打ち切りになっており、ホームには特急2本分の旅客があふれる状態に。人身事故で状況が不確定なのは仕方ないのですが、案内放送などが殆どないのも少し気になりました。こういう時のハンドリングとしては「お客に情報を与え続ける」ってのは鉄則だと思うのだけどな…。状況がわからなければ「今は状況は不明です」ってアナウンスでいいいんですよ。「15分ごとに状況をお知らせします」とかにしておけば、お客もある程度納得してくれるはずなんだが。

 

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名張駅のホームで30分ほど待たされていたのですが、今度は「また列車に乗ってください」との案内が入りました。どうも「運転打ち切り」の方針を転換し、この列車の運転を再開することにしたようです。ただ、この時点でも運転再開時期は未定。「現場検証に手こずっておりますので…」ってアナウンスは新鮮だったぞ。

 

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ここで座席周りをチェック!

 

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左側のひじ掛けにはシートのコントロールパネルが設置されています。リクライニングなどは電動。

 

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右側のひじ掛けには小さなテーブルがありますが…。

 

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前方にスライドするとカップホルダーが出てきます。

 

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コンセントはこのひじ掛けのテーブルの下くらいに1か所用意されていました。

 

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テーブルは左側のひじ掛けから引き出すタイプ。

 

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広げるとかなり大きなサイズ。PCなどを広げても充分余裕がありますね。なお、前後方向への位置調整はできません。

 

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フルリクライニングした状態。このシート、大変座り心地がよろしい。秒で寝れます。

 

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なお、シートには「ご案内」が用意されていて…。

 

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シートについても詳しく説明されています。

 

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車内設備についても案内あり。

 

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午後6時過ぎに運転再開となったようで、「ひのとり」も6時20分頃に名張駅を出発しました。桔梗が丘駅で京都行きの「しまかぜ」とすれ違いました。アチラはすでに2時間以上遅れているようです。

 

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名張から1時間ちょっと、間もなく終点の名古屋です。車端のディスプレイ、2枚連続でこんな表示もできるのね。

 

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近鉄名古屋駅には結局、定刻より1時間5分遅れで到着しました。

 

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近鉄の場合、1時間以上遅延すると特急料金の払い戻しが受けられます。今回はチケットレス特急券での利用だったのですが、特急券発売窓口に行くよう案内されました。そこで購入時のクレジットカードを提示して一旦発券し、それを払い戻す(返金はカード経由)という手続きの流れでした。いいシートに長く乗れたのに特急券代を返してもらえたのはラッキー、だよね。

 

全般的な印象としては「ハード面は最高」です。ただ、せっかく「近鉄特急のフラッグシップ」的な位置づけとするなら「ソフト面」のサービスも考えてほしいな、というのが正直な感想です。「しまかぜ」はハード面もいいのですが、アテンダントによるサービスやカフェなど「サービス面」が付加されているのも人気の一因ではないかと。「プレミアム」ってのはハードが良ければいいってわけじゃない、ような気がするなぁ…。

とはいえ、設備から考えるとお値段が高めなのは納得感はあります。ちょっと気になるのは、これが「名阪間の普段使い特急」としてどのくらい受け入れられるのか?ってこと。設備的には優れていますが、プレミアムシートに乗るなら新幹線との価格差はかなり縮まるわけで、「時間は倍かかるけどいい座席がいい」ってニーズ、どのくらいあるかしら?ってのはちょっと心配です。「ひのとり」は割引も設定しないみたいだし…。