JR九州がこの夏、「みんなの九州きっぷ」という企画切符を販売しています。
7月から9月の土日祝限定での利用ですが、JR九州全線が九州新幹線含めて2日間乗り放題で1万円!というビックリ価格。そもそも新幹線で博多から鹿児島中央まで行くだけで普通運賃なら片道1万円くらいはかかることを考えると、この価格設定がいかに破格かが解ろうというもの。しかも指定席も6回まで利用できるので、全車指定席の観光列車にも乗れてしまいます。2003年までは「九州内のグリーン車乗り放題で3日間2万円程度」という「九州グリーン豪遊券」なんてお買い得チケットがあったのですが…。その後は散発的に九州内の乗り放題きっぷが期間限定で出ていましたが、コレは久しぶりなんじゃないかな。
今回は金曜の夜のうちに九州入りします。名古屋駅前から県営名古屋空港へバスで移動。
フジドリームエアラインズの福岡行き最終便に搭乗。JALとコードシェアしており、JAL便名で買ったのでコレもJGC修行の一環です。
福岡空港に到着、地下鉄で博多駅へ。電車で5分で市街、ってマジ近いよね。
宿泊先は博多駅そばの「ホテルセンチュリーアート」です。「GoToキャンペーン」適用で2千円くらいで泊まれてしまいました。
まぁ普通のビジネスホテルです。室内に冷蔵庫がない、くらいですかね不満点は。
博多駅構内は飲食店が多く、しかも遅くまで開いているお店も結構あるのが使い勝手がいい感じです。もう遅いので軽く何か食べようかな…とラーメンにしました。
あ、結果として軽くなかった(^^;)。ラーメンにチャーシュー丼と餃子、ハイボールのセットで1200円ならお値打ちです。
一晩明けて土曜日、ここから「みんなの九州きっぷ」の旅が始まります。このきっぷ、JR九州のネット予約限定での販売で、3日前までに購入しないといけません。また、指定席の入手は「きっぷ」自体が手元にないとダメ。ただ、JR九州のネット予約で取ったチケットはJR西日本エリアの指定券券売機でも受け取りが可能で、指定席の予約もコレでできてしまいます。そこで、3連休で勝浦に行ったときに紀伊勝浦駅に立ち寄り、そこの券売機でチケット受け取り&指定席発券を済ませておいてあります。
一本目の列車は特急「にちりんシーガイア7号」。博多から大分・宮崎方面は原則、大分までの特急「ソニック」と大分から先の特急「にちりん」に分かれていますが、数本だけ宮崎方面へ直通する列車も設定されています。その数少ない列車の一つがコレだったります。車両は783系、国鉄からJRになって初めて登場した特急型電車なんですが、登場当時はその従前の国鉄型車両のイメージを覆す斬新さで大いに注目を集めたものでした。また、車両の中央に乗降用ドアを設置して客室を2つに分割したのも大きな特徴です。これは特急列車の短編成化が進んでいた状況を踏まえ、「禁煙車と喫煙車」「指定席と自由席」を1両単位ではなく柔軟に設定できるように考えたもの。ただ、鉄道車両ってのは中央の方が乗り心地がよかったりするのも一因なのか、このコンセプトはその後の車両ではあまり採用されていません。
この「にちりんシーガイア」では敢えて自由席を選んでいます。この783系、先頭車は展望車のような構造になっているのですが、博多発の先頭側のこの客室は「自由席」の扱いなんですよ。さすがに最前列は既に先客がいましたが、2列目に陣取って前面展望を楽しみます。
列車は小倉で進行方向を変え、今までの先頭車が最後尾になります。最前列を陣取っていたお客さんは小倉で降りてしまったので、そちらへ移動。座席の向きはそのままにして、今度は後ろに流れ去る景色を眺めながら日豊本線を南下していくことにしました。大分を過ぎると単線区間が増え、保線状況も明らかにレベルが下がる感じ。
その昔に使われていたリニア実験線、まだあるんですね。ソーラーパネルとか着いてるみたいです。
博多から約5時間半という長旅で宮崎に到着です。ちなみに、この「にちりんシーガイア」って日本の昼行特急列車では最長距離を走る列車なんですよね。
宮崎では日南線の列車に乗り換え。
油津行きの各停はキハ40の単行です。
乗り換え時間で買った駅弁でお昼ご飯にします。宮崎駅の駅弁は「椎茸めし」が看板ですが、残念ながら今日は売り切れ。「少しだけど同じ椎茸入ってるよ」だそうなので、この「宮崎の彩り」弁当を購入。
中身はこんな感じですが、コレ当たりだ! 「椎茸めし」に加えて地鶏炭火焼きなど宮崎名物を中心としたおかずがたくさん入ってるじゃないですか。食後のデザートとしてマンゴー羊羹が入ってるのもポイント高いぞ。
この列車の終点である南郷まで乗っていくつもりでしたが、天気もよさそうなので観光でも、と飫肥で下車してみました。「九州の小京都」とも呼ばれ、城下町に古い街並みが残る、ちょっとした観光地です。
駅から中心部まではちょっと距離があるので、駅前のレンタサイクルを使いました。電動自転車を借りて500円。
飫肥城歴史資料館はこの地域を治めた伊東家や飫肥藩ゆかりの品が展示されています。規模は小さいですが内容は充実していました。ただし館内の展示品は撮影禁止です。
続いて飫肥城にあった御殿を再現した「松尾の丸」へ。
ここでユニークなのはこの「蒸し風呂」かもしれません。これは西本願寺にある蒸し風呂を参考にして再現したものらしいのですが、西本願寺のものは一般公開は殆どされていないそうなので、気軽に見れるのはココくらい、らしいです。
…と、ここまでは順調かと思ったのですが急に辺りが暗くなり雷鳴が。そのうち、猛烈な土砂降りになってしまいました。とりあえずびしょ濡れになりながら観光案内所へ逃げ込むことに。一応は傘は持ってきてますが、これを差しながら自転車で駅まで帰るのはムリそうです。幸いなことにレンタサイクルは飫肥城跡でも返却可能なので、ここでお別れ。観光案内所でタクシーを呼んでもらって駅に戻りました。
なんとか飫肥駅までたどり着きました。
ここからは観光列車、特急「海幸山幸」で宮崎へ引き返し。この「海幸山幸」、2009年に運転を開始してますが、自分としては初乗車となります。1日一往復で運転日も限られてるし、なかなかスケジュールが合わなくて機会に恵まれなかったんですよね…。とりあえず、これでJR九州でレギュラーな列車として走ってる観光列車は一通り乗った形になります。
使用されている車両は、もともと廃止になった第三セクター「高千穂鉄道」で使われていたもの。JR九州といえばお馴染み水戸岡鋭治先生デザインで改装されましたが、外装が飫肥杉で覆われているのが目を引きます。
車内に木材が多用されているのは水戸岡先生お得意のデザイン、といったところですね。
もともと3セク用の小型車両ということもあるのか、座席は横3列のゆったり配置です。
車内販売から日向夏シャーベットを購入。
車窓から見える景勝地「鬼の洗濯板」あたりでは減速してくれたりするのが「観光列車」ならでは。
飫肥からはわずか1時間ほどの乗車で宮崎に到着です。
引き続いて鹿児島方面へ、特急「きりしま」に乗車します。
車両は787系。1992年に博多~西鹿児島間を結ぶ特急「つばめ」のために登場しました。登場当時はとにかく「カッコいい」デザインなのに加えビュッフェ車が用意されるなど、JRグループのトップトレイン、と呼んでも差し支えないくらいだったんですよね。新幹線もできた今となっては、末端の特急で細々と使われている感じがちょっと悲しいような…。
旅客機のようなフタ付きの荷物棚って、登場当時は鉄道車両でも時々あったなぁ。全般的にクールな印象は健在といった感じ。
鹿児島中央駅まではおよそ2時間。
ここで九州新幹線に乗り換えです。
こちら本日最後の列車、九州新幹線「みずほ」です。これ、鹿児島中央から新大阪までの最終列車になるのですが、夜8時近くまで鹿児島にいてもその日のうちに大阪まで帰れるのってスゴいな。
「みずほ」では指定席をとりました。九州新幹線直通のN700系は指定席だと横4列シートなんですよね。
鹿児島中央からはノンストップで40分ほど、熊本に到着しました。
今日は熊本で宿泊です。熊本駅も高架になって随分変わりました。周囲も大きなビルが建設中。
本日のお宿は「ザ・ニューホテル熊本」、熊本駅のすぐそばのロケーションです。駅を出ると建物が見えるのですが、見える方向に駅に沿って歩いて行ったら大失敗。ビル工事のために歩道がクローズされていて通れないじゃないですか! 正解は駅を背にして市電の乗り場の方まで進み、そこから電車通り沿いに左へ向かう、でした。
この「ザ・ニューホテル熊本」、今回は「GoToキャンペーン」など駆使して2000円程度で泊まりましたが、本来はそんなにお安いホテルではなさそうで、ロビーもオシャレ。そもそも、少し前までは「ニューオータニ」だったらしいし…。
部屋は「ちょっと前のシティホテル」といった感じかな。ベッドも寝心地よく快適でしたが、ベッドサイドにコンセントなどが少ないのはスマホとかが一般的になる前の設計、ってところでしょうか。
熊本は繁華街は駅から離れたところにあってなかなか賑わっているのですが、熊本駅の廻りってのがマジ何もないんですね…。コンビニですら駅構内に1軒あるくらい。夕食が取れそうなところも少なかったのですが、わざわざ中心地まで出るのも面倒だし…と比較的近かったコチラ「黒龍紅」に。
メニューは豊富で、殆ど「居酒屋」って感じです。まずは「お勧め」という餃子にビールを戴きます。
で、ラーメン屋さんなのでラーメンも。