へんな旅ばかりしています。

へんな旅をしているようなので、自分のための防備録的にやってみます。

うどん目当てじゃない香川ドライブ紀行、その3:淡路島で「幻の丹下建築」に出会う。

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香川じゃないところにも寄って帰ります。

 

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「ザ・チェルシー・ブレス」を出て向かったのは「大川オアシス」。高松道の津田東IC近くにあるドライブイン的なところなんですが、ここ最近「インスタ映えスポット」として人気なんだとか。

 

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店内に入ると2階への螺旋階段が。ここ、昭和レトロな雰囲気が映える、ってことでウケてるようですが、確かにそんな感じ。

 

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まだお昼前なのに店内はほぼ満席。地元の方がフツーにお昼ご飯を食べに来ているようです。幸いなことに海に面した「映え」エリアに空きテーブルがあり、そちらへ通して貰うことができました。実はここ、このエリアのほかにも普通の食堂然としたエリアもあります。

 

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カウンター席もありますが、実際には使われていないようです。それにしても確かにコレはエモいね。

 

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これも昭和レトロで映えると評判のクリームソーダを注文。これを窓側のテーブルでオーダーして写真を撮るのがいいらしいですよ。

 

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今日はもともと大塚国際美術館へ行こうと思ってました。しかしながらお天気もいいし、あの広大な美術館をじっくり観るにはちょっと時間が足りなさそうな雰囲気。そこで、予定を変更して「鳴門のうずしお」観光をすることに。

 

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徳島側から出るクルーズは以前乗ったことがあったので、今回は淡路島側の福良から出る遊覧船を選択。ギリギリで午後1時発の便に飛び乗りました。新型コロナ対策で船の定員を減らして運行しているせいもあるんでしょうが、実はこの後の便は暫く満席表示だったのでラッキー。

 

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淡路島から出る「うずしおクルーズ」はレトロな帆船風の遊覧船です。

 

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午後1時の定刻に出港。

 

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スタッフさんが大きな看板でお見送りです。

 

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20分ほどで渦潮の発生する鳴門海峡まで到達です。

 

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今日はちょうど午後2時過ぎが渦潮の見頃だそうで、実はそれよりもちょっと早く来ていることになります。それでも鳴門海峡大橋の下の海面は大きく波が立っている様子が解ります。鳴門で渦潮が発生するのは、この鳴門海峡が幅が狭いのに水深が深く、海峡の中央部に速い潮の流れができるため。その周囲の遅い流れとの境界線で「渦」ができるんだとか。

 

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このときも大きな渦はそれほどありませんでしたが、しっかりそれと解る渦潮がいくつも海面に発生しているのを鑑賞できました。

 

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そしてもう一つ、鳴門海峡を挟んで播磨灘側の満潮と紀伊水道側の干潮が同時に発生するタイミングがあること。その高低差は1.5mにも及ぶようで、当然ながら満潮側から干潮側に大量の海水が流れ込んでくることになり、これも渦潮を生み出す要因になっています。橋桁の下辺りの海面を見ると、確かに海面に「段」ができているのがはっきりと解るほどです。

 

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明らかに「普通」じゃない荒れ方の海は、なかなかダイナミックな景観でした。

 

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1時間ほどのクルーズの後、やってきたのが本日のメインの目的地「若人の広場公園」です。福良から山道を登ること凡そ15分のところにあります。この建築の存在を知ったきっかけは、今年の8月に丹下健三の特別展です。

 

slips.hatenablog.com

 

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日本を代表する建築家である丹下健三の作品として1967年に竣工しながら、長いこと「丹下作品」として紹介されてくることのなかった、いわば「幻の丹下建築」ともいえる存在です。第2次世界大戦で学徒動員の中で命を落とした学生を慰霊する施設として様々な展示物もあったそうですが、運営していた財団の資金不足に加え阪神淡路大震災で被害を受けたために閉鎖。その後は心霊スポットや廃墟として有名だったようです。しかしながら、さすがにそれでは勿体ないと思われたのか、南あわじ市が取得して再整備し、2015年から一般公開されています。

 

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まずは管理棟の展示エリアへ入ってみます。

 

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この建築が丹下健三設計であることを掃海するパネルがありました。

 

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ここにあった展示物などは立命館大学国際平和ミュージアムへ寄贈されました。再オープン当初は何もなかったようですが、今ではその展示物の一部はここに置かれています。石垣の壁と天井近くの明かり窓は「防空壕をモチーフにしたデザインでは」という解釈もあるようです。

 

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管理棟からは通路が延び、その先に記念塔が建っています。学生への慰霊碑としてペン先を模したものとされています。

 

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紀伊水道鳴門海峡を見渡せる高台に記念塔がそびえています。これは海側からも記念塔の先を望むことができます。

 

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すぐそばには慰霊の言葉を記した銘板も。

 

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記念塔のふもとには「永遠のともしび」の火が揺れています。「永遠」とかいいながら途中途切れちゃったんだよね…。

 

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管理棟の屋上は展望台になっており、周囲の景色が素晴らしいです。山の頂に溶け込みながら存在感のある佇まいと複雑な造形は、丹下建築の傑作の一つ、といえるかもしれません。

 

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あとは帰るだけですが、そのまえに「道の駅うずしお」へ立ち寄ります。

 

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もう夕方ですが遅いランチを戴こうと、ここに店を構える「淡路島オニオンキッチン」に来てみました。このお店で出している「あわじ島オニオンバーガー」は2013年のご当地バーガーグランプリで1位を獲得したんだそうで。

 

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ポテトとドリンクのセットで戴いてみました。このバーガー、主役は「たまねぎ」。挟まれているフライはメンチカツとかではなく玉ねぎのフライだし、これに生のオニオンスライスやオニオンチップ、オニオンソテーまで入ってます。「ビーフ」は甘辛く煮込んだ薄切りが「脇役」として存在。トマトソースにも玉ねぎ、というから徹底してます。玉ねぎのいろんな食感が楽しめるので、確かに試す価値あり、でした。

 

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ここからは鳴門海峡も一望できます。さっき遊覧船に乗ったときには波立っていた海峡も、今では静かな海面を見せています。なるほど、やっぱり渦潮ってのはタイミングがいいときにしか見れないのね。

 

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淡路島南ICで神戸淡路鳴門道へ入り、一路名古屋を目指しました。途中、淡路SAに立ち寄ります。

 

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明石海峡大橋を眺める展望台でちょっと一休み。

 

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長いコロナ禍で「移動の自粛」が呼びかけられていたうちに、大事なことを忘れていたのかもしれません。そう、「週末の行楽地への高速道路は渋滞するよ」ってことを。

このときはもともと中国道は池田ICから吹田JCTまで工事のため通行止めで、ここを抜けるルートは使えないし、そもそも池田ICまで大渋滞になってます。往路と同じく新東名ルートで高槻JCTまで向かうことを考えていたのですが、こちらも事故渋滞が発生してしまいました。阪神高速3号線も当然のように西宮あたりまで長い渋滞が続いています。結局、明石海峡大橋を渡った垂水JCTから阪神高速に入り、渋滞が起きたところから流出して一般道へ迂回、三ノ宮あたりからハーバーウェイ経由で阪神高速の5号湾岸線を使って西名阪へ抜け、名阪国道経由で名古屋まで…というルートを選択。3号神戸線の渋滞を抜けるために湊川ランプで一般道へ降りたら、下道はガラガラじゃないですか…。未だに通行料金が現金払いオンリーのハーバーウェイにも驚かされましたが、まぁまぁスムースに行けたんじゃないかと思います。

 

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こんなルートになったので、天理IC近くの「天理スタミナラーメン」で夕食にしました。

 

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なんか久々に食べた気がするな、このスタミナラーメン。