なぜココが日本を代表する観光地なのか。改めて実感しました。
特急「ひだ」で高山に到着して最初に向かったのは駅隣接の「高山濃飛バスセンター」です。
ツアーパッケージは日本旅行のウェブサイトで購入したのですが、商品はJR東海ツアーズの「ずらし旅」。で、「ずらし旅選べる体験クーポン」というのがついてきて、いくつかのメニューから特典を選ぶことができます。その中から「飛騨高山七物語すぺしゃる食ぅぽんmini」というのを使ってみようと、その引換にバスセンターに来た由。普通に購入すると2000円するみたいです、コレ。
とりあえず駅から中心街へ向かって歩き出します。電柱の広告が明らかに日本人向けじゃない感じだったりするの、外国人に人気の観光地らしい感じです。
最初に向かったのは宮川朝市。どのお店もだいたいお昼頃までの営業ですが、まだ賑わってました。観光客もずいぶん戻ってきている感じです。
続いて高山観光のハイライトの一つ、「古い街並み」のさんまち通りへ。なんか凄い人出じゃん!
先ほど引き替えた「食ぅぽん」を早速使ってみます。通りの中程になるお土産物屋「じゅげむ」へ。
握りなど3つの飛騨牛グルメから一つ選べるのですが、こちらの「飛騨牛串焼霜降り」にしました。通常価格は500円するやつです。旨いぞ。
お昼ご飯はラーメン。高山ラーメンで…と思ったのですが、有名店はどこも結構な混雑でした。そんな中で見つけたのが「飛騨牛骨高山ラーメン 祭」。飛騨牛の牛骨を使ったスープ、面白そうじゃないですか。
高山ラーメンといえば醤油ですが、これは全然違うよね…。白濁したスープは一見「濃そう」ですが、割とあっさり目。これはこれで全然アリです。
食後の一服は「喫茶去 かつて」で。これも「食ぅぽん」のメニューの一つ。4つの喫茶店の中から選べるようになってました。
落ち着いた雰囲気の店内でわらび餅とお茶を頂きました。これも550円のものなんですけどね。
引き続きさんまち通りをぶらぶら。「老田酒造店」へお邪魔します。
「鬼ころし」で有名な酒蔵さんですが、「しょうゆソフト」が人気だったります。こちらも「食ぅぽん」でゲットです。
「食ぅぽん」にはお酒を楽しめるクーポンもついてます。いくつかある選択肢の中で舩坂酒造店へと入ってみました。
こちらにはコイン式でいろんな日本酒が試飲できるコーナーがあって、クーポンでコイン2枚をもらうことができます。試飲用のお猪口は別購入ですが100円なので、言いお土産になる感じ。おそらくタイから来たと思しき観光客の皆さんが群がってました。
こちらの酒蔵のお酒だけですが種類は豊富。アンケートに回答するとコインが1枚貰えます。それに追加で何枚かコインを購入して堪能しちゃいました。
そのまま高山陣屋のあたりまでお散歩。高山陣屋前でも朝市を開催しており、ちょうど終了のお片付け中でした。
ここから市内を巡回する「まちなみバス」に乗車。「食ぅぽん」にはこのバスの乗車券も5回分含まれているんですよね。
降りる予定だったバス停を過ぎてしまい、町外れの方まで来てしまったのですが、これが結果的に正解でした。
実は高山市の「伝統的建造物群保存地区」ってこのあたりまで広がってたんです。この二之町大新町地区、さんまち地区ほど知られていないのですが、そのかわり静かな雰囲気が楽しめるエリアでした。
この通りに建つ「宮地家住宅」が無料で公開されています。明治初期に建てられた町家を高山市が取得したもの。
高山では典型的な町家建築だそうです。越中街道沿いの商家ということもあってか、立派なつくり。
街並みをぶらぶら歩いて桜山八幡宮まで来てみました。
この境内に「高山祭屋台会館」があります。高山祭といえば毎年春と秋の2回行われますが、実はそれぞれ別のお祭り。春の方は日枝神社の例祭で、秋はこの桜山八幡宮の例祭で、お祭りが行われる地区も違っていたりします。ここでは秋の高山祭で登場する屋台の一部を展示しています。
高山祭の屋台は各地区の屋台蔵に保管されているので、お祭り期間以外で見られるのは実はレアだったりして。
秋の高山祭では11台の屋台が登場しますが、そのうち3台が交代で展示されているんだとか。重すぎて今では祭に登場しなくなった神輿とかも展示されています。
屋台会館の入場券で、同じく境内にある桜山日光館も見学することができます。
何やねんそれ、という感じですが、日光東照宮の10分1スケールの成功な模型が展示されていたのでした。なぜ高山で日光?なわけですが、ここ飛騨の技術者なども含め33名が15年の歳月を掛けて大正時代に作られたもの、という繋がりから。様々な展覧会などに出展され、戦後は長いことアメリカで展示されていたそうです。日本に戻された後、ここで展示されているのですが、コレが確かにお見事のヒトコトって感じでして。
境内を出たところにからくり人形のシアターがあったのですが「貸物件」の看板が出ています。ここまで、それほど新型コロナの影響を感じることはなかったのですが、観光都市である高山で無傷だったわけもなく…ってとこなんだろうなぁ。
続いて「飛騨高山まちの博物館」へ。無料ながらまちの歴史などの展示が充実しているだけでなく、中庭などのんびりするのにもいい感じの場所です。
いったんホテルへのチェックインを済ませ、「匠バス」に乗車。
中心地からちょっと離れたところにある「飛騨の里」が目的。入場料700円が「食ぅぽん」で無料で入れます。
ここ「飛騨の里」には飛騨地域にあった歴史的建造物が移築・保存されています。観光客向けの施設でしょ?と思ったらこれが大間違い。真面目な「博物館」だったんですね…。この「飛騨の里」の始まりはなんと1950年代にまで遡ります。当時、近代化やダム建設で昔ながらの価値ある建造物がどんどん消えて行き、残されたものも県外に移築されていく姿を憂い、同じ飛騨地域に移築して遺そう、ということで始まった施設なんだそうです。また、ただ「保存」するだけではなく「使う」ことにも拘り、囲炉裏に定期的に火をくべたりもしているとか。文化や生活の保存も使命としているようです。
園内に入るとそこは「里山」。ちょうどこのあたりは紅葉が見頃を迎えており、余計に美しい日本の絵原風景みたいになってました。
合掌造りの建物も。白川郷が有名ですが、飛騨地区では割とよくみられる様式だっやようですね。
この時期は夜になると紅葉ライトアップが行われるのですが、残念ながらライトアップの時間帯まで公共交通の便がありません。高山駅周辺までは無理すれば歩けない距離でもないのですが、今回はお預け、ということに。
夕食は飛騨牛!といくつかあたってみましたが、最終的には「梗絲」へ。「全国旅行支援」では1000円分の地域クーポンが貰えるのですが、それが使えるお店、というのもありまして。
お値段もお手頃な感じです。
飛騨牛のハンバーグをチョイスしましたが、これが旨いのよ。お上品なアブラの味は高級牛ならでは、といったところでしょうね。
こうして一日高山観光をしてみますと、ココが「トップクラスの観光地」なのも納得、というのが実感です。程々の広さのエリアに美しく保全された街並み、観光客も楽しめるお店も数多く、とにかく町歩きが楽しいところです。正直、このくらいの「古い街並み」のある町なら日本でほかにもあると思うけど、早くからその価値に気づいて磨き上げてきたところが「高山」の凄さなんじゃないでしょうか。まだ日本がバブルに沸き始め、日本発のブランド品買い漁りみたいな海外旅行が流行ってた時期の1986年にいち早く「国際観光都市宣言」をぶち上げた先見の明はお見事、でしょう。今回感じた「巡りやすさ」「観光のしやすさ」は、その蓄積なんだろうなぁ。