へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

阪九フェリーの新造船「せっつ」に乗りました。

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阪九フェリーが今年、神戸~新門司航路に新造船を投入します。その第1船となる「せっつ」が3月10日に就役しました。その新しいフェリーに乗ってきました。

 

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小倉駅の北口にあるバス停から、阪九フェリーの無料送迎バスに乗車します。

 

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今日の送迎バスは2台での運行でした。こんなご時世ですが、意外とお客さんは多い感じ。小倉駅は18:40の出発です。

 

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途中、門司駅前を経由して35分ほどで新門司港のターミナルに到着。

 

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なんか凝った建物だよなぁ、と思っていたのですが、平城京大極殿を模したモノだったんですね…。

 

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これが「ひびき」。総トン数は16300tで、前任の「やまと」「つくし」の13300tに比べると大型化しています。特に車両搭載台数が大幅に増えており、「やまと」「つくし」がトラック229台・乗用車138台搭載だったのに対し、この「ひびき」はトラック277台・乗用車188台の搭載が可能。トラックドライバー不足に伴う需要増が、大型船の投入のインセンティブになっているようです。

 

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乗船口は5階。まず売店兼案内所が目に入ります。「ひびき」は個室は基本的にカードキーなので、乗船手続きの際にカギは貰っている形なため、乗船時に案内所へ立ち寄ることはありません。

 

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中央には3フロア分の吹き抜けのあるロビーがあります。この階段かエレベーターで7階へ。

 

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本日の客室「デラックスシングル」は7階に配置されています。

 

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通路にずらっと並ぶ個室のドア。一人用の「デラックスシングル」ですが、全部で46室も用意されています。関西~九州のフェリー航路は意外と時間的には便利なスケジュールで、どれも「夜出れば翌朝に目的地」といった感じ。特に関西~北九州は夜8時頃に出て翌朝8時頃に着くようなスケジュールで、例えば大阪を夜に出て福岡で朝10時のミーティングなら充分間に合っちゃうくらいだったりします。運賃はこのシングルルームでも1万円を切るくらいで、新幹線や飛行機で行って一泊するよりは低コスト。フェリーの設備も充実しているので、広い風呂に入ってレストランでご飯食べて…とゆったりできます。瀬戸内海は殆ど揺れもないので睡眠もバッチリ。というわけで、スーツ姿のビジネスマンもよく見かけます。シングルルームの設定数が多いのも、そういう事情なんでしょうね。

 

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で、その「デラックスシングル」の室内です。奥にベッド、手前に洗面所とデスクがあります。ベッドの足下側にはテレビもあり、地上波とBSが視聴可能。船の内側にあたるので、携帯の電波の受信状況は良くありません。一応WIFIも設置されていますがロビーなどパブリックスペースのみで客室では使用できず。このあたりはちょっと改善をお願いしたいところです。また、空調は室内にコントロールパネルがあって個別に調整できるのはありがたいのですが、吹き出し口がベッドに向いており、寝ていると風がモロに当たるのはちょっと困りました。

 

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デーブルの上には電気ケトルと粉末のお茶、アメニティが置かれていました。ここにコンセントが1箇所設置されています。

 

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アメニティは浴衣に使い捨てスリッパ、歯ブラシセットにタオルを用意。ほぼ手ぶらでもOKですね、これなら。

 

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室内に設置されている洗面所。基本的に各個室に洗面所がある前提のせいか、パブリックスペースのトイレには「洗面所」がありませんでした。ハンドソープとコップが備え付けられています。コンセント2個口がここにありました。また細かいことですが、洗面所の照明、がないんですね。

 

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夜8時、新門司港を出港。12時間半の神戸までの船旅がはじまりました。

 

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では、船内を見てみましょう。まずは7階から。ここは基本的に内側に「デラックスシングル」、外側に「スイート」が配置されています。

 

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大浴場が設置されているのはこのフロア。このフェリー、大浴場に露天風呂があります。船で星空を見上げながら入浴するってのは面白いですよ。また翌朝はちょうど入浴しているときに明石海峡大橋を通過したのですが、露天風呂からその様子を眺めることができました。風呂に入りながら大きな吊り橋をくぐるのを見上げるってのはレア体験じゃないかなぁ。更衣室にはカギのかかるロッカーがあるので安心。カギは特にコイン式とかではないので用意するモノはありません。

 

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大浴場の前には湯上がり処のような佇まいで「展望ロビー」があります。大きな窓が設置されていますが、実はこの「せっつ」で窓のあるパブリックスペースってココくらいでした。レストランを使わずに食物を持ち込む人も少なくないと思うのですが、そうしたものを食べるようなスペースが意外と少ないな、という印象。この展望ロビーもソファのみでテーブルが殆どないので食事には適していません。

 

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展望デッキも7階にあります。

 

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この船で外部に出れるのはこの7階だけ。下の階へ降りる階段は閉鎖されていました。

 

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続いてワンフロア降りて6階。客室は外側に個室の「デラックス」、内側に相部屋寝台の「スタンダード」が設置されています。

 

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パブリックスペースとしてはレストランがあるのがこの6階です。

 

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中央にカウンターっぽい円卓があったりして、なかなかいい雰囲気ではあります。

 

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レストランの一部は営業終了後、オープンスペースとして解放されていました。

 

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なお、オープンスペース解放時も、テーブル備え付けの醤油やソースなどはそのまま置かれています。

 

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このフロアにはソファとテーブルを設置したフリースペースも数カ所用意されています。窓に面していないのは少し残念かな。

 

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こんな記念撮影スポットっぽいところも。

 

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6階の施設の目玉はこの「展望ルーム」でしょう。

 

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船首の操舵室の真下にあたる部分に、前面展望が楽しめるスペースがあるんですよ。

 

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前面が見渡せ、なかなかの風景です。

 

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この展望ルーム、出入口には厚いカーテンが設置されています。

 

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夜間もこの展望ルームは開放されているんですよね。通常、操舵室の下の部分は光が窓から漏れると操船に影響があるため、夜間は窓のカーテンを閉じるものなのですが、「せっつ」では室内の照明を落として暗くすることで、夜間でも窓にカーテン無しで、夜景を楽しめるように配慮されている由。

 

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乗船口のある5階。ここも外側に「デラックス」、内側に「スタンダード」という構成です。ロビーよりも後方は主にドライバーズルームになっていました。

 

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中央のロビーにはテレビが設置され、それを取り囲むようにベンチが配置されています。

 

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キッズルームもありますが、新型コロナ対策として使用中止となっていました。

 

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カラオケルームも2室ありますが、こちらも同じ理由で使用停止中。喫煙室は普通に使えるようになってるんだけどね。

 

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ゲームコーナー。半数くらいがクレーンゲームでした。

 

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マッサージチェアもあります。

 

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ロビーに隣接して自販機コーナーを設置。カップ麺やアイスなどの自販機はここです。

 

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電子レンジは今回見て廻った限り、この自販機コーナーの中の1台しか見つけられず。レストラン内にもあるのですが、持ち込み食品の温めには使えませんからね。

 

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まぁいずれにせよ、快適な船旅を堪能していたら神戸港に到着。

 

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朝8時半に着岸し、ほどなく下船が始まります。

 

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この「せっつ」、なかなか快適ですが、個室が増えたせいなのかパブリックスペースがちょっと少なくなってるような印象はありました。少なくとも自室以外で何か喰うとか呑むとか、そういう場所探しは少し難儀するかも。

 

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フェリーターミナルからは送迎バスで最寄り駅まで移動です。公共交通がこの辺りにあるわけではないので、乗り遅れると歩く羽目になりますよ。六甲ライナーのアイランド北駅、阪神御影駅、JRの住吉駅と経由して阪急の御影駅まで向かうコースで運転され、アイランド北駅までは無料、その先まで乗ると有料、という運賃体系になってます。