タリアセンからはウィスコンシン州の州都マディソンへ向かいます。ウィスコンシン州はライトの建築を巡る旅を「フランクロイドライトトレイル」と名付けて観光コンテンツ化しています。SCジョンソン事務所棟と研究棟にウィングスプレッド、ミルウォーキーのライトが提唱した住宅様式の集まるバーナム地区、マディソンのモノナテラスとユニタリアン教会、タリアセンとワイオミングバレースクール、ウィスコンシン州西部のリッチランドセンターにあるADジャーマン倉庫の9件で、これを全部巡ってスタンプを集めるとオリジナルマグカップが貰える企画も実施中です。
さて、マディソン郊外には世界遺産に登録されたもう一つの建築があります。それがこの「ジェイコブス邸」です。
これは、ライトが提唱した住宅様式「ユーソニアンハウス」の第1号とされています。「ユーソニア」とは「アメリカ合衆国」のこと。つまり「アメリカ式の家」というような意味合いになります。マディソン在住の若いジャーナリストの新居として依頼されたこの住宅は、ライトが「中産階級にも低コストで質のよい住宅を」と考えシンプルな構造やプレハブ住宅的な手法を採用などが採用されています。新しい住宅のあり方を提案した建築という点が評価され、世界遺産登録となったようです。
ここは個人所有で現役の住宅として使われているので、外観を眺めるのみ。時折オーナーさんのご厚意で見学会などが行われることもあるようですが…。なお、建築当時も珍しがられて見学者が絶えず、ジェイコブスさんは有料で見学者を受け入れ、その収入でライトへの設計費を払っておつりが来たそうな。それにしても、普段住んでる家が「おめでとう!世界遺産になったよ!」ってどんな気持ちなんだろうね。
今夜はマディソンで1泊ですが、Airbnbで見つけたところで民泊。この日、何故かマディソン周辺のホテルが全然空いておらず、空いていても宿泊費がかなり高騰していたんです。ここはマディソン中心部から歩いて10分ほどとロケーションは比較的良好で、費用も9000円ほど、駐車場もあるのでレンタカーも駐める場所に悩まなくてすみます。部屋は大変綺麗、オーナーさんも凄く親切で良い方でした。
周囲は閑静な住宅街といった雰囲気で、目の前には公園があり、ちょっと歩くとモノナ湖畔に出れちゃう。
マディソンの中心に建つウィスコンシン州会議事堂。マディソンで一番高い建物で、ワシントンの国会議事堂より僅かに低いくらいの高さだそうです。周囲は建築物の高さ制限があるようで、どこからでも見えるほど目立っています。
州都とはいっても小さな街ですが、議事堂周辺は繁華街になっています。
夜になると議事堂がライトアップされて綺麗です。
今日はビール飲みたい気分。同じウィスコンシン州の都市ミルウォーキーはバドワイザーやミラーなどの本拠地で、その昔「ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー」というCMがあったほどです(コレ1958年の話だって!昔すぎるよ)。ウィスコンシン州全体としてもビール造りは盛んだそうなので、そんなトコに来てビール飲まないなんてあり得ないよね。議事堂そばにあったこの店「THE OLD FASHONED」が界隈では格段に賑わっていたのでコチラに決定。テーブルは空きがなく30分以上待つけどバーエリアならすぐ入れるよ、とのことですが、どうせ飲みたいしそれでいいや。
赤い提灯が謎ですが…。30種以上の州内のブルワリーの生ビールが用意されていて、1パイント5ドル程度とお値段もお手頃です。
1杯目はマディソンのブルワリー「Ale Asylum」のペールエール「Hopalicious」にしてみました。あ、単にメニューリストを上から手繰って最初に出てきた「マディソン産」のビールを選んだだけなんですけどね。
おつまみはコレもウィスコンシン名物らしい「フライドチーズカード」です。「チーズカード」とは、要はチーズが完成品になる一歩手前の段階のもので、フレッシュチーズの一種。ウィスコンシンは酪農でも有名なところで、チーズなど乳製品が名産なんだそうですが…ビールと乳製品が名物って北海道かよ(^^;)。ちなみにコレ、凄く旨くてビールにぴったり。まぁできたてチーズを揚げました、って不味くなる要素ゼロだけどさ。
テーブルにはこんなポップが出てました。この「New Glarus Brewing」、マディソンの南にある「New Glarus」という街のブルワリーのようです。1パイント3ドルってお得じゃん、と2杯目はコレでいきました。
いい気持ちで歩いて宿まで帰ります。途中のピザ屋でアイス売ってました。
乳製品が名物なウィスコンシン、アイスも旨い筈。ここで扱ってる「Chocolate Shoppe Ice Cream」っての、マディソンでも評判のいいアイス屋さんらしいので、デザートとして戴きます。