プラハ3日目。建築などを中心に巡りました。
プラハのトラムの路線図、なんか妙なカーブがあります。
これ、高低差を稼ぐためのヘアピンカーブでした。こんなところを路面電車がグイグイ登っていくの、なんか凄い。あとプラハのトラムって進行方向にしか運転台がなく、最後尾はこんな展望席みたいな感じになっています。路線の折り返し地点ってどうなってんの?
そんなわけで今日最初にやってきたのはストラホフ修道院。昨日来たプラハ城からも遠くないところにあります。
ここは「世界一美しい図書館」として有名。2つの図書室がありますが、こちらは「哲学の間」です。
そしてもう一つがこの「神学の間」。それぞれ雰囲気が大きく違うのが面白いところです。図書室内には入れず入口から眺めるだけですが、それでもこの何とも言えない姿は充分堪能できます。
2つの部屋を繋ぐ通路には蔵書の一部や地球儀、動物の剥製など様々なコレクションが並べられていました。
15世紀末のプラハの街の風景を描いた書籍も。
プラハは「建築の街」とも言われ、様々な時代の建築が揃っているんだそうな。歴史的な街並みが残るこの街にも近代建築はちゃんと存在するわけですが,その象徴みたいな存在が「ダンシングハウス」。名前の通り、まるで踊ってるみたいな外観が目を惹きます。
1996年に竣工したこのビルの建築家はフランク・ゲーリー、有名なところだとビルバオのグッゲンハイム美術館も手がけた人です。永らく空き地だった共産主義から自由になったチェコに相応しい建物を、と造られたそうですが、まぁ周囲がこんな感じなので当初は反発もあったそうです。今ではすっかり観光名所、オフィスとして使われていたビルも現在はホテルやレストラン、カフェになっています。屋上のテラスはカフェを利用すると入ることができますが、まぁこのビルの上からの眺めとかは別にいいかなぁ、とパスしちゃいました。
続いてプラハ本駅。
何の変哲もない普通の駅っぽいのですが…。
このエスカレーターを上がっていくと…。
荘厳な半円ドームの下に出てきます。
先ほどのコンコースの上に、1909年に建てられたアールヌーヴォー調の美しい駅舎が残されているんです。先ほどのドームはこの中央玄関を入ったところにあたります。
コンコースにレゴで作った駅の模型がありますが、これを見ると駅周辺の構造がよくわかります。旧駅舎の前には立派な高架道路が作られており、その下に駅コンコースが作られているんですね。せっかく美しい駅舎があるのに、なんか勿体ない構造な気が。
旧市街エリアまで戻って昼飯の場所を探していたら、何故か「ポパイズ」に大行列が。確かアメリカ本拠のプライドチキンのファストフードチェーンで日本には未進出。プラハの皆さん、そんなにお好きなの? あまりお店が広くないので、入場制限をかけてるだけかもしれませんが…。
で、結局その隣のKFCへ。メニューを見てたら当然のように「ライスメニュー」なんてのがあったのに無茶苦茶興味を惹かれた由。テリヤキソース味とチリソース味、それにロコモコ風なんてものまで存在します。確かにアジアでもKFCにお米のメニューってよく見かけますよね…。お米の国である日本でお米のメニューがない、ってほうが実はヘンなのかも?
出てきたモノはこんな感じ。ミックスベジダブルの入ったピラフ風のご飯の上に小粒のフライドチキンが載り、テリヤキソースがかかっています。アメリカで中華料理をテイクアウトしたときに出てくるような容器なのもなんかヨシ。お味の方は至ってフツーですが。
午後からはプラハ国立博物館を訪問しました。19世紀末にネオルネッサンス様式で建てられた本館が一見の価値あり、なんだそうで。
チェコの威信をかけて造られたという建物は荘厳そのもの。中央の階段室の壮大さは確かに圧倒される凄さです。
エントランスホールも宮殿か!という佇まい。
展示の方も興味深いものが多数。こちらは最近オープンした20世紀のチェコの歴史の展示エリアで、入口のモニターではここ100年のヨーロッパの国境の移り変わりを紹介するビデオが流れていました。チェコはなかなか複雑な歴史を持っており、第1次大戦後にチェコスロバキアとして独立国になったのに第2次大戦前にはナチスドイツによって解体され、戦後はチェコスロバキアとして復活しましたが1993年にチェコとスロバキアが分離し、今に至っています。
こちらでは第1次大戦から現在に至るまでの歴史を扱っています。
第2次大戦後はソ連の衛星国としてチェコスロバキアは共産主義国でした。その時代の展示も充実しており、その時代のレジャーに関するものも。同じ共産圏であるキューバとか人気だったようです。
今のチェコ航空が「チェコスロバキア国営航空」だった頃のフライトバッグとかも展示されていました。
ここでちょっとカフェで一休み。
歴史としては1950年代に特化した展示もあります。
1950年代はチェコスロバキアが共産主義国家としての地位を確立していく激動の時代だったようです。
なお,当然ですがその前の歴史についてもしっかりとした展示があります。
そのほか、自然科学系の展示もかなり充実しており、そっち方面がお好きな方もお勧めかも。
博物館をゆっくり見ていたらすっかり夜。晩ご飯は再度、ストラホフ修道院へと向かいます。
修道院で夕食?って感じですが、このストラホフ修道院はビールの醸造でも有名で、ビアホールやレストランもあるんですよ。水を煮沸して造りアルコールも入っているビールは「水よりも安全な水分補給手段」とされ、修道院でも盛んに造られていたそう。修道院は勉学の場でもあるため、ビール造りも様々に研究されたことから「修道院のビールは旨い」という評価がされてきたんだとか。ここで「水分補給とかいうけど単に呑みたかっただけずあね?」というツッコミはしちゃダメなんだよね多分。
今回はビアホール側へ。
まずはこちらの定番というアンバーラガーから頂きました。ちょっとどっしりした風味。
食事はタルタルステーキにしました。ガチで生の牛肉だぁ! パンが一緒に出てきますが、これがなんと揚げてあるんで結構ボリューミー。このパンに添えてある生ニンニクをこすりつけて風味を写し、そのパンにタルタルステーキを乗せて食べるのがお作法だそうです。これ一品で充分お腹いっぱいでした。
ビールはもう一杯、IPAをオーダー。アンバーラガーよりこちらの方がアルコール度は少し高いのですが、爽やかさが感じられるのでグイグイいけちゃう。
帰りは坂道を歩いて下ってみました。高台にあるので夜景が綺麗。
まだ時間もちょっと早いし、とプラハでも有名なカフェの一つ「カフェオリエンタル」へ行ってみたのですが、この時間はディナーの客のみ、と入店できず。
そこでこちら、「黒い聖母の家」に来てみました。このビルはチェコ独特の建築様式「キュビズム建築」の代表的なものとされているところです。「キュビズム」はあのピカソを中心に起きた前衛芸術運動ですが、それチェコでは建築にまで及びました。斜線などカクカクした面を取り入れることで無機質でない建築を目指したとか、そんな感じらしいです。
この2階にビル建築当時の面影を残したカフェ「グランドオリエント」があります。
閉店まであと30分といったタイミングでしたが、こちらは快く受け入れてくれました。幾何学模様のインテリアが印象的です。
ケーキとコーヒーを頂いて暫しのんびりさせていただきました。ちなみにこのカフェ、支払いは現金のみ。プラハに着いてから今まで、実は全てクレジットカード払い、しかもタッチ決済で処理できたのでいきなり「現金のみ」のお店が出てきたのには少しビックリしました。このほかでプラハで現金が必要だったのはトイレだけ。公衆トイレや一部店舗のトイレは有料のところが結構多く、そこでは現金のコイン払いだったのよね…。