へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

「天空ノ鉄道物語」が思ったよりも良かったので紹介したい。

新年会で東京へ行ってきたのですが、その際に友人の誘いで六本木ヒルズで開催中の特別展「天空ノ鉄道物語」を見てきました。入場料が当日券2500円と、一昨年から昨年にかけて東京と大阪で開催された「フェルメール展」と同額という吃驚プライスなことでも話題でしたが、結果として「鉄道好きなら見ておいてソンはないよ」だったので紹介します。

 

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この特別展の会場は六本木ヒルズ森タワー52階。実はココ、「東京スカイビュー」という展望台で、この展望台に入るだけでも1800円かかります。特別展の一部は「東京スカイビュー」の入場料だけでも見ることができますが、「本丸」となる展示部分は特別展に入れる入場券が必要。でもその差額が700円ですので、考えようによっては「700円で見れる」と言えなくはないかもしれません。まぁこんな場所で開催するなよ、ってご意見もおありでしょうが…。なお「東京スカイビュー」は展望台としてもかなりナイス。周囲にあまり高いビルがないので眺望はいいし、東京タワーも東京スカイツリーも新宿の高層ビル群も見れますよ。

 

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まずは「内周」、特別展の入場券が必要なエリアから。入ると最初に目に入るのは「ダッチングマシン」です。本来は「Dating Machine」なので「デイティングマシン」と読むべき筈ですが、昔の人がローマ字読みしちゃった為に間違った呼び名定着した模様。「おっぺんほーせ」みたいなのがリアルに起きてた(^^;)。入場の際に硬券を模した記念品を渡されるのですが、コレで日付を刻印することができます。もう製造もされていない貴重なものだと思うのですが、こんなにカジュアルに触らせて良いのか。

 

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で、1964年の上野駅中央改札をイメージした改札が。電光掲示板とかが導入される前は改札口に看板下げてたんですよね。

 

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ブルートレインなど様々な列車のヘッドマーク

 

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JR7社協力ということで、貨物列車のトレインマークもあるのが凄い。

 

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東海道新幹線で当初使われていた列車案内板も。ドア横の列車表示、こんなボードを列車毎に貼り付けていた時代があったわけです。今では想像もつきませんが、東海道新幹線が開業したときには「ひかり」「こだま」がそれぞれ1時間に1本運転されていただけだったというね…。

 

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そして1987年、国鉄分割民営化により「国鉄」はJRになります。「国鉄」最後の日の記念列車に付けられたヘッドマークを展示。

 

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で、驚くべきコトに「JR」初日に各社が記念列車などに掲示したヘッドマークが7社分大集合していました。JR貨物も含め全社分が一堂に会したのは史上初じゃないでしょうか。

 

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ブルートレインなど、国鉄時代も含めた名列車?の紹介。

 

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ここでもヘッドマークなどを展示していました。

 

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ここで目を惹いたのは、実物大「トワイライトエクスプレス」車両のレプリカです。本来は糸魚川駅で展示される目的で製作されたのですが、その前にここで一足先にお披露目となりました。

 

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車内はA寝台「スイート」の一部と食堂車の内装を再現。糸魚川ではこの食堂車での食事提供も調整中だそうで、今年春からという展示開始がちょっと楽しみ。

 

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国鉄からJRにかけて始まったり無くなったりしたサービスなどの紹介コーナーに「周遊券」がありました。昔はこのワイド周遊券とか持って北海道ウロウロしたりしてたんだよねー。夜行列車の座席で2連泊しても平気だったあの頃って何だったんだろ。

 

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コチラではJR7社の駅長の制服を一同に展示。この並びはなかなか無いよね。特にJR貨物の制服とか普段見ないし。

 

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隣にはJR5社の「新幹線」の乗務員制服も。こちらは「JR貨物」と「JR四国」の分がないから5社なわけか。

 

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お次のコーナーには、1964年から現在までの時刻表の表紙がずらり。しかも「鉄道弘済会の時刻表」と「交通公社の時刻表」どっちも並んでる! 昔は鉄旅するなら「時刻表」は必携だったので購入する機会も多く、表紙もよく見ると「あ!これ買った!」みたいなのが結構あって面白いです。

 

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お次は外周部。ここからは「東京シティビュー」入場券だけでも見学可能。

 

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最初に目に飛び込んでくるのは大きな蒸気機関車。段ボールで作られた、日本で最初の蒸気機関車「1号機関車」です。

 

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ここでは日本国内で実際に運転されているSLを紹介しています。

 

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ま、ここからの眺めも目玉かもしれませんけどね。

 

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列車のドアを並べたインスタレーション。どこの会社の電車か3分の1くらいは解ったかも…。これ、ドアに触れると扉が開いて中が見えるようになっていて、お子様大はしゃぎでした。

 

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青函連絡船に関する展示。寝台に設置されていた飾り毛布の再現とか、なかなかツボついてますね。

 

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廃止となった鉄道路線に関しても紹介。中には1964年と今の時刻表鉄道路線図が比較できる展示もあるのですが、北海道や九州北部でごそっと線路が消えているのが可視化されてちょっと怖い。

 

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プラレールも紹介されていました。プラレールって意外とマニアックな車両を商品化してたりするので侮れないのよ。

 

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「アニメと鉄道」みたいなテーマのコーナーですが、「未来のミライ」に関する展示がメイン。コレに出てきた「未来の東京駅」、確かに評判だったもんね。

 

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最後は東京メトロのコーナー。「営団地下鉄」時代のサインってよく残ってたな。

 

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初期の自動改札も。

 

正直、ここまで充実してたのは想定外でした。それぞれのピースだけを取り出すと珍しモノが多いわけではないとは思うのですが、JR各社の「枠」を越えて集合してるってのはかなり価値があるのではないかと。このあたりは、運営にJRが絡んでいる東・東海・西の鉄道博物館ではなかなか実現できないことかもしれません。入場料は高いですが、これだけ集めたね、という点と「そもそも展望台でしょ」というのを考慮すれば、まぁ許せる範囲かと。

 

ただ、万人向けかといえば、ちょっと違うかも。鉄道好きは行くべきですが、そうでなければ鉄道好きの方と行くのがお勧めです。