JR西日本、乗り放題の企画きっぷを発売することが時折あるんですが、「2名以上で購入可能」という条件がつくことがよくありました。おそらく「乗り放題だ!」と限界まで乗りまくる鉄ヲタ排除の意図があったんじゃないかと思うんですが、コロナ禍移行「1名から利用可」なんてのが出てくるようになりました。2021年に発売された「JR西日本 どこでもきっぷ」もそうでしたね。
で、今度は「西日本グリーンきっぷ」なんてのが発表されました。グリーン車まで乗れて2日間2万円ポッキリ。1名から利用できますが、50歳以上が入会できる「おとなび」会員限定のうえ利用期間は2023年2月8日~3月21日と1ヶ月半ほどという短さ。でもグリーン車に6回までとはいえ乗れてこの値段、どっかで行かないと勿体ないぞ!
JR西日本エリア乗り放題のきっぷですから、当然ながら名古屋からそのエリアまでの移動は別料金。今回乗りたい列車を網羅しようと思うと、新宮からスタートするのが一番効率よさそうだったので、利用前日に特急「南紀」で移動することにしました。名古屋駅、こうしてみると在来線特急が結構いるなぁ。
3月のダイヤ改正で高山本線の特急「ひだ」は新型のHC85系に全列車が置き換えられました。しかしながらこちら特急「南紀」ではキハ85系が6月いっぱいまで頑張る予定です。「南紀」も今や特急ながらグリーン車なしの2両編成が基本になっちゃってますが、この日は増結して3両での運転でした。キハ85系は横3列で前面展望が楽しめる豪華なグリーン車が用意されていましたが、もともとは観光客の多い「南紀」への投入を想定したものだったそうな。
新宮側が貫通路付き先頭車なのに対し、名古屋側の自由席車はパノラマ先頭車が充当されています。
今回は3号車の指定席を取りました。それほど古い感じはしないのですが、登場から既に30年以上経過しているんですよね…。通路よりも座席部分の床が20cm高くなり眺望に配慮しているのが大きな特徴。
貫通路ありの先頭車でも運転席の後ろには大きな窓が設置され、前面展望は充分に楽しめる感じ。HC85系だと、こういうのが全くなくなってしまいました。
途中から運転席後ろの最前列が空いたので、移動させてもらいました。
紀勢線、紀伊半島を一周する路線として海沿いを走ってそうな印象がありますが、億伊勢や熊野のほうは山の中を進む区間のほうが多く、海が見えるのは割と一瞬といった感じです。
海岸線も入り組んでいるので、遠くに見えるだけだったりとか。
熊野市から先は比較的穏やかな海岸線が続くのですが、国道42号が海に近いところのルートなのに対し、こちらはもう少し内陸に線路が敷かれています。そのため、海の近くを走っている感じはそれほどないのよね。
熊野川を鉄橋で渡ると、まもなく新宮です。和歌山県には北山村という奈良県と三重県に挟まれた「飛び地」があるのですが、北山村が和歌山県へ属するのを望んだのは特産の熊野杉が熊野川を下って新宮に収められていたため、新宮と同じ県のほうがいいだろう、という理由だったそうな。
新宮に到着、今日はここで下車。
新宮駅は「みどりの窓口」も閉鎖されてしまいましたが、紀伊半島の拠点駅だった面影を感じさせる規模の駅舎が使われています。
今日の宿泊先は新宮駅から徒歩5分ほどのところにある「サンシャインホテル」です。新宮、意外とこのくらいの規模のビジホが点在していますが、商都としての需要がそこそこあるんでしょうね。
小さなフロントでチェックイン。
3階の部屋にアサインされましたが、こちらはエレベーター等はなく階段だけ。ただし車椅子利用者向けのリフトは用意されていたのでバリアフリー対策はされてますな。
シングルルームはこんな感じ。床面がフローリングってちょっと珍しくない? 建物は古そうでしたけど、室内は清掃がきちんとされていて好印象です。
こちらはバスルーム。狭い方だとは思いますがシャワーがワンハンドルなのは便利。
新宮はなかなか大きな街で、飲食店などもいろいろとある様子。ただ、気になっていたのがこの「ハイマート」だったんです。こちらのスーパーのお総菜やお弁当、コンテストで表彰されるようなモンなんだとか…。駅に近い方に本店があるのですが、そちらは店舗前道路の拡張工事のため3月末まで休業中、ここ「Bハイマート」のみの営業となっています。和歌山県の全国旅行支援クーポンも利用可能ということで来てみましたが、受賞歴のあるような名物お総菜は既に売り切れてしまった様子。
それでも地物のお刺身なんかがあったので、これで晩ご飯にしました。
このあたりまで来たら、さんま寿司もね。
ホテルサンシャインでは無料の朝食サービスがありました。品数は思ったよりも豊富で「無料」といってもオマケのレベルじゃありません。
パンも用意されていましたが、おかずのランナップはご飯よりかな? 美味しく頂きました。