東京で一泊。東京駅へやって来ました。11時発の特急「スーパービュー踊り子5号」に乗車、伊豆急下田まで向かいます。
10分ほど前に列車が入線してきました。この「スーパービュー踊り子」をメインに投入される251系です。
インパクトのあるデザインの車両なので最近登場したように思ってしまいますが、デビューは1990年ともう30年も経過してたんですね。今年の春から伊豆方面への新しい観光特急「サフィール踊り子」が運転を開始する予定で、新型のE261系が製造されました。その新型車と入れ替わる形で「スーパービュー踊り子」の運転終了と251系の廃車が発表されたのです。251系には何回か乗ったことはあるのですが、どれも普通車のみ。この車両はグリーン車の評判がよく、引退前に乗って思うと思った次第。ラッキーなことに展望室の2列目の席も取れたしね。
グリーン車は1号車・2号車で、乗車口は2号車のみ使われます。この乗車位置案内板もあと2ヶ月ちょっとでお役御免。
これが251系、スーパービュー踊り子のグリーン車のシートです。実はデビュー時はもうちょっとショボく、展望室内に3列並んでいた上にリクライニングも不可だったそうですが、その後リニューアルで2列になったため、足下はかなり広々。座り心地も深く倒れるリクライニングシートで、かなり良好です。
シートが立派なぶん、2列目からの前面展望がどんなものか若干不安だったのですが、ご覧の通りココからでも充分にパノラマが楽しめる感じです。運転室と客室を仕切るガラス壁の下の方が磨りガラスになっているので、逆に2列目の高さの方が眺めがいいかもしれません。
定刻11時に東京駅を発車、東海道線を熱海目指して快走していきます。普段、この路線を前面展望で突き進むってのはまず無いので、かなり新鮮な感じです。
横浜を発車後、アテンダントがドリンクサービスに廻ってきました。コーヒーやオレンジジュースなどのソフトドリンクの無料サービスがあるんですよ。おしぼりも包装には「スーパービュー踊り子」のマークが入る専用のもの。
ちょっと車内を検分。グリーン車は2階建て構造ですが、1号車の1階席はグリーン車旅客専用のラウンジスペースになっています。
一角にはカウンターが設置されて売店となっています。その昔はここで、ちゃんとした陶器に盛り付けられたカレーなどの軽食や、トッピングで飾られたアイスクリーム、グラスで供されるアルコールなども販売されていたんだとか。
ラウンジにはテレビもあるけど…ブラウン管かな?「調整中」のシールが貼られて使われていません。
グリーン車の2階席部分。シートが大柄なことも相まって天井が凄く低く感じますが、これはこれでプライベート感があって悪くないかも。
2号車には大きなカウンターが設置されています。おそらく昔は売店だったんでしょうね。
2号車の1階部分はグリーン車の個室が設置されています。
小田原を過ぎると、列車の左側には海が見えてきます。なかなかの絶景じゃないですか。
熱海を出ると伊東線、そして伊豆急行線へ入線。線路も単線になります。
伊豆高原駅では隣に「ロイヤルエクスプレス」がいました。一度乗ってみたいけど、結構お高いんだよね…。この夏は北海道へ送り込まれ、観光列車として道内を巡る予定です。
片瀬白田駅から伊豆稲取駅までの区間は、伊豆急で最も海の眺めが素晴らしいところ。最前列から見るとやっぱり凄いですね。ただ、伊豆急行は開業が1961年と比較的新しく、山がちな地形に線路を敷いたこともあって、トンネル区間が割と多め。せっかくの前面展望も宝の持ち腐れ感がなくもないです。かえって東京~熱海とかのほうが普段見れない風景なので面白かった面もあるかも。
185系の特急「踊り子」とすれ違い。この185系も古く、なんせ「国鉄」時代の1981年の登場です。こちらもこの春から、暫く前まで中央線の特急「あずさ」などに使われていたE257系への取り替えが始まります。ただ、いきなり全ての「踊り子」がE257系に置き換わるわけではなく、185系も暫く生き残りそうです。
東京駅から約2時間半、終点の伊豆急下田駅に到着しました。
ちょっと隠れ家っぽいこの雰囲気、なかなかいいな。
もう引退なんて勿体ない…という気がしていたのですが、よく見るとかなり老朽化が進んでいるのが解ります。車内もテープなどで補修している部分があったりしたし、外装も塗装が痛んでいるようなところもありました。新しい「サフィール踊り子」も楽しみではありますが、「全部グリーン車」と敷居が高めで、普通車もある「スーパービュー踊り子」みたいな気軽に乗れる観光列車がなくなるのは寂しい気がするなぁ。